Another(小説・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『Another』とは、綾辻行人による日本のホラー小説、およびそれを原作とした漫画やアニメ作品である。小説は『野性時代』(角川書店)にて2006年より連載を開始した。
物語は1998年に夜見山北中学校3年3組で起こる不気味な出来事を中心に展開する。転校生の榊原恒一は、謎めいたクラスメイトの見崎鳴とともに、クラスにかかる「呪い」の真相を探ることになる。読者の予想を裏切る展開や独特の雰囲気が魅力のミステリー・怪奇作品である。

CV:井上剛
アニメ版「Another」に登場するキャラクターで、出席番号5番の王子誠は、名前にふさわしいハンサムな顔立ちを持ち、3年3組の男子生徒の中でもトップクラスの美少年である。出番や台詞は少ないが、序盤から登場し、転校してきた榊原恒一に父親のことを質問する場面がある。

王子は吹奏楽部に所属しており、クラリネットを担当している。部活仲間で同じパートの猿田昇と親しい仲である。合宿に参加した際、燃えている食堂のドアを開けたことでバックドラフトに巻き込まれ死亡する。他のクラスメイトと違い、杉浦多佳子の館内放送を聞いても見崎鳴を疑わず、命を狙おうともしなかったため、その死は惜しまれた。

アニメの3年3組の生徒は皆美男美女揃いだが、男子の中で公式にイケメン設定があるのは王子誠のみである(ただし原作・漫画版では望月優矢も公式美少年である)。

小椋 由美(おぐら ゆみ)

CV:野水伊織
主人公のクラスメイトであり、原作では兄が亡くなった以外の詳細は一切描かれていない。漫画版では名前すら登場しないが、アニメ版では出席番号6番として描かれている。14歳で小柄、気の強そうな少女であり、演劇部に所属している。赤沢泉美や綾野彩とは親しい友人で、特に綾野とは親友である。中島幸子や有田松子とも仲が良く、杉浦多佳子や中尾順太ら対策係と行動するシーンも多い。見崎鳴や榊原恒一とは対立していたが、9話では恒一に対して挨拶をする場面があり、完全に嫌っているわけではない様子である。

5歳年上の引きこもりの兄、敦志がいるが、9話にて無人で暴走した重機が家に突っ込み、兄は家の中で亡くなる。さらに、親友の綾野が家族とともに転落死し、大切な人を相次いで失うこととなる。

合宿では、杉浦の館内放送を聞いて鳴を死者だと思い込み、兄の仇を討とうと剃刀を持ち出して鳴を殺そうとするが、恒一に反撃される。それでもなお追いかけ、鳴を斬ろうとするが、足を滑らせて転落し、そのまま頭部を強打して死亡する。結果として、親友の綾野と兄の後を追う形となった。

彼女は本作に登場する女子生徒の中で、鳴や赤沢に次ぐ人気キャラであり、インパクトのある最期を迎えるとともに、その死を惜しまれたキャラクターの一人である。

柿沼 小百合(かきぬま さゆり)

CV:南條愛乃
アニメ版にのみ登場するキャラクターで、三つ編みお下げの眼鏡っ娘である。辻井雪人とは読書仲間であり、内向的な性格で、自分から積極的に行動するタイプではない。第7話では、久保寺紹二先生が自殺した際に、他のクラスメイトが教室から一目散に退避する中で困惑し、どうすればいいのかと迷っていた。最終話では、辻井、川堀健蔵、渡辺珊と共に火災から避難中に落下してきたシャンデリアの下敷きになるも、辻井と渡辺と共に生還する。

金木 杏子(かねき きょうこ)

アニメ版『Another』にのみ登場するキャラクターで、出席番号9番。席は榊原恒一の右隣にあり、茶髪で長髪の大人びた外見を持つ。いつも松井亜紀と行動を共にしており、作中では百合要素を担当するキャラクターである。

松井亜紀とは常に一緒におり、教室では前後隣同士、授業中もすぐそばにいる。下校や放課後も共に過ごし、合宿では相部屋、さらにはトイレや火事場からの避難も一緒である。彼女たちはOVAでもモブとして二人で登場するなど、その親密さが際立っている。

合宿場の放火の際、松井と共に避難していたところを風見智彦に背中をナイフで刺されて殺害される。この時、風見の殺意は本来恒一に向けられていたため、彼女は運悪く巻き添えを食らう形となった。その後、松井も逃亡中に恒一に助けを求めるが、背後から刃物で喉を突き刺され無惨な最期を遂げる。

川堀 健蔵(かわほり けんぞう)

CV:峰健一
アニメ版にのみ登場するキャラクターで、サッカー部に所属している。いつも制服の下に赤いシャツを着ている。同じ運動部系の前島学や水野猛、米村茂樹と一緒に行動することが多く、すぐ前の席に座る辻井雪人とも親しい。有田松子に惹かれている可能性があり、川堀が水野たちと会話している時に有田をじっと見つめている場面がある。さらに、合宿の集合写真では有田の隣に座っている。

合宿に参加した際、咲谷記念館が火事になり、辻井、柿沼小百合、渡辺珊と一緒に逃げる途中でシャンデリアの下敷きになってしまう。この時、いち早く脱出を試みるも、出口目前で倒れてきた柱の下敷きになり死亡する。同じくシャンデリアの下敷きになっていた他の3人は脱出が遅れたことが幸いし、救助されて生き残った。

佐藤 和江(さとう かずえ)

CV:嶋村侑
夜見山北中学3年3組のクラスメイトで、出席番号は12番。見崎鳴のすぐ前の席に座っている。アニメ版にのみ登場するキャラクターで、168cmという高身長を持ち、クラスの女子生徒の中で最も背が高い(榊原恒一と同じ身長)である。加えて、巨乳という特徴もある。渡辺珊と仲が良く、9話冒頭では合宿について会話しているシーンが描かれている。初登場時に有田松子や江藤悠らと一緒に行動していたことから、彼女たちとも仲が良いと考えられる。

性格は大人しく、タレ目でいつも眠たそうな印象を与える。久保寺先生が自殺した際には、号泣する江藤悠の後ろでゆっくりと歩きながら避難していた。渡辺とは対照的に合宿には参加しなかったため、後半の見せ場には登場しない。

猿田 昇(さるた のぼる)

CV:室元気
アニメ版「Another」に登場するキャラクターで、出席番号13番。勅使河原直哉と同様にクラスのムードメーカー的存在であり、彼のことを「てっしー」と呼んでいる。吹奏楽部に所属しており、クラリネットを担当している。クラスでは部活仲間である王子誠と親しく、二人とも狙ってつけられたような名前が特徴的である。

猿田は語尾に「ぞな」や「~じゃのぅ」をつける独特の喋り方をすることがあり、おそらく伊予弁を意識したものと考えられる。榊原恒一には比較的好意的に接しており、合宿にも参加して王子と同室になった。見崎鳴が死者だという噂が流れた際には「あの女は怪しいぞな」と疑ってはいたが、王子と同様に見崎を襲おうとはしなかった。

合宿中に王子がバックドラフトに巻き込まれて死亡する場面を目撃するが、猿田自身は間一髪で難を逃れ無事に生存した。元々は王子と共にバックドラフトで死亡する予定だったが、監督の水島努が猿田のようなコミカルキャラを殺すのは惜しいと考えたため、王子のみが死亡し猿田が生き残る展開に変更されたという。OPで王子と共に映っていたのは初期設定の名残とされる。しかし、目の前で親友が悲惨な最期を遂げたため、猿田の生還が幸せな結末とは言い難い。

合宿終了後は恒一や望月優矢らとともに前島学のお見舞いに訪れている。

高林 郁夫(たかばやし いくお)

CV:鷹野晶
3年3組の男子生徒で、アニメ版での出席番号は15番。幼い頃から心臓病を患い、学校を休みがちだったが、ここ一年ほどで症状は改善しつつあった。しかし、体育の授業は見学していた。原作では、恒一や望月と会話する場面はなく、自宅で発作を起こし死亡する。

アニメ版では、恒一が「いないもの」になると決まった際、赤沢のやり方に反対し、何も知らされていない恒一の質問に答えようとしたが、突然心臓発作に襲われ、恒一と望月の前で死亡する。彼は「六月の死者」の2人目である。合宿所の管理人が彼の母方の祖父母であり、彼の死が祖母の精神状態に異常をきたし、暴走を引き起こす原因となった。

多々良 恵(たたら めぐみ)

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