赤目（龍が如く）とは【徹底解説・考察まとめ】

赤目の概要

赤目（あかめ）は、『龍が如く7外伝 名を消した男』に登場する大阪・蒼天堀（そうてんぼり）のなんでも屋である。蒼天堀の裏も表も知り尽くす影の顔役で、ホームレスたちを取り仕切っている。主人公の桐生一馬（きりゅうかずま）は八代目近江連合直参渡瀬組若頭の鶴野裕樹（つるのゆうき）の紹介で彼女と会うことになる。桐生は赤目を紹介された際、「赤い虎」のキーホルダーを渡された。赤目はその「赤い虎」を見て、桐生が渡瀬組の客だと分かった。
赤目の事務所は元々オデッセイというキャバレーの倉庫だった。それを改装して事務所として使用しているが、外見は無用なトラブルを避けるためおんぼろである。しかし生体認証を導入しているなど、中身はきれいで設備も整っている。
なんでも屋の仕事は文字通り「なんでも」。「合法非合法問わず、たいていのことはやる」とのことである。一番稼げているのは情報屋の仕事だという。

赤目のプロフィール・人物像

CV：ファーストサマーウイカ

赤目のモデルはCVを務めるファーストサマーウイカ。派手なシャツと赤いジャンパーが特徴的な女性で、関西弁を話す。性格は男勝りであり、チンピラをぼこぼこにしている桐生に躊躇なく話しかけたり、近江連合の幹部相手に面と向かって「迷惑」と言ったりなど、とても肝が据わっている。また依頼に訪れた桐生に対して自分の仕事を手伝うように持ち掛けるといった、したたかな一面も持ち合わせる。

赤目の能力

赤目は戦闘能力こそないものの、情報収集能力に長けている。情報網の要はホームレスの人々だ。昔、ホームレスから恩を受けた赤目が彼らとの交流を続ける中で輪が広がり、「赤目ネットワーク」と言われるまでに発達していったのである。そのため赤目はホームレスとの繋がりを大事にしており、彼らのピンチには一も二もなく駆けつける。

赤目の来歴・活躍

桐生との出会い

桐生は『龍が如く6 命の詩。』で「昭和のフィクサー」と呼ばれる大物政治家、大道寺稔（だいどうじみのる）の一派と取引して、愛する者たちの安全と引き換えに公的には死亡扱いになった。そして「浄龍」（じょうりゅう）のコードネームを与えられ、大道寺一派のエージェントとして活動していた。
ある日、桐生は監視役の花輪喜平（はなわきへい）から横浜市の横浜港で行われる金塊密輸の警護の任務を言い渡された。「先方に仕事をしている感が伝わるよう、他のエージェントたちと一緒にただ立っているだけでいい」と言われた簡単な任務だったが、取引現場に突如として目出し帽を被った謎の集団が現れる。金塊密輸の取引自体が罠だったようで、大道寺一派は怪我人多数、3人が死亡という大打撃を受けた。

謎の集団の目的は花輪の拉致だったようだ。しかし花輪本人は「自分は組織のしがない末端」として、心当たりがなかった。花輪は彼らの手掛かりを掴むため、桐生に横浜の極道組織、星龍会（せいりゅうかい）の調査を頼んだ。
桐生はひっそりと星龍会の事務所を見張り、襲撃とは関係がなさそうだと判断したが、何者かが桐生を隠し撮りして「大道寺のエージェントがいる」とリークしたせいで星龍会に気づかれてしまった。彼らを倒した後で花輪に連絡。星龍会は無関係だということ、何者かに監視されているようだということを伝えた。さらに桐生は尾行者を誘き出して彼らと対決し、謎の集団が近江連合だと暴く。近江連合の目的は、桐生だった。桐生は表向きは死んだことになっているが、近江連合の者たちはそれを信じず、桐生とつながっていそうな管理者として花輪の誘拐を企んだのだという。
桐生が花輪と2人で八代目近江連合直参渡瀬組若頭の鶴野裕樹（つるのゆうき）を移送していたところ、近江連合の襲撃に遭い花輪が誘拐されてしまう。

近江連合は桐生に対して渡瀬の頼みを聞いてほしいという。そして頼みを聞いてくれたら大道寺一派の首輪を外してやると桐生に取引を持ち掛けた。桐生にとっても悪い話ではなかったが、義理堅い性格もあって、花輪の救出を優先して話を聞かなかった。仕方なく鶴野は桐生に「花輪を追いかける手掛かりになる」と言って「赤虎」を渡し、赤目に会うよう指示した。
桐生は蒼天堀に向かい、赤目を捜索する。その過程でチンピラをのしていたところ、彼女の方から声をかけてきた。桐生から赤虎を見せられた赤目は事務所に彼を案内する。桐生は赤目を鶴野の手下か何かだと思っていたが、実際のところ、赤目はただのなんでも屋である。しかも花輪のことも何も知らない様子であった。
赤目は「赤虎はキャッスルというVIPたちの秘密の遊び場への通行証」だと説明した。それを聞いた桐生はすぐにでも向かいたい様子だったが、赤目は「自分が一緒に行く必要がある」として彼にホームレスたちを助けてほしいと仕事を依頼する。キャッスルの居場所が分からない桐生は仕方なく彼女の頼みを聞いてホームレスを囲う近江連合の組員をぶちのめした。赤目は解放されたホームレスを仲間にして、情報網を強化した。

キャッスル

桐生の腕っぷしを見た赤目は、これからも仕事を手伝ってほしいと頼み込んだ。桐生は「蒼天堀にいる間は」という条件でこれを承諾した。キャッスルに行くのは夜になるということで、昼間の間は桐生に仕事を手伝わせた。
そして夜、赤目はヘリコプターに乗って桐生を船に案内した。キャッスルというのは巨大コンテナ船に大阪城を盛った大人のアミューズメントパークだったのだ。驚く桐生に、赤目は船のオーナーは近江連合の本家だと説明する。さらに赤虎は闘技場の出場チケットだと語った。
鶴野の狙いが、桐生の腕っぷしを確かめることだと分かった桐生は「必ず後悔させてやる」と意気込んだ。赤目はそんな桐生とは一旦別れ、普段は来られないキャッスルの中を見学しに行った。

試合が始まる直前、赤目は桐生と合流する。そして渡瀬や自分、それからの五代目近江連合直参郷龍会二代目会長の郷田龍司（ごうだりゅうじ）の偽物と戦う桐生を見守った。3連勝を果たした桐生は約束通り、花輪の居場所を教えてもらった。

赤目ネットワークの成り立ち

桐生と共に蒼天堀に戻った赤目。桐生の目的が仲間の救出だと知った赤目は、仲間のもとへ急ぐ彼を見送った。
桐生は鶴野たちを倒して花輪の救出に成功した後、鶴野に自分に何をさせたいのかと目的を聞いた。鶴野は近江連合と関東の極道組織・東城会を同時に解散させるために桐生の力が必要だと語る。かつて自分も所属した東城会と、近江連合の解散という話が信じられず、「どういうことだ」と桐生は尋ねた。
鶴野が語ったところによると、渡瀬や東城会六代目会長の堂島大吾（どうじまだいご）は、政治家や警察官僚の一部が暴対法を利用して極道を好きなように利用する現状と、極道そのものの価値の在り方や未来に疑問を持ち、極道が政治家たちの奴隷になる前に解散することを決意したという。しかし極道の世界でも二大組織の近江連合と東城会を解散させるとなれば、大いに荒れることが予想される。その鎮圧のために、桐生の力が必要だというのだ。

鶴野は改めて、花輪を消して大道寺一派の首輪を外すことを桐生に提案した。花輪も桐生がその気になれば止めることはできないという。しかし桐生は自分を貫き通して「問題外だ」と一蹴し、大道寺一派に鶴野が連行されるのを見送った。

その後、戻ってきた桐生を出迎えた赤目は、キャッスルの闘技場に再び出ないかと持ち掛けた。客が桐生を望んでいると話しながらも、実は赤目が勝手に桐生の出場を了承していたのだった。赤目に乗せられる形で、桐生は再度キャッスルの闘技場の場に立った。その後で赤目は桐生を雰囲気のあるバーに誘った。そこでなんでも屋の中核を担う情報網「赤目ネットワーク」の成り立ちを語る。赤目は昔、歌手になることを夢見ていた。路上で弾き語りをしたり、ネットで動画を上げたりといった活動をしていたが、だれも見向きもしてくれない。しかしある時、ホームレスの人がCDを買ってくれたのだという。そこからホームレスの人との交流が始まり、「赤目ネットワーク」が出来上がっていったのだ。

大道寺一派に捕らえられた鶴野は殺されそうになっていた。桐生は鶴野の殺害を命じられるが、大道寺一派に逆らって彼を逃がす。そのせいで桐生は処刑されかけるが、渡瀬が鶴野を通じて大道寺一派と取引したおかげで生き延びた。それに加えて、一時的に近江連合に手を貸すことが認められる。
赤目は痛めつけられた桐生を事務所で休ませた。その後、桐生は鶴野に呼び出されてキャッスルへと向かい、そこを取り仕切る八代目近江連合直参鬼仁会会長の三代目西谷誉（にしたにほまれ）を撃破。赤目は桐生を連れて蒼天堀へと帰還した。

歌手になる夢

歌手の夢を諦めかけていた赤目だったが、大手の事務所から連絡があり、オーディションへの参加を求められた。赤目は桐生に後押しされてオーディションへの参加を決意。しかしオーディションの直前にホームレスと対立する半グレ集団と大喧嘩が始まってしまい、話をつけに行くことに。後からそれを聞いた桐生が駆けつけ、半グレ集団から赤目を助け出した。オーディションはダメになってしまったが、赤目は片っ端からオーディションを受けて自分を知らしめてやると決意した。

近江連合・東城会の解散をサポート

近江連合の解散の際、邪魔になるのが三代目西谷だ。彼を挑発するために、桐生は鶴野と一緒に蒼天堀で豪遊する。その甲斐あって西谷はキャッスルを出たという。その直後、赤目は鬼仁会がキャバレーで暴れまわっているという情報を入手した。しかしそこに西谷はいなかった。桐生は手っ取り早く西谷をおびき寄せるため、キャッスルを奪うことに。そしてその証拠の画像を西谷に送信した。この甲斐あって、西谷との直接対決にこぎつけた。
対決の末、桐生は西谷を気絶させる。その後で獅子堂が西谷にとどめを刺した。これは鶴野の指示だった。西谷を殺したことに憤る桐生だったが、しかし西谷の死は偽装されたものだった。獅子堂は西谷と同様に近江連合解散に反対しており、ひそかに西谷の命を救ったのだ。

解散が明日に迫る中、赤目の事務所に鶴野が現れ、事務所の外で明日の打ち合わせをした。翌日、出所した渡瀬を迎える桐生たち。その直後、獅子堂が解散に反対という立場を表明して渡瀬や鶴野、桐生と敵対する。そこに死を偽装された西谷も駆けつけた。抗争の中、渡瀬が西谷から鶴野を庇って刺されてしまう。そこに1台の車が突進してきた。車は西谷を轢いたところで止まり、中から花輪と赤目が出てきた。赤目は死んだはずの西谷らしき人物が目撃されたという情報を掴み、花輪に伝えていたのだ。赤目は渡瀬の怪我をメイクで隠した後、桐生からは改めて礼を言われ、「戻ったら仕事を用意しとく」と言って見送った。その後、無事に同時解散は果たされたのだった。

赤目の関連人物・キャラクター

桐生一馬（きりゅうかずま）

『龍が如く7外伝 名を消した男』の主人公。赤目とは鶴野の仲介で出会う。その後はお互いの仕事をサポートする持ちつ持たれつの関係になる。また桐生は蒼天堀のアジトとして赤目の事務所を使わせてもらっている。彼女から歌手になることが夢だったと明かされ、オーディションを受けようか迷っていると聞いた際には優しく背中を押してあげた。
なお桐生は赤目にエージェントとしての名前である浄龍を名乗っており、桐生の本名は一度も呼んでいない。

鶴野裕樹（つるのゆうき）