京谷賢太郎(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

京谷賢太郎(きょうたにけんたろう)とは、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されていた古舘春一原作の漫画『ハイキュー!!』に登場するキャラクター。主人公日向翔陽の所属する烏野高校のライバルとなる、青葉城西高校男子バレーボール部でWSをつとめる2年生。直情的な性格で、独善的なワンマンプレーが目立ち、丁寧で正確無比に噛み合ったプレーを得意とする青葉城西高校の中でも異質的な存在。しかし、烏野高校との対戦を経てチームワークの大切さを学び、徐々にコンビネーションを成功させチームに貢献していく。

影山飛雄(かげやまとびお)

本作のもう一人の主人公にして日向の相棒。烏野高校の1年生で正セッターをつとめる。背番号は9。
圧倒的なボールコントロール力と観察眼で誰もが舌を巻くほどの精密かつ正確なトスを繰り出す天才セッターで、烏野高校男子バレー部の正セッター。トス回しに関してズバ抜けたセンスを持ち周囲からは「天才」と評される。青葉城西高校への推薦も声がかかっていた程である。
粗暴な言動で、天才ゆえ言葉が足りず、またプレー以外にはほとんど頭が働かないため、取り繕うことができずに周囲を剣呑とさせることがある。そのために北川第一中学時代には、チームメイトの機微に合わせられずに和を乱し、上げたトスを誰にも打って貰えずコートを退げられた苦い思い出がある。こういった面や、バレーボールに対しては一途で貪欲なところも京谷と共通点がある。
ただし、影山は先輩相手には一定の敬意を払うことができており、自身の成長のためならば素直に頭を下げにいくことができる。また日向など烏野高校メンバーとの交流を経て「仲間に合わせたプレー」をする大切さを学ぶ機会に恵まれた。そのため、京谷のように長らくチームを離れることはなかった。

田中龍之介(たなかりゅうのすけ)

CV:林勇
烏野高校バレーボール部の2年生。ポジションはウィングスパイカー。背番号は5。
坊主刈りで口調は荒く、一見して不良のよう。青葉城西の矢巾にいわせると「ガラが悪いやつ」とのこと。しかし本人は義理人情に厚く、上下関係を遵守している。
「次期エース」として期待されるパワースパイカー、強面な表情や口調とは裏腹に視野の広いプレーをし、ブロックアウトやコースの打ち分けも上手い。常に部内のムードメーカーでチームメイトに適切なフォローをする他、自身が追い込まれた時でもハイテンションを保ち、チームの危機を救うスパイクを幾度となく決める不屈のメンタルの持ち主。
春高予選で青葉城西に当たった際、おなじく強面の京谷にスパイク返しを放つなど、執拗に絡む様子が描かれた。
京谷と違い周囲ときちんと協調できており、京谷と張り合っていたことを見抜いた月島の作戦にも躊躇なく乗り、自身の手柄に固執してはいない。

月島蛍(つきしまけい)

烏野高校に所属する1年生。背番号は11。ポジションは日向とおなじくミドルブロッカー(MB)をつとめる。
烏野高校では最長身選手であり、入学時の身長は188.3cm。その後も成長しており、1年後期には190cm台に到達したことが描かれた。ベージュ色のくせっ毛と黒縁のセルフレーム眼鏡が特徴。
非常に賢い選手であり、相手のスパイカーの動きに合わせたリードブロックを得意とする。
おとなしめな口調に反して、慇懃無礼な言動が目立ち、何かに付け影山や日向に余計な一言をかけてかき乱すことを楽しむ。
6歳上の兄がおり、中学ではエースだった兄が烏野高校で控えにも入れなかったこと、その兄に期待し過大なプレッシャーを与えてしまっていたことから、大きなトラウマを抱えており、何かに付けては「たかが部活」と冷めた態度だった。烏野高校での経験を通し、バレーボールに熱が入るようになり、最終的にはプロチーム「仙台フロッグス」に入団している。
仙台フロッグスでは京谷とチームメイトとしてともに研鑽しているようであり、月島は冷めた態度を、京谷は粗暴な言動を控え、友好な関係を築いているよう。

清(きよし)

CV:竹本英史
京谷がバレー部を離れ町内会チームや大学のサークルを転々としていた頃に出会った選手。過去に青葉城西高校を受験して落ちていることが本人により明かされている。
チームに溶け込めずにいた京谷にチームへの向き合い方をアドバイスし、彼が部に復帰するきっかけを作った。さらにこの時清によってかけられた言葉は、公式戦でワンマンプレーに走り失点を重ねていた京谷に深く響き、上述の矢巾の熱意と合わせてチームプレーの大切さを理解する一助となった。
漫画では以降登場しなかったが、アニメ版では春高予選の応援にも駆けつけている。

京谷賢太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

金田一に上がったトスを奪って放った強烈なスパイク

春高予選の対烏野戦で試合投入直後の京谷が、金田一に上がったトスを強引に奪い、強烈なスパイクを放つシーン。あまりの強引さで金田一と接触しそうになっており、さらにそのスパイクはアウトとなって第1セットを落とす、という青葉城西にとっては痛手となったプレーである。これについて京谷は「試合に出してもらえないからストレスが溜まっていた」と、自分本位な考えを覗かせ周囲を呆れさせた。
しかし、烏野高校を相手に更なる攻撃力として投入された京谷が、周囲とは一線を画するほどの強力なスパイカーであることと、暴力的なまでのワンマンプレーヤーであることを読者や烏野高校バレー部に印象づけたシーンとなった。
このシーンはアニメでは劇画調に描かれており、さらに京谷の攻撃性が際立ち、視聴者の目を惹きつけた。

「攻撃は強打が決まんなきゃ気持ち良くねえっす!」

3枚ブロック相手に強打を放ち、案の定止められてしまった京谷が周囲の注意を他所に自身の攻撃の考えについて叫んだセリフである。
烏野からの攻撃にレシーブが乱れた青葉城西チームは、花巻がカバーし京谷の攻撃に繋げる。しかし、烏野はそれを3枚ブロックで堅実に対策してくる。それに気付いた青葉城西側は、京谷に対して「1回返せ」と指示する。ところが、京谷は潔いほどのフルスイングで強打を放ち、案の定ブロックに止められてしまう。この京谷のスパイクには、当然ながらブロックフォローも追いつかず失点する。これには青葉城西の溝口貞幸(みぞぐちさだゆき)コーチも、軟打をブロックにわざと当てて反撃のチャンスにしたり、フェイントでブロックをかわすなどの有効な小細工をいれて戦うよう怒鳴りつける。それに対し、京谷は「攻撃は強打が決まんなきゃ気持ち良くねえっす!」と叫び、チームでの得点より自己満足感を優先してプレーする考えをひけらかした。
この京谷の態度には、青葉城西監督の入畑伸照(いりはたのぶてる)だけでなく烏野メンバーも呆れ返り、日向も「フェイントの快感を知らないとは勿体無いやつ」と惜しんだ。
上記の他人に上がったトスを奪ったスパイクと合わせて、これも京谷が強烈なまでのワンマンプレーヤーであることを印象付けたセリフとなった。

チームワークの大切さを学んだ一本

京谷がチームプレーに貢献した一本が決まり歓喜する青葉城西高校のメンバー

矢巾に叱責され、チームと強調する大切さに向き合った京谷が放った強烈なスパイクのシーン。
自身の満足感を重視し、自陣の選手のペースを乱してばかりいた京谷は、とうとう「頭を冷やすように」とコートを下げられてしまう。この京谷の不甲斐なさに対し、矢巾は休部から復帰して早々レギュラーに選出されたことについて、本当は不満を抱いていたことを打ち明け、自己満足で調和を乱しかねない京谷の態度に激怒し掴みかかる。「春高」という引退のかかった試合を、尊敬する先輩の晴れ舞台として「泥を塗ったら許さない」と矢巾が叱咤すると、それまで軽薄な態度ばかり見せていた矢巾の激情に、京谷も威勢を奪われる。さらに矢巾は、「得点も失点もチームのもの」として独りよがりなプレーを責めると「頼むから力を貸してくれ」と懇願した。これにより京谷も考えを改めるきっかけを得る。
戻されたコートの中で京谷は、不調が続くと犬猿されるようにトスを上げられなくなった中学時代を思い返し、さらに高校で休部していた間に交流した清が説いたとチームと向き合う大切さを反芻する。京谷の答えが出るのを待たずに畳み掛けるような及川のトスを、京谷は答えを出したかのように渾身のスパイクを放った。
この強打は青葉城西を勢い付けるには十分なものであり、一緒にプレーしていた選手だけでなく、コート外の矢巾すらも歓喜の咆哮をあげた。
このスパイク直前の京谷の表情はわずかに緊迫しており、自身がチームに向き合い受け入れられるかを探るようでもあった。そのため、京谷が本当の意味でチームに向き合っており、チームに受け入れられ、それまでの孤独を払拭したかのようにも見える、象徴的なシーンとなった。

京谷賢太郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

名前の由来は温泉地ではなく異名の“狂犬”

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