キング/ハーレクイン(七つの大罪)の徹底解説・考察まとめ

キング/ハーレクインとは漫画『七つの大罪』に登場する人物で妖精たちの王。人間を虐殺した親友ヘルブラムを王としての責務から討ち、“危険な妖精を放置した”咎で怠惰の罪を背負う。その後主人公のメリオダスの誘いにより、聖騎士団「七つの大罪」に加入。以後は仲間達と共に魔神化したヘンドリクセン、十戒、魔神王、混沌から生まれたキャス等、多くの強敵達と死闘を繰り広げた。神器「霊槍シャスティフォル」を得物とし、戦いの中で史上最強の妖精王として覚醒した。後に七つの大罪の仲間である巨人の少女ディアンヌと結婚した。

聖騎士団「七つの大罪」としてキングはリオネス王国の為に尽していく。この時のキングは王国への敬意を示す為、おっさんの姿に扮して活動していた。彼は主にバンの破天荒な尻拭いをしながら活動している。バンは「強欲の大罪(フォックス・シン)」を背負う人間で、不死身の男であった。「バンデッド・バン」の異名を持ち、自由気儘で自分が欲しいと思った物は他人の物であっても奪い取るという人物である。

七つの大罪でキングはディアンヌと再会する。彼に記憶を消されていたディアンヌはメリオダスに片想いをしていた。それでもキングは彼女へ密かな想いを抱いている。

本編の10年前、聖騎士を束ねる聖騎士長ザラトラスが何者かの手によって暗殺される。そして七つの大罪はその冤罪を着せられ、王国から追われる身となった。団員達は散り散りとなり、キングは妖精王の森へと帰還する。

バンへの復讐を誓う

バン(画像奥の人物)を攻撃するキング

神樹の森に戻ったキングは、自身が守らなければならなかったはずの妖精王の森の消失と、エレインが死んでいたことを知る。彼の留守の間に森は焼かれ、生命の泉は何者かに飲み干されていたのであった。キングはバンが生命の泉を飲み干して不老不死となった事を悟り、彼が森を焼き払ったと断定する。キングは「森やエレインを守れず、妖精王としての役割を果たせなかった”己の怠惰”」を責めて涙を流し、バンへの復讐を誓った。

本編から20年前、バンは泉の水を求めて森に現れ、エレインと心を通わせる。そして泉の水を奪う事によってその守護者であるエレインを悲しませることを避ける為、バンは泉を諦めた。2人は恋に落ち、種族の違いを超えて深く愛し合うようになる。だが突如現れた赤色の魔神の襲撃により、バンとエレインは致命傷を負ってしまった。エレインはバンを助ける為、彼に生命の泉を与えて絶命してしまう。不老不死となったバンは赤色の魔神を打倒したが、妖精王の森は失われてしまった。その後、彼は「泉を守る聖女(エレイン)を殺し、妖精王の森を焼き払った」という冤罪を掛けられ「強欲の大罪(フォックス・シン)」を背負った。

そうとは知らないキングは、妹の仇を討つため聖騎士ギルサンダーに接触し、七つの大罪と敵対する聖騎士達と行動を共にする様になる。そして「自分は死亡して”死者の都”に遺棄されている」というデマを流させ、バンを死者の都に引き寄せる為の餌を撒いた。ギルサンダーはザラトラスの息子の聖騎士で、雷の魔力を持つ若い青年である。死者の都とは「死んだ人間に会える」という伝説の都である。霊界の様な場所であり、その人物への想いが強ければ強い程その姿が見える場所である。

リオネス王には魔力による予知能力があった。またザラトラス亡き後、聖騎士長にドレファスとヘンドリクセンが就任する。ドレファスはザラトラスの弟であり、ギルサンダーの叔父に当たる。ヘンドリクセンは女神族を信仰する人間の一部族のドルイド出身の騎士で、ドレファスの弟子であり無二の友でもある。だがザラトラスの死から10年後、2人は反目し合っていた。二大聖騎士長達は「聖戦が始まる」という王の予言を受け、クーデターを決行した。これにより穏健派だったリオネス王は捕えられ、聖騎士達は「聖戦に備える」という大義名分の元、平民達から搾取を始める。物語本編は王城からエリザベスが逃げ出し、七つの大罪に助けを求めるべく、メリオダスと出会った所から始まった。エリザベスはリオネス王国第三王女の若い女性で、メリオダスは息をする様に彼女にセクハラをしている。メリオダス達は散り散りとなった七つの大罪のメンバーを集めるべく、行動を開始した。

死者の都にて七つの大罪に復帰する

聖騎士ギーラを圧倒するキング

メリオダス、エリザベス、ディアンヌ、バンはキングを探して死者の都を探す。バンは本編から5年前にバステ監獄に自ら捕まっていたが、メリオダスの生存を知って自力で脱出し、七つの大罪に復帰していた。その後キングは死者の都でバンと交戦し、シャスティフォルの能力で彼を石化してしまう。その直後エレインが魂の状態でバンの前に現れ、彼の石化を解いた。

一方メリオダス達は死者の都で聖騎士ギーラの襲撃を受けた。ギーラは爆裂系魔法を駆使する若い女騎士である。応戦するメリオダスとバンであったが、それぞれ神器を無くしていた為、力が十分に出せず苦戦していた。エレインはキングの前に再び現れ、バンの助けになって欲しい旨を伝える。妹のエレインの願いを聞いたキングは、戸惑いながらも仕方なくバンへ協力する事にした。そしてシャスティフォルを駆使してギーラを撃退する。その後、エリザベスの要請を受けて七つの大罪に復帰し、王国を取り戻すべく行動していく。

ヘルブラムと再会する

ヘルブラムと対峙するキング

キング達一行はバイゼル村の喧嘩祭りに参加する。これは腕っぷしと魔力のみで戦い、誰が一番かを決める大会であった。優勝賞品がディアンヌの神器ギデオンであった為、キング達も参加する事になったのである。最終的に大会はギーラ達聖騎士の襲撃によって有耶無耶となり、キングは聖騎士達と再戦した。圧倒的力で聖騎士達を苦戦させたものの、喧嘩祭りの司会をしていたラブヘルムが正体を現した事で戦局が一変する。ラブヘルムの正体はかつてキングが殺した親友のヘルブラムであった。彼は聖騎士ヘルブラム卿としてヘンドリクセンの部下となり、ギーラ達聖騎士を育成していたのである。ヘルブラムは「同調」という他人の魔力を借りる能力を持っており、王国の聖騎士達から魔力を供給されて圧倒的な強さを誇っていた。これによりキングは大ダメージを負って倒れてしまう。その後、ヘルブラムはメリオダスから「常闇の棺の欠片」を奪い去ってしまった。これは3000年前の聖戦で魔神族の精鋭である十戒を封印した「常闇の棺」を開ける為の鍵である。ヘンドリクセンは聖騎士達を利用し、魔神族の復活を目論んでいたのであった。実は10年前の聖騎士長ザラトラス殺害の首謀者はヘンドリクセンとドレファスであった。ドレファスは兄ザラトラスの才能への嫉妬からヘンドリクセンと共謀して彼を殺害し、聖騎士長の座を奪ったのである。ヘンドリクセンがドレファスに協力した理由はこの時点では何も明かされておらず、何かしらの裏がある様子であった。だが2人は反目する様になり、聖騎士の派閥は2つに分かれていた。

キングにより殺されたヘルブラムであるが、その死体は闇商人達によって200年間売買され、本編の8年前にヘンドリクセンの元へと流れ着く。ヘンドリクセンはドルイドの禁呪「死者使役」を使用して彼を人間への憎悪が増幅した状態で蘇生させた。これによりヘルブラムは以前よりもかなり好戦的で凶悪な性格になってしまう。また、バンが倒した赤色の魔神の死体もヘンドリクセンが回収し、ヘルブラムによって「人工的に聖騎士を作り出す人体実験」に使用された。

リオネス王国を奪還する

リオネス王国奪還の為に戦うキング

キング達一行は「色欲の大罪(ゴート・シン)」を背負う七つの大罪の団員ゴウセルと合流した。ゴウセルは眼鏡を掛けた中世的な美しい男性である。精神操作系の魔法を得意とし、無表情似合わない突飛な言動をする。その後、敵の策略により攫われたエリザベスを追う形で、キング達はリオネス王都に攻め込んだ。そこでキングは再びヘルブラムと対峙し、死闘を繰り広げる。最終的にキングは聖騎士達とヘルブラムの魔力供給を断ち切り、彼を打倒した。死ぬ間際ヘルブラムは正気を取り戻し、キングに自分の被っていた兜を託して死亡する。キングは涙ながらに彼を看取った。

ヘルブラムとの死闘を終えたキングは、彼を襲撃してきたドレファスを組み伏せ、ヘンドリクセンの野望について話す。事態を重く見たドレファスはキング達七つの大罪と手を組む事を決断した。七つの大罪と聖騎士達に追い詰められたヘンドリクセンであったが、彼はもう一度ヘルブラムを蘇生させる。だが禁呪で蘇生させたヘルブラムの魂は磨滅しており、ただ戦い続ける人形の様であった。彼は微かに残った意識で、キングに自分を殺すように懇願する。3回も親友を殺したくないキングはこれを拒否したが、ヘルブラムの「殺さなければ親友を辞める」という一言で、彼はシャスティフォルでヘルブラムの肉体を跡形もなく消滅させた。尚ヘルブラムは消滅したが、彼は魂となってキングに渡した兜に宿る。キングは兜を被る事でヘルブラムと対話できるようになり、彼は親友としてキングを支えるようになった。

キング達七つの大罪はヘンドリクセンを追い詰める。だが彼は「赤色の魔神」の上位存在である「白色の魔神」の血液を取り込み、禍々しい姿となった。尚、この時キングは妖精王の森を焼き払ったのが赤色の魔神である事を知る。圧倒的な力を手に入れたヘンドリクセンの前にキング達七つの大罪は苦戦した。だが、死闘の末に彼等はヘンドリクセンを打倒する。

十戒が復活する

アルビオン(画像右上の人物)と戦うキング

キング達七つの大罪により打倒されたかに見えたヘンドリクセンであったが、彼は生き延びていた。そして常闇の棺の封印を解き、十戒を解放する。十戒とは魔神族の精鋭10人の総称である。煉獄に住む魔神王から、その力を「戒言」という10の力に分け、それを各自に与えられている。各々が強力な力を持っているが、その戒言に逆らうと敵味方関係無く何らかのペナルティを負ってしまう。ヘンドリクセンは十戒の復活と同時に人間へと戻り、理性を取り戻す。そしてドレファスが現れ、十戒のメンバーに加わった。全ての黒幕はヘンドリクセンでは無く、ドレファスであったのである。彼には十戒のメンバーの1人で3000年前の常闇の棺の封印を逃れていたフラウドリンが憑依しており、ドレファスとヘンドリクセンを操っていた。メリオダスは16年前に彼とダナフォール王国で戦い、恋人のリズを殺されている。これによりメリオダスは怒りで我を忘れ、魔力を暴走させてダナフォール王国を消滅させていた。フラウドリンはこの時密かに生き残っており、ダナフォールがかつて存在した場所に潜んでいたのである。そして10年前に調査に訪れたドレファスの肉体を乗っ取り、ヘンドリクセンを魔力で洗脳したのであった。

十戒の復活に伴い、アルビオンが妖精王の森を襲う。アルビオンは3000年前の聖戦で魔神族が作り出した生物兵器であり、魔神化したヘンドリクセンを超える強さを持つ。妖精王の森は20年前に消失していたが、バンが神樹の種を植えて生命の泉の染み込んだ自らの血液を与える事で、森は復活していた。これにより妖精達はキングを見限り、バンを妖精王と称えている。キングはシャスティフォルの真の力を解放し、これを打倒した。キングはシャスティフォルの強大な力を制御する為、普段は力をセーブして使用していたのである。シャスティフォルの真の力を使った彼は、疲労困憊となっていた。その姿を見ていた妖精達は、再びキングを妖精王として認めた。

復活した十戒は、封印の影響で失われていた魔力を回復する為、ブリタニア大陸に住む人間達の魂を喰らい始めた。キング達七つの大罪は十戒を止めるべく、再び戦い始める。

ディアンヌを追いかける

記憶を失ったディアンヌに戸惑うキング

ヘンドリクセンとの戦闘後、ディアンヌはキングが記憶を消した500年間の記憶を取り戻す。だが、暴走を始めたゴウセルにより記憶を消されてしまう。彼は人間の感情に強い興味を抱いており、ディアンヌの「大切な人への想いは消せない」という発言の真偽を確かめるべく、彼女に記憶消去の魔法を掛けたのであった。これによりディアンヌの記憶は現在のものから徐々に消えて行き、七つの大罪の事を忘れてしまう。彼女は過去の記憶を辿って巨人族の里へと戻り始めた。キングはこの事を知り、ゴウセルをシャスティフォルで殴り付けてからメリオダス達と共に彼女の後を追い掛ける。

キング達一行はメリオダスの力を取り戻す為、ドルイド達の聖地イスタールを目指す。10年前の王都脱出の際、メリオダスは、ダナフォール王国を消滅させたその強大な力の暴走を恐れたマーリンによって魔力の大半を封印されていた。マーリンは七つの大罪の「裏切りの大罪(ボア・シン)」を背負う女性である。卓越した知識と魔力を持ち、妖艶な雰囲気を漂わせている。

メリオダスは魔力を取り戻す前のリハビリも兼ねてキングと修練窟に入った。ここは木の枝と己の魔力のみを使用し、あらゆる魔物と戦う洞窟である。だがキングはここで、十戒の事を詳しく知り、魔神族のフラウドリンと顔見知りで寿命の長いメリオダスへの不信感を露わにした。修練窟でキングはメリオダスを襲撃し、彼の正体を明らかにしようとする。結局メリオダスは自分の正体を話そうとせず、キングは彼に不信感を抱いたままとなった。その後、魔力を取り戻したメリオダスはマーリンの瞬間移動魔法で十戒の元へ移動し、彼らに宣戦布告をする。これにより十戒と七つの大罪の戦いが本格的に始まる。

尚、修練窟を終えたキングは背中に痛みを覚えるようになる。妖精族は立派な羽が生えている程強大な魔力を持つとされていた。キングは今まで背中に羽が生えていなかったが、羽が生える兆しが表れ始め、パワーアップの伏線となっている。

バイゼルへ行く

ディアンヌ(画像左の人物)と再会したキング

キング達一行は、十戒のグロキシニアとドロールが開催した大喧嘩祭りの事を知りバイゼルへと向かう。この2人は十戒であるものの、魔神族では無い。グロキシニアは妖精族であり、初代妖精王であった。そしてドロールは巨人族であり、現在の巨人族からは「巨人の始祖」として神格化されている。

バイゼルにてキングは記憶を失った状態のディアンヌと再会した。キング達はそこで大喧嘩祭りに参加し、十戒の策略によりトーナメント方式の殺し合いに参加させられてしまう。だがエスカノールの機転により十戒の2人に隙が生じ、メリオダスは1人で彼等と戦った。エスカノールは「傲慢の大罪(ライオン・シン)」を背負う七つの大罪の団員である。太陽が昇れば昇る程強大な力を発揮し、その強さはこの時のメリオダスを超える程である。メリオダスを除くキング達は転移魔法により離れた場所から戦いを見守る事となった。メリオダスは十戒の2人を圧倒したが、彼の殺気を感じて各地から十戒が集結した事により戦局が一変してしまう。メリオダスは十戒の猛攻の末、エスタロッサによって殺されてしまった。エスタロッサはメリオダスの弟である。彼の口からメリオダスの正体が明らかとなった。メリオダスは魔神王の長男であり、3000年前まで十戒を統率していたが、最高神の娘のエリザベスと恋に落ちて十戒を裏切ったのである。これにより魔神族と女神族のパワーバランスが崩れ、女神族が魔神族へ大攻勢を仕掛けた。これが聖戦の引き金となったのである。また彼は裏切りの代償に父である魔神王に呪いを掛けられている。これは彼が死ぬ度に感情を魔神王に1つ奪われた状態で復活するというものであった。これにより彼は復活している。またエリザベスも魔神族のメリオダスと結ばれたことで、母である最高神から呪いを掛けられている。それは死んで生まれ変わる度にメリオダスと結ばれるという物である。だが彼女は前世の記憶が戻るようになっており、記憶が戻った3日後に死亡してしまう。そして死んでからも転生を繰り返し、再びメリオダスと恋に落ちるという呪いであった。現在のエリザベスも3000年前からの転生体であり、呪いの影響を受けている。この時点ではまだ前世の記憶は戻っていなかったものの、女神族の治癒魔法等が時折使える様になっていた。

3000年前の過去を知る

グロキシニア(画像左の人物)になったキング

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