五代裕作(めぞん一刻)の徹底解説・考察まとめ

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。
貧乏浪人生として登場し、新しく赴任してきた管理人の音無響子に一目惚れ。大学入学後も彼女に想いを寄せ、一刻館の面々に茶々を入れられながらも、恋敵の三鷹瞬と度々競い合っていった。一方で様々な女性からアプローチを受け、その度に響子からヤキモチを焼かれていた。大学卒業後はフリーターとして働きながら保父の資格取得を目指していく。最終的に保父として保育園に就職し、響子と結婚。娘の春香をもうけ、一刻館で響子と共に幸せな家庭を築いていった。

事故で響子(画像右の人物)とキスをする五代(画像左の人物)

五代は七尾とデートした際、出来心で彼女にキスをしようとしてしまう。だがタイミングが悪く失敗し、彼は「やっぱり響子とキスがしたい」と思いながら一刻館へ帰った。一刻館の玄関では響子が脚立に登り、電球を取り替えていた。五代は響子と雑談をしながら、彼女の唇を意識してしまう。一方の響子も五代の唇を意識しており、不意に電球を取り落としてしまう。それに気を取られた響子は脚立から落下し、五代は咄嗟に彼女を受け止めた。その際、偶然唇が重なってしまい2人はキスをする。

五代と響子のファーストキスのシーンである。

「すみませんでした」

響子(画像手前の人物)を抱きしめる五代(画像奥の人物)

五代は、亡き旦那の惣一郎を忘れたい響子をラブホテルで抱く。だが彼女が惣一郎を想っている事を意識した彼は、失敗してしまった。

その後、キャバクラの仕事を終えた五代は七尾との誤解を解いた後、一刻館へ戻る。そこには先に帰っていた響子が待っていた。他の住人達は喫茶店茶々丸で宴会をしていた為、2人は管理人室で話をする。

五代は彼女に、亡き夫の惣一郎を想っている事で、自分が不安になっている事を話した。一方の響子も、先の一件で五代が「自分を信用していないのでは無いか?」と思い、どうしたらよいのか分からなくなっていた。彼女の不安を察した五代は「すいません」と一言発し、彼女を優しく抱きしめる。2人はその後、肉体関係を結んだ。

「結婚してください」

響子の父親(画像奥の人物)を背負い、響子(画像手前の人物)にプロポーズする五代(画像中央の人物)

保父資格試験に合格し「しいの実保育園」に就職を決めた五代は、キャバクラを退職する事になり送別会に出席した。そこへ風邪を引きながらも、響子との結婚を阻止しようと、彼女の父親が乗り込んでくる。だが周囲のペースに巻き込まれ、彼は酒を大量に飲まされてしまった。五代は酔い潰されてしまった響子の父親を背負い、心配して駆け付けた彼女と共に帰路に着く。

五代は父親の行動を見て、彼が如何に娘の響子を大切に思っているのかを感じていた。その思いを知った上で五代は響子に「結婚してください」とプロポーズをする。

足踏みを続け、紆余曲折を繰り返しながらも少しずつ歩み寄ってきた五代と響子の関係が、求婚という1つの区切りを迎える名シーンである。

「あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます」

惣一郎の墓前に誓う五代

五代と響子は結婚式の準備を進めていく。2人は結婚後も、一時的に一刻館の管理人室に住む事になった。響子はその準備で管理人室を整理する。そして今まで大切にしていた惣一郎の遺品を音無家に返す事を考えていた。だが、惣一郎の事が忘れられない彼女は、思わず涙を流してしまう。その様子を見た五代はある決意をした。

翌日、響子は遺品を返す前に、惣一郎の墓前に挨拶に向かう。そこには先に五代が墓参りをしていた。「あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます」と、五代は惣一郎を想う響子も引っくるめて、彼女を愛する決意を示す。それを見た響子は「五代と結ばれて良かった」と心底感じた。

ラストシーン

一刻館に帰る五代(画像左から三番目の人物)

五代は出産を終えた響子と、娘の春香を連れて一刻館に帰る。それを一ノ瀬、四谷、朱美、犬の惣一郎の一刻館の主要メンバーが彼等を出迎えた。桜が舞い散る中、一刻館の面々に囲まれて、五代一家は幸せな笑顔を浮かべる。

本作『めぞん一刻』の大団円の感動的なラストシーンである。

五代裕作(めぞん一刻)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『めぞん一刻』の後日談

CRめぞん一刻

本作『めぞん一刻』には公認の後日談が存在する。それはパチンコ『CRめぞん一刻』に収録されている「約束の向こう側」という演出映像である。

まず五代と響子の娘の春香の成長が描かれ、その後に年老いた五代の姿が描かれる。杖をついて歩く五代は、1人で若い頃の響子の写真を見つめて思い出に浸っていた。そして「約束を守ってくれてありがとう」とモノローグの響子の言葉が登場する。この「約束」とは「私より長生きして欲しい」というプロポーズの際に五代と響子が交わした約束である。つまり五代は響子との約束を守り、彼女を先に看取っていた。

感動的な内容に、心を打たれたファンも多かった一方で、パチンコの演出映像という形で公開された事に批判するファンもいる。賛否の分かれる作品であった。

アニメ『めぞん一刻』は林原めぐみ(はやしばら めぐみ)のデビュー作

声優の林原めぐみ

『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ役、『名探偵コナン』の灰原アイ役等、数多くの大人気アニメの主要キャラを演じる、声優の林原めぐみのデビュー作はアニメ『めぞん一刻』である。この作品での彼女の役は「脇役の園児B」であった。今では大御所として活躍されている同氏であるが、最初は脇役からのスタートであった。

当時、林原は看護学校に通う傍ら声優業をしていた。当時の事を彼女はラジオで語っている。アニメ『めぞん一刻』に出演していた時は「このまま看護師になるべきか、声優に専念していくべきか」について悩んでいる。そこでアニメ『めぞん一刻』出演している先輩声優達に自分の進路について相談した。五代役の声優二又一成(ふたまた かずなり)に相談した時には「声優なんて不安定な仕事はするな。そもそも二足の草鞋を履くな」と愛のある一喝をされた。彼は林原と同じ事務所であり、彼女の直属の先輩に当たる為、親身なアドバイスをされたとの事。今現在は大御所として活躍している林原の、貴重な新人時代の話である。

また林原は後にアニメ『らんま1/2』の主人公らんま(女)を演じる事になる。本作は『めぞん一刻』の作者高橋留美子原作のアニメである。

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