五代裕作(めぞん一刻)の徹底解説・考察まとめ

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。
貧乏浪人生として登場し、新しく赴任してきた管理人の音無響子に一目惚れ。大学入学後も彼女に想いを寄せ、一刻館の面々に茶々を入れられながらも、恋敵の三鷹瞬と度々競い合っていった。一方で様々な女性からアプローチを受け、その度に響子からヤキモチを焼かれていた。大学卒業後はフリーターとして働きながら保父の資格取得を目指していく。最終的に保父として保育園に就職し、響子と結婚。娘の春香をもうけ、一刻館で響子と共に幸せな家庭を築いていった。

月日が流れ、響子は五代との娘を出産した。五代は娘に「春香」と名付け、響子と共に一刻館へ帰る。桜が舞い散る中、一之瀬、四谷、朱美、犬の惣一郎といった一刻館の主要メンバーに見守られながら、五代は響子と春香を抱き寄せて物語は終わった。

五代裕作(めぞん一刻)の関連人物・キャラクター

思い人と関係者

音無響子(おとなし きょうこ)

本作『めぞん一刻』のメインヒロインである。五代が浪人生をしていた時に、新しい管理人として住み込みで一刻館にて働き始めた。それまでは一刻館を出て行こうとしていた彼であったが、彼女に一目惚れして進んで一刻館に住み込む事になる。以降は五代と響子の恋愛模様を主軸に物語が展開していく。五代からは物語終盤まで「管理人さん」と呼称されていた。

元々は一刻館のオーナーである音無老人の息子である音無惣一郎の妻であり、義娘に当たる。夫の惣一郎と死別し、悲しみに暮れる彼女を心配した音無老人の勧めで一刻館の管理人となった。赴任当時は22歳で五代の2つ歳上である。かなりの美貌を持ち、五代や三鷹を魅了した。2人の男から言い寄られるものの、惣一郎への想いを断ち切れない為、玉虫色の態度をとってしまう。それが原因で五代と三鷹は熾烈な恋愛合戦を繰り広げていく事となった。思い込みが激しく、嫉妬深い一面があり五代は度々、誤解から彼女と距離を置かれている。その度に彼は誤解を解く為に奔走し、再び響子と距離を縮めていく事を繰り返した。

当初は五代の事を世話の掛かる弟程度にしか思っていなかった。だが、五代が酔った勢いで響子への好意を一刻館の前で叫んだ事により、彼の想いを知る。以降は彼を異性として意識する様になった。その後、三鷹とテニスクラブで出会い、彼からも猛烈なアプローチをされていく。どっち付かずな態度を取り、逃げていた響子であるが、五代や三鷹が他の女性と一緒に居ると激しい嫉妬に駆られていた。特に五代に対しての嫉妬は凄まじく、それが原因で彼は風邪を引いて動けなくなったり、骨折をした事もある。

亡き夫の惣一郎への想いに囚われていたが、最終的に五代と結ばれる。その際惣一郎に先立たれ、大切な人を失う悲しみを知っていた彼女は、五代に「自分よりも長生きする事」を約束させた。尚本編では語られなかったが、後日談の『約束の向こう側』にて、響子がモノローグで年老いた五代に「約束を守ってくれてありがとう」と言っているシーンがある。五代は響子との約束を守り、彼女を先に看取っていた。

結婚の挨拶に音無家へ赴いた五代は「惣一郎を想う響子も含めて彼女を愛する」事を、惣一郎の墓前に誓った。その様子を見ていた彼女は、五代と結ばれた事に喜びを感じていた。

五代と結婚後、娘の春香を出産した。退院後、響子は娘を抱いて五代と共に一刻館へと帰り、幸せな家庭を築いていく。

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五代春香(ごだい はるか)

五代と響子の娘。最終話にて登場した。原作では赤ん坊の姿しか描写されていないが、原作のその後を描いた「約束の向こう側」というパチスロの映像で成長した彼女の姿が描かれている。映像では順調に成長し、自身の大学の合格発表を見ていた。この時の彼女の受験番号は「4989」で、五代と同じ受験番号であった。

惣一郎(そういちろう)

一刻館の庭に住んでいる白い大型犬。元々は野良犬であったが、生前の惣一郎が買った焼き鳥の匂いに吊られて家まで付いてきてしまう。そのまま音無家に居座り、惣一郎と響子の飼い犬となった。当初は「シロ」という名前であったが、名前を呼んでも反応せず、響子の「惣一郎」という旦那の名前を呼ぶ声に反応した為、「惣一郎」に改名された。彼の死後、響子と共に一刻館に移住し、住人達に世話をされる事になる。性格はマイペース且つ食いしん坊で、自分の興味のある物を見つけた時には何処かに行ってしまう。その度に響子は心配し、五代も惣一郎を探して街を歩き回る事もあった。

響子からは亡き夫の名前を受け継いでいるという事もあり、可愛がられている。登場初期、五代は顔のわからない恋敵である惣一郎の姿を犬に投影してライバル心を燃やしていた。だが物語が進むに連れ、五代は惣一郎をダシに彼女と距離を縮めようと画策する事もあった。また惣一郎は、響子と三鷹が良い感じになった所に乱入して五代の窮地を救った事が何度もある。

音無惣一郎(おとなし そういちろう)

響子の亡き夫である。作中、顔が描かれる事は無く、登場シーンは顔が黒塗りだったり、何かしらの方法で顔が隠されていた。死人である為、響子や彼を知る人々の回想で登場する。元々は教育実習生として女子高に赴任し、そこで響子と出会った。穏やかな人物で、生徒達にも基本的に敬語で腰が低い人物として描写されている。響子は彼に惚れ込み、彼女の方からアプローチをして結婚した。だが結婚後半年で亡くなってしまい、彼女は若くして未亡人となる。

生前は食いしん坊で、体格も少し大柄な人物として描かれている。最終話で彼の遺品が登場し、丸眼鏡を身に着けていた事が明かされていた。

五代は当初、惣一郎にライバル心を燃やす。だが響子の思い出となった惣一郎は故人であるため張り合っても意味が無く、響子の中に永遠に存在し続ける。それ故に彼は無敵であり、五代は手も足も出なかった。五代や三鷹に言い寄られても、響子が玉虫色な態度を取り続けたのは、彼女が惣一郎の事を忘れられなかった為である。結果的に五代の最大の恋の障壁となっていた。だが、五代は惣一郎を知る人々から様々な話を聞く事で、響子と惣一郎の関係の深さを知る。そして五代は「惣一郎を想う響子も含めて、彼女を愛する」決意を惣一郎の墓前に誓った。

一刻館の関係者

一ノ瀬花枝(いちのせ はなえ)

一刻館の1号室に住む豪快な中年女性。かなりの酒豪で、事ある毎に酒を飲んでいる。酔っ払うと日の丸扇子を両手に持って踊り始め、大騒ぎを始める。五代の部屋で他の一刻館の住人達と共に宴会を開き、彼を辟易させていた。

他の住人達と同様、五代と響子の関係を面白がり、度々茶々を入れている。かなりの噂好きでもあり、一ノ瀬の噂話が原因で五代はよくトラブルに巻き込まれていた。響子と同じテニスクラブに所属している為、三鷹も一ノ瀬の噂話のターゲットにされる。五代、響子、三鷹の秘密やプライベートを詮索し、それを他の人に喋りまくる為、五代達の行動は常に一刻館の住人達を始めとした人々に筒抜けであった。響子と三鷹が良い感じになると一ノ瀬は五代に情報を流し、五代はあの手この手で邪魔をしようと奮戦している。また逆に、五代と響子が良い感じになると一ノ瀬は三鷹に情報を流し、三鷹は五代を妨害していた。

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一ノ瀬賢太郎(いちのせ けんたろう)

一刻館の1号室に住む一之瀬の小学生の息子。曲者揃いの一刻館で、比較的常識的な性格をしている。当初は響子に惹かれ、五代と張り合っていたが、郁子と出会い彼女に想いを寄せていく。だが、彼女は賢太郎の想いに気付かず、片思いであった。豪快で何処でも酒を飲んでしまう母親を気にしており、学校の運動会では両親の代わりに五代と響子に父兄参加の二人三脚の出場を頼み込んでいる。

賢太郎は物語序盤から中盤にかけて登場していたが、次第に出番が無くなっていく。最終話の結婚式の際、高校生となった彼が再登場し五代と響子の結婚式の受付を行っていた。母親譲りで背が低く、その事を想い人の郁子にからかわれている。

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