サクラ大戦3(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』とは、2001年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。『サクラ大戦』シリーズの3作目であり、タイトルにもある通り物語の舞台をパリへと変更し、登場キャラクターも一新。極めて美麗なOPアニメーションが話題となった。
日本で帝国華撃団が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため帝国華撃団の隊長である大神一郎がパリに派遣される。新しい仲間たちと協力しながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件に挑んでいく。
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』の概要
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』(サクラたいせんスリー パリはもえているか)とは、2001年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。『サクラ大戦』シリーズの3作目である。
タイトルにもある通り、物語の舞台は日本からフランスの都パリへと変更。登場するキャラクターも一新され、これまでにシリーズの人気を支えてきたヒロインたちはゲスト出演しかしないことで賛否両論を巻き起こした。
新たに設定されたヒロインたちがそれぞれに今までにないタイプの魅力的なキャラクターだったこともあり、発売と同時に肯定的な意見が増えていき、やがて「シリーズのマンネリ化を防いだ傑作」として評価されるに至った。
ゲームシステムはさらに成熟し、それに合わせて演出も強化されている。中でも極めて美麗なOPアニメーションは大きな話題となり、発売から20年以上経過した後でも「特に印象的だったゲームのOP」として取り沙汰されることが少なくない。
日本で帝国華撃団が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため、帝国華撃団の隊長である大神一郎(おおがみ いちろう)は、半ば騙されるような形でパリに赴くこととなる。
博愛精神を持つがドジっ子の極みのような修道女エリカ=フォンティーヌを始めとする新しい仲間たちと協力しながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件の数々と、その裏で暗躍するパリシィ怪人たちに挑んでいく。
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』のあらすじ・ストーリー
巴里花撃団の結成
日本で帝国華撃団(ていこくかげきだん)が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため、グラン・マことイザベル・ライラックはフランス版の帝国華撃団である巴里華撃団(パリかげきだん)を結成する。その隊長として白羽の矢を立てられたのは、帝国華撃団の隊長である大神一郎(おおがみ いちろう)だった。
半ば騙されるような形でパリに赴いた大神は、「留学」という体裁でしばらくこの地に留まることとなり、なし崩し的に巴里花撃団の隊長に就任。この扱いに閉口しつつも、大神は持ち前の正義感を発揮して怪人たちの起こす事件に挑んでいく。
博愛精神を持つがドジっ子の極みのような修道女エリカ=フォンティーヌ。
誇り高き貴族令嬢にして武人、ノブレス・オブリージュを体現するグリシーヌ・ブルーメール。
サーカス団で活躍する幼くもしっかり者の少女コクリコ。
殺し以外のあらゆる犯罪に手を染めた、懲役1000年を超える大悪党ロベリア・カルリーニ。
海外で育った、日本を知らない大和撫子の北大路花火(きたおおじ はなび)。
新たな仲間となった巴里花撃団のメンバーと時に協力し、時にぶつかりながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件を次々と解決。次第にパリの人々からも良き隣人にして頼れる仲間として認められていく。その一方で、大神はサリュというピエロ風の人物の夢をたびたび見るようになり、悪夢とも将来の暗喩とも取れないその内容に悩まされる。
花の都の怪事件
パリで次々と事件を起こしていたのは、バリシィ怪人と呼ばれる謎の魔人たちだった。彼らは人の心の弱みにつけこみ、あるいは人々の幸せを蹂躙し、パリの平和を脅かしていく。
大神は巴里花撃団の仲間たちと共に1人また1人とパリシィ怪人たちを打ち倒すも、彼らの長であるカルマールは不可思議な力でその全員を蘇らせてしまう。その上で巴里華撃団を相手に決戦を挑んできたカルマールは、空中砲台オプスキュールを持ち出し、パリの街の全てを滅ぼさんとする。
大神たちは決死の覚悟でこれに挑み、蘇ったパリシィ怪人たちを打ち倒し、カルマールを撃破。ここにパリを脅かした怪人たちとの戦いは終わりを告げたかに見えた。
しかし、ここで大神に夢の中で接触を繰り返していたサリュが現れる。彼こそはパリシィ怪人の真の長であり、現在のフランスがあった地に生きていた古代民族パリシィの残留思念そのものなのだった。カルマールたちが倒されたことで、サリュは表立っての行動を取り始め、手始めに彼らの魂を回収。パリシィの神であるオーク巨樹にこれを吸い取らせ、かつて異民族によって奪われた自分たちの土地を取り返そうとする。
パリシィの末裔たち
エリカたち巴里華撃団の面々は、その強い霊力を見込まれて集められた者たちではあったが、全員がパリシィの民の血を引いていた。サリュにこれを告げられたエリカたちは、「パリの人々のためにと戦ってきたが、結局はサリュの策略に踊らされただけだった。パリシィの血を引く自分たちはその代弁者であるサリュには勝てないのか、これまでやってきたことは無駄だったのか」と戦意を喪失してしまう。
しかし大神の激励やこれまで培ってきたパリの人々との絆を思い出して奮起し、改めてサリュとの決戦に臨む。巴里華撃団の底力の前に追い詰められたサリュは、自らをオーク巨樹に捧げて自分諸共にパリを滅ぼそうと画策。しかし大神たちはこれをも打倒し、ここに長かった戦いは終わりを告げる。
エリカたちから「自分たちがパリシィの血を引いているというのであれば、その民は決して滅んでいない。このパリで、多くの人と触れ合いながら、幸せに暮らしている」と諭されたサリュは、自身もまた“滅ぼされたパリシィの民の怨念”に踊らされていたことを受け入れて姿を消す。パリの人々を苦しめ続けた怨念は晴らされ、巴里華撃団はその役目を終える。
同時にそれは、大神が日本に帰る時が来たということでもあった。グラン・マやパリの人々に見送られ、戦いの中でもっとも強い絆を結んだ巴里華撃団の少女と「いつかきっとまた会おう」と約束しつつ、大神はいつしか故郷の日本に匹敵するほど愛するようになっていたパリを去るのだった。
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』のゲームシステム
アドベンチャーパート
プレイヤーが操る大神は、普段はフランスはパリのモンマルトルに位置する劇場「テアトル・シャノワール」でモギリなどの雑務をして過ごしている。アドベンチャーパートでは、巴里華撃団の団員たちのいる部屋などを訪ねて彼女たちと会話し、信頼度を稼いでいくのが主な目的となる。
風呂場に行くこともできるが、大抵誰かが入っており、デリカシーがないと痛罵された上で信頼度が減少する。
本作ではパリの人々とも交流することが可能。攻略対象ではないが、彼らの頼み事を聞いたり困り事を解決していくことで信頼されるようになっていき、大神がパリで生きる仲間として認められていく様が実感として理解できる仕組みになっている。
LIPS(リップス/Live & Interactive Picture System)
アドベンチャーパートで登場する機能。複数の選択肢が表示され、これに時間内に回答していく。「回答しない」というのも選択肢の1つであり、大抵の場合信頼度を損なう結果となるものの、これがもっとも効果的な場面も存在する。
アナログLIPS
本作初採用のシステム。選択肢は1つだが、アナログスティックを利用してその言葉の強弱などを選択することが可能。これにより相手の受け取り方が変わり、信頼度の上下にも影響する。
大神性格ゲージ
前作から引き続き登場する、「主人公である大神の性格が選択肢の内容によって変わっていく」というシステム。基本的に大神は真面目な青年だが、アドベンチャーパートではこの性格によって言動が変化し、相手の反応も変わっていく。
キャラクターによって「硬派な方が好み」、「軟派な方が好み」といった差異はあるが、基本的には会話内容にだけ影響するもので、攻略には影響がない。
シミュレーションパート
シミュレーションパートでは、霊子甲冑に乗り込んでパリシィ怪人たちと戦うこととなる。前衛に適した者や移動力に長けた者まで、メンバーは個々に能力が異なり、これを活かして立ち回るのが基本。本作ではマス目式の戦闘マップは廃され、順番が回ってきたキャラクターは行動力の許すまで様々な行動を取ることができる「ARMS」 (Active & Realtime Machine System) を採用。より戦術や連携を重視した立ち回りが必要となる。
シナリオによっては初期から体力が減っていたり、出撃人数に制限があったり、敵を殲滅する以外の勝利条件が設定されていたりと、一筋縄ではいかない内容となっている。
必殺攻撃
個々のユニットが持つ強力な攻撃。射程距離や攻撃範囲などがそれぞれに異なっている。
使用するには気力ゲージが溜まっている必要があり、使用するとこれがゼロになる。敵のボス級キャラクターも必殺技を使用するため、これをいかに食らわないようにするか、損害を少なくするかが勝敗を分けるカギとなる。
合体攻撃
信頼度が一定以上のメンバーとだけ繰り出せる強力な攻撃。必殺技以上の威力を持ち、うまく使えば戦況を一変させるほどの効果を発揮する。誰と一緒に繰り出すかによって性能は大きく異なり、敵単体に対する強力無比な攻撃から周囲を一気に回復する技まで様々である。
前作から引き続き、もっとも信頼度の高い相手との合体技は「攻撃技というより大神とそのヒロインの愛の語らい」を見せられているような内容のものとなり、「なんでこれでダメージを与えられるんだ」、「プレイヤーも恥ずかしくて死にそうになるから、実際に目の前で見ている敵は本当に死ぬんじゃないか」と話題になった。
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目次 - Contents
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』の概要
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』のあらすじ・ストーリー
- 巴里花撃団の結成
- 花の都の怪事件
- パリシィの末裔たち
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』のゲームシステム
- アドベンチャーパート
- LIPS(リップス/Live & Interactive Picture System)
- アナログLIPS
- 大神性格ゲージ
- シミュレーションパート
- 必殺攻撃
- 合体攻撃
- 隊長コマンド
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 大神一郎(おおがみ いちろう)
- ヒロイン
- エリカ・フォンティーヌ
- グリシーヌ・ブルーメール
- コクリコ
- ロベリア・カルリーニ
- 北大路花火(きたおおじ はなび)
- 巴里花撃団関係者
- グラン・マ/イザベル・ライラック
- パリシィ怪人
- サリュ
- カルマール公爵(カルマールこうしゃく)
- シゾー
- ピトン
- レオン
- ナーデル
- マスク・ド・コルボー
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- パリシィ怪人たちの乗る機体の名称は音楽用語が由来
- OPの動画の制作費に関するネット上の噂
- 声優がそのまま演じた舞台版
- 『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):日髙のり子、島津冴子、小桜エツ子、井上喜久子、鷹森淑乃「御旗のもとに」
- OP(オープニング):横山智佐、富沢美智恵、高乃麗、西原久美子、渕崎ゆり子、田中真弓、岡本麻弥、伊倉一恵「檄!帝国華撃団III」
- ED(エンディング):日高のり子、島津冴子、小桜エツ子、井上喜久子、鷹森淑乃「未来(ボヤージュ)」