伊弉冉一二三（ヒプノシスマイク）の徹底解説まとめ

原作である楽曲・ドラマトラックの他に、コミカライズ、アプリゲーム、舞台がある。『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageは、原作のシナリオを元に、舞台のみに登場するオリジナルディビジョンなども交えて展開されていく2.5次元コンテンツだ。
伊弉冉一二三は、荒木宏文（あらきひろふみ）が演じる。

伊弉冉一二三の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「ひたすらにただ耕す 不可能という土に花を咲かす」

チーム曲「TOMOSHIBI」の一二三の一節。同シングルに収録されているドラマトラックで、トラウマを植え付けた張本人である仄仄と久しぶりの再会を果たす。それまではあまり語られてこなかった一二三の女性恐怖症の、事の深刻さが初めて明るみになった。普段のジゴロからは到底想像できないような痛々しい絶叫、悶絶、呻き声が店中に響き渡り、仄仄はそれを面白がるかのように高らかに笑う。「Drama Track"過去からのcheser"」では寂雷に「ちゃんと話せば理解できる気がする。その子と会いたい」と言っていたが、実際に対面した一二三は、ラップで抵抗したもののほとんど何もできず、好転はしなかった。
しかし一二三は諦めずに日々にしがみつく。「不可能」という途方もない一面の土を耕し続ける。そしていつか、自分の胸に刺さっている黄色い薔薇のような美しい花を咲かせてみせる。
「ひたすらにただ耕す 不可能という土に花を咲かす」というリリックは、そんな一二三の渾身の決意が凝縮した一節である。
また、「麻天狼」は花をよくモチーフに使う。寂雷は「竜胆」（「ヒプノシスマイク-Division Battle Anthem- 」より）、一二三は胸に刺さっている「黄色い薔薇」、独歩は「チグリジア」（「チグリジア」より）。3人ともに花のモチーフがあることから「土」や「耕す」、「花を咲かす」というワードが出てきたのではないかという説もある。

「俺っちのことはいい......。けど、こいつを悪く言うのは......許さないっ！」

仄仄のラップスキルに圧倒され苦しんでいる独歩のことを「弱い者」呼ばわりしたことに対して怒った一二三の言葉。22歳の時に自分を心配して家まで様子を見に来てくれていたこと、職を投げ売ってでも悪質な上司から救い出してくれたことがあり、独歩には深い恩を感じていた。一二三にとって独歩は、女性恐怖症で引きこもっている時に観た映画『SUIT MAN』に出てくるスーパーヒーローのような存在だったのだ。ホストモードが解けてしまうくらい怖れている精神状態の中でも、それだけは譲れないと立ち上がった。「俺っちのことはいい......。けど、こいつを悪く言うのは......許さないっ！」というセリフからは、一二三の精神の強さと、独歩との固い絆が伺える。

伊弉冉一二三の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

あだ名呼びが多い一二三

基本的な一人称は「俺っち」。緊迫する状況や咄嗟に叫ぶ時など、稀に「俺」と言うことがある。ジゴロの場合は「僕」。ホストモードになると、女性のことを「子猫ちゃん」と呼ぶ。
独歩については場面によりコロコロと呼び方を変える。大抵は「独歩ちん」と呼ぶが、ホストモード時は「独歩くん」、ふざけた時は「ちゃんどぽ」、シリアスなシーンでは「独歩」と呼び捨てにする。また一二三と独歩のデュエット楽曲「HOT GAME」のリリック内では「独歩ちゃん」と煽るように呼んでいる。
寂雷は、出会った当初は「寂雷さん」と呼んでいたが、チーム結成以降は「先生」、「寂雷せんせー」、「センセー」と呼んでいる。
また、自分の呼び方については「ひふみんって呼んでね」とよく周りに伝えているが、実際に使ってくれているのは飴村乱数くらいである。
他ディビジョンのメンバーについてもさまざまなあだ名を付けて呼んでいることが多い。この図々しさと憎みきれない愛らしさは、一二三の魅力のひとつだ。
他キャラクターのあだ名については、以下に一覧にしておく。

イケブクロ・ディビジョン『Buster Bros!!!』
山田一郎（やまだいちろう）→一郎っち、一郎ちゃん、ちゃんイチ
山田二郎（やまだじろう）→高坊

ヨコハマ・ディビジョン『MAD TRIGGER CREW』
碧棺左馬刻（あおひつぎさまとき）→左馬ちん、ザーヤク
入間銃兎（いるまじゅうと）→入間っち
毒島メイソン理鶯（ぶすじまめいそんりおう）→りおっち

シブヤ・ディビジョン『Fling Posse』
飴村乱数（あめむららむだ）→飴村乱数、シグマ
夢野幻太郎（ゆめのげんたろう）→夢野っち、夢野先生

シンジュク・ディビジョン『麻天狼』
神宮寺寂雷（じんぐうじじゃくらい）→寂雷先生、先生、センセー
観音坂独歩→独歩、独歩ちん、ちゃんどぽ、独歩ちゃん、どっぽっぽ

言葉の端々に見えるジゴロの片鱗

いわゆるギャル語のような言葉遣いをする普段の一二三と、紳士的で丁寧な言葉遣いをするジゴロは、一見全く違う人格のように思われる。しかし、よくセリフを聞いていると、ジゴロは一二三の地続きにあるのだと感じることがある。「Drama Track"過去からのcheser"」にて、一二三と独歩が自宅で夕飯を食べている時に「あの子（仄仄）と会って話したいって言ってたけど......本当か？」と独歩に聞かれ、「さっき、先生に言ったことが全てさ」と静かに返す。語尾の全てに「〜」か「！」が付くような話し方をするが、自宅やプライベートな会話の時は、至って冷静に、慎重に話す。その口調や態度は、繊細にコミュニケーションをするジゴロと通ずるものがある。改めて、ジゴロは多重人格ではなく「究極的な自己暗示」の産物であることがわかる。

意外とクールな一二三の対応

一二三は博愛とも言うべき自己犠牲の精神を持っているが、稀に冷淡な一面を見せることもある。
これは、一二三と独歩が夏祭りへ行った時の話（Drama Track 「Greetings from the god of shinjuku 」より）。寂雷は、一口でもアルコールを摂取すると寝落ちるまで大暴れするという酒癖の持ち主だ。一二三、独歩もその被害に遭っており、「先生には絶対に飲ませない」と固く誓っている。夏祭りで「向こうで甘酒を飲んだ医者が暴れている」という騒動を聞きつけた時に、一二三は苦笑いしながら「......今の話、聞かなかったことにしないかい？」と独歩に尋ねる。独歩は「馬鹿言うな！きっと先生だ！止めに行かないと！」と即座に返す。結局2人は寂雷の元へ向かうことになるのだが、意外にも行くことを拒んだのは一二三、しかもホストモードのジゴロだったのだ。さすがのジゴロにも関わりたくないものがあるとわかったエピソードだ。