くるり(Quruli)の徹底解説まとめ
くるりとは、1996年にギターボーカルの岸田繁、ベースの佐藤征史、ドラムの森信行によって結成された京都出身のロックバンド。1998年に1stシングル『東京』をリリースしデビューした。デビュー後は、岸田と佐藤を中心に、メンバーチェンジをしながら活動を続けている。
ロックだけでなく、クラシックやラップなど多様な音楽性を取り入れ、アルバムごとに雰囲気が全く異なるところが、くるりの特徴であり、魅力でもある。TV番組のテーマ曲も担当するなど、知名度と人気を兼ね備えた日本を代表するバンドの1つである。
くるりの概要
くるりとは、京都出身のロックバンドある。
1996年に、ギターボーカルの岸田繁、ベースの佐藤征史、ドラムの森信行によって結成された。
当初の結成目的は、アマチュアバンドコンテストへ出場し、賞金を獲得することであった。
見事コンテストに優勝したくるりはその後もバンドを活動を続け、2枚のインディーズアルバムを経た後の1998年10月、1stシングルの『東京』でメジャーデビューした。
デビューの翌年の1999年に1stアルバム『さよならストレンジャー』をリリース、2000年にはアメリカのミュージシャンであるジム・オルークが共同プロデューサーとして参加した、2ndアルバム『図鑑』をリリースする。
6thシングル『ワンダーフォーゲル』で、バンドサウンドに新たに打ち込みを導入した。くるり最大のヒット曲である9thシングル『ワールズエンドスーパーノヴァ』にはダンスミュージックの要素が強く現れている。
この頃、音楽活動に対する考え方の違いからメンバー間の不和が問題となっていた。これを解決するために新たにギタリストの大村達身がメンバーになるが、メンバー間の溝は埋まることはなく、ドラマーの森が脱退してしまう。
2003年にドラマーのクリストファー・マグワイアがメンバーに加わり、翌年、シンプルなバンドサウンドに回帰した5thアルバム『アンテナ』をリリースした。このアルバムをリリースしてすぐに、慣れない日本での生活で精神的な問題を抱えていたことを理由に、マグワイアは脱退する。
再び3人になったくるりは、6thアルバム『NIKKI』をリリースし、2006年には初めてのベストアルバム『ベスト オブ くるり -TOWER OF MUSIC LOVER-』をリリースする。
2006年末、新たな音楽を目指すくるりがよりよい形をとるために、話し合いの結果ギタリストの大村が脱退する。
2人になったくるりは、2007年にウィーンに渡り、クラシック音楽からの影響を前面に出した7thアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』をリリースする。2009年にはニューヨークでレコーディングを敢行した8thアルバム『魂のゆくえ』をリリースする。
2010年に地元京都に戻り、くるりの原点であるスリーピースサウンドを基調とした、9thアルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』をリリースする。翌年2011年には2ndベストアルバム『ベスト オブ くるり -TOWER OF MUSIC LOVER 2-』をリリースする。
2011年にギタリストの吉田省念、トランペット奏者のファンファン、ドラマーの田中佑司が加わる。しかし、田中とメンバーとの間にコミュニケーションの問題があり、話し合いの結果、同年に田中は脱退する。2012年に10thアルバム『坩堝の電圧(るつぼのぼるつ)』をリリースする。2013年に個人の音楽活動に力をいれるために吉田が脱退し、3人になったくるりは、多国籍なサウンドが特徴の11thアルバム『THE PIER』をリリースし、第7回CDショップ大賞に入賞した。
2015年、ファンファンが産休のためライブ活動から一時離脱する。同年から、過去のアルバムの再現ライブを行う「NOW AND THEN」をスタートさせ、2016年7月には1stEP『琥珀色の街、上海蟹の朝』、9月には20周年を記念したオールタイムベスト『くるりの20回転』をリリースする。
2018年に4年ぶりのアルバムである、12thアルバム『ソングライン』をリリースする。2020年は予定していたツアーが、新型コロナウイルスのため延期になり、急遽、未発表曲を集めたアルバム『thaw』をリリースする。
くるりの活動経歴
結成からインディーズ時代まで
岸田は立命館高等学校の3年生の時に佐藤に出会い、オリジナル曲を演奏するロックバンドを組む。
1995年に立命館大学に入学した岸田繁は、同大学の音楽サークルの「ロックコミューン」で森と出会い、岸田、佐藤、森の3人で「くるり」を結成する。
当初のバンド結成目的は、アマチュアバンドコンテストの賞金を獲得することであった。
見事、コンテストで優勝し賞金を獲得したくるりは、バンド活動にさらに力を入れる。
1997年、8曲入りのカセットテープ『くるりの一回転』を発売し完売した。
Bad News Recordsレコードにデモテープを送ったことがきっかけで、インディーズ1stアルバム『もしもし』を発売する。
1998年には、ライブツアーを行い、インディーズ2ndアルバム『ファンデリア』を発売する。
デビューから2ndアルバムリリースまで(『さよならストレンジャー』〜『図鑑』)
1998年10月に1stシングル『東京』で、ビクターエンタテインメントからデビューする。上京した青年の、地元に残した恋人に対する溢れる想いを歌った曲で、ファンの間で人気が高い。
1992年2月には2ndシングル『虹』をリリースする。
同年4月にシンプルなロックサウンドで等身大の日常を歌った1stアルバム『さよならストレンジャー』をリリースする。
2000年には、アメリカ出身のミュージシャンであるジム・オルークを共同プロデューサーに迎えて、前作よりも実験的要素の強い2ndアルバム『図鑑』をリリースする。
音楽性の模索と森脱退(『TEAM ROCK』〜『THE WORLD IS MINE』)
2000年10月に6thシングル『ワンダーフォーゲル』をリリースする。このシングルから徐々に打ち込みを用いた曲を制作することが多くなる。
2001年1月には名曲と名高い7thシングル『ばらの花』、2月には打ち込みを用いてダンスミュージックなどの要素を詰め込んだ3rdアルバム『TEAM ROCK』をリリースする。
このアルバムのリリースツアー時、前作のアルバム制作の頃から音楽活動に対する考え方の違いのために生じていたメンバー間の不和は悪化していた。この打開策として、大学時代にくるりの3人と同じ音楽サークルに在籍しており、顔馴染みであった大村達身がギタリストとして加入した。
4人体制となって初めてのシングル『ワールズエンドスーパーノヴァ』を2002年2月にリリースする。このシングルはダンスミュージックの要素が強い曲で、くるりにとって最大のヒット曲であった。
同年3月にエレクトロニックで内省的な雰囲気の4thアルバム『THE WORLD IS MINE』をリリースした。
前作のリリースツアーから続いていたメンバーの不仲は解消されず、このアルバムのリリースツアー終了後にドラマーの森はくるりを脱退した。
シンプルなバンドサウンドへ(『アンテナ』〜『NIKKI』)
2003年11月に映画サウンドトラック『ジョゼと虎と魚たち』をリリースする。同じ月に、サポートドラマーとして共演経験のあるクリストファー・マグワイアが加入した。
2004年には13thシングル『ロックンロール』をリリースし、3月にはバンドサウンドに回帰した5thアルバム『アンテナ』をリリースする。
個性的でグルーブ感のあるマグワイアのドラミングはファンからの人気が高かったが、不慣れな日本での生活で精神的な問題を抱えることになり、アルバムツアー終了後の同年10月にくるりを脱退してしまった。
再び3人となったくるりは、2005年11月にUKロックの影響を前面に出した6thアルバム『NIKKI』をリリースする。
2006年にはヒップホップグループのRIP SLYMEとのコラボレーションや、初めてのベストアルバムである『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER』のリリースなど精力的に活動する。
この頃、岸田は新しい音楽表現を獲得するために、始めに譜面に書き出してから作曲する方法に挑戦していた。しかしセッションを重ねる作曲方法とは異なり、この作曲方法はギタリストが2人いるバンドには向いていないことをメンバーは理解しており、新しいくるりとしてより良い形をとるために、同年末にギタリストの大村は脱退する決断をした。
音楽性の幅を大きく広げる(『ワルツを踊れ Tanz Walzer』〜『魂のゆくえ』)
2007年、2人になったくるりは多くの偉大なクラシック作曲家が過ごした”音楽の都”ウィーンに渡る。そして、同年6月に、クラシック音楽の影響を受け、ストリングスのアレンジが特徴的な7thアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』をリリースする。この頃のライブの音源をまとめた初のライブアルバム『Philharmonic or die』を2008年2月にリリースする。
2009年はニューヨークでレコーディングを行う。6月には、くるりとしては珍しく明確な音楽性のコンセプトはないが、岸田の意識の根本に深く根差した8thアルバム『魂のゆくえ』をリリースする。
12月には松任谷由美と共作したシングル『シャツを洗えば』リリースする。
原点回帰(『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』)
2010年にくるりは地元京都に戻りレコーディング作業を行う。5月に初のカップリング・コンプリート・ベスト『僕の住んでいた街』と初の歌詞集『くるり詩集』をリリースする。
そして7月には、2002年にメジャーデビューした日本のロックバンド「54-71」のメンバーであり、フジファブリックなどのツアーにも参加するBoboをサポートドラマーに迎えて、くるりの原点であるスリーピースサウンドを基調とした9thアルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』をリリースする。
2011年は岸田はソロ名義で映画音楽を作成する。6月には2枚目のベストアルバムである『ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER 2』をリリースする。
新体制くるりの新しい音楽(『坩堝の電圧』〜『THE PIER』)
2枚目のベストアルバム発表日にギタリストの吉田省念、トランペット奏者のファンファン、ドラマーの田中佑司のバンド加入を発表する。くるりは結成以来最大の5人体制になるが、同年12月に田中は脱退してしまう。
2012年に、前年3月11日に発生した東日本大震災からの復興の願いを込めた「石巻復興節」をレコーディングをし、同年3月12日に石巻のショップとオンラインで販売した。
その後は韓国と日本でレコーディング作業を行い、9月に新体制のくるりで初めてのアルバム『坩堝の電圧(るつぼのぼるつ)』をリリースする。くるりのオリジナルアルバム史上最多収録曲数の19曲入りであり、また、メンバー全員がそれぞれリードボーカルを担当する曲が収録され、色彩豊かなアルバムである。
アルバムツアー後の2013年4月に、もともとシンガーソングライターとして活動していた吉田は、個人での活動に力を入れるために脱退する。
2013年に15周年を迎えたくるりは、シングル『ロックンロール・ハネムーン』、『Remember me』、『最後のメリークリスマス』を立て続けにリリースする。
2014年には新たなアルバムのレコーディングを開始し、9月に11thアルバム『THE PIER』をリリースする。ファンファンのエキゾチックな響きのあるトランペットの音を散りばめ、さまざまな文化の音楽を取り入れたこのアルバムは”最新型の多国籍アルバム”表現されている。
特にこのアルバムの収録曲の「Liberty & Gravity」は、複数の曲をツギハギにしたような複雑に展開するメロディが特徴的で、曲中に奇妙な掛け声が入ることなどから、”くるりの変な新曲”として話題になる。
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目次 - Contents
- くるりの概要
- くるりの活動経歴
- 結成からインディーズ時代まで
- デビューから2ndアルバムリリースまで(『さよならストレンジャー』〜『図鑑』)
- 音楽性の模索と森脱退(『TEAM ROCK』〜『THE WORLD IS MINE』)
- シンプルなバンドサウンドへ(『アンテナ』〜『NIKKI』)
- 音楽性の幅を大きく広げる(『ワルツを踊れ Tanz Walzer』〜『魂のゆくえ』)
- 原点回帰(『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』)
- 新体制くるりの新しい音楽(『坩堝の電圧』〜『THE PIER』)
- くるり、20周年(『くるりの20回転』)
- 新しい、くるり(『ソングライン』)
- くるりのメンバー
- くるりの現メンバー
- 岸田繁
- 佐藤征史
- ファンファン
- くるりの旧メンバー
- 森信行
- 大村達身
- クリストファー・マグワイア(Christopher McGuire)
- 田中佑司
- 吉田省念
- くるりのディスコグラフィー
- 自主制作の作品
- くるりの一回転
- インディーズ時代の作品
- もしもし
- ファンデリア
- メジャーデビュー後の作品
- さよならストレンジャー
- 図鑑
- TEAM ROCK
- THE WORLD IS MINE
- ジョゼと虎と魚たち
- アンテナ
- NIKKI
- ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER
- ワルツを踊れ Tanz Walzer
- Philharmonic or die
- 魂のゆくえ
- くるり鶏びゅ〜と
- 僕の住んでいた街
- 言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
- ベスト オブ くるり / TOWER OF MUSIC LOVER 2
- 奇跡 / オリジナル・サウンドトラック
- 坩堝の電圧
- THE PIER
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- くるりの20回転
- ソングライン
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- 東京
- ばらの花
- ワールズエンド・スーパーノヴァ
- ジュビリー JUBILEE
- くるりのミュージックビデオ(MV/PV)
- 青い空
- ロックンロール
- BABY I LOVE YOU
- Liberty & Gravity
- 琥珀色の街、上海蟹の朝
- くるりの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「賞金目当てにバンド結成」は岸田の照れ隠しだった
- 岸田は自他ともに認める鉄道オタク
- バンド名の由来は地下鉄の案内板
- 大村のメンバー加入を断るつもりだった