Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『Re:ゼロから始める異世界生活』とは、長月達平によるライトノベルであり、アニメ化もされたファンタジー作品である。略称は『リゼロ』。引きこもりの高校生ナツキ・スバルは突然異世界に召喚された。命を落とすとやり直しが出来る「死に戻り」の力を与えられたスバルは、大切な人を救うために立ちはだかる敵と戦い、自分の命の価値を知って成長していく。今回は、繰り返し難局に立たされるスバルやスバルを取り囲むキャラクター達の葛藤、想い、たどり着いた答えが込められた名セリフを紹介する。

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』の概要

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』とは、長月達平によるライトノベル作品である。2012年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載を始め、2年後にはKADOKAWAのMF文庫より出版された。イラストを描くのは、大塚真一郎だ。この作品は、2017年の「このライトノベルがすごい!」で、文庫部門第2位を獲得。2016年には、テレビアニメの放送が開始。2018年には『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』、2019年には『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』が劇場上映され、2020年からテレビアニメの2期が放送された。
引きこもりの高校生ナツキ・スバルは、突然異世界であるルグニカ王国に召喚された。知識も力も持たないスバルは序盤から窮地に陥る。そんなスバルを助けてくれたのは、銀髪のハーフエルフであるエミリアだ。スバルは、可愛くて、自分がどんなに大変な状況でも人助けをしてしまうほどお人好しなエミリアに恋をした。現在、王が不在のルグニカ王国は、次期国王選出を控えていた。その国王候補の1人がエミリアだ。この世界では、かつて世界の半分を闇に沈めた嫉妬の魔女サテラの存在が忌むべきものとして語り継がれていた。サテラは銀髪に紫紺の瞳のハーフエルフであり、魔女と同じ容姿のハーフエルフであるエミリアは、人々に受け入れられずにいた。そんなエミリアが、王選への参加を表明したことで、魔女教徒たちがエミリアを狙って動き出す。スバルは、エミリアのために一緒に戦うことを決意する。スバルには、自分が死ぬと、世界が決めたセーブポイントからやり直すことができる「死に戻り」の力が与えられていた。スバルは、「死に戻り」の力を使い、大切な人を守るために戦っていく。この作品はスバルが戦いを通して自分の命の価値に気付き、成長していく物語である。作中には何度も窮地に立たされるスバルとスバルを支える仲間たちが紡ぐ葛藤や想い、たどり着いた答えが込められた名セリフが数多く存在する。

ナツキ・スバルの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「俺の名前は、ナツキ・スバル!無知蒙昧にして、天下不滅の無一文。よろしくぅ!」

エミリア(左)とパック(真ん中)に自己紹介をするスバル(右)。

物語の主人公ナツキ・スバルは、引きこもりの高校生。スバルはその日も、1日中部屋にこもって、ゲームをしていた。夜、コンビニに行った帰りに、スバルは前触れもなく異世界に飛ばされた。しかし、この突然の異世界にも全く物怖じしなかったスバルは、「これって異世界召喚ってやつー!?」とテンション高く声を上げる。スバルは早速、その世界のことを知ろうと、散策を始める。漫画やゲームが好きなスバルは、異世界に召喚されたのなら、自分にも異能の力や特殊設定があるのではと考えた。だがそんなものは何もなく、スバルは散々な目に遭い、チンピラにボコボコに殴られてしまう。そこを通りかかったのは、銀髪の美少女エミリア。エミリアは大切な徽章を盗まれてしまい、盗んだ犯人を追いかけている途中だった。それにも関わらずエミリアは、スバルの様子を見て、助けてくれる。さらにエミリアは、気絶してしまったスバルが目を覚ますまで付き添ってくれた。エミリアは、恩を感じるスバルに、負い目を感じさせないように全部自分のためなのだと主張。そんな自分が損をする優しい性格のエミリアが放っておけず、スバルも自分のために、エミリアの徽章探しを手伝うことにする。散々探し回った後、お互いに自己紹介していなかったことに気づいた。スバルは「俺の名前は、ナツキ・スバル!無知蒙昧にして、天下不滅の無一文。よろしくぅ!」と右手を突き上げ、左手を腰に当てた愉快なポーズで言い放つ。相手の身分や自分のおかれている状況を考慮しないこの自己紹介は、スバルの猪突猛進で、身の程をわきまえない性格がよくわかる名セリフだ。エミリアと契約している精霊のパックが「それだけ聞くと、もう絶体絶命だよね?」と突っ込むのも愛らしいシーンとなっている。

「待っていろ…オレが、必ず…お前を救ってみせる」

エルザ(手前)に斬られて倒れるエミリア(右)と、瀕死になりながらもその手を握るスバル(左)。

銀髪のハーフエルフであるエミリアは、大切な徽章を何者かに奪われてしまう。チンピラに絡まれているところをエミリアに助けてもらったスバルは、徽章探しを手伝うことにした。街で聞き込みをすると、フェルトという貧民街に住む金髪の少女の名前が上がる。フェルトに会うべく、スバルとエミリアは貧民街へ向かう。微精霊や貧民街の住人から、フェルトの居場所について情報を集めると、盗品蔵に辿り着いた。早速、盗品蔵に向かうスバルとエミリア。中に危険があるかもしれないと判断したスバルは、エミリアを外に残し、1人で中に入る。中には、人の気配が無い。盗品蔵だというのに不用心であることを訝しむスバル。その時、スバルは地面に溢れる液体を踏む。それが血だと分かった時、スバルの目には、巨体の老人が顔から血を流して倒れているのが映った。スバルが危機を感じた時には、闇に潜んでいた「腸狩り」の異名を持つエルザに致命傷を負わされ、倒れていた。その時、スバルを心配したエミリアが中に入ってきてしまう。エミリアは抵抗の余地も無く、エルザに斬られて命を落とす。隣に倒れたエミリアの姿を見たスバルは、力を振り絞ってエミリアの手を握った。そして、「待っていろ…オレが、必ず…お前を救ってみせる」と言い、スバルも命を落とす。スバルはこの後、「死に戻り」という力を発動した。「死に戻り」は自分が死ぬと、世界が勝手に決めたセーブポイントから時間をやり直せる力。エミリアを救いたいという強い決意から、作中初めて、スバルの「死に戻り」が発動する名場面だ。

「結局は生ある限りは、精一杯足掻くしかないってことか」

捨て身でエルザ(左)の攻撃からフェルト(真ん中)を守るスバル(右)。

スバルはルグニカ王国に召喚され、3度目の始まりを迎えていた。1度目と同じように、貧民街のフェルトという少女が、銀髪のハーフエルフであるエミリアから徽章を奪っていく。3度目の世界でスバルはまだエミリアと会っていないことになっていたが、1度関わった相手が死ぬのは見たくない。放っておけば、フェルトに徽章を盗むことを依頼した腸狩りのエルザにみんな殺されてしまう。スバルはフェルトに先に会いに行き、徽章を買い取りたいと交渉する。スバルとフェルトは、エルザとの交渉場所であるロム爺が営む盗品蔵で、スバルの交渉材料である携帯を値踏みする。そこに現れたのは、交渉相手のエルザではなくエミリアだった。全員が揃った最悪なタイミングで、エルザが姿を見せる。交渉が困難だと悟ったエルザはすぐに実力行使に出た。エミリアと契約しているパックが相手をするが、途中で活動限界が来てしまう。代わってエミリアが相手をするも、エルザはかなりの手練れで押されていく。ロム爺が棍棒を振るって加勢するが、やり返されてしまう。スバルはそんな状況を見て、もう1度死んでやり直すか考える。しかし、スバルは2度死んだ痛みと苦しみを思い出し「結局は生ある限りは、精一杯足掻くしかないってことか」と覚悟を決めた。死ぬ苦しみはやり直せるからといって、簡単に選択できるものではないことが分かる名セリフである。

「あれだけ傷ついて、あれだけ嘆いてあれだけ痛い思いをして、あれだけ命懸けで戦い抜いて、その報酬が彼女の名前と笑顔が1つ。はぁ、全く、割に合わねぇ」

エミリア(左)の名前を聞くスバル(右)。

スバルはルグニカ王国に召喚されて、3度目の世界を始めていた。貧民街で暮らす少女フェルトは、腸狩りのエルザから依頼を受け、銀髪のハーフエルフであるエミリアから徽章を盗む。1度目の世界で、自分が危機的状況にあるにも関わらず、スバルを助けてくれたエミリア。エミリアの大切な徽章を取り戻すべく、スバルはフェルトに徽章を買い取る交渉を持ちかけた。スバルとフェルトは、エルザとの交渉場所である盗品蔵へ行く。盗品蔵には、交渉の際の用心棒となる巨人族のロム爺がいる。スバルがフェルトと交渉をしていると、盗品蔵の扉が叩かれる。スバルはエルザの来訪に怯えた。1度目の世界では、他でもないエルザにエミリアもロム爺も、そしてスバルも殺されたのだ。しかし、予想に反して入ってきたのはエミリアだ。驚く間もなく、全員が揃ったところに、エルザはやってきた。エルザは交渉の余地なしと見るや、皆殺しにしようと実力行使に出る。エミリアと精霊パックが奮闘するも力及ばす、ロム爺もやられてしまう。スバルは戦う覚悟を決め、なんとかフェルトを逃がす。スバルはエルザと攻防を繰り広げるが、当然エルザには及ばず、足を切り落とされそうになった時「そこまでだ」と騎士ラインハルトが現れた。逃げたフェルトが助けを呼んでくれたのだ。剣に選ばれた剣聖の家系であるラインハルトは、とんでもなく強かった。無事にエルザを退けたラインハルト。3度目のこの世界でエミリアと初対面だったスバルは自己紹介をし、エミリアを守ったお礼が欲しいと言う。身構えるエミリアにスバルは「オレの願いは、君の名前を教えて欲しい」と言った。それを聞いたエミリアは「エミリア。私の名前はエミリア、ただのエミリアよ。ありがとうスバル。私を助けてくれて」と微笑んで手を差し伸べる。スバルは「あれだけ傷ついて、あれだけ嘆いてあれだけ痛い思いをして、あれだけ命懸けで戦い抜いて、その報酬が彼女の名前と笑顔が1つ。はぁ、全く、割に合わねぇ」と心の中でぼやきながらも、エミリアの手を取った。1度目の世界でエミリアは名前を偽ったため、スバルは本当の名前を聞けなかった。一目惚れのエミリアの名前を知りたいというスバルのささやかな願いが叶った名場面である。

「繰り返した時、みんながそれを忘れていても、お前はそれを覚えてる」

屋敷を見渡せる高台を陣取るスバル。

スバルはロズワール邸での3度目の初日を迎えた。4日目の夜、屋敷は何者かに襲撃され、スバルは死ぬ。当主ロズワールにこのことを伝えられたらいいが、死に戻りという情報の出所を伝えることが出来ないため、下手をすれば敵の一味と疑われかねない。スバルはロズワール邸の食客となり、情報収集を始める。3日間屋敷で過ごし、4日目の朝、スバルは屋敷を出た。スバルは屋敷を襲う刺客の姿を確認し、可能ならば戦うために、屋敷が見渡せる高台に待機する。スバルは武器として屋敷から持ち出した包丁を手に、屋敷のみんなのことを思う。屋敷に戻りたい気持ちを抑え、スバルは「繰り返した時、みんながそれを忘れていても、お前はそれを覚えてる」と自分に言い聞かせる。今の周回中に起こらなかったことでも、前の周回で起こった出会いやもらった優しさをスバルは覚えている。みんながどうして自分たちを守ろうとするのか理解できなくても、スバルは命を賭けてもみんなを守るのだという強い覚悟が伝わる名セリフである。

「死んだ方がマシとか、そんな言葉はぜひ死んでから言ってもらいたいもんだね」

ベアトリスに呪いを解除してもらうスバル。

スバルはロスワール邸で5度目の周回を始めていた。4日目の夜、スバルは呪いをかけられて死ぬ。スバルが助かれば、屋敷の誰かが呪われる可能性がある。スバルは以前の周回での死に様をもとに、屋敷の禁書庫を守るベアトリスに話を聞き、犯人は呪術師ではないかと考えた。呪われるのは、タイミングからして村に行った時だと検討をつけたスバルは、村に買い物に行く屋敷のメイドのラムとレムとともに村に買い出しに行くことを希望する。スバルは犯人を特定できるよう、自分の身体の異なる場所に村人全員とボディータッチをした。屋敷に戻ってきたスバルはベアトリスのもとへ行き「ちょっとオレが呪われると思うんだけど、確かめてくれない?」と頼む。ベアトリスはスバルにかけられた呪いの気配を感じ取り「発動したら十中八九、命を取られる呪いかしら」と言った。スバルはその言葉を表情1つ変えずに聞く。その様子を見たベアトリスは「お前、死ぬの怖いと思っていないみたいに見えるのよ」と静かに言う。スバルは表情を一変させ、その言葉を全否定する。そして「死んだ方がマシとか、そんな言葉はぜひ死んでから言ってもらいたいもんだね」とスバルは言った。死んだことがあるスバルのその言葉は妙な説得力があって面白おかしくあるが、スバルが経験してきた死の重さが感じられる名セリフとなっている。

「そうだ。拾ったオレの命だ。だから、楽な方に生きやすい方へ、それを目指して何が悪い。使い方は、オレが決める!」

「死に戻り」をする覚悟を決め、レムやラムのことが大好きなのだと伝えるスバル。

スバルは、ロズワール邸での4度目の世界に目を覚ました。今から4日目の夜に、屋敷は何者かに襲われ、スバルは命を落とす。屋敷のみんなを守りたいスバルは、前回の周回で、4日目の夜に外から屋敷を見張っていた。しかし、そんなスバルの前に現れたのは、屋敷の当主ロズワールに仕えるメイドのレムだ。屋敷のみんなとうまくやれていたと思っていたスバルは、レムに敵ではないかと疑われて殺されそうになっていることにショックを隠せない。レムは「これからルグニカ王国で行われる国王選王候補の1人であるエミリアの敵陣営か、はたまた魔女教の関係者なのか」とスバルを問い詰め、痛ぶっていく。どちらとも関係のないスバルは、何もわからないまま、レムに殺されてしまう。そして、「死に戻り」をした4度目の朝。レムのあの顔が忘れられずないスバルは、心配してくれるエミリアにもきつく当たってしまう。自分の力ではどうしようもないと判断したスバルは、ロズワール邸の禁書庫の司書であるベアトリスに、5日目の朝まで自分を守って欲しいとお願いする。ベアトリスは嫌々その願いを叶える契約をしてくれた。4日目の夜、ベアトリスの禁書庫で安全な夜を過ごしたスバルは、いとも簡単に5日目の朝を迎えていた。しかし、その朝、レムが何者かに殺されていたことが分かる。屋敷のみんなは、スバルが何か知っているのでは、と疑う。スバルは呪いのせいで、「死に戻り」の力を打ち明けることも出来なかった。悲しみにくれるレムの姉ラムの怒号やエミリアからの情報提供の期待、従者を殺されたロズワールの怒りを受け止めることが出来ず、スバルはその場から逃げてしまう。スバルは屋敷から逃げ、崖の上まで辿り着いた。スバルは、ここで自分が死ねば、レムが助かるかもしれないと考える。でも、崖の下へ1歩を踏み出す勇気が出ない。そこへ、スバルを守ると契約をしていたベアトリスがやってきて、スバルを領事の外へ逃がしてくれるという。ベアトリスが差し伸べた手を掴んだスバルは、自分がうなされていた夜、誰かが両手を握ってくれていた感触を思い出す。あれはラムとレムだったのではないかと、ふと思う。繰り返してきた屋敷での時間を思い出したスバルは、やはりみんなを救いたいと決意し、「そうだ。拾ったオレの命だ。だから、楽な方に生きやすい方へ、それを目指して何が悪い。使い方は、オレが決める!」と言う。スバルを殺そうと追いかけてきたラムにスバルは、自分の覚悟が足りずに悲しませてしまったことを謝り、崖の下に飛び出した。何よりもこの居場所と屋敷のみんなが大切だと再確認し、スバルが初めて自死により「死に戻り」をする名場面だ。

Ai-Kamioka
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@Ai-Kamioka

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