Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『Re:ゼロから始める異世界生活』とは、長月達平によるライトノベルであり、アニメ化もされたファンタジー作品である。略称は『リゼロ』。引きこもりの高校生ナツキ・スバルは突然異世界に召喚された。命を落とすとやり直しが出来る「死に戻り」の力を与えられたスバルは、大切な人を救うために立ちはだかる敵と戦い、自分の命の価値を知って成長していく。今回は、繰り返し難局に立たされるスバルやスバルを取り囲むキャラクター達の葛藤、想い、たどり着いた答えが込められた名セリフを紹介する。

半獣のガーフィールは、スバルやエミリアが聖域の解放のため、墓所の試練を突破することを阻もうとしていた。聖域にはハーフの混血たちに作用する結界が張られており、ハーフの混血が外の世界に出るには、試練をクリアしなければならない。ガーフィールは幼い頃から、聖域で暮らし、幼い頃に試練を受けていた。第1の試練では、自分の過去と向き合う。ガーフィールの母親リーシアは、幼いガーフィールと姉のフレデリカを聖域に残し、聖域の外に出た。リーシアはクォーター以下の混血だったため、外に出ることも可能だった。ガーフィールは、リーシアが自分の幸せのために邪魔だった自分やフレデリカを置いて、外の世界に出たと思い込んでいた。自分たちの悲しさや寂しさも、母の幸せのために意味があったのだと思えるように、ガーフィールはリーシアに幸せになって欲しかったのだという。しかし、ガーフィールは試練で、リーシアが聖域を出てすぐ崖崩れで命を落としていたことを知った。ガーフィールは幸せになれなかったリーシアを想い、純粋に自分たちを置いて行った母を恨むことも出来なかった。エミリアが試練に挑むと決意した時、聖域の解放を望まないガーフィールが、エミリアを止めにきた。そんなガーフィールに、事情を知らないスバルは「母親が憎いなら今すぐ外に出て復讐でもなんでもしろ!中に入ったオレたちに八つ当たりしてんじゃねぇ!」と言う。すると、ガーフィールはそれを否定。ガーフィールは、「俺は、母さんに、幸せになって、欲しかった…!」と続けた。初めてガーフィールの心のうちが垣間見える名セリフである。この後、自身の過去にケジメをつけるために改めて試練に挑戦したガーフィール。ガーフィールはリーシアが自分たちを愛してくれたことを知り、その愛を受け止めながら、前に進む決意をする。

「そいつらが、思い出させてくれたからだ。母さんが、俺を愛してくれてたことを」

母に愛されていたことを知り、微笑むガーフィール。

聖域を解放することに反対だったガーフィール。しかし、スバルのまっすぐな説得とスバルと殴り合って敗北したことをきっかけに、ガーフィール自身も聖域を解放する試練に挑むことにする。試練は自身の過去と向き合うこと。ガーフィールは、母親のリーシアが自分の幸せのために邪魔な存在である幼い自分と姉のフレデリカを聖域に残し、外の世界に出ていったと思っていた。ガーフィールは母親に置いていかれた悲しみも寂しさも母親の幸せのためなら意味があると考えてきた。だが、リーシアは聖域を出てすぐ、崖崩れに巻き込まれて命を落としてしまう。ガーフィールは、幸せになれなかったリーシアのことを恨めず、消化しきれない感情だけがあった。しかし、ガーフィールは再度試練に挑むことで、自分たちが母親から愛されていたことを思い出す。リーシアは、父親を連れて聖域に戻るため、外に出た。それが命を落としてしまい、戻ってくることが叶わなかったため、幼かったガーフィールには真実が伏せられていた。過去にいる幼いフレデリカに、ガーフィールは、自分はどうしたらいいかと聞く。フレデリカは呆れながらも、ガーフィール自身はどうしたいのかと聞き返す。ガーフィールは、自分を必要としてくれる人たちのために、求められることをしたいと答えた。どうしてか問うフレデリカにガーフィールは「そいつらが、思い出させてくれたからだ。母さんが、俺を愛してくれてたことを」と微笑み、それを聞いたフレデリカも微笑んだ。過去にけじめをつけたガーフィールは試練を突破。ガーフィールがずっと避けてきた過去と向き合った名セリフである。試練に納得できたのはスバルのおかげだと感じているガーフィールは、頬を染めてスバルに礼を言い、スバルはそれを茶化す。微笑ましい2人のやりとりが見られる名場面でもある。

エキドナの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「あぁ、そうだとも。僕はとても悪い、魔法使いなんだぜ」

魔女の茶会からスバルを現実世界に帰すエキドナ。

エミリアとともに聖域へ向かったスバル。聖域に近づくと、ロズワール邸のメイド、フレデリカにもらった輝石が光り出し、エミリアが気を失ってしまった。スバルもその光に飲み込まれ、気付くと1人森の中にいた。スバルがあたりの様子を伺っていると、桃色の髪で白い装束を纏った少女が姿を見せ、走り去っていく。スバルは少女を追いかけ、遺跡のような建物にたどり着いた。スバルがその建物の中を進んで行くと、突然姿の見えない女性の声が聴こえ、スバルは青い空と草原が広がる謎の世界に転移させられた。ポツンと立つパラソルとその下にテーブルと椅子があるだけの世界。椅子に腰掛けているのは、白い髪で黒いドレスを纏った、強欲の魔女エキドナ。エキドナはこの空間を「魔女の茶会」と呼んだ。スバルはエキドナに、自分をどうするつもりだと問う。エキドナは余裕の表情で「勝手に入って来たのは君の方だ」とスバルに言い、「帰りたいなら帰らせてあげるけど、君はそれでいいのかい?強欲の魔女に話を聞ける機会なんて、君以外の誰が求めてもそうそう得られるものじゃない」と続ける。エキドナの話から、現実世界のスバルがいた遺跡がエキドナの魂が留まる墓所であり、その場所こそが聖域であることを知ったスバル。スバルは、ここが聖域であるなら一刻も早くエミリアと合流したいと考え、エキドナに元の世界に帰して欲しいと頼んだ。そんなスバルに拍子抜けするエキドナだが、対価としてここでの記憶をスバルから消し、土産として試練の資格をスバルに与えた。スバルにはその価値が全く分からなかったが、エキドナは「今はまだ分からなくても、その場所を知ればその価値に気付ける。そうなった時、君がボクにどんな感情を抱くか、それはそれは素敵な期待だね」と言って、自身の指を舐める。それを聞いたスバルは「お前、やっぱり魔女なんだな」と呟く。するとエキドナは、「あぁ、そうだとも。僕はとても悪い、魔法使いなんだぜ」と答えた。無邪気に自身の欲に従い、力を使うエキドナの脅威が感じられる名セリフである。

「分かってる。君の、これまでの足跡を知っている。見たからね。だけど、見てきただけだ。だから、出来るなら君の口から、教えて欲しい。君がこれまで、何を思い、どう感じて、どれほど抱えてきたか。それを知りたい。だって僕はこの世の全てを知りたいと欲する強欲の魔女、エキドナだからね」

スバル(左)の頭を優しく撫でるエキドナ(右)。

聖域の結界を破る試練を受ける墓所で、スバルは死に戻りを繰り返していた。避難させていたメイザース領の村人たちを連れ帰るために、聖域にやってきたスバルとエミリア。聖域はハーフの混血だけに作用する結界で守られ、聖域から出るには、資格を持つものが試練をクリアしなければならない。1度目は試練に苦戦するエミリアを残し、スバルは、結界が作用しない村の人々と先に村に帰った。スバルが屋敷に戻ると、王都で戦った腸狩りのエルザが屋敷を襲っていて、スバルも一瞬で腹を裂かれて死んでしまう。死に戻りで迎えた2度目は1度目より早く屋敷に戻れたものの、エルザの襲撃を凌げずに屋敷に仕えていたメイドのラムとペトラを殺され、スバルも殺される。そして3度目。戦力を集めて一刻も早く屋敷に戻りたいスバルは、聖域で権力を持つ半獣のガーフィールと400年を生きるリューズに、自分がエミリアの代わりに試練を受けることを提案。すると、その話を聞いたガーフィールに監禁されてしまう。スバルのために、友人である商人のオットーとスバルを慕う村の人々が命懸けでスバルを助けようとするが、スバルの目の前でガーフィールに殺されていく。その光景を見たスバルは、逃げることを諦め、再度監禁される。監禁された場所で、目を覚ましたスバルは、聖域全体が雪で覆われていることに気づく。突然現れた魔獣多ウサギに身体中を噛みちぎられ、スバルは、トラウマを抱えて死んだ。4度目の世界を始めたスバルは、心を壊し、自分の頭を地面に叩きつけていた。そんなスバルを強欲の魔女エキドナは、特別な空間である魔女の茶会に招待した。茶会の場所では、スバルの心は平穏そのものだった。エキドナは、心が限界を迎えたスバルを救うため、茶会に招いたという。2度目の茶会への招待のタイミングなどから、スバルはエキドナが、誰にも伝えることが叶わなかった死に戻りのことを知っているのではと予想。スバルは意を決して、死に戻りのことを打ち明けた。エキドナはスバルの死に戻りを知っていた。初めて人に理解され、いろんな感情に涙を流しながら、スバルは何度も死に戻りを訴える。そんなスバルにエキドナは、「分かってる。君の、これまでの足跡を知っている。見たからね。だけど、見てきただけだ。だから、出来るなら君の口から、教えて欲しい。君がこれまで、何を思い、どう感じて、どれほど抱えてきたか。それを知りたい。だって僕はこの世の全てを知りたいと欲する強欲の魔女、エキドナだからね」と話をする。死に戻りを繰り返すスバルの想いを知りたいというエキドナの知識欲から来る振る舞いであったとしても、スバルの心を救った名セリフであり、スバルがこの世界に召喚されてからの苦しみが初めて共有できた名場面である。

リューズ・メイエルの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「私は、エキドナ様やロズワール様に救われました。誰に蔑まれず、疎まれることもない生活を送れて、幸せでした。その時間の恩返しが出来るなら、私の生きた意味は、そこにあるのだと思うのです」

自身の身を捧げる覚悟を決めたリューズ・メイエル。

亜人族の混血が暮らす、聖域。そこは、結界で守られており、その結界はハーフの混血にのみ作用する。ハーフの混血が出入りするには試練をクリアしなければならない。そんな聖域はなんのために作られたのか。そこは、強欲の魔女エキドナが生きながらえることを目的に、複製体を作って自身の魂を複写する実験を行っていた場所だった。そこでは、リューズ、ベアトリス、ロズワールの3人が聖域の誕生に関わっていた。ハーフエルフであるリューズ・メイエルは迫害を受けて生活していたところ、エキドナに保護され、いずれ聖域となる場所で暮らし始める。そこに現れるようになったのは、エキドナが生み出した精霊ベアトリス。そして、精霊のロズワールがこの実験に加担し始めた。ロズワールは体内に溜まったマナを放出できずに苦しんでいたところを、エキドナに助けられ、エキドナに恋をしたのだ。リューズとベアトリスは、一緒の時間を過ごすことが多くなり、友達になった。実験に協力するロズワールも頻繁に出入りするようになり、3人はいつも軽口を叩き合いながら、仲良く過ごしていた。実験が成功間近となった時、この場所に現れたのは、なぜかエキドナに執着する憂鬱の魔人ヘクトール。ヘクトールは道化のような服に身を包み、いつもネガティブな言葉を発する、ものすごく強い魔人である。ヘクトールに邪魔をされては、実験は振り出しに戻る。ここから逃げようと提案するロズワールに、エキドナは「聖域を作る目算は立っているが、核になるものがない」と話す。聖域が完成すれば、複製体を守るための結界が張られるため、ヘクトールから守ることが出来る。それを聞いたリューズは、「私はお役に立てませんか」と、手をあげる。リューズはベアトリスから、エキドナが作る結界の核となる条件に自分が合っていることを聞いていた。しかし頷かないエキドナとロズワールの様子を見たリューズは、2人にはどうにかする方法が浮かんでいるが、自分にお願いすることができない方法だと悟った。リューズは、「私は、エキドナ様やロズワール様に救われました。誰に蔑まれず、疎まれることもない生活を送れて、幸せでした。その時間の恩返しが出来るなら、私の生きた意味は、そこにあるのだと思うのです」と言った。自分がどうなるかも分からないまま、エキドナやロズワール、ベアトリスの力になりたいというリューズの深い感謝の気持ちと覚悟が伝わる名セリフである。

「さよなら、ベティ」

ベティに別れを告げるリューズ。

聖域の完成間近に、それを破綻させるかもしれない憂鬱の魔人ヘクトールが近づいてきた。聖域はエキドナが永遠に生きながらえるための研究施設であり、迫害される可能性のあるハーフの混血たちを守るための場所である。聖域は、強欲の魔女エキドナとエキドナに恋をした精霊ロズワール、エキドナが生み出した精霊ベアトリスの3人で作っていた。ヘクトールは簡単に勝てる相手ではなく、聖域さえ完成すれば、この場所が守れるという状況だった。聖域の完成に足りなかった結界の核として、自分を使うように申し出たのは、ハーフエルフのリューズ・メイエル。リューズは迫害に怯えて生活していたところをエキドナに救われた1人で、ベアトリスやロズワールの友達として、聖域となる予定の場所で幸せな生活を送っていた。その恩返しとして、その身を捧げると申し出たのだ。エキドナとロズワールはそれが最善だと判断し実行に移すが、特にリューズのことを気に入っていたベアトリスには、そのことが伝えられなかった。エキドナの指示でリューズを魔水晶のもとまで連れてきたベティは、この魔水晶を触媒にリューズのオドを核として結界を作るという方法に思い至る。ベティは「そんなことあるはずがない」と否定するが、リューズは冷静に肯定し、迷っている時間はないと言う。ベアトリスは、自分の扉渡りで逃げようと提案。リューズはベアトリスがそう言ってくれたことを嬉しく思いながら、自分はこの場所が大好きで、守りたいのだと言った。リューズは、ベアトリスに改めて礼を言い、魔水晶に進む。魔水晶に手を触れたリューズは、ベアトリスの方を振り返り「さよなら、ベティ」と笑いかけた。リューズが初めて愛称でベアトリスのことを呼んだ名セリフである。またリューズに対して素直ではなかったベアトリスと、ベアトリスと敬語で話していたリューズが、お互いを友達として認識していたことがわかる名場面である。

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