ジレン(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ジレンとは、鳥山明原作のTVアニメ『ドラゴンボール超(スーパー)』に登場する戦士である。正義のヒーロー集団「プライド・トルーパーズ」に所属する。哀しい過去が元で「信頼など無価値」、「強さこそ正義」との信条を持つようになった。筋骨隆々の肉体と、破壊神の先を行く戦闘力を持った、第11宇宙最強の戦士。宇宙の生き残りを賭けた力の大会では、主人公の孫悟空(そん ごくう)、人造人間17号、宇宙の帝王フリーザという強者3人を相手に、たった1人で互角以上の戦いを見せた。

第11宇宙のとある星に生まれたジレンは、両親の愛情の下幸福な幼少期を過ごした。ところが、ある日故郷が謎の悪人(漫画版では魔物)に襲撃を受ける。両親を殺された上、自身も襲われたジレンは、ギッチンという男に救われ一命をとりとめた。ギッチンは身寄りを失くしたジレンに戦い方を教える。門下生たちも次々集まり、ジレンは仲間も得た。ところが、ギッチン、一部の門下生たちはジレンの仇である悪人に殺されてしまった。仇を追おうとしたジレンだが、他の門下生は強大すぎる敵に立ち向かおうとはしなかった。
ジレンは門下生たちに裏切られたと感じ、信頼など無価値だと考えるようになる。その後、孤独に己を鍛え続けたジレンは正義のヒーロー集団「プライド・トルーパーズ」に入る。力こそ正義との考えに至っていたジレンは、その強さ故に仲間たちからの信頼を得たが、彼らと馴れ合うことはしなかった。

力の大会

プライド・トルーパーズのトッポから連絡が入る。全部で12ある宇宙の内、8つの宇宙から10人の戦士を集め、「無の界」と呼ばれる世界で格闘試合をすることになった。48分間、武舞台と呼ばれる広いリングの上で80人が戦い、武舞台から落ちれば失格。全員が落ちた宇宙は、大会主催者にして全宇宙の頂点に立つ神の全王(ぜんおう)に消され、最後まで武舞台に残った人数が多い宇宙が優勝となる。優勝した宇宙の中から最優秀選手に選ばれた者には、どんな願いも叶える龍を呼び出せるアイテム「超(スーパー)ドラゴンボール」が与えられるという。自身にも叶えたい願いがあるジレンは大会の出場を承諾。

8つの宇宙の選手と各宇宙の創造を司る界王神(かいおうしん)、破壊を司る破壊神(はかいしん)と付き人の天使が無の界に集結する。会場に着くと、全王にこの大会を開かせるきっかけとなった第7宇宙の戦士である孫悟空(そん ごくう)が話しかけてきた。ジレンは悟空の後ろに回り込み、「消えろ」と声をかける。
生き残りを賭けた力の大会が始まった。その場に集った戦士はいずれも猛者だったが、ジレンからすれば戦いにすらならない者ばかりであった。ジレンが大きく動くことがないまま、参加選手は次々と脱落し、全員脱落した宇宙は消されていった。
相手の最大攻撃を、更なる圧倒的な力で叩き伏せるというやり方でいくらかの敵を脱落させるジレン。悟空はジレンに戦いを挑む。戦闘民族サイヤ人として生まれた悟空は、「超(スーパー)サイヤ人」という強化形態に変身できる。神の領域に達した悟空だが、最強の形態である超サイヤ人ブルーになってもジレンには敵わなかった。
一時、悟空は「身勝手の極意」と呼ばれる境地に達する。それは破壊神ですら到達の難しいものであった。ジレンは身勝手の極意に達した悟空により、大会で初めてダメージを受ける。一時互角の戦いが繰り広げられるが、悟空の身勝手の極意は解けてしまい、ジレンは彼を吹き飛ばす。
次いで、ジレンは第6宇宙一の殺し屋であるヒットと戦闘になる。ヒットは、0.5秒ほど時を止める「時飛ばし」という技を持っていた。また、対象に連続的に時飛ばしを行い、相手の動きを止める「時間の牢獄」にジレンを閉じ込める。ジレンはこれを強制的に打ち破り、ヒットを脱落させた。

もはや自分が戦うまでもないと、ジレンはその場に座り込んで瞑想を始めた。生命エネルギーの気でバリアを張ったため、誰もジレンに触れる事さえできない。その後、悟空が再び身勝手の極意に覚醒。ジレンは瞑想を止めるが、大きく動くことはせず、戦いを静観する。
戦いが続き、武舞台に残ったのは第11宇宙の戦士が3名、第7宇宙の戦士が5名となった。ジレンは悟空、彼と同じサイヤ人であるベジータと戦う。悟空と同じく神の領域に達していたベジータもまた身勝手の極意に似た動きをマスター。これにはジレンも驚いたが、ベジータの拳を「傲慢だ」と評する。ベジータの技「ファイナルフラッシュ」を真正面から受けたジレンだが、何のダメージも受けておらず、自身のエネルギー波で超サイヤ人ブルーの変身を解除させる。
ジレンが悟空、ベジータと戦っている時、トッポが破壊神として覚醒。あらゆるものを破壊するエネルギーを身纏い、相手の攻撃を無効化させる戦法に出たトッポは、自身の戦闘相手フリーザを追い詰める。しかし、誰一人落とせないまま自分が脱落してしまった。そんなトッポ、戦闘相手17号との戦いに敗れ落下したディスポを、ジレンは「無様だな」と切り捨てた。

決着

悟空(左)とフリーザ(右)の攻撃を受けるジレン(中央)。

残った第7宇宙の戦士は悟空、ベジータの他、強化改造された人造人間17号、宇宙一の極悪人フリーザだった。「正義」という信念を捨てて破壊神に覚醒しながら誰1人落とせなかったトッポとは違い、何も捨てずに勝ち残った面々に対し、ジレンは高評価する。
「いいものを見せてやる」と言うと、ジレンは赤いオーラを纏った真の力を発揮。これにより、「ゴールデンフリーザ」という強化形態になっていたフリーザを吹き飛ばし、17号を自爆に追い込む。また、ベジータを脱落させることに成功した。

悟空は仲間への想いから三度身勝手の極意に目覚め、ジレンのみぞおちに強烈な一撃を食らわせた。すぐに体勢を立て直し、悟空と互角以上の戦いを繰り広げるジレン。悟空は場外に追い込まれかけながらも、尚も気を高め戦おうとする。ジレンはそんな悟空を評価し、自身も気を高めて強大なエネルギー波を放とうとした。
この時、悟空が「身勝手の極意・極(きわみ)」と呼ばれる境地に至る。それは身勝手の極意の完成系だった。仲間との信頼、仲間への想いから大幅なパワーアップを遂げた悟空は、ジレンを圧倒する。自分がとうに捨てた信頼の力でここまでパワーアップした悟空の姿と攻撃に、ジレンは過去のトラウマを呼び起こされる。悟空の信頼による力を否定するため、ジレンは観客席にいる悟空の仲間を攻撃しようとした。しかし、それが帰って悟空の怒りを買う。悟空の猛攻の果てにジレンは倒れ込んでしまう。

止めの一撃を覚悟したが、悟空に身勝手の極意による負荷がかかり倒れてしまった。悟空を落とすチャンスだと仲間に言われたジレンは、このような形で決着をつけるのは不本意だとしながらも悟空を落とそうとした。この時、ジレンは悟空の名を呼び、彼を称賛する言葉をかけている。
そこに、フリーザによる衝撃波が走った。17号に自爆に巻き込まれたと思われたフリーザ、そして自爆をした17号自身も生きており、ジレンに攻撃を仕掛けた。悟空との戦いで大幅に力を消耗したジレンは立つ気力を失い、膝をつく。

第7宇宙の勝利かと思われたが、トッポが檄を飛ばした。破壊神ベルモッドからジレンの過去、彼が何故信頼を捨て孤独な戦士になったのかを知ったトッポは、その上で「お前が自分の強さを信じられなくても、俺は信じている。ジレン。お前は強い。誰よりも。最後まで、自分自身のために戦え」と声を掛けたのだ。
その言葉でジレンは立ち上がり、17号とフリーザを落とそうとした。巨大な気の壁が迫る中、何とか耐える17号とフリーザ。そこに、復活した悟空が加わる。

悟空、フリーザは17号の援護により、2人でジレンに向かっていく。ジレンは3人の強敵を相手に善戦するが、悟空とフリーザの捨て身の攻撃で場外へと道連れにされ脱落した。ジレンは、脱落の寸前で信頼の力を身を持って思い知る。
悟空とフリーザも脱落したが、17号が武舞台に残っていた。これにより、第11宇宙の消滅が決定する。悟空はジレンに「また会いてえ」と声を掛ける。ジレンは悟空のその言葉に驚き、そして微笑みながら消滅した。

新たな決意

17号は超ドラゴンボールに消された宇宙の復活を願った。界王神、破壊神、大会参加選手たちはそれぞれの宇宙で蘇る。ジレンもまた、プライド・トルーパーズの面々と共に第11宇宙に戻っていた。
悟空に「また会いたい」と言われたが、今まで過去に執着していた自分に、今更誰かとつながりを持つことなどできないとジレンは口にする。トッポはそんなジレンに「お前はそんな臆病な奴だったのか?」と言った。
ジレンがトッポの言葉で立ち上がった時、初めてジレンはトッポや仲間たちとつながりを持つことができた。トッポはそう指摘する。続くトッポの「次奴らに会う時は、必ず勝つ」との言葉を聞いたジレンは、ようやく前を向く決意ができた。ジレンは、悟空たちとの再会、そして再戦と勝利を誓うのだった。

ジレンの関連人物・キャラクター

ベルモッド

CV:菊池正美

第11宇宙の破壊神。ピエロのような容姿をしている。力の大会ではプライド・トルーパーズ、特にジレンに強い信頼を寄せていた。ジレンの性格、戦い方を熟知している他、彼の過去、力への渇望に惚れたと語る。立場としては第11宇宙最高位の神だが、ジレンからは特に敬称も付けられず、敬語も使われていない。
漫画版では、「ジレンさえいれば、後は誰でもいい」と口にしている。アニメ版同様ジレンの性格について詳しい。また、ジレンの師匠ギッチンと親友だったことが明らかになる。戦いが終わった後、ギッチンは生き返ることは望んでいないとジレンに声を掛けた。

トッポ

CV:乃村健次

第11宇宙の次期破壊神候補で、プライド・トルーパーズのリーダー。どんな悪も許さない徹底した正義漢であり、悪と認識した相手には容赦をしない。一方、戦いがない時では落ち着いた紳士的な人物でもある。
ジレンには強い信頼を寄せる。大会のさなか破壊神としての力が覚醒しながら、誰1人落とせず自身が脱落。ジレンから「無様だな」と切り捨てられる。ベルモッドからジレンの過去を聞き、彼が孤高の戦士にならざるを得なかった事情を知る。
第7宇宙の戦士たちとの激闘の末に動けなくなったジレンに「お前が自分の強さを信じられなくても、俺は信じている。お前は強い、誰よりも」と檄を飛ばし、再び立ち上がらせた。
最後まで戦い抜いたジレンに礼を言い、共に消滅。17号の願いで復活した際、「今更誰かと繋がりを持つことはできない」と言うジレンに、彼が再び立ち上がった時、初めて自分たちと繋がりができたと指摘。ジレンが前に踏み出せるよう背中を押した。

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ギッチン

CV:なし

全てを失ったジレンを拾い、武術を教えた師匠。ジレンの故郷を襲った悪人に殺された。
漫画版では、ジレンにチームワークの大切さを教えようとプライド・トルーパーズに入れたことが判明。それに対し、ジレンはギッチンに認めてほしい一心で自分を鍛えていた。尚、名前も漫画版で明らかになった。

孫悟空(そん ごくう)

CV:野沢雅子

『ドラゴンボール』シリーズの主人公。第7宇宙の戦士で、戦闘民族サイヤ人の生き残りでもある。自身の宇宙の破壊神ビルスとの戦いの中神の領域に達し、サイヤ人の強化形態「超サイヤ人」は「超サイヤ人ゴッド」、更にその上を行く「超サイヤ人ブルー」にまで進化した。生命エネルギーの消耗と引き換えに自身の戦闘力を増幅させる「界王拳(かいおうけん)」を使い、更なる強化も可能。
人間ながら神々の頂点に立つ全王と友達でもある。力の大会は、元々「全宇宙の戦士を集めた大会を開く」という悟空と全王との約束が元になっており、ある意味では力の大会のきっかけでもある。
自分と同格以上の相手と全力で戦いたいがために強さを望む。仲間を傷つける者は許せないと語るなど、あらゆる意味でジレンとは対極的な人物。
第11宇宙の面々が無の界に現れた時ジレンに声を掛けたが、すぐ後ろに回り込まれた上「消えろ」と言われた。力の大会の中で成長を続け、破壊神でも到達が難しい「身勝手の極意」と呼ばれる境地に達する。それでも潜在能力を解放したジレンには敵わなかった。
かつての敵だったフリーザとの徹底した共闘、17号の援護射撃というチームワーク戦の末共倒れでジレンを脱落させた。消滅が決定したジレンに「オラたちは戦うことで共に強くなれた気がする」といい、「また会いてえ」と声を掛けた。

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ベジータ

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ドクター・ゲロ/人造人間20号(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ドクター・ゲロ/人造人間20号(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ドクター・ゲロ/人造人間20号とは、鳥山明の人気漫画『ドラゴンボール』に登場するレッドリボン軍の元科学者。世界征服を目論む超悪名高い組織の中で殺戮マシーン「人造人間」を開発し、勢力を増強させていった。しかし、孫悟空のたった1人の進撃によりレッドリボン軍は壊滅し、野望を絶たれてしまう。生き延びた後は悟空に復讐する為、秘密基地に身を隠し、より強力な人造人間の研究開発に没頭する。そして長い年月を経て自身を人造人間に改造し、再び悟空の前に姿を現したゲロは、その研究成果を存分に発揮してゆく。

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ミスター・ポポ(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ミスター・ポポ(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ミスター・ポポとは、鳥山明原作の漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品『ドラゴンボールシリーズ』の登場人物で、地球の神に仕える付き人である。愛嬌のある顔つきながら、ピッコロ大魔王という脅威から地上を救った孫悟空(そん ごくう)を簡単にあしらえる強さを見せる。単なる戦闘力だけではなく、無駄を省いた動きや視覚以外の感覚を研ぎ澄ませた結果の強さで、悟空にもその戦い方を伝授した。後々のエピソードでも、サポートの役割で登場し、活躍している。

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亀仙人(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

亀仙人(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

亀仙人(かめせんにん)とは、『ドラゴンボール』に登場する主人公、孫悟空にできた初めての師匠。 初登場時の年齢は319歳であり、亀の甲羅を背負った陽気でスケベなおじいちゃんだが、実際は武天老師と呼ばれる亀仙流武術の達人である。 少年時代の悟空とクリリンを修行し、時に厳しく、時に孫のように愛情をもって弟子を育てる広い心の持ち主。『ドラゴンボール超』では弟子たちと肩を並べて戦っており、武術家としては生涯現役である。

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モロ(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

モロ(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

モロとは、鳥山明原案の漫画『ドラゴンボール超(スーパー)』のキャラクターで、「星食いのモロ」の異名を持つ悪役である。見た目には青いヤギを思わせる獣人。1000万年前、大界王神(だいかいおうしん)という神に力を封じられ銀河刑務所に収監された。わずかながら力を取り戻すと、他の囚人クランベリと共に脱獄。非道な性格で自分以外は餌と見なしており、部下も捨て駒にする。他者や星のエネルギーを奪うことでパワーアップを繰り返し、神の域に達した戦士の孫悟空(そん ごくう)たちを苦しめた。

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ブロリー(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ブロリー(ドラゴンボール)の徹底解説・考察まとめ

ブロリーとは、『ドラゴンボール』のキャラクターで、映画『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で初めて敵キャラとして登場する。 その後、映画『危険なふたり!超戦士はねむれない』『超戦士撃破!!勝つのはオレだ』の3部作にわたって敵として登場している。 3部作にわたり公開されていることから、敵キャラの中でも人気の高さがうかがえる。 20数年ぶりに、ブロリーが登場する『ドラゴンボール超 ブロリー』が公開されると、かなりの話題になった。 尚、原作には登場しておらず、映画オリジナルキャラクターである。

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