逃げ上手の若君(逃げ若)のネタバレ解説・考察まとめ

『逃げ上手の若君』とは、日本の南北朝時代を舞台に歴史上の人物である北条時行の成長と活躍を描いた、松井優征による漫画作品。多くの文献や専門家の意見を元に、当時の文化や風俗、歴史的な背景が詳細に描かれる一方で、少年漫画らしい外連味に溢れた演出や物語が好評を博す。
1333年、重臣である足利尊氏の裏切りと新田貞義の挙兵により、鎌倉幕府が滅亡。北条家の遺児である時行は、諏訪頼重によって救い出され、長野へと逃げ落ちる。その地で仲間を集め、力を蓄えつつ、時行は北条家の再興のための戦いを始める。

足利派勢力

足利尊氏(あしかが たかうじ)

CV:野澤英義(ボイスコミック版)

鎌倉幕府の重臣ながら、これを裏切って後醍醐天皇と共に滅ぼした男。歴史上の人物であり、後に室町幕府を開く。
感覚で物事を動かす天才肌の人物で、鎌倉幕府を滅ぼした動機もはっきりしないなど謎が多い。化け物じみた戦上手で、日本全体を引っ掻き回して混乱させていく。

本作では「人の時代の到来と共に失われていった神々の力が、どういうわけか尊氏に注がれ、彼を稀代の英雄にして怪物に仕立てた」という扱いになっている。

足利直義(あしかが なおよし)

京都で活動する尊氏に代わって鎌倉の防御を託された、彼の弟。歴史上の人物で、史実においても同様の流れを辿っている。
兄弟仲は非常に良好だが、閃きだけで行動を起こす兄に辟易することもしばしば。理屈と計算で物事を完璧に進めていく、尊氏とは違ったタイプの天才である。

佐々木道誉(ささき どうよ)

尊氏に与する西国武士の大物。歴史上の人物である。
非常に腹黒い性格で、それを反映して“日の下でも顔に影が落ちる”という独特のキャラクターとして描かれている。

魅摩(みま)

佐々木の娘。歴史上の人物ではないが、モデルとなる人物は存在している。
苛烈で残忍な性格だが、身内に対しては情が深い。雫以上に神性を感知することが可能で、これをイカサマに利用していた。

京都にやってきた時行たちとトラブルになるも、その中で時行のことを気に入り、自分たちの仲間に加えようと父に引き合わせようとする。しかしその時行が北条の遺児であることを知ると、「敵なら仕方がない」と頭を切り替え、自分の手で彼を仕留めることを考えるようになる。

斯波家長(しば いえなが)

足利に与した名門斯波家の少年。中先代の乱では時行率いる北条軍に敗れ、多くの仲間を失うも、その中で様々なことを学んで成長。奥州総大将に就任し、その冷徹かつ巧みな指揮で顕家を翻弄する。

夏(なつ)/夏の四(なつのし)

足利に与する忍者集団「天狗党」の一員。木製の義手や仮面、獣の腱を用いた「天狗躯体」(てんぐくたい)を操り、大人の忍びのごとく振る舞っていた。玄蕃に出し抜かれて中先代の乱の前にこれを失い、「せめて時行一行の首を獲らなければ帰ることもできない」と考えて彼らにつきまとう。躯体を操る訓練しか受けてこなかったため、素の肉体での暗殺術は素人に毛が生えた程度である。

土岐頼遠(とき よりとお)

足利派屈指の猛者。軽く握るだけで人体を容易に破壊する怪物じみた剛力の持ち主。
権威を軽んじ、実力主義を貴ぶ「婆娑羅大名」の1人として知られる。

天皇派勢力

後醍醐天皇(ごだいごてんのう)

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