紅月カレン（コードギアス）とは【徹底解説・考察まとめ】

シンジュク事変後、アシュフォード学園にいるルルーシュたちにクロヴィス総督が何者かに殺害されたというニュースが舞い込んでくる。そして容疑者に挙げられたのはルルーシュの親友の「枢木スザク」であった。親友を取り返そうとルルーシュは「謎の男」として「扇グループ」メンバーに再度指令をかける。それはとても正気の沙汰とは思えないのであり多くのメンバーは逃げ出してしまう。そんな中でも扇とカレンは残り無謀とも言える作戦を実行していくのであった。作戦はルルーシュのギアスのおかげもあり見事に成功し、スザクを取り戻すことに成功する。枢木スザク奪還作戦に成功したことによってカレンや扇はゼロに対しての見方が少しづつ変わってきており、信頼しつつあったが、ほかのメンバーは素性が全く分からないゼロに対して懐疑的な思いを持ったままであった。
一方でゼロは、特に組織や軍団を必要としているわけではなかった。なので用積みになったら捨てようと思っていたのだが、サイタマゲットーにてコーネリア率いるブリタニア軍に惨敗したことにより同じ目的を持ち、団結している組織の強さを思い知ることになり、組織を作ることを決意する。
そんな時に、旧日本軍の軍人を中心に組織されている「日本解放戦線」の強硬派である草壁一派によるカワグチ湖ホテルジャック事件が発生する。ルルーシュとしてはこのタイミングで動くことは予期していなかったのだが、人質にアシュフォード学園の友達がいたことや、皇女のユーフェミアがいたことでコーネリアに対しても優位に行動を進められると踏み、この事件の解決に尽力し、見事に人質を救出して見せた。その際に”テロリストでもレジスタンスでもない正義の味方“として「黒の騎士団」の結成を発表した。最初の方は違法薬物リフレインを売買している組織を壊滅させたりと、あくまで民衆の味方であることを主張した行動を続けて人気を集め入団希望者を確保していった。そのおかげで、徐々に影響力がついてきた頃、旧財閥系家門であるエリア11の秘密結社の「キョウト六家」通称「キョウト」よりカレン専用機として、「紅蓮弐式」が提供されることになった。

活躍と苦悩

「黒の騎士団」のエースとしてゼロの元で活動を続けていくカレン。「黒の騎士団」も日本人からの指示もあり道義を外れたことはしないという信念の元、ブリタニアに対抗することのできる組織として着実に実力をつけていく。そんな中で行ったテロ行為に巻きこまれて友達であるシャーリーの父親が亡くなってしまう。葬儀に参列し泣き崩れるシャーリーを見て自責の念に駆られるカレンは自分たち「黒の騎士団」が行っていることが本当にあっているのかということを感じその疑問をゼロに伝えると、ゼロからは「変えられる。いや、変えねばならない」「だが、だからこそ、我々は立ち止まることは出来ない。例え、どんな手段を使っても。卑怯だと罵られようとも勝つしかないんだ。その為に、修羅になるべきだ。流した血を無駄にしない為にも、更なる血を流してみせる」と、また「引き返すなら今だ」と言われる。カレンは「ともに進みます。私は貴方とともに」と力強く答えゼロに対する信頼と敬愛を深めていくのであった。そこからさらに黒の騎士団のエースとして強くなり、学校では友達のスザクに対してもゼロの行く手を阻むならと全力で倒しに行っている。

そんな最中行われた、大規模テロ活動「ブラックリベリオン」では、戦闘の真っ最中にゼロが突然の戦線離脱。扇の指示でゼロを追うことになったカレンは 神根島にてスザクと戦闘するゼロを発見し、ゼロの正体がルルーシュであることを目撃してしまう。また会話の中で「黒の騎士団」はコマのように扱っていたとのルルーシュの言葉も相まって、カレンは途方もないショックを受けてしまうのであった。

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』

復活と裏切り

神根島の事件でゼロが居なくなり、組織として機能しなくなった「黒の騎士団」は続々とメンバーが逮捕。逃れたメンバーもいるが活動を再開するにはかなり厳しい状況に追い込まれてしまう。そんな中、ゼロがルルーシュであったことなどでかなりの精神的なダメージを受けたカレンであったが、やはり日本を取り戻すにはゼロが必要と考え、残党たちとゼロ奪還作戦「飛燕四号作戦」に参加する。肝心の作戦は卜部などの尊い犠牲を払いつつも、見事にゼロの復活・奪還に成功するのである。そこから、ゼロがリーダーとして再び「黒の騎士団」は行動をしていくことになる。そしてカレンは中心にいるのだったが以前とは違い、カレンはゼロ＝ルルーシュということを認知しているせいか、ルルーシュもカレンには弱音を吐くシーンなどが出てくようになる。ルルーシュの妹ナナリーが新総督になり、ルルーシュが戦う理由を見失った時に、禁止薬物のリフレインを使い現実逃避をしようとするのに対して感情を爆発させ叱責することもあった。そうした以前のゼロとは違う関係が続く中で、最初はぎこちなさがあったものの徐々にカレンはゼロだけでなくルルーシュとしても惹かれていくようになる。
そんな中で、一時的に保護を受けていた中華連邦の「天子」をゼロが利用したことで、天子に仕えている「中華連邦」軍官の「黎星刻」が激怒する。「黎星刻」はKMF「神虎」を操縦しカレンと交戦し、カレンはまさかの敗北を喫してしまう。捕虜になってしまったカレンはスザクに引き渡され幽閉されることになる。そこでルルーシュの妹ナナリーと再会し、謎に包まれていたルルーシュがなぜブリタニアに反乱を仕掛けるかなどの話を聞き、さらにゼロだけでなくルルーシュのためにも戦う思いを強く持つようになる。

そして、EUから脱退した国家が連合する時に全軍事力を放棄した事で誕生した「超合集国」から日本奪還の依頼をされ、「黒の騎士団」対「ブリタニア」の「第二次トウキョウ決戦」が始まる。カレンは先の戦いからブリタニアにつかまっていたが、ルルーシュのメイドであり、家系・篠崎流の37代目当主の忍者でもある「篠崎咲世子」に助けられる。出陣の際にはロイドとセシルによって魔改造された「紅蓮聖天八極式」を操りゼロに合流し、一人で戦況を一気に逆転させるという活躍をしてみせる。あとは永遠のライバルであるスザクさえ倒したら見事勝利というところまで行ったが、ルルーシュの「生きろ」というギアスにかかっているスザクはなんと新型核兵器「フレイヤ」を投下。ナナリーがいる政庁諸共消滅してしまったのである。互いに甚大な被害をもたらしたこの決戦は、フレイヤ投下により一時休戦することになる。そんな渦中、神聖ブリタニア帝国第2皇子である「シュナイゼル」が黒の騎士団の本部に乗り込んでくるのである。そしてシュナイゼルからゼロの正体や人を操るギアスについて詳細が語られ、その場に居なかったカレンを除く黒の騎士団主要メンバーは激しい怒りと不信感を爆発させてゼロを追放することに決めるのだった。

対立と真意

そんなことが起きてるとも知らずにカレンとルルーシュは、扇に呼びだされた黒の騎士団倉庫に向かう。そこでシュナイゼルと「黒の騎士団」に包囲され絶体絶命のピンチに陥る。その時に、ルルーシュをかばったカレンだったが、ルルーシュに「黒の騎士団はコマでしかなかった」と言われ、裏切られていたことを突き付けられてしまう。だが去り際に「君は生きろ」と告げられ、カレンは混乱し、そこからルルーシュの真意はなにか考えるようになる。一方ルルーシュは半ば諦めていたところを時を止めるギアスを持つ「ロロ」の尽力もあり何とかその場逃げ出すことに成功するが、ロロはルルーシュを助けたことによりその場で亡くなってしまう。ルルーシュは作り上げてきた組織や仲間を失い失意の中、もう一度ブリタニアを破壊することを強く決意する。そして過去の過ちを許したわけではないが、スザクと協力関係を結ぶとこに成功する。そして先代皇帝の父「シャルル」を倒し「神聖ブリタニア帝国第99代皇帝」に即位した。そこからルルーシュは国内外で徹底的に圧政を敷き、「悪逆皇帝」として名を馳せるようになる。そんなルルーシュの即位により「黒の騎士団」と「シュナイゼル一派」その両者は国家の反乱軍としてブリタニアと対立することになる。カレンは心の整理がつかないままでいるが、皇帝としてルルーシュがアシュフォード学園を訪れた際にはボディーガードを務める。その際にルルーシュの真意について問いただし、口づけを交わすがルルーシュの態度は一貫して冷たくそこでカレンは完全に裏切られたことを確認、日本の敵として認識することになった。

ついに始まったルルーシュ率いる「ブリタニア軍」対「シュナイゼル一派」・「黒の騎士団」の連合軍による最終決戦でもエースとして戦場を駆け巡った。そしてライバルであり、壁であり続けたスザクをやっとの思いで打ち破ることに成功するが、カレンの善戦も空しくルルーシュのギアスと策略の前に連合軍は敗北。この戦いに勝利したことでブリタニアに対する反乱分子は消え去ることになり、ルルーシュはブリタニア皇帝であると同時に黒の騎士団CEOに就任。実質的に世界統一することになる。戦いが終わり一ヶ月後にブリタニアに反乱したとして、カレンをはじめとする「黒の騎士団」や妹のナナリーの処刑を見せしめにするためのパレードが開かれることになる。そこに突如ゼロの仮面をかぶった謎の人物が現れる。ゼロ＝ルルーシュと知っているものは混乱のあまり状況が呑み込めずにいる中、ルルーシュの真意を誰よりも求めたカレンが一番早くにそこにたどり着くのだった。ルルーシュの行動の真意とは、世界の憎しみを自分一人に向け、その自分を正義のヒーローであるゼロに殺させることで憎しみの連鎖を断ち切ろうとしてしていたのであった。いち早く気付いたカレンは、ゼロはルルーシュだからあそこにいるゼロは誰だ、と疑問がわいているメンバーに対して「ゼロです…あれはゼロです…！」と涙ながらに発言するのであった。そこに現れたゼロとはスザクであり、スザクにルルーシュは剣で刺されて殺されることに。その結果ルルーシュの計算通り、世界は話し合いというテーブルにつき平和が訪れたのであった。

紅月カレンの関連人物・キャラクター

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア

本編の主人公にして、神聖ブリタニア帝国の第11皇子であり第17位の皇位継承権を持つ青年。だが王であるシャルルに母親の死について謁見したことで、妹のナナリーと一緒に日本へ交渉の材料として送り込まれたことにより、ブリタニアを激しく恨むようになる。またカレンにはかなり疑われつつも持ち前の頭脳で何とかやり過ごし物語途中まで気づかれなかったが、「黒の騎士団」リーダー「ゼロ」の顔をも併せ持つ。アッシュフォード学園では副会長をしており、カレンとは同じクラス・生徒会に所属しているところからも接点は多い。またカレンは「黒の騎士団」のリーダーとして「ゼロ」に好意や信仰のような感情を抱いており、褒められたときには喜んでいる乙女のような描写もある。一方でルルーシュに対しては特にそういった感情は持ち合わせておらず、むしろ苦手にしている素振りすらあるため、「ゼロ」＝「ルルーシュ」とわかったときにはかなりショックを受けており動揺を隠せていないようだった。そんな関係だったが最後はルルーシュとの関係も続いていく中でルルーシュに対しても好意を持つようになる。

紅月ナオト（こうづきナオト）

カレンの異父兄。
本編が始まるときには反乱作戦実行中に行方不明になったことにより戦死したことになっている。
本編には登場していないが、カレンとはかなり仲が良かったらしく直人の死がカレンがここまでブリタニアに対して強い復讐心を持つ原因の一つになっている。「扇グループ」というレジスタンスも扇と名前がついているがリーダーは彼だったらしく亡くなった後、代わりにリーダーをしている「扇要」は度々天国にいるナオトに対してどうすればいいかを嘆いているところからもかなり精神的にも頼れる人物であったことが予想される。カレンには普通の生活を送ってほしいと願っておりレジスタンスに入るのは認めていなかったようで、カレンは「扇グループ」に加入したのはナオトがいなくなってからになっている。

扇要（おうぎかなめ）

ナオトの死後、レジスタンス「扇グループ」のリーダーを務めている。
時折優柔不断な一面も見られて、特別頭がキレるわけでもなく、反乱時において冷静に作戦を実行できるタイプではないためリーダには向いていないかもしれないが、特に人望が厚く周りの人物との関係をうまく構築することに関してはとてもうまく世渡り上手な一面も持ち合わせているのでレジスタンスが思うようにいかないときでも、彼についていく人物は多い。高校教師の免許を保有しており、レジスタンスに入るまでは学校の教師をしていた過去もある。そんな彼だが、隠れてブリタニア軍であった記憶喪失のヴィレッタを匿い、ルルーシュが命をかけて作った日本の総理までやる始末。作中屈指の嫌われキャラであるため、作品内での関係の構築は得意のようだが視聴者との関係は最低のようだ。

枢木スザク（くるるぎスザク）

日本最後の首相 枢木ゲンブの一人息子。
物語登場時には日本人でありながら、ブリタニア軍に所属している名誉ブリタニア人になっている。反乱を起こしブリタニアを変えようとするルルーシュとは全く別の考えを持っており軍に入り内部から間違った国を直そうとする。そのため「黒の騎士団」や「ゼロ」に対してはよく思っておらず、「間違った方法で手に入れた結果には意味なんてない」と考えており立ち塞がる敵として行手を阻み続ける。「黒の騎士団」のエースであるカレンとも何度も交戦し、カレンを捕虜にして「ゼロ」の居場所を尋問をした時は「しつこい男は嫌いなんだけど」と言い放たれてしまう。