ストレンジャー・シングス 未知の世界(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とは、Netfixで配信されているSFホラードラマシリーズ。
アメリカ・インディアナ州の町ホーキンスに超能力を持つ少女・イレブンが現れ、平凡な町が超常現象に見舞わていく様子が描かれている。エミー賞やゴールデングローブ賞ではドラマ部門の作品賞にノミネートされ、世界的な成功をおさめた。80年代のアメリカを舞台としているが、エッジの効いた作風で注目を集め、さまざまなブランドから関連商品が発売されるなど2010年代のポップ・カルチャーを代表する作品となった。

マインドフレイヤーに操られていたビリーが自我を取り戻し、自らを犠牲にしてイレブンを助ける。

ショッピングモールでマインドフレイヤーとの決戦を繰り広げるイレブン。マインドフレイヤーの意のままとなったビリーは、イレブンを殺そうと襲いかかる。その瞬間、イレブンがビリーの心の中を覗き、ビリーの中に無邪気で幸せだった子ども時代の記憶が流れこむ。自我を取り戻したビリーはイレブンを殺すのをやめ、自ら盾となってマインドフレイヤーの攻撃を受ける。粗暴で家族のことを嫌っていたビリーに、純粋な少年の気持ちが残っていたと分かり切なくなる場面。目の前で兄を奪われたマックスの悲痛な叫びがより一層悲しみを誘う。

シーズン4

ビリー「本心じゃないだろ?心の奥底では、死んでほしいと思っていたはずだ」

「裏側の世界」に引きずりこまれたマックスに、幻影となって現れたビリーが放つセリフ。

ヴェグナの標的になり自分に残された時間は少ないと悟ったマックスは、身近な人々に手紙をつづる。最後の手紙を届けにマックスが向かった先はビリーの墓。その墓でマックスは、ビリーを疎ましく思っていたこと、しかしビリーを失って後悔の念があることを打ち明ける。ビリーへの手紙を読み終わったマックスは、ヴェグナによって「裏側の世界」に引きずりこまれる。そこに現れるのがビリーの幻影。マックスのトラウマをえぐるように「本心じゃないだろ?心の奥底では、死んでほしいと思っていたはずだ」と言い放つ。マックスのトラウマの深さを伺い知れる一言だ。

ウィル「エルはいつだって君を必要としている」

研究所に連れ去られたイレブン(エル)の救出に向かう車中、マイクを勇気づけるためにウィルが発したセリフ。

マイクは、イレブンにとって自分は用なしなのかもしれないと自信を失い始めていた。落ち込む親友の姿を見たウィルが、イレブンにとってマイクはヒーローであると説いた時に発する言葉が「エルはいつだって君を必要としている」である。ウィルの励ましに少し笑顔を取り戻すマイク。一方のウィルはマイクから顔を背け、窓の外を眺めながら涙をこらえる。かねてからマイクに好意を寄せていたウィルは、「"僕"はいつだって君を必要としている」と伝えたかったのではと想像させる一言だ。

イレブン、怪物ヴェグナを生み出す

ホーキンスを襲う怪物ヴェグナを作り出したのは、幼き日のイレブンだったと発覚する場面。

超能力を取り戻すため、研究所で自らの過去の記憶を辿るイレブン。記憶の中には、イレブンのことを助けようとしてくれる親切な青年ヘンリー・クリールがいた。ヘンリーとともに研究所を脱出しようとするイレブンだが、あと少しのところで研究所職員に見つかってしまう。間一髪、イレブンを助けたのはヘンリーだった。彼もまた超能力者であり、ホーキンス研究所の実験体第一号「ワン」だったのだ。突如ワンは研究所の職員や子どもたちの殺戮を始める。ヘンリーに裏切られたと知ったイレブンは、超能力を使い彼を倒そうとする。イレブンの強大なパワーは「裏側の世界」へのゲートを開いてしまい、裏世界に追放されたヘンリーは「ヴェグナ」となる。謎に包まれていたヴェグナの正体が明らかになり、今までのシナリオの点と点が繋がった瞬間と言える。

エディ、デモバッツとの戦いで瀕死状態に

ホーキンスと仲間を守るため怪物デモバッツと対峙したエディだったが、デモバッツの大群に取り囲まれて深手を追ってしまう。

ヴェグナを止めるため「裏側の世界」で怪物デモバッツと戦うエディとダスティン。エディの役目は爆音のエレキギターでデモバッツを引きつけ、ヴェグナを仕留めに向かったナンシーたちから怪物を遠ざけることだった。役目を終えたエディは現実の世界へ戻ろうとするが、仲間のために最後までデモバッツを食い止めることを決意。ダスティンだけを現実の世界へ逃すと、ひとりでデモバッツと戦いはじめる。しかしデモバッツの大群に襲われ、瀕死状態に。ダスティンが駆けつけたものの、「愛してるぜ」と告げて息を引き取る。臆病者で変人のレッテルを貼られたエディが男気を見せる感動のシーンだ。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

子役のオーディションには『スタンド・バイ・ミー』が使われた

子役のオーディションには、906人の男子と307人の女子が参加。
ダファー兄弟は、子役のオーディションの際に『スタンド・バイ・ミー』の台本を子どもたちに読ませたと語っている。
1980年代の作品へのオマージュが数多く盛り込まれる本作。その世界観に合った子どもたちを選んだということだろう。

日本のアニメ・マンガからもインスピレーションを受けている

本作には日本のアニメ・マンガから着想を得た演出があるとダファー兄弟は明かしている。
イレブンが研究所から脱出する場面は、『エルフェンリート』を参考にしているそうだ。その他にも、「裏側の世界」のヴィジュアルは『サイレントヒル』、怪物のデザインは『バイオハザード』、イレブンのキャラクターづくりは『AKIRA』から影響を受けたと語っている。
元々ダファー兄弟は日本のアニメ・マンガが好きで、高校時代には宮崎監督のジブリ作品にハマっていた時期もあるそうだ。

タイトルはリチャード・グリーンバーグのデザインを参考にした

リチャード・グリーンバーグはモーション・グラフィック・デザイナー。彼が手がけた映画タイトルの中には『エイリアン』『スーパーマン』『グーニーズ』がある。
ノスタルジックなイメージとホラー要素が融合した本作のタイトルシークエンスは、グリーンバーグの手がけたデザインから影響を受けている。ダファー兄弟はタイトルにも1980年代へのオマージュを込めたということだ。

シーズン4では登場人物の部屋に1980年代へのオマージュがある

本作はシーンだけでなく小物にも1980年代へのオマージュが詰め込まれている。
シーズン4では各登場人物の部屋に1980年代映画のポスターが貼られているのだ。
ジョナサンの部屋には『死霊のはらわた』、ナンシーの部屋にはトム・クルーズのポスター、マックスの部屋には『エンドレス・サマー』のポスターが飾られている。
また本作に登場する自転車シーンは『E.T.』の影響を受けているが、シーズン4で登場するホーキンス高校の電話ボックスには「E.T. Phone Home」の文字が書かれている。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の主題歌・挿入歌

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