ククルス・ドアン（機動戦士ガンダム）の徹底解説・考察まとめ

アレグランサ島で始まった戦いは、サザンクロス隊によるホワイトベース隊への奇襲から幕を開けた。これに対応できず、アムロの仲間たちが窮地に陥ったところで、ドアンのザクが戦場に到着。サザンクロス隊の面々は、自分たちを裏切ったドアンとの再会に怒りと憎悪を爆発させながら彼に襲い掛かる。
最新型である高機動ザクの攻撃を相手に、ドアンは自ら補修したザクで奮戦。かつての仲間を次々と撃破していくも、かつて自分の右腕として副隊長を務めていた兵士によって追い詰められる。戦闘能力を失い、いよいよトドメを刺されるかと思われたその時、別の場所で戦っていたアムロのガンダムが到着。残る敵を葬り、危ういところでドアンの命を救う。

しかしこの時、すでにサザンクロス隊の工作によってドアンが施したジャミングが切れてしまっており、ジオン軍による弾道ミサイル発射の信号が地下ミサイル基地へと送られる。天高く飛び立ち、地球上の大都市に向けて放たれる弾道ミサイルを誰もが衝撃と絶望を顔に浮かべて見守る中、それらは大気圏上で突如爆発。ジャミングが解除された場合に備えてドアンが仕掛けていた、2つ目の保険だった。
大きな危機を切り抜け、新たな惨禍を招くことも阻止し、子供たちと共に無事を喜び合うドアン。一方、ドアンが自分の“兵士としての資質”を見定めようとしていたことを漠然と察したアムロは、自身もまたドアンの“兵士としての資質”を見定め、パイロットとしては凄腕でも兵士で在り続けるだけ彼が不幸になっていくだろうことを悟る。「戦う力が手の届くところにあるから兵士をやめられないのだ」と考えたアムロは、戦いで小破したドアンのザクをガンダムで持ち上げ、これを海中に投げ捨てる。驚く子供たちを制し、ドアンはアムロによくやってくれたと感謝するのだった。

その後アムロは仲間たちと共に新たな戦場へと旅立っていく。ジオン軍の兵士でも脱走兵でもなくなったドアンは、それを子供たちと共に見送りつつ、彼の無事を祈るのだった。

ククルス・ドアンの関連人物・キャラクター

アムロ・レイ

地球連邦軍の少年兵。もともとは民間人だったが、機密の塊である連邦軍の試作MSガンダムに乗り込んでしまい、済し崩し的に軍属の身となる。その後は幾多の戦場を駆け抜け、仲間たちを守るため、自分が生き残るために次々と強敵と戦い、人として兵士として成長していった。
ドアンの隠れ住む無人島を訪れ、剣呑な出会いを果たすも、彼が本気で子供たちを守ろうとしていることを知って次第に態度を軟化させる。最終的に「兵士としての力が手の届くところにあることが、彼が戦いを嫌いながらもそれから離れられない原因である」と判断してドアンのザクを海中に投棄し、彼から深く感謝された。

後にガンダムシリーズ全体で見回しても最強クラスのMSパイロットとして怪物的な成長を遂げていくが、ドアンと出会った頃はまだその才能は完全には開花しておらず、ガンダムの性能に頼った戦い方をしていた。

アムロ・レイ（機動戦士ガンダム）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

アムロ・レイとは『機動戦士ガンダム』の主人公であり、作中ではRX-78-2 ガンダムのパイロットを務めた。人類革新の姿「ニュータイプ」であるとされ、非常に強い感受性を持っている。
作中最強のパイロットであるともされ、そのモビルスーツ操縦技術は非常に高い。
劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でも大人となったアムロが主役を務めた。
また、1979年より続くガンダムシリーズにおける最初の主人公でもあり、そのため「ガンダムといえばアムロ」というほどに高い知名度を誇っている。

ロラン・チュアン

島でドアンが守っていた子供たちの中でもっとも年長の少女。彼女たちはドアンの部隊の攻撃で家族を失っており、その意味では家族の仇ではあるのだが、ドアンがそれを心から悔いていること、その贖罪のために命懸けで守ろうとしてくれていることをよく理解し、心から懐いている。
ロランは子供たちの母親役も務めており、ドアンとも特に親しい間柄。彼が悪魔にうなされるのを見て気遣うなど、保護者と被保護者というよりパートナーのような関係を築いている。

カーラ

2022年の劇場版に登場する少女。役柄はロランとほぼ同じで、容姿も似通っている。事実上、「ロラン」の名前を変更したキャラクターである。
ガンダムシリーズの他作品に、「ロラン」という名の主人公が存在しており、この変更は2人の名前が混同されることを避けるためのものだと思われる。

ククルス・ドアンの関連組織

ジオン軍

ジオン公国の軍隊。ジオン公国は、かつては「サイド3」と呼ばれる宇宙空間用人工居住地スペースコロニー群だったが、地球連邦の圧政に耐えかねて独立を宣言。この熱気を独裁者に良いように使われて地球連邦に独立戦争を挑み、民間人や他のコロニー群をも巻き込む凄惨な戦禍を生み出した。
ジオン公国と地球連邦の戦いは「1年戦争」と呼ばれており、その中で実に人類の半数が命を落としたとされている。

サザンクロス隊

2022年の劇場版で新たに設定された、ドアンがかつて隊長を務めていたジオン公国の精鋭部隊。
MSパイロットとして個々が非常に高い能力を持ち、「アフリカ北部戦線はアイツらでもっている」とまで称される。軍を裏切って脱走したドアンに対しては強い恨みを抱き、自分達の手で決着をつけることを望んでいる。

ククルス・ドアンの搭乗した機体

ドアン専用ザク

ジオン軍の主力MSザクを、ドアンが軍を脱走する際に持ち逃げしたもの。逃亡と戦闘を繰り返す中で幾度となく損傷し、それをありあわせの材料で補修しており、通常のザクと比べて顔立ちや全身のフォルムがやや異なるのが特徴。特にザクの鼻の部分が妙に長いことでファンからよく知られている。
TV版ではまったく武器を持っておらず、徒手空拳や投石で戦っていた。2022年の劇場版ではザク用の近接兵器であるヒートホークを装備しており、追手のザクをこれで一撃の下に葬るなどすさまじい戦闘力を見せつけた。

ククルス・ドアンの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「MSの格闘技というのを見せてやる」