『不思議の国のアリス』の世界観の裏事情を徹底考察!実は原作者ルイス・キャロルの皮肉が炸裂していた!

往年の名作『不思議の国のアリス』。世界観を切り取って見ると、どこか恐ろしさを感じるほど不思議な世界ですよね。実は数学者でもある原作者のルイス・キャロルが当時流行った新しい数学を認めたくなくて、それらをめちゃくちゃに皮肉った結果生まれた作品だと知っていましたか?ここでは主にディズニー映画を元に、その世界観を考察していきます!

出典: 01.screencaps.us

正しい論理と間違った結論

ここで用いられる数学は、命題の逆による証明だ。

命題「ヘビは卵を食べる」
逆「卵を食べるなら、それはヘビである」
→アリスは卵を食べる。
→よってアリスはヘビである。

論理は正しいが、この結論は間違っている。
そもそもスタートの「命題の逆」が間違っている
からだ。

出典: www.pinterest.com

④解釈の違いと論理

帽 "Take some more tea."
(もう少しお茶を飲まんかね)

ア "I've had nothing yet, so I ca'n't take more."
(私まだ飲んでないわ。だからお茶を「もう少
し」もらうことはできないわ)

帽 "You mean you ca'n't take less. it's very
easy to take more than nothing."
(それを言うなら、「お茶を"今より少なく"は
もらえない」だろ?「ない」のを「ある」に
するのは簡単なんだから)

出典: www.pinterest.com

ここでは"more"の解釈の違いによるズレと、数学的論理が用いられている。

まずアリスの考えは、"more"が「既にお茶を飲んだ」前提で使われる言葉だということ。
だから「お茶を飲んでないのに、おかわりするのは変」と言っている。

一方帽子屋は、言葉をその意味でしかとらえないようだ。(ニュアンスなんか無視である)

"more"を「(今より)多い」という意味でとらえ、
アリスの発言を「今より多くはもらえない」と解釈している。よって「お茶がないなら、入れたら今より多くなるよ」と発言した。

www.victorianweb.org

言葉遊び

出典: www.pinterest.com

「バタ」フライ

「不思議の国のアリス」にはダジャレも出てくる。

たとえばバターのついたバタフライ(さむww)。
バターパンを思わせるかのように、バタフライの羽はパンの形になっている。

また、バタフライを見たアリスが「おかしなちょうちょね」と言うと、どこからか「あらお菓子?パンとバタフライよ」というツッコミが入る。
(ツッコミたいのはこっちだ)

おかしい、がお菓子か…
ぬかりないね(☉౪ ⊙)

出典: www.pinterest.com

あっちっち

紅茶を触って「あっちあっち」と言いながら
「あっち」の方へ移動する帽子屋たち。

ワロエナイ/(^o^)\

詩のパロディ

きらきら星

キラキラ光るコウモリさん
一体お前は何してる?
この世をはるか下に見て
お盆のように 空を飛ぶ

実は英語で見たほうがわかりやすい。

Twinkle, twinkle, "little bat!"
How I wonder "what you're at!"
Up above the world "you fly"
Like a "tea-tray" in the sky

怠惰と悪戯心に抗って

どうして小さなワニの子は
きらきら光る尾を使い
豊かなナイルの川の水
金の衣に振り掛けて

どんなにワニの子喜んで
鋭い爪の生えた手で
川の小魚かき集め
優しく口へと運ぶだろう

アイザック・ウォッツの「怠惰と悪戯心に抗って」という教訓詩のパロディ。

出典: 1.bp.blogspot.com

オリジナルとの比較

どうしてかわいいミツバチは
きらきら光る花のなか
一日かけて甘い蜜
せっせと集め飛び回る

どんなに見事な巣をつくり
休む暇なく働いて
ハチの巣の中蝋をひき
甘い蜜で満たすだろう

上を参考に訳すとこんな感じかな
自分の訳ですが参考になれば…(´ω`)

雑学

アリスの容姿

キャロルの中では、アリスのイメージは割と始めから決まっていた(※)。キャロルは自分のイメージに合う写真を、イラスト担当のジョン・テニエルに
送った。

左は候補のビートリス・ヘンリーの写真。

テニエルはプライドが高く、自分のイメージで絵を描こうとした。よってモデルの使用は断固拒否したという。

しかし後にテニエルが描いたアリス(右)を見ると、
ビートリス・ヘンリーの影響をしっかり受けていることがわかる。

※キャロルが一番最初に書いた本の、挿絵のアリスが既に金髪ロングだったため。

still-she-haunts-me-phantomwise.tumblr.com

アリスの服の色

アリスの服は青。
今となっては当たり前だが、このイメージが確立されたのは「不思議の国のアリス」初出版から約45年後の1911年のことだった。(左は1927年のもの)

赤いドレス

赤はキャロルが1865年の原作で、アリスの服に使いたかった色だといわれている。

アリスが初のカラーになったのは1872年頃。
初登場は本ではなく、"The Wonderland Quadrilles"という楽譜集の表紙だった。

そして1887年には、赤いドレスを着たアリスが
本に登場した。(表紙のみカラー)

黄色いドレス

赤ドレスに飽きた?(☉౪ ⊙)
その後アリスは、黄色いドレスを着ている。
(1890年「子供部屋のアリス」)

幼児向けに作られたからか、本の表紙に加え、
初めて挿絵もカラーになった。(以降ずっとカラー)

青いドレス

1903年、青いドレスを着たアリスが登場する。
(やっとか…(´ω`))

その後、なぜかいったん赤いドレスに戻ったが、
1911年に青いドレスで再登場。
(気の迷いって、あるよね(☉౪ ⊙))

白エプロンと、ストライプのタイツとともに、このときの青色ドレス(左)が、アリスのイメージを確立した。(ばんじゃい (」^ω^)」)

aliceinwonderland150.com

子どもから見た「アリス」

現実と真逆な世界

「不思議の国のアリス」ができた当時、イギリスはヴィクトリア朝全盛期。「真面目、厳格」といった言葉がぴったりな時代だった。

子どもはお茶会では上品に、行儀よく振る舞い、
勉強では、何でもかんでも詩を丸暗記するのが
当たり前だった。

そんな子どもたちが「不思議の国のアリス」を
読んだら?

変なキャラクター、気品のかけらもないお茶会、
間違いだらけの詩、
何もかもが新鮮で、不思議の国のHACHA★MECHAぶりは面白くてしょうがなかったに違いない。

出典: www.pinterest.com

チェシャ猫の存在

ア「私どこに行ったらいいのかしら」
チ「それはお前がどこへ行きたいかによるね」
ア「どこに行ってもかまわないんだけど」
チ「それなら道を聞く必要はないわけだ。(どこに行ってもいいなら)どっちに行こうが同じでしょ」

もしかしたら、これを聞いた子どもは親を思い浮かべるかもしれない。この2人の会話は、まるで大人と子どもの会話を聞いているようだ。

大人から見た「アリス」

出典: www.pinterest.com

チェシャ猫の論理

チェシャ猫の言うことは正しいし、論理的だ。
確かにどの道を選んでも、ずっと歩けばどこかに
たどり着く。ただこれはアリスの質問の答えには
なっていない。

「どこに行けばいい?」に対する適切な答えは
「○○に行ってみたら?」であるはずだ。

チェシャ猫の場合はわざとだが、こんな風に
質問に適切に答えられない大人は結構多い(´・ε・`)

2人の会話から、現代の大人の問題を感じる人も
いるかもしれないね(´・ε・`)

martin_999
martin_999
@martin_999

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