同業者からも愛される博多華丸大吉の人気の秘密
お笑いコンビの「博多華丸大吉」は地元の福岡でブレイクするが、同業他社の進出で仕事が減って人気が低迷した時期もあった。しかしR1グランプリの優勝やテレビ番組でのトークが視聴者に受け、人気は不動のものとなった。ここでは視聴者だけでなく、同じお笑い業界の人々からも愛される博多華丸大吉の人気の秘密をまとめた。
■博多華丸・大吉の『THE MANZAI』でのネタ選び、あの大物アーティストが後押ししていた!
博多華丸・大吉の優勝で幕を閉じた『THE MANZAI 2014』。彼らのネタでは“博多弁”がよく使われていたが、その構成でいくことを決意させたのはあの大物アーティストからのメールだったという。
12月28日放送の『華丸・大吉の2014今年はなんしよったと?』(テレビ西日本)の中で、博多大吉が『THE MANZAI 2014』のネタ選びについて語った。
番組の収録が大会の2日前だったため、大吉は「最後のオチとかもまだ決めてないです」とやや不安そうに口にした。しかし“博多弁”を使ったネタを披露することは決まっており、そのきっかけとなった出来事を明かした。
話は、11月30日に放送された『笑点』までさかのぼる。同放送回は福岡放送(FBS)開局45周年記念として、福岡県のキャナルシティ劇場が会場であった。演芸コーナーでは、華丸・大吉が地方ネタを織り交ぜながら博多弁全開で漫才を披露した。
会場は大きな笑いに包まれていたのだが、番組のオンエアを見た大吉は「ちょっと大丈夫かな」と福岡色が強いネタ構成に不安を覚えたそうだ。『THE MANZAI』についても、どんなネタをするのか考えることを一旦やめていたという。そんな時、井上陽水から、きらびやかな絵文字とともに以下のようなメールが届く。
「『笑点』観たよ。めっちゃ面白かった」
大吉は同郷の大先輩からの温かいメッセージを読み、「これでやろう」と博多弁を使ったネタでいくことを決意。そして『THE MANZAI』本番で見せた2本のネタ(「YouTuberになりたい」「宴会の抜け出し方」)は審査員・視聴者ともに大きな笑いを誘い、華丸・大吉は見事優勝を勝ち取ったのだ。
大吉が水曜レギュラーとして出演している『たまむすび』(TBSラジオ)では、2013年8月28日に陽水がゲスト出演したことがあった。「歌をやってる井上です」と洒落の効いたあいさつで登場した陽水は、娘の依布サラサがお世話になっていることやテレビでの活躍を踏まえて「大吉先生」と呼び、大吉を恐縮させていた。
その後もめったに話さない私生活について口にするなど、陽水は大吉を前にいつになく気兼ねなくトークをしていた。そんな陽水からのメールが、博多華丸・大吉の大一番でのネタ選びに貢献していたのだ。
昨年、テレビ西日本で制作されたドラマ『めんたいぴりり』。当初は福岡地区のみだったが、その後全国でも放送され『第51回ギャラクシー賞』の奨励賞、『平成26年日本民間放送連盟賞』番組部門テレビドラマ番組優秀賞を受賞するなど高い評価を得た。主人公の男を演じるのは、先日の『THE MANZAI』で優勝したお笑いコンビ・博多華丸・大吉の華丸だ。4代目王者に輝いた背景には、同ドラマで培った経験があった。
出典: www.excite.co.jp
同ドラマの原作は、福岡の辛子明太子のメーカー『ふくや』の創業者・川原俊夫氏を題材にした『明太子を作った男』(著・川原健)。華丸が演じるのは戦後の博多で辛子明太子の製造・商品化に力を注ぐ男で、夫を支える妻や従業員の奮闘も描いている。
撮影を振り返り、「いままでしたことのない仕事だった。新境地ではありました。撮影中は必死でしたね」と華丸。『吉本新喜劇』に約1年半出演し、演じることは初めてではないものの、お笑い出身者がドラマに出ることに「コントみたいになるのではないかと懸念していました。抵抗もありましたね。終わってみれば楽しかったですが…」。
慣れない現場や役作りに不安を抱きながらこなした華丸だが、その心配を吹き消すように、人情あふれる作風と前向きな夫婦の姿にむねを打たれ、福岡では『あまちゃん』並の人気を得ていたという声もあり、ギャラクシー賞などのほか、好視聴率も獲得した。
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■博多華丸、漫才優勝に“ドラマ出演”の影響
本格的な演技への挑戦は、うれしいことに本業にもいい影響を与えた。自分で気づくよりも前に、「妻に『ドラマのおかげで漫才が見やすくなった』」と指摘されたとか。「僕らの漫才って、僕の一人芝居みたいなことが多いんです。(妻が言うのは)その部分ではないでしょうかね。立ち方、見せ方とか、演じている感じが『めんたいぴりり』のおかげじゃない?と言っていました。偉そうにね(笑)」。
『THE MANZAI』では、若手芸人がスピード感ある漫才をみせたが、華丸・大吉は博多弁のゆったりとした間で丁寧にボケとツッコミを繰り広げる漫才を披露し、ビートたけしも“老舗の味”と評した。「優勝できたのは、いい影響だと思います。芝居をやって、間の取り方とか、いい方向になったのではないかと。そう思わないとね」とはにかんだ。
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ドラマは、来年2月に続編の制作、3月には舞台化され博多座での上演が決定した。
「おかげさまで好評で、僕にとっては“逃げ道”ができた」とほくほく顔の華丸。その理由は、“気持ちに余裕”が出るからだという。
「お笑いで失敗しても、“いやいや俺には『めんたいぴりり』あるから”ってなる。そういう気持ちがあるゆえに、余裕が出来て本業に望めるんです。(06年に優勝した)『R-1ぐらんぷり』も、ピンだったので“失敗しても2人になれる”という思いがあったから、思いっきりやれた。僕は、“保険”があることで、余裕が出てちゃんと実行できるんです」。
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そう語る華丸にとって、続編と舞台化は朗報だったに違いないと思いきや、華丸は今後役者業をやっていきたいとは「まったく思わない」と断言する。
同役は「普段の自分の延長線上だった。博多弁だし、役柄の性格に似ているところがある。だから演じられた」と説明し、「『めんたいぴりり』では何でもやりますが、標準語でやったことのない医者の役とかできないです。僕の顔で標準語を喋ったら無理があると思う。違和感を克服できるほどの役者ではない」と謙遜ではなく、真剣に語る。
いずれは博多に戻ることを夢みている華丸にとって、役者業は思い描く人生図に当てはまらないようだ。いまや東京での仕事が約8割りだが、「2020年には博多に戻りたい。朝のラジオでぐだぐだと通勤のおじさんに向けて喋りたい」と故郷を想った。
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■大吉が華丸に送った感動メール
「THE MANZAI 2014」で優勝したお笑いコンビの博多華丸・大吉の博多大吉が17日、自身が水曜レギュラーを務めるラジオ番組「たまむすび」(TBSラジオ)で、王者に輝いた直後の相方・博多華丸との“コンビ愛”エピソードを明かした。
大吉はこの日の放送では、スタッフから「重役クラス」のような椅子を用意され、驚きつつも王者になった実感を噛みしめながら番組をスタートさせたが、同大会当日の舞台裏などの話をした後、話題は同大会終了後について移った。
大吉は同大会が終わり、本来なら打ち上げに参加するところだが、その後に放送された衆院選特番で急きょネタを見せることになり、打ち上げには「ほとんど参加できなかった」と残念がったが、同じ吉本の同期で親友であるお笑いコンビ・ナインティンナインの岡村隆史が「今夜だけはおごらせてくれ」と祝勝会を開いてくれたことを明かした。
親友の心遣いに気を良くしたのか、朝まで飲んでいた大吉は、明け方、華丸に感謝のメールを送ったという。そのメールについては、16日にラジオ番組出演した華丸が「照れくさくて、一人では受け止めきれない」とし、別で公開することを懇願していた。
そんな相方の想いを受けてか、大吉が自ら送ったメールの内容について、「僕が言いますよ」といい、「日本一になりましたね。よかったね。この日が来るなんて思わなかったね。これもすべて、あなたの人間性が良かったからだと思います。これからもよろしく」という内容を大吉らしく淡々と明かし、「あの人のキャラクター、人間性が良いから僕らはここまで来た」と改めて“華丸のおかげ”だと強調していた。
そんな大吉のメールに対し、華丸からは照れた感じで「よしなさい」と返事が着たといい、コンビ愛が強いとされる2人の“絆”が証明された感じだった。
■華丸・大吉 優勝で“大物”証明?V特需なし「もともと順調」
今年最も面白い漫才師を決める「THE MANZAI2014」で優勝した「博多華丸・大吉」は一夜明けた15日、芸風同様、“安定のV特需”となった。
昨年優勝の「ウーマンラッシュアワー」はテレビ出演依頼が30件ほど殺到。ブレークのきっかけとなった村本大輔(34)は「人生が変わった」と話すほど優勝の恩恵を授かった。だが、博多華丸・大吉はすでにバラエティーで引っ張りだこ。雑誌の取材が数件届いている程度と普段通りの営業状態で、所属の吉本興業も「ありがたいことに、もともと仕事が順調な2人。大きな変化はありません」と話している。
■THE MANZAI「博多華丸・大吉」若手精鋭を撃破の理由
年間最強漫才師決定戦「THE MANZAI2014」の決勝大会が14日、フジテレビで開かれ「博多華丸・大吉」が4代目王者に輝いた。
過去最多となる1870組の頂点に立った2人。1990年にコンビを結成したベテランが気鋭精鋭揃いのトーナメントを勝ち抜いた理由を、お笑い評論家のラリー遠田氏に聞いた。
「今回は群を抜いて面白いというコンビはおらず、普段通りの安定した自分たちの実力を発揮した華丸大吉に軍配が上がった。賞レースと気張らず、練習試合をやるかのように平常心。ゆったりとしたテンポでガツガツとボケることなく、いつも通りに淡々と漫才を披露できたのが勝因でしょう。また、今のお笑い界を象徴する結果でもあった。一時期と比べテレビのお笑い番組が少ない中、若手のお笑い芸人の活動の場はライブ会場が主。必然的にお笑い好きの観客を相手にするため、マニアックだったり、ひねりのきいたネタ、変化球の笑いを得意とするコンビが多いのが特徴です。そうした新進のコンビと比較すると、タレントとして認知度の高い華丸大吉は有利だったともいえます」
大会最高顧問のビートたけしは、「ジャンクフードとかはやりの店が出てきたときに、老舗の味を見せられた。圧勝でした」と称賛。「寅さんのような(飽きられない)漫才」を目指すという2人の漫才道はまだまだ道半ばだ。
■博多華丸・大吉 Vから一夜「めざまし」出演、「飲酒漫才」披露
漫才日本一決定戦「THE MANZAI 2014」で優勝した「博多華丸・大吉」が15日、フジテレビ「めざましテレビ」(月~金前5・25)に生出演、優勝から一夜明け喜びを語った。
番組内のエンタメ情報で前日(14日)の「THE MANZAI」を制した模様が伝えられ、その後1分半のネタを披露。三宅正治、加藤綾子アナウンサーらの祝福に博多大吉(43)は「選挙番組の路上漫才、これがひとつ目の仕事、2つ目がこの1分半の漫才…。本当にチャンピオンですか」と笑わせ、博多華丸(44)は「これがウイニングランですよ。手を振りましょ」と感謝の気持ちを表した。
番組後は打ち上げがあり、勝利の美酒に酔った華丸は「飲酒漫才です」と話し、頂点に立った余韻に浸ったことを明かした。
■<ビートたけし>博多華丸・大吉は「老舗の味」
タレントのビートたけしさんが14日、フジテレビで行われた“最も面白い漫才師”を決める大会「THE MANZAI 2014」(フジテレビ系)の最高顧問を務め、番組放送直後の会見に登場。同大会で優勝したお笑いコンビ「博多華丸・大吉」について「ジャンクフードとか流行りの飲食店ができたときに、老舗の店の味を出されて、どうも申し訳ありませんという感じだったね。圧勝だったね」と評価した。
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