三科栄吉（ペルソナ2）の徹底解説・考察まとめ

ジョーカーによって、影人間にされてしまった子分の1人、ケンに向かってミッシェルが述べたセリフ。

物語序盤、ペルソナやフィレモンという不思議な現象が本物である事を証明する為に、珠閒瑠市で流行っている噂「ジョーカー様」を試す事になったミッシェル、達哉、ギンコ。ミッシェルの子分達にも手伝って貰う形で行ったジョーカー様は、結果的には本物のジョーカーが現れた事で、噂は真実である事が判明する。だがその結果、ミッシェルの子分達がジョーカーに「夢見る心」を奪われ、影人間にされてしまう。
「夢見る心」を失った子分達は、皆それぞれあった筈の夢を忘れ、全ての物事がどうでもよくなっていた。ジョーカーが去った後、そんな影人間になってしまった子分を見たミッシェルは涙する。そうして子分の1人であったケンとした約束を思い出す。その約束というのが、このセリフの前半「ボクシングのチャンプになるんだよな…？景気のいいテーマソングを、俺が歌ってよぉ…」の箇所である。「すまねぇ…約束したのに…俺があんなことさせなきゃ…チクショォォ！！」と嘆くミッシェルからは、彼が子分達の事をいかに大事に思っていたかがわかる。垣間見えるミッシェルのカス校での子分達との平穏な日々の光景に、胸が痛くなるセリフである。

「夢のためなら、自分の身の危険もかえりみずどこへでも向かって行く… う～ん、漢のロマンだね～ でもよぉ…残される方の気持ちっていうのも、考えてあげなきゃダメなんだよな…」

物語中盤、珠閒瑠市内で起こる「噂」にまつわる異変を追う内に、ジョーカーとの因縁、そしてジョーカーの正体を知ったミッシェル達。そこで彼らはフィレモンから、ジョーカーが蝸牛山のカラコルにいることを教えられ、その言葉通りにカラコルへ向かう事にする。蝸牛山に到着したミッシェル達は早速頂上にあるカラコルを目指すが、途中、山の中腹にある「豪傑寺」に訪れ、そこで仲間であるペルソナ使いでありカメラマン見習いでもある黛ゆきのの師・藤井俊介が、山頂にいるラストバタリオンの写真を撮りに向かった事を和尚から教えられる。
カメラマンとしての誇りから写真を撮りに向かった藤井の事を知ったミッシェルは、「夢のためなら、自分の身の危険もかえりみずどこへでも向かって行く… う～ん、漢のロマンだね～」とうっとりとした表情で言葉を述べる。しかし次の瞬間、真剣な表情をその顔に浮かべると「でもよぉ…残される方の気持ちっていうのも、考えてあげなきゃダメなんだよな…」と言葉を続ける。
ミュージシャンになるという夢を持つミッシェル。夢に真剣であるが故に、夢の為ならば敵地にだって乗り込んでいく藤井の姿勢には憧れるものがあるのだろう。しかし続く言葉からは、ミッシェル自身の他者を思いやる気持ちがにじみ出ており、彼が夢に真剣であると同時にそれを理由に他者をないがしろにする事はない心優しい人物である事を感じ取る事ができる。これはミッシェルが「番長」という、他者と深く関わりまとめあげる立場にいた人間であったからこそ、持てた感想なのかもしれない。

ミッシェル／三科栄吉の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

『ペルソナ』シリーズ歴代パーティーメンバーの中で最も身長が高い

実はミッシェルは、どの『ペルソナ』シリーズの登場するペルソナ使い（敵のペルソナ使いは除く）達の中で最も身長が高いキャラクターである事が判明している。

ミッシェルの身長は185cm。この身長を越えるペルソナ使いは、後にも先にも登場していない。完璧人間である達哉も181cmと身長だけはミッシェルに負けている。ミッシェルが唯一「ライバル」である達哉に勝っている点だといえなくもないだろう。

なお次点で高い身長のキャラクターは、『ペルソナ4』に登場するペルソナ使い・巽完二の184cmとなっている。

ミッシェルの声優・鳥海浩輔は次作『ペルソナ3』にも伊織順平役として出演

ミッシェルを演じた声優・鳥海浩輔は、実は次作の『ペルソナ3』にも出演をしている。演じたのはペルソナ使いの少年・伊織順平。ミッシェルと同じく高校2年生のペルソナ使いである。

『ペルソナ』シリーズにおいて、前作から続いて出演している声優というのは鳥海以外に存在しておらず、貴重な2作品連続出演者となっている。順平とミッシェル自身に直接的な繋がりはないが、2キャラとも（多少の差はあるが）ノリがよいお調子者な一面を持つ男子高校生であり、似た性格のキャラクターだといえなくもない。