CLAYMORE(クレイモア)のネタバレ解説・考察まとめ

『CLAYMORE(クレイモア)』とは、八木教広原作のダークファンタジー漫画である。中世ヨーロッパ的な世界を舞台に、半人半妖の女戦士たちが妖魔や覚醒者などの人外の存在と戦う姿が描かれている。主人公クレアの成長や女戦士たちの生き様などバトルシーン以外にも見どころが多く、美麗な女戦士や覚醒者のデザインの素晴らしさが評価されている。壮大な世界観と重厚なストーリーが上手くまとめられており、非常に読み応えのある作品となっている。

識別のための印は、大剣の刀身や柄の部分に収納された「黒の書」、そして装備の胸元のあたりに印されている。

戦士一人ずつに与えられた識別のための印。最終試験を通過した者に授けられ、大剣の刀身や戦士の衣服に印されている。

ナンバー

組織の戦士に与えられる番号で、数字が若い戦士ほど強いとされている。作中に登場する大陸には47の地区があり、一つの地区に戦士が一人配置されるため、組織に所属する戦士も47人である。

組織

戦士と正対しているのが組織の幹部たち。その中央には組織の長リムトの姿がある。

東の地スタフを本拠地とし、各地から妖魔討伐の依頼を受けて戦士を派遣する組織。正式名称はない。リムトを組織の長とし、黒服に身を固めた幹部たちが戦士の管理や報酬の取り立てを行う。戦士たちが妖魔の血肉を身に宿しながら、心は人の側にあることを証明するため、「人を殺してはならない」という掟がある。組織の本当の目的は妖魔や覚醒者の討伐ではなく、大陸の外に存在する絶えず戦争が行われている「戦火の大陸」において、人外の種族に対抗できる兵器を作り出すこと。実験の末に生み出された兵器が、「クレイモア」や「覚醒者」である。更に覚醒しても人の意識を失うことなく、標的を殲滅させられる覚醒者を作り出す実験を繰り返している。「戦火の大陸」で敵対している人外の種族「アサラカム」の個体と覚醒体の血肉を融合させ、出来上がったものを人間の脳に寄生させて妖魔を生み出していた。作中に登場する大陸以外は存在しないとされていること、妖魔が古より存在するという話は、組織が作り上げた嘘である。

戦火の大陸

作中に登場する大陸の外に存在する土地。そこに様々な種族が暮らしており、絶えず戦争が行われていることから「戦火の大陸」と呼ばれている。現在は二つの陣営に分かれており、「アサラカム」と呼ばれる竜の一族の末裔を引き入れて戦う勢力と、それに対抗するべく生物兵器の開発を行う勢力との戦いが続いている。組織は後者の勢力に属している。組織の情報操作により、大陸に住む人間は「戦火の大陸」の存在を知らない。

アサラカム

「アサラカム」の個体。この姿のままでも、人より大きく、驚異的な生命力を持っている。

「アサラカム」の覚醒体。

「戦火の大陸」で、組織側とは反対の勢力で戦う人外の種族。強固な外皮と人間のおよそ2倍の巨躯を持つ。両性具有で寿命は200年とされている。組織は「アサラカム」の覚醒前の個体と覚醒体を生きたまま捕獲しており、両者の肉を少しずつ切り取って融合させ、それを人間の脳に寄生させて妖魔を作り出していた。身体を半分以上失っても生命を維持できるが、生命機能を失うと瞬時に腐敗する。

覚醒者

覚醒者の正体は、妖力解放の限界を超えてしまった元戦士たちであった。

身体の一部分のみを覚醒させて戦うことも可能。

妖力解放の限界を超えたり、度重なる妖力解放によって覚醒し、人間に戻れなくなった戦士を指す言葉。組織には「身内から出た不始末」と捉えられており、人の前では「覚醒者」ではなく、「異常食欲者」と呼ばれることがある。覚醒者になると妖魔と同じような思考になり、人の内臓を欲する。半人半妖の戦士になる際に抜け落ちた髪の毛や目の色素が戻るため、人型の時は人間と区別が付かない。強さには個体差があり、強い戦士ほど強い覚醒者になる。覚醒者の中でも飛びぬけて強い覚醒者を、「深淵」または「深淵の者」と呼ぶ。作中では、「北の深淵」イースレイ、「南の深淵」ルシエラ、そして「西の深淵」リフル3体の「深淵の物」が登場する。一度覚醒してしまうと二度と人には戻れないと考えられているが、クレア、ミリア、ヘレン、デネヴ、ジーンは、一度覚醒してから人に戻ることに成功した半覚醒者である。

半覚醒

クレアが初めて挑んだ覚醒者討伐隊のメンバーは、全員が「半覚醒」の戦士であった。

妖力解放の限界を超えて覚醒したものの、何らかの理由で人に戻ることができた戦士を指す。作中ではクレア、ミリア、デネヴ、ヘレン、ジーンの5人が半覚醒に該当。半覚醒の状態となると、以前は明確だった妖力解放の限界が曖昧になる、時折強烈な飢餓感に襲われるなど、半覚醒前に比べて変化が現れる。組織の人物で半覚醒について把握しているのはルヴルだけ。「戦火の大陸」で組織に敵対する勢力の工作員である彼は、組織の誰にもこのことを報告していなかった。組織壊滅後に組織の科学者ダーエは半覚醒のことを聞かされ、研究できないことを悔やんでいた。

北の戦乱

強大な力を持つ覚醒者の群れに、戦士たちは次々と命を落としていった。

北の地アルフォンスにある「始まりの町ピエタ」で起こった、24人の戦士たちと覚醒者の軍勢の戦いを指す。「北の深淵」イースレイとその配下である30体の覚醒者の討伐が任務の内容である。しかし組織の本当の目的は、組織に懐疑的な戦士の一掃と精神共有の訓練中だったアリシアとベスの実戦投入までの時間稼ぎであった。組織の意図に戦士が気付き、逃亡する場合を想定して、次世代の「組織の目」とナンバー5ラファエラを監視役に置き、任務放棄の粛清という名目で逃亡者を始末しようとしていた。任務のリーダーを任されたミリアはその意図に気が付いており、組織を納得させるためには戦士たちが戦って全滅した事実が必要であると判断する。全滅を演出するために、北の地に集められた戦士たちに半分に割った妖気を消す薬を服用させて、覚醒者たちとの戦いに挑んだ。薬を半分だけ飲むことで妖気を感知する力は普段通りに使えるが、気を失った際に薬の力が作動して戦士の妖気を消すことができる。この作戦により、見かけ上は戦士は全滅したが、クレア、ミリア、デネヴ、ヘレン、シンシア、タバサ、ユマの7人が生き延びた。ピエタで討伐された覚醒者数は7体。北を抜けた23体の覚醒者は12体がリフルの元へ、11体が組織へ向かうが、西に向かった覚醒者はリフルとダフに、組織に向かった覚醒者はアリシアによって全滅させられた。

kiriyamamiu
kiriyamamiu
@kiriyamamiu

目次 - Contents