CLAYMORE(クレイモア)のネタバレ解説・考察まとめ

『CLAYMORE(クレイモア)』とは、八木教広原作のダークファンタジー漫画である。中世ヨーロッパ的な世界を舞台に、半人半妖の女戦士たちが妖魔や覚醒者などの人外の存在と戦う姿が描かれている。主人公クレアの成長や女戦士たちの生き様などバトルシーン以外にも見どころが多く、美麗な女戦士や覚醒者のデザインの素晴らしさが評価されている。壮大な世界観と重厚なストーリーが上手くまとめられており、非常に読み応えのある作品となっている。

戦士の手術痕

クレアの身体に残る手術痕。半人半妖の戦士たちは、皆一様に消えない傷を持つ。

組織に引き取られた少女たちは、身体を切り開かれて妖魔の血肉を埋め込まれる。その後の処置は、切り開かれた喉元から腹部を大雑把に縫い合わせるだけである。埋め込まれた妖魔の血肉が完全になじむまでは、体中激痛にさいなまれる。また、この時受けた手術痕は消えることはない。首元まである装備を身に着けているため、手術痕が人目に触れることはない。

四肢接続のリミット

接続や修復は時間が経つほど難しくなる。

戦いで身体の一部を失っても、戦士は再生能力を使い斬られた部分を接続したり、欠損した部分を再生・修復することができる。また優秀な防御型の戦士であれば、欠損した部分を作り出すことが可能。しかしいつでも接続や再生ができるわけではなく、負傷してから時間が経ちすぎると防御型であっても修復は難しくなる。

男の戦士時代

ダフ、リガルド、イースレイ、3人の貴重な戦士時代の姿。

リフルが初代ナンバー1とされているが、その前に男の戦士たちの時代があった。覚醒の衝動に抗えず、限界まで妖力解放してはすぐに覚醒者となってしまった男の戦士たち。その時代のナンバー1は「白銀の王」と呼ばれた北の深淵イースレイ、ナンバー2はイースレイに負けて配下に下った「獅子王」リガルド、ナンバー3はリフルの相棒のダフ。番外編では貴重な戦士時代の3人を見ることができる。

5つの番外編

『錆なき覚悟』に登場する訓練生時代のクレア。5つの番外編では、それぞれ人気キャラクターの過去が描かれている。

『CLAYMORE』には本編とは別に、5つの番外編が存在する。テレサの強さが描かれた『戦士の矜持』、ミリアが覚醒者となったヒルダと戦う『幻影と凶戦士』は単行本13巻に収録。プリシラとイースレイの戦いを描いた『北の邂逅』、訓練生時代のクレアが最終試験に挑む『錆なき覚悟』は単行本14巻に収録されている。男の戦士時代のエピソードを描いた『戦士黎明期』のみ、単行本未収録。

双子の女神

神話に登場する双子の女神の像。背中合わせに祈りを捧げる姿をしている。歴代最強と呼ばれたテレサの名前の由来はこの双子の女神。当初話すことができなかったクレアから名前を聞き出せなかったテレサは、自分の名の由来に合わせてクレアと命名。それが偶然にもクレアの本名であり、話せないクレアは身振り手振りで懸命にそのことをテレサに伝えた。またルシエラとラファエラの融合体が覚醒した姿が、テレサクレア像のように描かれている。プリシラとの最終決戦で完全覚醒したテレサも、神話に出てくる双子の女神を彷彿させる姿で登場した。

小さな女の子を捕食しないプリシラ

プリシラはクレアの存在が目に入らないかのように、素通りして飛び去っていった。

作中最強の覚醒者プリシラは、人間も覚醒者も際限なく喰らう。しかし彼女が唯一捕食しなかったのが、小さな女の子だった。なぜプリシラが小さな女の子だけは捕食しなかったのか。それは将来、自分を倒す存在となる可能性を持っているからだった。孤児となった少女は組織の手によって、半人半妖の戦士となる。心の奥底では死を願っているプリシラは、いつか自分の望みを叶えてくれる戦士が現れるよう、無意識のうちに少女だけ捕食しなかったのだ。

リフルとダフの関係

可愛らしいリフルの笑顔を目にして、ダフは恋に落ちたのだった。

「西の深淵」リフルと、常に彼女の側にいるダフ。「あたしの男なのよ」や、「今度こそ別れるわよ」といったリフルの発言から分かるように、二人の関係は恋人同士である。リフルがズバズバと物申す様子から、ダフがリフルに惚れ込み、尻に敷かれているようである。しかしダフの危機には必ずリフルが現れて守る描写があることから、リフルもダフを大切にしていることが伺える。アリシアとベス、深淵喰いの攻撃を始め、二人の最期が迫ってくるシーンでは、自分の命に構わず恋人を守ろうとしていた。また番外編では、戦士時代にイースレイ、リガルド、ダフの元に挨拶に来たリフルを見て、ダフが一目惚れした様子が描かれている。

責任感から覚醒したイースレイ

「北の深淵」と呼ばれ、北の戦乱を引き起こしたイースレイ。かつて短期間存在した男の戦士時代のナンバー1であった。圧倒的な強さを持ち、責任感も強かったイースレイは、男の戦士たちが次々と覚醒していく異常事態を何とかしようとしていた。しかし仲間たちの覚醒は止まらず、組織は男の戦士を見限って女の戦士を投入し始める。誰よりも強く、男の戦士時代で最後に覚醒したイースレイ。する必要がなかったのに覚醒したのは、覚醒者となってかつての戦士たちを始末しようとしたからではないかと、男の戦士時代のナンバー4だったクロノスに考察されている。覚醒してしまうと人の時とは思考が大きく変わってしまうため、イースレイが戦士としての責任を果たすことはなく、最も強大な力を持つ「深淵」覚醒者となってしまったのだった。

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