エンジェル伝説（漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

『エンジェル伝説』の概要

『エンジェル伝説』とは、八木教広によって描かれた学園ギャグ漫画である。1993年から2000年まで、『月刊少年ジャンプ』にて連載され、全15巻が発刊されている。本作で好評を得た八木は人気作家となる。また、1996年には東映ビデオによってOVA化された。
高校1年生の主人公北野誠一郎（きたのせいいちろう）は、碧空町の碧空高校に転入する。彼は天使のように純朴な心の持ち主であったが、生まれながらの三白眼に色白で目立つ目の下のくま、癖毛を隠すためのオールバックという外見は見る者全てを恐怖させた。転入初日から学校中を恐怖に陥れ、碧空高校の番長となるが北野本人は気付いていない。そして人々の勘違いが連鎖して、北野の恐怖伝説が次々に生まれていく。
本作の見どころは、天使のような内面と悪魔のような外見を併せ持つ北野が、様々な揉め事に巻き込まれていることに見事に気付かない点である。不良、教師、同級生などが清々しいほどに勘違いをし、勝手に北野の伝説を作り出していく。その中で本当の北野に気付く者や、気付かずとも彼を慕う者が次第に増えて仲間となる。幾多の勘違いによりストーリー展開していくが、話はきれいにまとまっていく。ギャグ漫画でありながら和やかな気持ちになれる漫画である。

『エンジェル伝説』のあらすじ・ストーリー

伝説の幕開け

高校1年生の北野誠一郎（きたのせいいちろう）は、天使のように純朴で心の清い少年である。しかし、その外見は生まれつきの三白眼と、色白な肌に目の下のくまが目立ち麻薬中毒者のようであった。その上、眉は非常に薄く、髪はひどい寝癖を抑えるためにオールバックで固められていた。まるで悪人のような外見は見る者全てを恐怖に陥れた。

碧空町に引っ越した北野は、碧空高校に転入する。登校してすぐに彼の恐ろしさは校内中に伝わり、3年生の番長黒田清吉（くろだせいきち）に目を付けられる。黒田は北野を一目見て、数多の修羅場をくぐった大悪党であると判断して、関わらないことにした。
その放課後、北野は新たな門出を祝って校内のごみ拾いを始める。台風一過で倒れたままになっていた木を運び出そうとしたところで、黒田達と遭遇した。重たい木を抱えた北野は、驚いて逃げようとする黒田達の上に倒れこんでしまう。黒田の頭上ギリギリのところに木が刺さり事なきを得るが、殺されかけたと思った黒田は土下座して番長の座を受け渡すことを伝えた。こうして転入初日に番長グループを制圧した北野は、碧空高校の新番長となった。

北野が転入して数日経つ頃、教師を殴って停学となっていた1年生の竹久優二（たけひさゆうじ）が期限を終えて登校する。知らぬ間に北野という男が番長となり、しかも自分と同じクラスだということを知った竹久は良く思わないでいた。どんな奴か拝んでやろうと教室で待ち構えていたが、入ってきた北野を見て驚愕し、恐怖心を抑え込んでその場を去った。竹久は元番長黒田らが北野に殺されかけた話を聞き、関わらないことを決める。その矢先、偶然前から現れた北野を見て殺しに来たと勘違いした竹久は、ナイフを取り出し威嚇する。一方の北野は、竹久が手首を切って自殺を図ろうとしているのだと勘違いして止めにかかる。ナイフにすら怯まない北野に恐怖した竹久は屈服し、北野の弟分となった。

北野の噂は近隣の高校まで広がる。白雲高校の児島猛（こじまたけし）は元ボクサーで喧嘩無敗として不良の間で有名であった。そんなことは露知らず、偶然児島の財布を拾った北野は白雲高校へと乗り込む。そこで白雲のナンバー2速水舟一（はやみしゅういち）と遭遇する。速水は北野が喧嘩を売りに来たと勘違いするが、恐怖で勝手に転倒して気絶する。そこに児島が現れる。速水を倒されたと思った児島は北野と睨み合うが、やって来た教師に止められて事なきを得る。放課後、児島は碧空高校に侵入してたむろする黒田達に「明日、朝、末吉公園にくるように」と碧空に決闘を申し込んだ。
翌朝、児島に財布を返せなかった北野は、黒田達から児島が末吉公園にいることを聞いて皆で公園へと向かう。公園には児島と大勢の舎弟たちが待ち受けていた。北野は児島に財布を渡しに行くがカバンに入れ忘れたことに気付き、一方的に殴られ始める。北野は忘れた自分が悪いのだからと、攻撃を受け続けていた。その頃、竹久はナンバー2速水と対峙し善戦を繰り広げていた。追い込まれた速水はナイフを取り出し、竹久もナイフを取り出す。その様子を見た北野は、竹久が再び自殺を図ろうとしていると勘違いして、児島を突き飛ばし竹久の下へと走り出した。結果、児島は気絶して碧空高校の勝利となり、北野の意図せずして新たな伝説が生まれた。

碧空高校の1年生小磯良子（こいそりょうこ）は、古武術の師範である父を持つ格闘少女である。黒田達が他校の不良に喧嘩を売られているのに遭遇し、持ち前の格闘技術で他校の不良達を蹴散らす。良子は、強いのは見た目だけで中身の伴わない不良を嫌っていた。
ある日の校内、良子は北野とすれ違いざまに顔面で拳を寸止めされる。北野は虫を仕留めただけであったが、良子は自身の闘気に気付かれたと勘違いする。このまま引き下がれないと考えた良子は、帰路につく北野に決闘を挑むもいくら攻撃をしても手応えがないことに気付く。北野は持ち前の反射神経で、攻撃を受けながらも無意識にダメージを最小限に抑えていたのだった。そこに、黒田達に喧嘩を売っていた不良達が邪魔に入り中断される。
翌日、良子は再び北野と決闘するために公園へと連れ出す。何度も攻撃をするが北野は避けるばかりで一切反撃をしてこない。良子は「信じてもらえないのはなれてるはずなんだけど」と急に涙を流す北野を見て、攻撃を止めた。良子は初めて北野ときちんと会話をし、北野が普通の人であることを知る。それ以来、数少ない北野の良き理解者となった。

その後も北野は、自身を悪魔と決めつけ追い出そうとする校長や生徒会長などによって度々騒動に巻き込まれるが、良子や竹久たちの協力もあって事なきを得ていた。
ある日、1年に荻須高志（おぎすたかし）が転入してくる。赤く染めたリーゼントに三白眼という強面であった。様々な格闘技をかじっており、前の高校では無敵であったという。転入早々、荻須は黒田達に遭遇する。体格の良い黒田を番長だと勘違いし、黒田もそれに乗じて北野をナンバー2と断言してしまう。荻須と闘いたくない黒田は、自分と闘うためには北野を倒してからという条件を出す。荻須は北野を倒そうとするが、一向に倒れる気配のない北野に恐怖を覚える。そこに駆け付けた良子は、北野は既に大怪我をして耐え忍んでいるのだと荻須を騙して決闘を止めさせた。
あの北野が倒されたという噂は瞬く間に校内中に広がる。荻須は約束を果たしてもらうために黒田の下へと向かう。注目の決闘として生徒たちの間で騒ぎとなり、北野の耳にも入った。自分の為に黒田が荻須と喧嘩をしていると勘違いした北野は、2人を止めに向かう。現場に到着した北野は2人の間に割って入り、黒田に殴られそうになる荻須を突き飛ばした。荻須は大怪我をしていたはずの北野に驚愕し、気絶する。多くの生徒たちに見守られたこの決闘は、不死身の男という新たな伝説を生んだ。

闘いの幕開け

教育委員会には不良更生のための特別生活指導員が存在する。彼らは影の7人と呼ばれており、碧空高校の校長は彼らを使って北野を追い出そうと目論む。既に2人派遣されたのだが、どちらも北野を恐れて逃げ出していた。そして新たに、影の7人の中で最も強い武闘派と言われる白滝元（しらたきはじめ）を迎え入れる。引退を考えている白滝は、後継者となる自身の娘に代わりを務めさせることにした。
白滝幾奶（しらたきいくの）は碧空高校の1年生として転入する。父からの任を受け、ターゲットの北野を見つけて戦いを挑んだ。しかし実践の経験は何度もあったが、攻撃を受けても何度でも立ち上がってくる北野に初めての恐怖を覚える。そこに邪魔が入り、幾奶は一旦その場を去った。幾奶はまるで手応えがなかった北野への恐怖心を乗り越えるため、校内中の生徒達を所かまわず襲い始め、暴漢騒ぎへと発展する。
校内に暴漢が現れたため、生徒たちは帰るように指示される。ふと窓の外を見た良子は、幾奶が1人で校内を歩いている姿を目撃する。違和感を覚えた良子は、幾奶の下へと向かい暴漢が幾奶であることに気付く。そして2人の決闘が始まった。良子は幾奶と闘いながら、幾奶はかつての自分と同じだと感じて彼女を救おうとする。そして幾奶は良子に負けた。初めて敗北を経験した幾奶は、勝たなければならないという強迫観念に縛られていたことに気付く。良子は北野が普通の人であることを伝え、2人は和解する。その頃、北野は白滝と対峙していた。娘では勝てないと判断した白滝が北野を襲い、北野は白滝を暴漢だと勘違いして攻防戦を繰り広げていた。最後は北野の純粋な正義心が勝ち、白滝は突き飛ばされて気絶する。こうして今回も校長の目論みは、失敗に終わった。

白滝は生徒指導員として碧空高校に残ることになり、幾奶も残ることが決まって北野の新たな友人となった。そんなある日、教育委員会から新たな影の7人のメンバーが送られてくる。白滝の任務失敗の後始末に来たのは菱田春華（ひしだはるか）という若い女性であった。彼女はこれまでの指導員とは違って武力ではなく、純粋に不良更生に取り組む正義感の強い人間である。ただ、その行動が全て相手にとって最悪の結果を招くという天性の持ち主であり、白滝が最も苦手とするタイプの人間であった。
北野に初対面した春華は、北野の悪魔のような外見に驚愕して生徒指導室へと連れ去る。目を合わせるのも恐れる春華は、なんとか外見を変えさせようと策を講じている最中に体調不良で倒れてしまう。そして不運にも、倒れた衝撃で割れた花瓶で手を怪我し流血してしまう。北野が助けを呼びに行っている間に、他の教師が春華を発見する。2人が生徒指導室へ入ったところも目撃されており、北野の仕業として停学となってしまった。
翌日、北野が春華を襲って怪我をさせて退学になるという噂が校内に広がる。事実、校長は今回の件で北野を退学に追い込もうと考えていた。竹久や良子たちは噂を信じられず、春華に問い詰める。春華自身、倒れてからのことは記憶になく悩んでいた。そんな中、北野は停学の身でありながら春華の身体が心配で会いに来てしまう。春華は、ただただ自分の怪我を心配する北野に驚いた。そして本当は優しい心の持ち主なのだと気付き、北野のために退学を取り消すよう計らうことを決める。放課後、校長は教員全員を集めて今回の件について会議を開いた。北野に怪我を負わされたという春華の証言さえあれば退学は決定となるはずだった。しかし、春華は「自分の記憶にないことで、生徒を退学にするようなマネはしたくありません」と述べて北野の退学は見送られる。校長は納得できないでいたが、良子たちは今回の結果に歓喜する。そして春華は清々しい気持ちで碧空高校を後にした。

荻須は相変わらず、強くなることを求めて北野や幾奶に勝負を挑んでいた。北野を庇う良子に、荻須は強くなるために小磯流古武術を学びたいと頼み込む。あまりの押しの強さに、良子は仕方なしに平三に話をすると、北野も一緒なら良いと了承される。そして平三の稽古が始まった。
平三の目的は、良子をたぶらかす北野を倒すことである。口うるさい良子を技で気絶させ、邪魔な荻須も一蹴してしまうと北野との直接対決が始まった。困惑する北野であったが、素早い身のこなしで本気の平三の攻撃を何度もかわす。そして不意につまずき平三の顔面を打撃し、負傷させる。その直後、平三は目覚めた良子によって不意打ちで倒され気絶した。
荻須から良子の道場で稽古を受けた話を聞いた黒田は激怒し、自身も良子の家に行きたいがために稽古を受けたいと騒ぎ出す。そして了承を得た黒田は、日曜日に荻須と共に道場へと赴くが、目当ての良子は北野とのデートで不在であった。
北野は平三に謝罪しに行くつもりでいたが、良子の説得で気分転換に映画を観に行くことになる。北野を元気づけようと考えていた良子だが、北野が離れている間に男3人に絡まれる。北野に余計な心配をさせまいと男達を打ち負かすが、彼らは再び良子が1人になった時を狙って仕返しに来た。足を捻った良子はピンチとなるが、駆け付けた北野の助けで男達を完全に追い払うことができた。いつも喧嘩になる自分にうんざりする良子だったが、「良子ちゃんと一緒にいて元気を分けてもらった」と言う北野に励まされる。こうして2人はまた仲を深めていった。

天使のような少年

近隣高校に通う鏑木清美（かぶらぎきよみ）は写真部の部長であり、凶行をテーマとした写真を集めていた。ある日、後輩から碧空高校の悪魔北野の話を聞く。清美はなんとか北野を写真に収めるべく、碧空高校へと潜入捜査を開始した。そこで目撃したのは、実在した悪魔北野と悪魔に惑わされた女子生徒3人であった。その3人とは、良子と幾奶と郁子であり、清美は北野の魔力から3人を解放しなければという正義心が芽生える。そのためには北野の恐ろしい姿を撮影し、3人に見せる必要があると考えた。
北野の家を特定した清美は、後輩たちを使って北野に襲い掛かり凶行を撮ろうと試みる。まんまと北野に逃げられるが、逃げ出す瞬間の恐ろしい迫力ある顔を撮ることができた。清美は良子たち3人に写真を見せるも、それぞれ驚くこともなく「りりしい」「可笑しい」と言うだけで全く恐れない。思う通りにいかなかった清美は、自ら北野に立ち向かい本心を曝け出させようと攻撃する。しかし北野がそれに応じられるはずもなく、最後は力尽きて倒れたところを北野に救われた。清美は完全なる自分の思い込みで周囲を振り回したことを恥じて嘆き、北野に謝罪したのだった。

ある日、北野家の向かいにハルフォード家が引っ越してきた。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた怜雄・ハルフォード（れお・はるふぉーど）と沙南・ハルフォード（さな・はるふぉーど）は、中学3年生と中学1年生の兄弟である。2人は引っ越しの挨拶で北野家を訪れるが、悪魔のような北野一家の外見に怯えてしまう。
翌日、沙南は学校の帰り道に北野と遭遇し、動揺して小銭を落としてしまう。北野は拾ったお金を渡そうと追いかけるが、必死に逃げ惑う沙南諸共、工事現場の穴に落ちてしまった。運よく沙南の父が見つけてくれるも、父も穴に落ちてしまう。最後は3人の連携プレーで穴から脱出し、沙南は北野が優しい心の持ち主であることを知った。
一方の怜雄は自分以外の家族が北野家と仲良くしていることに気付き、知らない内に懐柔されたと思い込む。どうにか悪魔を倒して家族を助けなければと悩んでいた怜雄は、公園で不良に絡まれる。その時、幾奶が現れて不良達を倒してしまった。幾奶の強さを見た怜雄は、彼女に北野を倒してくれないかと懇願する。友人である北野を倒すことに悩む幾奶だったが、怜雄の必死な姿を見て了承した。
放課後、怜雄を連れた幾奶は下校途中の北野に襲い掛かる。わけも分からぬ北野は攻撃を受けながら、幾奶を怒らせてしまったのではと原因を考えていた。北野はふらふらになりながらも何度も立ち上がり、攻撃を続ける幾奶に問いかけるが、幾奶は一切答えない。余計な会話をすると、友人北野を倒す決意が折れそうになるからだった。無心で最後の一撃を加えようとする幾奶に、怜雄は「やめて！！」と泣き叫んだ。攻撃しながらも辛そうにしている幾奶を見ていられなかったのだ。事情を聞いて幾奶が怒っていなかったと知った北野は、そのまま倒れこんだ。それを幾奶は優しく受け止めた。
翌日、怜雄は自分の勝手な思い込みであったことを北野と幾奶に謝罪した。幾奶も北野に謝罪し、友達をやめる覚悟が出来ていることを伝える。しかし北野は、幾奶の気持ちに気付いてあげられなかったことを謝罪する。この様子を見ていた怜雄は北野の優しさを身に染みて感じ、いつか心身ともに強くなって幾奶を守れるようになることを誓ったのだった。

ある休日、竹久は不良達に絡まれて喧嘩をしていた。そこに偶然通りすがった良子が助太刀に入る。礼を伝えた竹久に「あんまり北野くんを心配させるようなマネはやめてよね。あんたと違って北野くんは普通の人なんだから」と、くぎを刺して去る。竹久はその言葉に困惑していた。
翌朝、竹久は登校した北野に「北野さんって不良なんですよね」と質問をするも否定される。動揺を隠せない竹久はよろよろと教室を去り、その日は学校を早退した。そこに中学の頃の不良の先輩ら3人が姿を現す。竹久を呼び出し、実は北野が普通の人であるという噂の真偽を聞いてきた。それを聞いて凄む竹久に、先輩は手を出さないと言いながらも「やっぱいいよな、悪魔殺しって肩書きな…」とつぶやく。竹久は「俺にとって大切な友達であることに間違いはねーんだ」と先輩を殴り、他の2人も倒してしまった。その翌日、顔中に怪我を負った竹久が登校すると北野が駆け寄って来る。「だめだよ、喧嘩なんかしちゃ」と心配する北野に、「わかりました北野さん」と竹久は答える。そしていつものように他愛もない会話を繰り広げる。そこには動揺した竹久の姿はもう無かった。

幾日が経ち、北野は久しぶりに良子たち皆と揃って下校していた。それぞれの分かれ道に着き、良子は北野に別れを告げる。皆が去った後、良子は親友の郁子から「今日ぐらいきめなさい」と北野との仲を深めるように忠告を受ける。郁子のアドバイスの元、良子は北野を呼び止めて2人の思い出の小さい公園へと誘った。
隠れて見守っていた郁子は、近くにいた竹久と幾奶に見つかり同行させることになる。野生の勘で良子の下へやって来た黒田を3人は抑えつけて、邪魔出来ないように縛り付けた。しかし今度は北野の前に荻須が現れ、決闘を申し込むが良子に一蹴される。後から来た郁子たちに気付いた荻須は、他校と喧嘩でもするつもりかと思い3人について行くことにした。
公園へと辿り着いた北野と良子は、思い出を語り始める。北野は碧空に引っ越してきてみんなに出会ってからのことを振り返り、「本当にこの街にきてよかったと思ってるんだ」と話す。良い雰囲気となる2人の前に、飛輪高校の番長と舎弟達が現れた。先日竹久が倒した先輩が飛輪高校であり、仕返しに来たのだ。そこに舎弟2人を引き連れて舞い戻った黒田が、良子と北野を邪魔するべく割って入る。たまたまだが北野ファミリー勢揃いとなり、飛輪高校との決闘が始まった。竹久、良子、幾奶、荻須の強者たちは次々に不良を倒していく。一方の黒田達は逃げていたが、隠れていた郁子が不良に捕まったところを助け出す。急に始まった喧嘩に困惑する北野の目の前に、飛輪の番長が立ちはだかった。番長は何度も北野を殴りつけるが、最後には「みんな仲良くしなきゃ」という北野の一言を最後に突き飛ばされて気絶した。
いつも自分の思惑とは反対に、相手を怪我させてしまう自分に北野は嘆いていた。みんなが北野を慰める中、良子は「あ、あそこにまだやられてない人がいる」と言って皆の目をそらして北野にキスをする。しかしそれを目撃した黒田によって、皆にバレてしまうのだった。
こうして北野の生活はこれからも多くの事件と、それを共に乗り越えていく友人達とともに続いていくのだった。

『エンジェル伝説』の登場人物・キャラクター

主要人物

北野誠一郎（きたの せいいちろう）

CV：飛田展男
碧空高校に転校してきた少年。1年11組。色白の肌に目の下のくま、三白眼に極端に薄い眉毛という風貌で、周りからは麻薬中毒者や悪魔と呼ばれる。その内面は天使のように純朴な心の持ち主で、人の為の言動が多い。しかしその言動も、周りの勘違いで全く理解されないでいた。転校初日にして、碧空高校の番長となり皆から恐れられる存在になる。近隣高校の不良達との衝突も多々あるが、元々の高い瞬発力のお陰で意図せず倒してしまう。そうして本人の知らぬところで、数多の伝説を生み出している。

小磯良子（こいそ りょうこ）

CV：櫻井智
碧空高校の女子生徒。1年7組。父から古武道を学ぶ格闘美少女。武術の心得もなく、強面だけで街中をえらそうに歩き回っている不良が嫌い。喧嘩を見ると首を突っ込む癖がある。黒田に告白されるが、技も心も自分より弱い人を好きになれないと断っている。北野は武を極めた真の武道家と勘違いしていたが、後に普通の少年であることを知った。北野の理解者であり、両想いでもある。

黒田清吉（くろだ せいきち）

CV：石井康嗣
碧空高校の不良。3年4組。元碧空の番長だが、前番長が卒業して学年が繰り上がってなれただけで実力はない。頭が良くなく、体格は良いが喧嘩も弱い。いつも舎弟2人と行動をともにしているが、喧嘩は3人でかかっても相手1人に勝つのがやっとである。北野の転入初日、北野に殺されかけたと勘違いして番長の座を譲った。自称ナンバー2で竹久と対立することが多いが、いつも負かされる。また良子が好きで、何度も好意を伝えるが全く相手にされていない。

竹久優二（たけひさ ゆうじ）

CV：津久井教生
北野と同じ1年11組の男子生徒。金髪で眉毛がない。入学して間もない頃に、教師を殴ったことで停学となっていた。中学の頃は、海千中学の暴れん坊として名をはせていた。番長の座を奪おうと北野と相対するが、恐ろしい風貌に圧倒される。北野に襲われると勘違いしてナイフを取り出すが、自殺を図っていると北野に勘違いされて抑え込まれる。結果、弟分として北野の初めての友人となった。喧嘩が強く、碧空のナンバー2と言われている。

北野の仲間