CLAYMORE(クレイモア)のネタバレ解説・考察まとめ

『CLAYMORE(クレイモア)』とは、八木教広原作のダークファンタジー漫画である。中世ヨーロッパ的な世界を舞台に、半人半妖の女戦士たちが妖魔や覚醒者などの人外の存在と戦う姿が描かれている。主人公クレアの成長や女戦士たちの生き様などバトルシーン以外にも見どころが多く、美麗な女戦士や覚醒者のデザインの素晴らしさが評価されている。壮大な世界観と重厚なストーリーが上手くまとめられており、非常に読み応えのある作品となっている。

ルシエラ

ルシエラは最初の精神共有の被験者だったが、実験に失敗して覚醒者となった。

「南の深淵」と呼ばれる強力な力を持つ覚醒者。元組織のナンバー1で、ナンバー5ラファエラの実姉。ラファエラと共に初代の精神共有の被験者として訓練を受けていたが、妹に精神を預けて覚醒体となった際に、ラファエラの心が負けて完全覚醒してしまった。組織を壊滅させ、南の深淵となる。ルシエラの覚醒体は猫のような人獣型で、二つの尾と口を持つ。身体の至る所に口を作り出し、触れたものを喰らい尽くす。北の戦乱時に南下してきたイースレイから、南の地をかけた戦いを挑まれて敗北した。覚醒体が保てないほど弱っていたところを、ラファエラにとどめを刺された。ルシエラとしてはこの時点で死亡したが、姉を愛していたラファエラが自身の生命エネルギーを注ぎ込んだことで、姉妹は融合体となった。

深淵を超える者

「深淵の者」を超える力を持つ覚醒者。その力は圧倒的で、殺戮と破壊を繰り返す。

プリシラ

最強を超える逸材を持つ戦士は、最強の化物へと覚醒した。

CV:久川綾
テレサの時代の元ナンバー2の戦士。人間の少女だった頃に父親が妖魔に取りつかれ、家族を食い殺している現場に遭遇。背後から妖魔を殺すが、村人が恐れて助けにやって来ず、食料の差し入れも途絶えたために妖魔の肉を食って生き延びていたという壮絶な過去を持つ。テレサ以上の潜在能力を持ち、戦士になってすぐにナンバー2に上り詰めた。妖魔を激しく憎んでおり、妖力解放することなく妖魔を殲滅する。テレサ討伐に挑むが、初めて自分より強い相手に圧倒され、恐怖と屈辱により感情を爆発させて妖気を暴走させる。その直後に覚醒してテレサの首をはねると、人の臓物を求めて飛び去った。覚醒体は人よりも一回り大きく、背中に大きな羽を生やし、額には一本角がある。戦士時代に妖力解放せずに戦っていたことの反動からか無尽蔵の妖力を放出しており、どんな傷を受けても瞬時に再生が可能。北の地で人々を喰い漁っていたところをイースレイに見つかるが、リガルドを倒し、イースレイに自分に敵わないことを悟らせた。しかしこの戦いで幼児退行を起こし、それ以降自分に忠誠を誓うイースレイと行動を共にする。北の戦乱時に遭遇したラキに懐き、共に南を目指す。これはラキに残っていたクレアの妖気から、かつて自分がころしたテレサの匂いを嗅ぎとったためである。イースレイと分かれてラキと行動を共にするようになってからは人を捕食しておらず、ラキの身体の半分ほどまで身体が小さくなっていた。ルシエラとラファエラの融合体が断片を放出した際に、ラキと滞在していた村の住民を喰らい尽くして身体の大きさが元に戻る。その先にクレアの匂いを感じ取って幼児退行が解け、断片に貫かれたラキに自らの腕を突き刺して侵食を止めると、クレアを追い始める。テレサを激しく憎んでおり、クレアを追うのも「テレサをもう一度殺せる」と考えているためであった。しかしルシエラとラファエラの融合体がクレアを取り込み、獲物を奪われた怒りから融合体に攻撃を向けるが、プリシラも吸収されてしまう。その後、融合体からクレアが助け出されたことで、プリシラにかけられていた封印が解ける。ルシエラとラファエラの融合体との内なる戦いに勝利し、「西の深淵に近い別の何か」も倒し、動向を見守っていた組織の科学者ダーエを殺害。ラキやクレアたちの攻撃も、強力な覚醒者たちの攻撃ももろともせず、自分に立ち向かってくるものたちを次々と倒していく。ラキから意表を突いた攻撃を受け、動きが止まったところを狙われてクレアの高速剣を浴びせられるが、覚醒者たちを取り込んで回復を図る。しかしクレアが内に眠るテレサを呼び覚ますことに成功。プリシラは激しい憎悪と、心の底では死を望む複雑な心理状態で覚醒したテレサに挑む。最後は自分の感情を全て受け止めてくれたことに感謝し、テレサに倒された。

ルシエラとラファエラの融合体

姉を守りたいという気持ちが強かったラファエラ。姉を殺した時にその想いから自分の生命エネルギーを流し込み、融合体となったのだった。

覚醒した融合体は破壊者となる。

ラファエラが姉ルシエラを殺した後に、意図せず自分の生命エネルギーを注ぎ込んだことで作り出された融合体。ダフによる攻撃など、外側からの刺激には一切反応しなかった。しかしクレアがラファエラの精神世界に介入したことで内側から刺激されると、深淵の者をはるかに超える妖気を持つ姿へと覚醒した。神話に出てくる双子の女神像を彷彿させる姿をしているが、自我を持たず、口から自らの断片を放出する。その断片が覚醒者となり、エネルギーが尽きるまで暴れ続ける。また放出した断片は貫いた生物に寄生して自我を奪い、強制的に覚醒させる。プリシラに一瞬で身体を崩されるが、触れたものの命を奪う「生命の捕食者」として完全覚醒。クレアやプリシラを含め、自身の周りにあったものを全て吸収する。やがてその動きが収まると、その場に球体となった状態で発見された。生き残った戦士によってラボナ付近に移動され、クレアを放出した後に、プリシラとの内なる戦いに敗れて吐き出される。その後、西の深淵に近い別の何かに吸収された。

西の深淵に近い別の何か

死んだはずのリフルの下半身が動き出し、リフルでもダフでもない別の化物へと姿を変える。

その覚醒体はリフルとダフの特徴を併せ持っていた。

プリシラに殺されたリフルの下半身から生まれた覚醒者。リフルとダフの特徴を併せ持っており、プリシラとの内なる戦いに敗れたルシエラとラファエラの融合体を吸収すると、封印から解き放たれたプリシラと対決する。一時はプリシラを上回る力を見せるが、最後はプリシラに敗れ、斬り刻まれてしまった。

甦ったかつてのナンバー1(新たなる深淵の者)

組織の科学者ダーエの手によって甦った、かつてのナンバー1たち。回収部隊が組織へ連れかえったラキの身体から、ルシエラとラファエラの融合体の断片の侵食を食い止めていたプリシラの腕を回収。その腕を、ダーエに「愛すべき作品」として保管されていたヒステリア、カサンドラ、ロクサーヌの死体にそれぞれ埋め込むことで戦士として甦り、ミリアたち反乱者との戦いに投入された。以前の戦士とは別物で、覚醒することを前提として作られた。カサンドラの覚醒をきっかけに、残りの2体も覚醒。その妖気の強大さから、「新たな深淵の誕生」と呼ばれた。

ヒステリア

ヒステリアの覚醒体。スピードは格段跳ね上がり、ミリアたちを苦しめる。

組織が蘇らせたかつてのナンバー1。「流麗のヒステリア」と呼ばれ、最も美しい剣技と最も忌まわしい最期を持つ戦士。妖力を急激に解放して驚異的なスピードを生み出し、すれ違いざまに相手を斬りつける技を得意とする。その速度と正確さはミリアの「幻影」以上である。かつてナンバー1だった頃、人としての限界を悟りながら死を選ばず、自分を粛正に来た戦士たちを次々と斬り殺したが、その当時戦士になったばかりのテレサに深手を与えられ、ナンバー4だったローズマリーにとどめを刺されて最期を迎えた。その凄惨な事件は「ロクウェルの丘の戦士の大虐殺」と呼ばれ、今でも戦士たちの間で語り継がれている。組織の科学者ダーエが入手したプリシラの片腕を埋め込まれて、再び戦士として甦った。美しい剣技で戦士たちを圧倒するが、実力の差を突きつけられても諦めずに泥臭く戦うミリアによって、大剣をのど元に突き立てられて絶命した。しかしその後覚醒すると、背中に生えた大きな翼と無数の針金のような脚を持つ姿へと変わり果ててしまう。覚醒したヒステリアは、スピードを極限に特化した覚醒体であり、加勢した北の戦乱の生き残りや現役の一桁ナンバーが束になっても敵わないほどの強さを持っていた。しかしミリアの策にはまり、挑発を受けてミリアを追いかけたところ、カサンドラとロクサーヌの戦いに巻き込まれて死亡した。

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