足立透/アメノサギリ(ペルソナ4)の徹底解説・考察まとめ

足立透(あだち とおる)/アメノサギリとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の4作目に登場するキャラクターである。足立透は物語の舞台「八十稲羽市」にて刑事を勤めている男。上司でありP4主人公の叔父である堂島遼太郎(どうじま りょうたろう)と共に、八十稲羽市内で起きた連続殺人事件の調査を行っているが、実は事件の真犯人という衝撃の正体を隠し持つ。アメノサギリは、足立がP4主人公達との戦闘後に突如現れる事件の黒幕であり、いわゆるボスにあたる立ち位置のキャラクターとなっている。

マハブフダイン

氷結属性の攻撃技。
敵全体に大ダメージを与える事ができる。

マハジオダイン

電撃属性の攻撃技。
敵全体に大ダメージを与える事ができる。

マハガルダイン

疾風属性の攻撃技。
敵全体に大ダメージを与える事ができる。

足立透/アメノサギリの来歴・活躍

都会からの左遷されてきた刑事、足立透

都会に居た頃の足立。車内にて、眼前に広がる都会の景色をつまらなさそうに見回している。

都会の警察署に勤める刑事だった足立透。しかし同僚との足の引っ張りあいに負け、八十稲羽市に左遷される事になる。

都会と違って何もない寂れた田舎町な八十稲羽は、足立にとっては「つまらない場所」でしかなかく、仕事に対するやる気も起きず、無気力に毎日を過ごしていた。しかし上司である堂島遼太郎と関わっていく内に、次第にその生活に変化が生まれていく。その関わりは仕事上だけではなく、プライベート間でも行われうようになり、仕事帰りに一緒にでかけたり、堂島家にお邪魔する形で夕飯を食べたりといった機会が増えていく事になる。堂島家と交流を深めていく足立は、堂島家を自分が安心して居られる「居場所」として見出していく。

だがそれでも、彼の心はどこか空虚なままで満たされない。
そんな時、ある日たまたま見た「マヨナカテレビ」によって、足立の運命は大きく動き出す事になる。

「雨の日の夜0時に1人で消えたテレビを見つめると『自分の運命の人』が見える」という不思議なテレビ番組「マヨナカテレビ」の噂を八十稲羽市内で耳にした足立は、その晩、噂を確かめてみる事にする。すると、噂通りにテレビの中に1人の女性が現れる。その女性は、足立がファンだった女性アナウンサーの「山野真由美(やまの まゆみ)」だった。山野は今、不倫騒動を起こしたせいで、それから苦れる為に八十稲羽市内にある天城屋旅館に身を隠している状況にいた。山野を『運命の人』だと思った足立は、山野の警護を口実に彼女のもとへ会いに行く。足立は不倫の真相を問い詰め、自分と関係を持ってほしいと彼女に求めるが山野はそれを断る。それに怒り狂った足立は、彼女を室内にあったテレビの方に向けて突き飛ばす。すると、なんと山野の身体がテレビの中に落ちて行ってしまう。

驚く足立だったが、そこで自分が不思議な力を手に入れた事を知る事になる。数日後、死体となって電柱にぶらさげられた状態で現実世界に帰ってきた山野の姿に、足立はまたしても驚かされる事になる。だが、この出来事が彼の心の中に残されていた理性の箍を完全に外すきっかけとなる。「テレビの中に人をいれられる」という「特別」な力を手に入れた足立はその「特別」さに酔い、退屈な現実への鬱憤を晴らす為、この力を使って事件を起こしていくようになってしまう。

P4主人公との出会い、連続殺人事件の幕開け

山野の死体を目にし、嘔吐する足立。

山野の事件現場へ堂島と向かった足立は、そこで目にした山野の死体を前に吐き気を催してしまう。とっさに現場から逃げ出し、堂島からの叱りを背中にして道端へ嘔吐しに行く。その時、下校中だったP4主人公とそのクラスメイト達とすれ違う。この時、P4主人公と足立が話をする事こそはなかったが、『ペルソナ4』の作中で2人が最初に邂逅を果たしたシーンであるとはいえる。
後日、堂島に連れられる形で訪れた堂島家にて、足立は改めてP4主人公と対面。そこで初めてお互いの事を知る事となる。

山野の事件後、足立は今度は山野の遺体第一発見である小西早紀に目をつける。早紀はP4主人公の通う高校「八十神高等学校」の女子生徒だった。「好みのタイプ」であった彼女に迫る方法を足立が考えていたその頃、早紀に近づく怪しげな男がいた。それは山野と不倫関係にあった市議会議員秘書の生田目太郎(なまため たろう)だった。彼は足立と同じように「テレビの中に入る力」を手にしていた。さらにマヨナカテレビに映った山野が死んだ事から、マヨナカテレビと山野の死になんらかの関連性がある事を見出していた。そうして山野の次にマヨナカテレビに映し出された早紀に気づき、身の安全を図るよう早紀に警告しにきていたのだ。
生田目と一緒に早紀がいるところを見た足立は、早紀が生田目と関係を持っていると誤解。その事をネタにして自分とも関係を持って貰おうとするが、拒絶されてしまい逆上する。そうして早紀をテレビの中に落としてしまう。

後日、死体となって発見された早紀に気分を良くする足立。するとその後、偶然にも足立の夜勤中に生田目からの電話が警察署にかかってくる。それは早紀が亡くなった事により動揺した生田目が、自分の能力とマヨナカテレビについて警察に相談する為にかけた電話だった。
実はそれよりも以前にも何度か生田目は八十稲羽署に電話をしていたのだが、誰からも自分の話を信じてもらえずに居た。だが生田目と同様の力を手にしていた足立は、彼の話が作り話などではない事を察する。そこで足立は、つまらない現実を面白くさせる為、生田目を利用する事に決める。自分の手は汚さないままに生田目が連続殺人事件を起こすように仕向けたのである。
自分が生田目と同じ能力者である事は明かさず、逆に「犠牲者が死ぬ前に、その能力で助ければいいのでは」と告げてきた足立の言葉に「正義心」をかき立てられた生田目は、「現実世界に居るから死ぬ」「テレビの中にいれれば安全なのではないか」と考え出す。その結果、生田目は「救済」と称して、次々とマヨナカテレビい映し出された人物をテレビの中へ入れ始めていくようになってしまうのだった。

連続するトラブル、足立透の失敗

生田目の「救済」とは別に、連続殺人事件を模倣する形で殺されてしまった、諸岡金四郎(もろおか きんしろう)。

生田目の行う「救済」を高みの見物をするように見ていた足立だったが、事件発生から3ヶ月程経ったある日、トラブルが発生。男子高校生の久保美津雄(くぼ みつお)が、連続殺人事件を模倣する形で八十神高校の教師、諸岡金四郎(もろおか きんしろう)を殺害。自分が連続殺人事件の犯人だと警察に自首してきたのだ。
警察は久保を犯人として逮捕。しかし足立は、これを機に生田目が「救済」を辞めてしまってはつまらないと、久保逮捕の事実を隠蔽しようと、自分の姿を見られないようにしながら彼をテレビの中に落とす。その頃、P4主人公はすでにペルソナ使いとして能力を覚醒しており、同じペルソナ使いの仲間達と「自称特別捜査隊」という名で事件の捜査を行っていた。ペルソナ使いとしてテレビの中に入れる力を手にしていた彼らは、事件の犯人だという久保がテレビの中に逃げたと勘違い。彼を連れ戻す為、テレビの世界へ向かう。結果として、P4主人公達は久保を現実世界に連れ戻す。足立は仕方なく、何食わぬ顔をして彼を再逮捕する事となった。

だが、その後も生田目が「救済」を辞めることはなかった。なぜなら、久保逮捕からしばらくした後、新たにマヨナカテレビに人が映し出されたからだ。それは連続殺人事件の捜査の為に八十稲羽に呼ばれた高校生探偵、白鐘直斗(しろがね なおと)だった。彼の登場に生田目は、自分の「救済」はまだ終わりではなかったのだと考えを改め、直斗をテレビの中に突き落としてしまう。最終的に直斗は、同じようにマヨナカテレビを見ていたP4主人公達特捜隊によって助けられる。さらにはペルソナ使いとして覚醒し、特捜隊の仲間入りを果たすことになる。

それからしばらくした後、再び大きな事件が発生する。堂島の娘である堂島菜々子(どうじま ななこ)が、生田目の次の「救済」のターゲットとなってしまったのだ。堂島は生田目の後を追う最中に事故に合い、入院。堂島家に対する義理があった足立は、流石にこの時ばかりは生田目の逮捕にも積極的になる。しかし堂島の事故に気が動転していたのか、特捜隊の面々が見つけたこれまでの生田目の犯行を全て記した手記を前に「そりゃ決まりだよ」と、生田目を犯人扱いする「失言」をしてしまう。というのも、連続殺人事件は山野と早紀の件を除いては、特捜隊の頑張りのおかげで被害者が出ておらず、テレビの中に入れられ行方不明になっていた期間もただの「家出」として、事件とはなんら関係ない事として警察の間では処理されていたのだ。それなのに足立は、まるで最初の2件以外の被害者の存在も知っていたかのような口ぶりで、生田目を犯人扱いしてしまったのである。
この事がきっかけとなり、後に足立は特捜隊の面々に事件の犯人である事を暴かれてしまう。

特捜隊vs足立

テレビの中へ逃げた自分を追ってきた特捜隊の面々と対峙する足立。

犯人である事がバレた足立は、テレビの中の世界へ逃げる。そこで自分の心から生み出したダンジョン「禍津八十稲羽市」の最奥に逃げ隠れる。P4主人公達特捜隊は、足立を追って「禍津八十稲羽市」へ乗り込む。ダンジョンの攻略を行い、足立を捕まえる為、彼と対峙する。
自分を追ってきた特捜隊の面々を前に、足立は自分がこの事件を起こした理由を語る。現実への鬱憤晴らしとして、事件を起こしていた事を知った特捜隊は、現実世界を「つまらない」「退屈なもの」と言う足立の言葉を否定する。自分達が今まで築き上げてきた仲間との絆や、ペルソナ使いとして覚醒する際に「自分の認めたくない姿」と向き合った経験を糧に、足立の言葉をまっすぐに否定してくる特捜隊に、足立は逆上し彼らとの戦闘を開始する。P4主人公の初期ペルソナ「イザナギ」とそっくりなペルソナを召喚し、特捜隊の面々をあ然とさせるが、最終的には彼らに敗北してしまう。

P4主人公達に敗北した後、足立は「アメノサギリ」に意識を奪われる。アメノサギリは「テレビの中の世界」を現実世界へ拡大させ、全ての人間をシャドウにしようとしていた。P4主人公達は現実世界を守る為、アメノサギリとの戦闘を開始。なんとか勝利を収めた後、アメノサギリから解放され、意識を取り戻した足立を連れて現実世界へ帰還する。

特捜隊と共に現実世界に戻ってきた足立。するとそこへ1人の警察官がやってくる。警察官は堂島から「容疑者を手厚く保護してやってほしい」と頼まれた事を足立と特捜隊の面々に告げる。それを聞いた足立は今にも泣き出しそうな、複雑な表情をその顔に浮かべる。そうして特捜隊に見送られる形で、警察官と共に八十稲羽署へ連行されていく事となったのだった。

真ENDのみで見られる足立からの手紙

足立から届いた手紙を読むP4主人公と特捜隊の面々。

足立逮捕後、足立が直接ゲーム本編に関わってくる事はなくなる。
ただし、真ENDと呼ばれるルートに物語を進めることができれば、間接的にではあるが、足立が物語に再登場する仕様となっている。
『ペルソナ4』は、複数のエンディングが用意されている「マルチエンド」タイプのゲームとなっており、物語の終盤近くで、そのENDが分岐する仕様がなされている。「真END」と呼ばれるこのENDは、『ペルソナ4』にまつわる「謎」、P4主人公がなぜペルソナ使いとして覚醒したのか、足立や生田目がテレビの中に入れたのはなぜか、といった疑問の真相が明かされるルートとなっている。
そのルートの中で、P4主人公は拘置所にいる足立から手紙を受け取る。手紙の中には、堂島家やP4主人公と共に過ごした時間の事に対する足立の気持ちが綴られていた。しかしそれとは別に、「警察でマヨナカテレビの噂を聞くよりも前に、この街に来てすぐに誰かから噂を聞いた」といった話も手紙の中には書き記されていた。元々事件の真相に、拭えない違和感を覚えていたP4主人公は、この「誰か」というのが全ての謎にまつわる人物だと推測。全ての謎の真相を知る為、特捜隊の仲間達と「誰か」を探しに八十稲羽へと繰り出していく事になるのだった。

足立透/アメノサギリの名言・名セリフ/名シーン・名場面

足立透「世の中クソだな」

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