メタルギアソリッド（METAL GEAR SOLID）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

メタルギア格納庫に潜入したスネーク。だが、様子が奇妙だった。見張りも兵士も誰もいないのである。オタコンから無線が入り、起爆コード（PALキー）を解除するには、同じPALキーを入力する事が必要だという事実は突き止めた。しかし持っているPALキーは一つしかない。オタコンは続けて応える。「1つのPALキーで温度変化によって3つの形状になる」という事実を突き止めたのである。

管理棟に進むとそこにはオセロットとリキッドが何やら作戦を練っていた。リキッドの言葉を聞き「既にPALキーを入力した。いつでも核が発射可能な状況になった」という事実をスネークは耳にする。しかし、スネークの気配に気づいたオセロットがスネークに向けて銃を発射する。スネークは手に持っていたPALキーを落としてしまった。何とか回収し、PALコードを入力する。しかし起爆コードは解除されるどころか発射準備に入ってしまう。

その時、マスターから無線が入る。「よくやってくれた」と伝えたマスターは、実は偽物であった。キャンベルから緊急の無線が入り、本物のマスターは3日前に殺害されていた事実が判明。マスターの正体はなんとリキッドだったのである。リキッドの待つ場所についたスネークはそこでリキッドからこの作戦の真実を知らされる。スネークに伝えられていた命令は、人質救出、メタルギアの破壊であった。だが実際は、アメリカ国防省の作戦としてはスネークとリキッドが出会えばよかっただけであった。スネークにFOXDIEを打ち込み、テロリストへ感染させ暗殺した後、メタルギアを無傷で回収するのが目的であった。既にスネークが潜入してきた時点でFOXDIEの感染は広まっていった。だが、オセロットとリキッドだけが感染していなかった。

そして、リキッドは「お前に俺の気持ちがわかるか」と語りだした。ビックボスの優性遺伝子で作られたソリッド・スネークと劣性遺伝子で作られたリキッド・スネーク。リキッドはさらに「俺は親父を超える」と言い残し、彼はメタルギアへ搭乗するのであった。

リキッドが載るメタルギアREXとの戦い～シャドーモセス島からの脱出

メタルギアREXに搭乗したリキッドは執拗にスネークを狙う。スネークも健闘するも、破壊は困難である。劣勢に陥ったスネーク、メタルギアREXの脚部に踏みつぶされそうになった時に、強化骨格に身を包んだサイボーグ忍者が窮地を救ってくれた。その正体はやはりグレイフォックスであった。スネークは彼に「俺に拘るのはやめろ。ナオミはどうする？」と問う。その問いにフォックスは、「ナオミの両親を殺したのは俺だ」と返した。ナオミの本当の仇は自分だと、そう言ってフォックスはさらに加勢し、メタルギアを破壊するチャンスをスネークに提供する。しかしメタルギアの前では強化骨格の強さも太刀打ち出来ず、フォックスは最後「俺たちは政治や国の奴隷ではない。戦うのは俺の意思だ」と伝え絶命する。スネークはフォックスのくれたチャンスを無駄にせずなんとか攻勢に出た。

激戦の後メタルギアの破壊に成功したスネーク。朦朧とした意識の中でリキッドが近くに向かってくるのを感じた。リキッドは、「俺たちのような戦士が必要となる世界を作る。親父の意思を継ぐ事が目的である」と告げた。「そんなものは妄想だ」とスネークも反撃するがリキッドは聞く耳を持たない。そしてリキッドは恐るべき子供たち計画について話す。

伝説的英雄だったビックボスの遺伝子を用いて最強の兵士を作る目的であった恐るべき子供たち計画。そこで生み出されたのが、リキッドスネーク、ソリッドスネークだった。リキッドは、今この場で優性遺伝子で作られたスネークを否定する事で、自分自身を取り戻すと伝えスネークと決闘を決意する。そこにはメリルも居た。意識は失っているものの生きている事を確認出来た。

そんな時キャンベルから無線が入った。キャンベルが伝えた事は、既にメタルギアを破壊された事を知った国防省は、基地を空爆によって破壊すると決めたとの事。しかし、キャンベルはこの決断に対し、スネークに協力する事を伝える。しかし、キャンベルは拘束されてしまう。国防長官のジムハウスマンがキャンベルを拘束したのだ。その状態の中、リキッドとの死闘を制する。脱出出来るようにオタコンもサポートしてくれた。オタコンは、自分の意思でここに残るとスネークに伝えた。オタコンは自分自身の過去と決別をつけるために自分との戦いをしている最中だったのだ。リキッドからの追撃をかわしなんとか脱出に成功。

その時、キャンベルから無線が入る。大統領と直接連絡が取れた。今回は全て国防長官の責任としてジムハウスマンは解任となった。空爆も中止となったという知らせだった。スネークは、人の為に生きるのもいいかもしれないというメッセージを残しメリルと共にシャドーモセス島を離脱するのであった。

『メタルギアソリッド』のゲームシステム

スニーキングアクション

メタルギアソリッドのゲームシステムの特徴としては、何よりMSX2で出来ていたスニーキングアクションがよりリアリティを持って演出出来た事が大きいだろう。ハードの特性を活かした3D描写によるムービーパートがよりドラマティックに物語を演出してくれる。アクションパートでは物陰に隠れると言っても隠れる場所は多岐にわたり、匍匐でコンテナの下に隠れたり、壁に張り付く事で物音を出して敵を誘い出したり、段ボールに隠れたり等一言で物陰に隠れると言ってもプレイヤーによって様々な答えを見つけられるというシステムは非常に画期的であった。また、スナイパーライフルやミサイルランチャー等の発射の際は、サイトを除いているような演出も楽しむことが出来、より武器を使う楽しみも向上した。また小ネタも多くみられるのが『メタルギアソリッド』シリーズの楽しみの一つであるが、無線の周波数はゲームパッケージに書いてあったり、2Pコントローラーを使う等画期的な小ネタが多いのも魅力的な作品である。

『メタルギアソリッド』の登場人物・キャラクター

テロリスト鎮圧作戦部隊

ソリッド・スネーク

メタルギアシリーズの代表的な主人公であり、メタルギアシリーズのアイコン的存在。本名はデイヴィッド。この本名ではほとんど呼ばれる事はなく、通称であるスネークと呼ばれる事がほとんどである。作中でもエンディングまで本名を知る事はなく、メリルとの会話の中で初めて本名が明かされる。1972年生まれで身長180cm。六か国語に精通し、IQ180であり、スキューバーダイビングを初めとし、近接格闘技も習得しており、正に傭兵のスペシャリストである。作中を通じ、英雄と呼ばれる事もある。元フォックスハウンドの隊員で数々の作戦を遂行してきた人物。ザンジバーランド騒乱後はアラスカの地で隠居生活を送っていた。

「恐るべき子供たち計画」と呼ばれる、伝説の英雄ビックボスのクローンとして生み出された。ソルジャー遺伝子をはじめとしたDNA操作により意図的に戦士としての特性を持たされている。スネークは劣性遺伝を受け継ぎ、優性遺伝は本作のテロリストのボスである、リキッドスネークが受け継いだ。

スネーク本人の性格はクールで皮肉屋。初対面の女性は必ず口説くというが奥手であるのもスネークの性格を物語っている。無線でのコミュニケーションを聞いていると案外ユーモアがあり親しみやすいのもスネークの魅力である。

ロイ・キャンベル

身長180cm。アメリカ海軍、グリーンベレー、デルタフォースを経てハイテク特殊部隊FOXHOUNDに入隊。その後副指令となるものの、総司令官だったビックボスが失踪したため副司令官となる。
スネークとは20年来の付き合いとなっており、数少ない友人の一人である。本作では、スネークに仕方なく嘘をつきながら作戦を実行するものの、ペンタゴンより脅迫を受けていたためであり、後にスネークとは和解する。本作では無線によるサポートが主であるが、スネークとの掛け合いは物語にユーモアを与えてくれる。作中、スネークはキャンベルの事を大佐と呼ぶが実際は大佐という役職ではない。

ナオミ・ハンター

本作の重要人物の一人。テロリスト鎮圧作戦のメンバーであった。ナオミは過去に戦争孤児だったところをグレイフォックスに拾われた。ビックボスの手引きによって渡米し、ナオミハンターというアメリカ人記者の名前の戸籍を取得し、その後、彼女に成りすまし生活を送る。彼女が自分は何者なのか？という事に疑問を抱き遺伝子工学を学び権威を得る。その後、兄であるグレイフォックスと再会するが、兄はザンジバーランド騒乱により負傷し、人体実験と薬物投与で廃人になっていた。彼女は、自分の命を救ってくれたビックボスを葬り、兄であったグレイフォックスをこのような状態にした伝説の英雄、ソリッドスネークを憎むようになった。そしていつしか、ソリッドスネークに復讐する事を目標に遺伝子工学にのめり込んでいった。
そんな時、彼女はCIAよりスネークにフォックスダイを注入し、ベクターとしてテロリスト集団に送り込ませると指示を受け、作戦に参加した。

しかし、フォックスとスネークの関係性を作戦中に垣間見る事でスネークの憎悪は薄れていくものとなった。

メイ・リン

身長160cm。米マサチューセッツ工科大学卒業。アメリカ軍のデータアナリスト。本作ではまだ学生で10代であった。スネークが使用するトリトンレーダーの開発者でもある。中国の諺に精通しているため、無線で度々スネークとも諺についてのやり取りが聞ける。元々はパイロット志望だったが視力が弱く諦めた過去もある。

スネークの協力者

マクドネル・ミラー