ナイト&デイ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ナイト&デイ』とは、監督はジェームズ・マンゴールド、脚本はパトリック・オニールが手がけた、2010年公開のアクションコメディ映画である。CIAエージェントのロイが、CIA・FBIが絡んだゼファー騒動にジューンを巻き込んでしまうことから、騒動が大きくなっていく。ジューンは、並外れた戦闘能力を持つロイに怯え、様々な危険に巻き込まれることに嫌気がさし、精神的にも不安定になっていた。そんなジューンを優しく守るように陰で支えてくれるロイに、ジューンは少しずつ心を開くようになっていったのだった。

ザルツブルクのホテルに到着した一行。ロイはサイモンとジューンに、自分が不在の時は部屋を出ないように言った。ところがジューンはロイの行動が気になり、部屋を抜け出しロイを尾行する事にした。

しばらく歩くとロイは店に入り、謎の女性と会っていた。彼らに見つからないように隠れながら様子を見ていたジューンだったが、彼らに尾行がバレてしまう。謎の女性にジューンの事を聞かれたロイは、「偶然会った。やむを得ず連れてきただけ」と答え、それを聞いたジューンは落ち込みながら一人ホテルへと帰っていく。

ホテルに戻る途中のジューンをフィッツジェラルドが呼び止めた。彼に捜査協力をお願いされたジューンは、言われるままに発信器を受け取る。そしてフィッツジェラルドは「ロイがゼファーを持っていると分かったら、発信器を作動させてくれ」とジューンに伝える。

ホテルに戻ってきたロイは、温度が上がってきている事を理由にゼファーを冷やしていた。それを見たジューンは発信器を作動させる。すぐにFBI捜査官が駈けつけるも、すでにロイの姿は無くゼファーも持ち去られていた。屋根の上に逃げたロイだったが、FBI捜査官の一人が誤って発砲した銃弾が直撃しロイは川に落ちてしまう。

ロイとの再会を願うジューン

川に落ちたロイを探すFBI捜査官たちだったが、ロイの姿は見つからずフィッツジェラルドは苛立っていた。一方、ジューンは自宅に戻ってきており妹の結婚式に無事に出席出来た。

ようやくロイから解放されたジューンだったが、彼の事が気がかりでならなかった。撃たれて川に落ちたロイだが、まだ彼が生きているような気がしていたのだ。そこでジューンは、「盗聴している人へ。ゼファーは私が持っている」と嘘をつき、FBI捜査官たちをおびき寄せる。ジューンは自分が捕らえられれば、ロイが助けに来てくれると思ったのだ。

ゼファーとサイモンを追う2人

ゼファーを狙うアントニオに拉致されたジューンは、そこで自白剤を打たれる。アントニオにゼファーやロイの事を聞かれるがジューンは全く答えない。それどころか「ロイに会いたい」とロイへの想いを話すばかり。

一方、ジューンの予想通り生きていたロイはサイモンを救出しに、アントニオがいる所に来ていた。タイミングを見計らいながら慎重に進んでいくロイだったが、拘束されているジューンを発見する。なぜ彼女がアントニオに捕まっているのか疑問に思うロイだったが、放ってもおけず先にジューンを救出する事にした。無事にジューンを救出する事が出来たロイは、逃げたアントニオを追う。

三つ巴の争い

ジューンと共にバイクに乗り、アントニオの車とサイモンを乗せたフィッツジェラルドに車を追うロイ。ロイが生きていた事に驚いたアントニオは早々と取引を中止する。

スペインの街中を猛スピードで走りながら、ついにフィッツジェラルドを追い詰めたロイ。しかしフィッツジェラルドは、サイモンを解放して欲しければゼファーを渡せとロイに取引を持ちかける。サイモンを犠牲にする事が出来なかったロイは、大人しくゼファーをフィッツジェラルドに渡す。

解放されたサイモンが「渡してしまったなら仕方ない。また作るよ」と言うと、フィッツジェラルドは彼に向けて発砲する。彼が生きていれば、またゼファーを作られてしまう事に気づいたのだ。フィッツジェラルドが撃った銃弾は、咄嗟にサイモンを庇ったロイに当たり、ロイは負傷してしまう。その隙にフィッツジェラルドはゼファーを持って逃走してしまう。

ゼファーを手に入れたフィッツジェラルドだったが、しばらくしてゼファーが熱を持ち爆発してしまう。サイモンが「また作る」と言ったのは、奪われたゼファーが実は失敗作だという意味だったのだ。

夢だったケープ・ホーンへ

フィッツジェラルドが撃った銃弾により、2週間ものあいだ生死をさまよったロイだったが、なんとか一命を取り留める事が出来た。

目覚めたロイのもとに看護師が現れ、謎の薬を置いて立ち去る。その薬を飲んだロイはすぐに眠ってしまい、看護師に病室から連れ出されてしまう。ロイが目を覚ますと、そこは砂浜だった。そして遠くからジューンが自分に近づいてくるのが分かった。謎の薬を飲ませた看護師の正体はジューンだったのだ。

車に乗り込んだ2人は、ジューンがいつか行きたいと話していたケープ・ホーン岬を目指して走り始めた。

『ナイト&デイ』の登場人物・キャラクター

主要人物

ロイ・ミラー(演:トム・クルーズ)

CV:森川智之
イーグルスカウト出身。CIAのエージェントとして訓練を受け、武器の扱いや護身術などは一流である。本当の名前はマシュー・ナイトであるが、CIAとの契約上、正体を隠すために名前をロイ・ミラーと名乗っている。ロイは同期のフィッツジェラルドの罠にはめられ、組織を裏切った重要人物としてFBIから追われるようになってしまう。そのきっかけとなったのが友人のサイモンが開発した、世界初の永久的に持続使用できるとされている電池「ゼファー」だった。ロイは、フィッツジェラルドがそれを金儲けに利用し、サイモンを殺害しようとしている計画に気づいた。よって、サイモンの身柄とともにゼファーを管理し、守っている。空港での手荷物検査の際にゼファーの存在が知られるのを恐れ、ジューンのスーツケースにこっそり隠すことから、ジューンを巻き込んでしまう。

ジューン・ヘイヴンス(演:キャメロン・ディアス)

CV:水町レイコ
車の整備士。亡くなった父親から修理技術を受け継ぎ仕事をしている。その父親は幼かったジューンを連れて、よく車のパーツ探しをしていた。それと似たように今回ジューンも、ウィチタで父から譲り受けた66年式GTOのパーツを探していた。そして、そのまま妹のエイプリルの結婚式に出席するため、ロイと同じボストン行きの便に乗ったのだった。少し隙のある人柄で、車の整備部品をスーツケースに入れて必死に運んでいるところをロイに見られ、ロイの逃亡計画にまんまと利用されてしまう。よって、ジューンもFBIの監視対象として巻き込まれることになる。だがその状況を全く知らないジューンは、空港で偶然何度もロイとぶつかることで運命を感じ、笑顔の素敵なロイにどんどん惹かれ、この恋のチャンス逃すまいと意気込んでいた。

ロイの交友関係

サイモン・フェック(演:ポール・ダノ)

CV:平川大輔
鉄道好きなゼファーの開発者。まだ高校を出てすぐにもかかわらず、天才的な頭脳で、世界初の永久的に持続使用できる電池「ゼファー」を開発する。だが、それを金儲けに利用しようとするフィッツジェラルドに追われ、計画に巻き込まれてしまう。ゼファーがフィッツジェラルドの手に渡った際に、思わずゼファーの欠点を漏らしてしまう。そして、フィッツジェラルドに撃たれそうになるのだが、間一髪のところでロイに助けられ、九死に一生を得る。

フランク・ジェンキンス(演:デイル・ダイ)

CV:藤本譲
ロイ・ミラー(マシュー・ナイト)の父親。フランクの家には立派なライフル銃が壁にずらりと並ぶ。さらに、侵入者を感知するとスプリンクラーが自動で作動する庭を併設している。少し大げさな防犯対策のようにも思えるが、これは今までに頼んでいない物が勝手に届いたり、買ってもいない宝くじに2回も高額当選したりしたことを物騒に思っているからである。この不思議な現象が起こる家をよく思わないフランクは、この家から引っ越そうと妻・モリーに言う。だが、今の家が気に入っているというモリーは引っ越しをしたがらないでいる。

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