トップガン マーヴェリック（映画）のネタバレ解説・考察まとめ

『トップガン マーヴェリック』の概要

『トップガン マーヴェリック』とは、2022年5月27日に公開された、米海軍のエリート・パイロットチーム「トップガン」をテーマにしたアメリカのアクション映画。1986年公開の『トップガン』の36年振りの続編にあたる。主演のマーヴェリックは前作に続き、トム・クルーズが務める。
2022年、トップガンは所属するエースパイロットたちをもってしても不可能な任務に直面していた。そのミッション達成のために指名されたのは、過去40年間において空中戦で撃墜記録を持つトップガン史上最高の伝説のパイロット、ピート・マーヴェリック・ミッチェル海軍大佐。常識破りの性格と組織に縛られない振る舞いで現場主義を貫き続けているマーヴェリックは、スクラムジェットエンジン搭載の極超音速テスト機のテストパイロットを務めていた。マーヴェリックはミッション達成のために、トップガン卒業生から選りすぐられた若き精鋭パイロット達に対して訓練を施す教官として抜擢され、新世代のトップガンチームと共にこのミッションに命を懸ける。
北米でホリデーにあたる週末に4,735館で公開され、興行収入約1億2670万7459ドルを記録してトム・クルーズの出演作歴代No.1の初動を記録した。また、7月13日時点での本作の北米累計興行収入が約6億192万ドルを突破し、それまでパラマウント・ピクチャーズ社の興行収入ランキング首位であった『タイタニック』を抜いて歴代1位となったことを発表した。北米歴代興行収入では第5位の成績である。全世界興行収入においては、主演であるトム・クルーズのキャリア史上最高額となる10億ドル超えを達成している。

『トップガン マーヴェリック』のあらすじ・ストーリー

トップガンの教官に

ピート・マーヴェリック・ミッチェル大佐は、アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガン史上、最高の腕を持つ伝説のパイロット。米海軍の過去40年間において空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つパイロットである。数々のミッションを成功させたその輝かしい経歴とは裏腹に、ひたすら現場主義を貫いているマーヴェリック。現在は左遷され、カルフォルニアの砂漠で最新戦闘機のテストパイロットをしていた。
ある日、テスト機ダークスターのテストプログラムの打ち切りを聞かされたマーヴェリックは、本部の決定を無視して世界最速に挑戦する。通常の人間では耐えられないマッハ10のGを耐え切ったマーヴェリックは、さらにそれを超える速度に挑戦する。しかしその結果、機体が破損して緊急脱出を余儀なくされてしまう。相変わらず暴走し、最高の腕を持ちながら常識破りな性格で組織から追いやられたマーヴェリックに上官は苛立っていた。
米海軍トップガンでは、かつてない世界の危機を回避するため、極秘ミッションが計画されていた。ある国で開発が進む核兵器開発プラントの破壊が目的であるが、そのミッションは絶対不可能と言われるほど難易度の高いものであった。この作戦を成功させるために、トップガンの精鋭卒業生たちが集められ、最高の腕を持つマーヴェリックは教官として呼び戻された。この任務に彼を推薦したのは、かつてのトップガンのライバルであり、現在海軍大将となっているアイスマンであった。
マーヴェリックは3年振りに戻ったサンティエゴのダウンタウンで、かつて通っていた馴染みのバーに顔を出す。オーナーが以前の恋人ペニーへと代わっていたバーは、今でも海軍のたまり場となって賑わっていた。ペニーとは以前交際していた仲にあり、3年前に別れたきりで、久々の再会なのであった。恋の予感を感じるマーヴェリックであったが、ペニーは困惑していた。マーヴェリックはいつでもパイロットとしての自分を優先してしまい、それが別れの原因となったからだ。そしてペニーの娘のアメリアも、母がまた傷つけられるのではないかと心配していた。

ルースターとの確執

トップガン卒業生たちが任務のために集められた。ルースターとハングマンはライバル同士で、既に火花を散らしている。
そして訓練の開始日。教官として現れたマーヴェリックに、若いエリートパイロットたちはざわめき立つ。マーヴェリックがトップガンの伝説のパイロットとはいえ、既に過去の人というイメージがあったからだ。
そんな若きパイロットたちの中にいたルースターは、マーヴェリックがトップガンに所属していた頃、訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子だった。マーヴェリックは、以前ルースターの海軍志望願書を破り捨てて、パイロットになるのを止めたことがある。グースのようになって欲しくないと考える妻のキャロルから、亡くなる時に「息子をパイロットにしないで」と頼まれていたからだ。そんなことを知らないルースターは、マーヴェリックのせいで父が死んだと思い込んでおり、なにかとぶつかってくるのであった。しかしマーヴェリックは、死んだ相棒グースの変わりにルースターの力になってやりたいと考えていた。
いよいよ訓練初日、マーヴェリックはパイロットたちの実力を図るため、いきなり空中戦を持ちかける。腕利きのハングマン、フェニックス、ペイバックといったトップガンのエリートたちも、ドッグファイトではマーヴェリックにすぐ背後を取られてロックオンされてしまい、その腕には誰一人適わないのであった。そしてルースターの考えすぎるクセを見抜いたマーヴェリックは、「考えるな、動け。お前はやれる」と声を掛ける。
今回トップガンたちが集められた目的は、険しい山々に囲まれた核兵器開発プラントまで、低空飛行で接近し、プラント破壊後に一気に上昇するGに耐えて、追ってくる敵機の撃墜をするというミッション。無事生還の可能性はないと言われるだけに、マーヴェリックは厳しい訓練を続ける。しかし目標タイムをクリアできない若きトップガンたちは、自信を失いかけていた。
訓練飛行では、Gに耐えられずコヨーテが意識を飛ばしてしまい、墜落寸前になる事故が起こってしまった。一命は取り留めたものの、作戦責任者のサイクロン中佐は危険な指導をするマーヴェリックに教官を退くよう命令する。そしてマーヴェリックを教官として呼び寄せた、かつての盟友アイスマンも死んでしまう。
退いたマーヴェリックの代わりに指揮を取ったサイクロン中佐は、マーヴェリックの作戦を不可能なものとして、「低空飛行せずに真っ向から進み、ミサイルと敵機の攻撃の中を突っ切る」という作戦を披露した。これは危険を伴う無謀な挑戦であった。そんな時上空に、マーヴェリックが乗り込んだF18戦闘機が姿を現す。Gで意識が飛びそうになりながらも、自らの飛行で自分の作戦を成功させてみせるマーヴェリック。これにはサイクロン中佐もマーヴェリックの腕を認めざるを得ず、ミッションの編隊長として任命するのであった。

ミッション開始

いよいよ作戦決行の日。2機が1組となって2組で行動する。マーヴェリックは自ら編隊長として飛ぶことになった。そして選抜隊にはフェニックスとボブ、ペイバックとファンボーイ、そしてルースターを選抜する。「もう誰一人死なせはしない」という強い覚悟でマーヴェリックは命を賭けたミッションに飛び立つのであった。
険しい山々に囲まれた渓谷を、敵のレーダーをかいくぐって最速で飛ぶ4機のF18戦闘機。マーヴェリックのチームは核兵器開発プラントにロックオンし、見事ミサイルを命中させる。その後に続かなければならないルースターのチームは、遅れをとっていた。慎重派のルースターは考えすぎる癖があるのだ。ルースターの脳裏に「考えるな、動け。お前はやれる」という、マーヴェリックの言葉が浮かんだ。そして巻き返しを見せるルースターは、見事目標地点にミサイルを命中させることに成功する。その後迫りくるGにも耐えて空母への帰還を目指したが、追いかけてきた敵機に囲まれて戦闘となってしまう。敵の攻撃を交わしていくルースターだったが、打ち込まれるミサイルの数が多すぎて交わしきれない。そして追い詰められた瞬間、突然現れたマーヴェリックが身を挺してミサイルを受ける。撃墜されて落下していくマーヴェリックを助けに向かおうとするルースターであったが、本部から「空母に戻れ」という指令が出る。マーヴェリックはパラシュートで脱出に成功していたが、降り立った地には敵機が待ち構えていた。隠れる場所もなく、ピンチに陥るマーヴェリック。そしてマーヴェリックに対してミサイルが発射される直前、敵機にミサイルがぶち込まれた。放ったのはルースター。なんと、本部の命令を無視してマーヴェリック救出に向かっていたのだ。しかし、すかさず敵機に打ち落とされるルースター。撃ち落とされたルースターの元に駆け付けるマーヴェリックが「何してんだよ」と言うと、「考えるな、動けって言ったろ」と返すルースターなのであった。

ミッションコンプリート

口喧嘩をする2人であったが、協力して敵地に潜入し、空いている戦闘機に乗り込む。埃をかぶって放置されていたのは、トップガン時代にマーヴェリックが乗っていたF14戦闘機であった。マーヴェリックが操縦し、飛び立つF14に敵も味方も気付く。空母に向かって帰還しようとするマーヴェリックであったが、その前に敵機に追いつかれてしまう。反撃するマーヴェリックは次々と敵機を打ち落とす。しかし弾切れとなってしまった。そして敵機がマーヴェリックたちの乗る機にロックオンした瞬間、目の前で敵機が爆撃された。撃ち落としたのは今回選抜されなかったトップガンの仲間で、ルースターのライバルでもあるハングマンだった。命令に背き無茶ばかりするトップガンたちだが、仲間を思う気持ちはマーヴェリックの時代から今も変わらず受け継がれていたのだ。
無事ミッションを成功させて誰一人欠けることなく帰還したメンバーたち。堅く抱き合い互いの検討を称えるマーヴェリックとルースター。その後、カルフォルニアに戻った2人は親子のように一緒に飛行機整備に勤しんでいた。さらに、マーヴェリックにとって嬉しい訪問があった。ペニーとその娘のアメリアだった。

『トップガン マーヴェリック』の登場人物・キャラクター

主要人物

ピート・マーヴェリック・ミッチェル（演：トム・クルーズ）

米海軍で、過去40年間において空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つ唯一の天才パイロット。無鉄砲で命令に従わないため出世とは無縁である。かつて親友でパートナーのグースが訓練中に亡くなってしまったことを心に抱えている。本作では教官として復帰し、トップガン卒業生たちを鍛える。

ブラッドリー・ルースター・ブラッドショー（演：マイルズ・テラー）

トップガンの卒業生で階級は大尉。かつてマーヴェリックとの訓練中に事故で死亡してしまった親友グースの息子。コールサインの「ルースター」は「雄鶏」の意味。父の死の当事者であるマーヴェリックが自身の教官となった事で、冷静ではいられず激しく対立した。

ペニー・ベンジャミン（演：ジェニファー・コネリー）

マーヴェリックと以前交際していた女性。アメリアという一人娘がいる。3年前に海軍の溜まり場であるバーを買い取って経営している。マーヴェリックがトップガンに復帰したことで、久々に再会を果たした。

トップガン

ジェイク・ハングマン・セレシン（演：グレン・パウエル）