両面宿儺(呪術廻戦)の徹底解説・考察まとめ
両面宿儺(りょうめんすくな)は、『呪術廻戦』に登場する、殺戮と闘争を好む“呪いの王”である。
千年以上前の人間で、性格は残忍にして狡猾、尊大にして凶悪。当時の呪術師が総出で挑んで敗れ、死後指だけが呪物として残り、世に悪しき影響を与え続けている。
その指を主人公虎杖悠仁が飲み込んだため、彼の肉体を依り代に復活。しかし理由は不明ながら虎杖の意識を奪うことができず、その体内に封じられる。虎杖の内に潜み、肉体を乗っ取る隙を虎視眈々とうかがい、時に暴威を振るって善悪の区別無く命を奪う極めて危険な存在。
両面宿儺のプロフィール・人物像
等級:特級呪物
生誕:千年以上前
肩書き:呪いの王
技:「解」、「捌」、領域展開「伏魔御廚子」、反転術式
嗜好・興味:食事
嫌いなもの:特に無し(自分以外どうでも良いと思っている)
最速!キャラクター人気投票:第8位(75票 / 1,575票)
第1回キャラクター人気投票:第10位(5,860票 / 163,066票)
第2回キャラクター人気投票:第13位(1,977票 / 97,860票)
CV:諏訪部順一
両面宿儺(りょうめんすくな)は、『呪術廻戦』に登場する、殺戮と闘争を好む“呪いの王”である。日本書紀や岐阜県の伝承などに記される、二つの顔と四本の腕を持っていたとされる“両面宿儺”の伝説がモデルだと思われる。以下、見出しを除く記事中では宿儺と表記する。
千年以上前の人間で、その性格は残忍にして狡猾、尊大にして凶悪。弱者の殺戮と強者との闘争を好み、万事を己の快不快のみを基準に判断し、呪術全盛の時代に当時の術師が総出で挑んで敗れたという伝説の存在。四本の腕を持ち、死後に死蝋と化した全二十本の指が呪物として残され、今もなお世に悪しき影響を与えている。
その指を主人公虎杖悠仁が飲み込んだため、彼の肉体を依り代に復活。しかし理由は不明ながら虎杖の意識を奪うことができず、事実上その体内に封じられる。これにより虎杖は宿儺の呪力にも抗える特殊な才能を持つ“宿儺の器”として認定され、彼に全ての指を飲ませてから殺すことで、宿儺を完全消滅させるという計画が発動する。
虎杖が新たな指を飲んでいくことで往年の力を取り戻せばなんとでもなると考えているのか、それに対して何かしらの行動を起こすでもなく、ただ彼の内に潜んで肉体を乗っ取る隙を虎視眈々とうかがう。規格外の強敵を倒すため意図的に呼び起こされるなど、時に虎杖から肉体の主導権を委ねられることもあるが、その都度恐るべき暴威を振るって善悪の区別なく多くの命を奪う。極めて危険な怪物であり、『呪術廻戦』の物語の中核を成す重要な存在。
元が人間であることは事実だが、当時の人柄や来歴、どのようにしてこれほどの力を得たのかは不明。裏梅という人物と面識があったような描写も見られるものの、その裏梅の正体もまた謎に包まれている。
前述の通り、死後にその二十本の指が呪物と化し、厳重に封じられてなお溢れ出る呪力が様々な災いを起こす。歴代の呪術師の誰もがそれを破壊することすら叶わず、封印するに留めていた。千年という時間の中で次第に散逸し、行方が分からなくなる。
物語開始時点では六本が東京都立呪術高等専門学校(以下呪術高専)で保管され、その他のものは由来も分からぬまま魔除けとして利用されたり、自らの呪力を増幅するために呪霊が飲み込んだりしていた。宿儺は力を取り戻すために自身の指を欲しており、肉体を共有している“宿儺の器”虎杖にも感覚としてそれは伝わるため、彼は宿儺の指に対してある種のレーダーに近い能力を持っている。宿儺の完全消滅という計画の要でありながら、虎杖が危険な呪霊絡みの事件の調査に駆り出されているのはこれが理由である。
虎杖のことは「気に入らない小僧」として忌々しく思うと共に完全に見下しており、彼が死の恐怖に涙する様を見ては失笑し、致命傷を負った友人を救うため自分にすがった際はそれを拒否した上で「矜持も未来も捨てながら何も救えない」と腹の底から嗤いつつ愚弄した。肉体を共有しているだけで共感するようなことは一切なく、幾度かの接触を経て虎杖からも「敵」あるいは「絶対に滅ぼさなければならない危険過ぎる存在」として認識されている。
その虎杖には「他人に“自分と虎杖は以前からの知り合いで、ごく親しい間柄だった”という記憶を無意識に植え付ける」能力があることが判明しつつあるものの、虎杖が二度目にこの能力を披露した際、それを彼の精神世界の中から眺めて怪訝な顔をしていたため、宿儺に由来する力ではないと思われる。
一方、自分の目的のために瀕死の虎杖と契約を結んだこともあり、その際は虎杖に丁寧に契約の仕組みと内容を説明していた。これはそうすることが自身のメリットにつながるからで、決して虎杖のためではないものの、“理性的な対応がまったくできないわけではない”姿を描くことで、“理性はあるのに決して相容れない”という宿儺の怪物性を高める演出になっている。
なお、この時結んだ契約は「虎杖の内に潜む宿儺が“契閥”と唱えたら一分だけ自分に肉体を明け渡す」、「この契約を忘れる」、「その代わり虎杖を蘇生させる」というもの。虎杖はこれを拒絶したもののほぼ無理矢理押し付けられてしまい、実際にこの契約の内容も覚えていない。
虎杖のクラスメイトである伏黒恵のことは、潜在的な実力を高く評価しており、彼がその才能を十全に発揮する時を心待ちにしている。これは単に「伏黒の成長が見たい」というより「成長した伏黒と戦いたい」というものであり、入れ込み振りはかなりのもの。虎杖の意識が眠ったままの状態で伏黒の窮地を感知した際は、自ら駆けつけてそれを助けている。
伏黒もまた宿儺の危険性を理解しており、「宿儺の指を飲み込んで処刑対象だった虎杖を救うよう頼んだのは自分なのだから、いざとなれば自分が彼を殺さなければならない」として最悪の事態に備えて覚悟は固めている。
虎杖らの担任教師にして現代最強の術師である五条悟に対しては、その強さを認めた上で「小僧(=虎杖)の体を奪ったら真っ先に殺してやる」と宣言している。五条はこれに「宿儺に狙われるなんて光栄だ」と返しており、完全体の宿儺相手にも勝てるかと虎杖に問われた際は「ちょっとしんどいが勝つ」と答えている。
特級呪霊の一味は、夏油(の体を乗っ取った何者か)のアドバイスで宿儺を味方につけることを自分たちの計画の柱の一つとしている。
その長である真人の術式「無為転変」は、相手の魂に直接触れ、これを変形させることで殺傷するという代物だが、呪霊として格上である宿儺(及び肉体を共有している虎杖)には通じない。しかし宿儺は格下の存在が自分の魂に触れること自体を不遜の極みとして怒りを表しており、虎杖との戦闘中に無為転変での攻撃を試みた真人に一度は警告を与え、二度目は容赦の無い斬撃を加えて戦闘不能に追い込んだ。
宿儺の実力の片鱗を体験した真人は、彼を味方につける方針についてはその正当性を十全に認め、相応の敬意も払っているものの、一方でその宿主たる虎杖への殺意を否定せず、後にそれを実行に移す。どのような思惑か、宿儺の側はこれを黙認するかのような態度を見せている。
真人の仲間である漏瑚は、「宿儺の指に換算すると八、九本」という作中屈指の実力者だが、十五本分の指を手に入れた宿儺と相対した時は、以前殺されかけた五条悟を引き合いにして彼を「異質な強さ」と評した。
その後「自分に一撃入れられれば仲間になってやる」という宿儺の言葉に乗って文字通り死力を尽くすも終始翻弄され、力の差を思い知らされながら敗北。しかし宿儺にとってもそれなりに歯応えのある相手だったのか、「お前は強い」と称賛されて感極まっていた。
両面宿儺の呪術・能力
解(かい)
宿儺が放つ斬撃。理屈としては単純な術だが威力は桁外れで、魔虚羅にすら甚大なダメージを与えた。
捌(はつ)
宿儺が放つもう一つの斬撃。相手との呪力の差、対象の強度に応じて威力を変え、一太刀で斬断する。高い再生能力などの対策が無い限り、食らえば即死の一撃必殺の術である。
領域展開 伏魔御廚子(りょういきてんかい ふくまみづし)
両面宿儺の領域展開。
基本的に、領域展開は自分に有意な異空間を作り出してそこに相手を引きずり込むものだが、伏魔御廚子は通常空間に異形の社を呼び出す。結果相手に「逃げる」という選択肢を与えることになるが、その“縛り”を設けることで術の力を増幅し半径200mにも及ぶ広大な範囲に効果を発揮する。
効果範囲内の全てのものに、解と捌の二つの斬撃を絶え間なく浴びせる。“宿儺の指”を取り込んだ仮想特級怨霊を一瞬で輪切りにし、渋谷の一区画を跡形もなく切り刻み、魔虚羅をも戦闘不能に追い込むなど、恐るべき威力を見せつけた。
開(フーガ)
漏瑚との火力合戦の中で見せた術。
印を組みながら弓を引くような独特の構えから放つ攻撃で、漏瑚の最大最強の火力を正面から打ち破って消し炭と化した。魔虚羅にトドメを刺す際にも放っており、すさまじい威力を持つ宿儺の切り札の1つである。
しかし威力に反して弾速が遅い上に効果範囲も狭く、機動力のある相手にそのまま使っても命中させることが難しい。宿儺はこの欠点を「伏魔御廚子で微塵になるまで切り刻んだものに爆発性の呪力を込め、この中で開を使用することで威力と効果範囲を劇的に増強する」という方法で補っている。
十種影法術(とぐさのかげほうじゅつ)
宿儺のものではなく、乗り移る形で肉体を奪った伏黒恵の術式。“完全には顕現させないことで耐久力と射程距離を増す”という形で使用している。当然ながら著しく威力は落ちるが、宿儺は自身の呪力の総量と出力によってこの点を強引にカバーしている。
呪具:神武解(かむとけ)
宿儺が生前使っていた呪具。強力な雷を発することができる。
現在使用しているのは、生前から因縁のある術師の万(よろず)が、自身の命と引き換えに作り出したものである。
呪具:飛天(ひてん)
生前使用していた呪具。三又の槍のような形状をしている。どのような効果があるのかは不明。
両面宿儺の来歴・活躍
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「乙骨憂太 vs. 夏油傑」とは、強大な呪霊と化した幼馴染に憑かれた少年の成長と活躍を描いた『呪術廻戦 0(東京都立呪術高等専門学校)』で繰り広げられた戦いの1つ。同作最後の戦いであり、『呪術廻戦』本編にも大きな影響を与えている。 強大な怨霊と化した幼馴染の祈本里香に呪われた乙骨は、東京都立呪術高等専門学校に入学して里香を御する術を学び始める。呪術師の楽園を作ることを目論む夏油は、里香を自身の使い魔とするため乙骨の抹殺を画策。幼馴染への愛と呪術師の未来を懸けて、両者は激突する。
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呪術廻戦名勝負「虎杖悠仁・七海建人 vs. 真人」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「虎杖悠仁・七海建人 vs. 真人」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。主人公である虎杖、ベテラン術師である七海の両名と凶悪な呪霊である真人との間に最初の因縁が生まれた戦いである。 映画館で呪霊による死者が発生し、虎杖は七海と共にこの調査に赴く。その犯人は真人という強大な呪霊で、なぜか吉野順平という学生と行動を共にしていた。真人を追う七海から順平のことを調べるよう命じられた虎杖は、彼に接触して次第に友人になっていく。
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呪術廻戦名勝負「五条悟 vs. 漏瑚」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「五条悟 vs. 漏瑚」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。漏瑚の高い実力と、それを遥かに上回る五条の恐るべき強さが明らかになった戦いである。 人類殲滅を掲げる自然呪霊の1員たる漏瑚は、協力者である羂索の誘いに乗って“最強の術師”の異名を持つ五条悟を自ら討ち取ろうとする。五条はこれを迎え撃ち、そのすさまじい力を見た上で「弱い」と断言。わざわざ教え子の虎杖悠仁を連れ出して見学させつつ、漏瑚に圧倒的な実力の差を見せつける。
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呪術廻戦名勝負「五条悟 vs. ミゲル」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「五条悟 vs. ミゲル」とは、強大な呪霊と化した幼馴染に憑かれた少年の成長と活躍を描いた『呪術廻戦 0(東京都立呪術高等専門学校)』で繰り広げられた戦いの1つ。ぽっと出の外人キャラクターが“最強の術師”を相手にひたすら圧倒されて振り回されるという内容だが、五条の恐るべき実力が明らかになるに従い注目度が劇的に上がっていった。 「術師の楽園を作る」と語る夏油傑を気に入ったミゲルは、彼のために教え子たちの下へと急ぐ五条の足止めを買って出る。“最強の術師”を相手に、ミゲルの決死の奮闘が始まる。
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呪術廻戦名勝負「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。物語の序盤で主人公の虎杖たちが直面した絶体絶命の窮地であり、事前に「3人の内の1人が死亡」という説明があったことで緊迫感ある展開となった。 少年院に強力な呪霊が発生し、緊急事態として虎杖ら3人が生存者の避難誘導を命じられる。虎杖は「いざとなれば自分の内の宿儺の力を使おう」と安易に考えていたが、事態は連鎖的加速的に悪化していく。
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呪術廻戦の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『呪術廻戦』とは、若き呪術師たちの戦いと成長の日々を描いた、芥見下々による漫画作品。 最強最悪の呪霊両面宿儺をその身に宿してしまった高校生虎杖悠仁。両面宿儺の力を御するため、虎杖は呪術師を目指して呪術高等専門学校に通い始める。 作品の人気が高まるに従い、個々のキャラクターへの注目の度合いも上がっていき、彼らが発した心揺さぶるセリフに惹かれる読者も増えていった。呪いという人間の感情に直結するものを扱うため、時に生々しく、時に華々しく、時に人間の弱さを残酷に突きつける名言が数多く登場する。
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呪術廻戦の歴代OP・ED主題歌・挿入歌・サウンドトラックまとめ
『呪術廻戦』(じゅじゅつかいせん)とは、芥見下々によるダークファンタジーバトル漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。この記事では、『呪術廻戦』を彩るオープニング・エンディング主題歌、挿入歌、そして本作の前日譚である『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を原作とする劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌を紹介していく。
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目次 - Contents
- 両面宿儺のプロフィール・人物像
- 両面宿儺の呪術・能力
- 解(かい)
- 捌(はつ)
- 領域展開 伏魔御廚子(りょういきてんかい ふくまみづし)
- 開(フーガ)
- 十種影法術(とぐさのかげほうじゅつ)
- 呪具:神武解(かむとけ)
- 呪具:飛天(ひてん)
- 両面宿儺の来歴・活躍
- 呪いの王
- 特級呪物・“宿儺の指”
- “宿儺の器”虎杖悠仁
- 虎杖と契約を交わす
- 真人との接触
- “宿儺の指”の回収
- 渋谷事変
- 全盛時の3/4の力を得る
- 異戒神将魔虚羅
- 真人との再戦
- 「天使」と「堕天」
- 万との戦い
- 決戦の約定
- 五条との戦い
- 現代の術師たちとの戦い
- 理想を追う者たち
- 両面宿儺の関連人物・キャラクター
- 虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)
- 伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)
- 五条悟(ごじょう さとる)
- 裏梅(うらうめ)
- 虎杖仁(いたどり じん)
- 両面宿儺の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 復活直後の哄笑
- 「魅せてみろ!!伏黒恵!!」
- 「二度はないと」
- 両面宿儺の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 両面宿儺の術式のルーツは芥見下々の読切作品にあり