両面宿儺（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

裏梅（うらうめ）

生前の宿儺の部下。大気をも凍り付かせるほどの冷気を操る「氷凝呪法」の使い手。人肉を素材にした調理技術を持ち、このことから食人を好む宿儺に気に入られていた。
恐らく人間だと思われるものの、どうして今も若い姿で生きているのかは不明。宿儺には絶対的な忠誠心を抱いており、彼の完全な復活のために暗躍している。傍若無人で他者の蹂躙にしか興味の無い宿儺も、忠実で有能な裏梅のことはそれなりに気にかけており、伏黒を救うために彼の前を去る時は、短い言葉で再会の約束を交わしていた。

裏梅（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

裏梅（うらうめ）は、『週刊少年ジャンプ』の大人気漫画『呪術廻戦』の登場人物。人間の負の感情から生まれた呪霊と呼ばれる化け物を倒す力・呪術を悪用する呪詛師。人を助けるために呪術を使う呪術師と対極にある存在だ。
呪いの王・両面宿儺が生きていた1,000年前の人間。どのようにして現代まで生き延びているかは不明である。人間を料理する才能に秀でており、その才を買われ宿儺の隣に立つことをゆるされた唯一の人物。宿儺の復活を切に願いながら、偽夏油／加茂憲倫／羂索と手を組み暗躍している。

虎杖仁（いたどり じん）

現代に生まれた一般男性。過去のエピソードの中にしか登場せず、生きているのかどうかは不明。
宿儺が母体内で殺した彼の双子の兄弟の魂が転生した存在であり、どことなく似た風貌をしているのはそのためである。

虎杖仁（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

虎杖仁（いたどり じん）とは、芥火下々の漫画『呪術廻戦』の登場人物。主人公の虎杖悠仁の父親だが、過去のエピソードの中でその存在が語られるだけで物語には登場せず、生死不明となっている。
物腰柔らかな、眼鏡をかけた男性。子供を欲していたが、最初の妻の香織との間には子ができなかった。2度目の結婚で妻との間に念願の子を儲け、育児にも積極的に関わるなどかわいがる。実は「最大最強の呪霊・両面宿儺が、母体内で食い殺した双子の兄弟」の魂が転生した存在であり、どことなく宿儺に似た雰囲気を持つのもそのためである。

両面宿儺の名言・名セリフ／名シーン・名場面

復活直後の哄笑

学校を襲った呪霊から仲間たちを救うため、自分を庇って負傷した伏黒を助けるため、虎杖はそれが危険なものであることを知りながら特級呪物“宿儺の指”を飲み込む。その結果伝説の“呪いの王”が彼の肉体を依り代として復活、一行を追い詰めていた呪霊を一撃で撃退。直後、彼の口から最初に放たれたのは復活の喜びを表す異様な哄笑だった。
顔つきも言動も虎杖とはまるで違う何かに成り果てた怪物が、まさに何かに憑かれたかのごとく笑い続けるこの様は、否が応でも「とんでもないことが起きようとしている」ことを読者に印象付ける。宿儺の異常性を端的に、そして最初に示す印象的なシーンである。

「魅せてみろ！！伏黒恵！！」

束の間の自由を得て暴れ回る宿儺を、伏黒は命に代えてもここで討ち果たさんと覚悟を決める。彼が隠し持っていた“奥の手”の力を感じ取り、宿儺はむしろ嬉々として伏黒との戦いに臨まんとする。
この時から宿儺は伏黒に強い興味を抱くようになり、彼が披露しようとしていた“奥の手”を完全に我が物とした上での再戦を心待ちにするようになる。そのためであれば虎杖に取引を持ち掛けることも辞さず、伏黒の危機とあらば自ら駆けつけてこれを助けるほど。
共に学び、共に戦う中で伏黒と虎杖が強い友情で結ばれていく一方で、二人は宿儺に対しては恐るべき怪物という共通の意識を持ち、常に警戒している。彼らと宿儺との関係はもちろん色っぽいものではないが、ある種の三角関係になっている。虎杖と宿儺が肉体を共有している以上、いずれなんらかの形で決着がつくと思われるが、それがどのような物になるのか期待するファンは多い。

「二度はないと」

虎杖の内に潜む呪いの王、両面宿儺。その力は強大無比、その精神は唯我独尊にして傍若無人、虎杖にとってのみならずあらゆる存在にとって極めて危険な怪物である。

触れただけで魂を歪める特級呪霊・真人によって目の前で友を殺され、虎杖が絶望の底に叩き込まれた時、宿儺は自分に助けを求める虎杖を嘲笑した。無力感に苛まれる虎杖を、真人も愉快でならぬとばかり笑い飛ばしており、この時の両者はむしろ相性が良いようにも見えた。
しかし虎杖を通して真人が自分の魂に触れた際、その無礼に激昂。「共に虎杖を笑い飛ばした仲ゆえ一度は許す」としながらも、真人を戦慄させるほどの怒気を放った。そして虎杖の行動の結果という形ではあったが、真人が自分の魂に再び触れた時、上記の言葉と共に指の一振りで彼に決定的なダメージを与えた。
真人はなんとか逃げ出すものの、逆にいえばほぼ勝利を手にしておきながら逃げるしかないほどの状態に追い込まれた。宿儺の実力と暴虐性を読者に印象付ける名シーンである。

両面宿儺の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

両面宿儺の術式のルーツは芥見下々の読切作品にあり

宿儺は「開（フーガ）」という術を持っている。この術のルーツになったと思われる技が、『呪術廻戦』の作者・芥見下々の過去の読切漫画『No.9（ナンバーナイン）』という作品に登場している。
『No.9（ナンバーナイン）』は2015年4月に発売された『少年ジャンプNEXT!!』2015 vol.2に掲載された作品で、その後2015年46号の『週刊少年ジャンプ』にも掲載された読切漫画だ。

芥見下々のデビュー2作目にあたるこの読切漫画は、特殊能力を持つ九十九恢勝（つくもひろまさ）という少年が主人公。九十九恢勝は「裏一会一縷組（りいちかいいちるぐみ）」というヤクザ組織の一員で、物語の舞台である落果町（らっかちょう）の裏社会を仕切るためにやってくる。
九十九恢勝の特殊能力は「入（イリ）」と呼ばれる人ならざるものを使役できるというものだ。「入」とは『呪術廻戦』でいうところの呪霊のような存在で、見える人間と見えない人間が存在する。『No.9（ナンバーナイン）』はこの「入」を使役する者同士のバトル漫画だ。

九十九恢勝は黒い金魚のような見た目をした「悪樓（キュービクル）」という名の「入」を連れており、この九十九恢勝が「悪樓」を使役して使う技「□（ボックス）×9（ナイン）」という技が、宿儺の術の元ネタではないかと言われている。九十九恢勝がこの「□×9」を使用すると、技名のとおり9つの箱が現れる。この箱は足場にして移動したり、箱自体を相手に当てて物理攻撃を仕掛けたりと、さまざまな使用方法があるようだ。しかしこの「□×9」の真骨頂は箱の中身にある。この箱の中には多種多様な武器が格納されており、九十九恢勝はその武器を使用して戦うこともできる。

そしてこの箱を開封するための言葉が、「開（フーガ）」であり、宿儺の術と同じなのだ。

宿儺の術の原点がこの『No.9（ナンバーナイン）』にあるのであれば、宿儺の「■ 開（フーガ）」の「■」の部分は箱（ボックス）を意味している可能性が高い。そして九十九恢勝のように複数の箱を持っているのだとしたら、宿儺が漏瑚や魔虚羅に放った炎の弓矢はたくさんある箱の中の一つにすぎないという見方もできる。漏瑚が宿儺の炎を見て、「炎か？」と見たことがないというふうに驚いたのは、宿儺が呪霊を相手にするとき、炎の箱を使用していなかったという可能性もある。

宿儺の指は全部で20本あるが、その1本1本はデザインが異なっている。植物が生えたようなものもあれば、根本が鉱石・金属のようなものになっているものまでさまざまだ。このデザインの違いから宿儺の指にはそもそも火・木・水・土・金の陰陽五行の属性のようなものがあり、そしてその属性の能力をそれぞれ箱にしまっているのではないか、という考察まで出てきている。

宿儺の術が『No.9（ナンバーナイン）』から多かれ少なかれ影響を受けているという考察は、どんどん広がりを見せている。その考察を楽しみながら、まだまだ謎の多い宿儺の術の全容が明らかになるのを楽しみにしている読者も多いようだ。