シャッター アイランド(Shutter Island)のネタバレ解説・考察まとめ
『シャッター アイランド』とは、2010年公開のサスペンス映画である。監督はマーティン・スコセッシ、主演はレオナルド・ディカプリオ。
連邦保安官のテディ・ダニエルズは、同僚のチャック・オールとともに、シャッター アイランドという孤島にある精神病院に、女性患者の失踪事件を捜査しに船で向かう。その精神病院には多くの犯罪者が収容され、失踪した女性患者も、自らの子供たちを殺害した犯罪者だった。事件を捜査していくうちに意外な事実が浮かび上がってくる。
警備隊長がダニエルズを病院に送っていく途中でいう言葉。
「暴力こそが神が人間に与えたものだ」と主張した後で隊長が続けて言ったセリフ。
「この場所にいると、疑問が一つわいてくる。どちらの方が悪いのだろう。怪物として生きることか、善人として死ぬことか。」
ラストで、リーディスがシーアン医師につぶやく言葉。
シーアン医師は、リーディスがいまだに捜査のことを話すのを見て、今でも自分をダニエルズだと思っている。つまりは正気に戻っていないと判断し、ロボトミー治療をしなければならないと判断するのだが、いよいよロボトミーに連れて行かれようとするときに、リーディスがこの言葉をつぶやいた。
そこでシーアン医師は、リーディスが実は正気に戻っているのだが、残酷な現実に耐えられず、ロボトミーを受けて、現実も何もわからない状態になることを選んだのではないかと気づく。
ダニエルズの夢の中で、ダニエルズの腕の中で妻のドローレスが焼け落ちて、灰になってしまうシーン
『シャッター アイランド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード逸話
タイトルの『シャッター アイランド』(Shutter Island)は真実と嘘(Truth and lies)のアナグラム
映画の中で、4人の名前、エドワード・ダニエルズとアンドリュー・リーディス、レイチェル・ソランドと、ドローレス・シャナルのそれぞれがアナグラムであることが明らかになるが、実はタイトル自体にもアナグラムが隠されている。
シャッターアイランド=Shutter Islandは真実と嘘=Truth and Lies のアナグラムである。
アナグラムとは文字を入れ替えて、全く違う言葉を作る言葉遊びである。
スコセッシ監督は、『シャッター アイランド』撮影前に俳優たちに『めまい』と『過去を逃れて』を上映してみせた
スコセッシ監督は『シャッターアイランド』は、1940 年代、50年代のクラシックなノアール映画のようにしたいと考えていた。それで撮影前に出演俳優たちに、アルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』と、ジャック・ターナー監督の『過去を逃れて』の二本の映画を見せた。
実際に『シャッターアイランド』にはこの二本の映画、またはその他の白黒のノアール映画の影響が色濃い。ノアール映画とは、特に1940年代や50年代に制作された、表現主義的、悲観的でニヒル、また宿命的な犯罪映画である。
特にアルフレッド・ヒッチコック監督の影響はところどころに見られる。ヒッチコック監督は、『サイコ』や『レベッカ』など、数々のサスペンス傑作を製作した監督である。
スコセッシ監督ははじめはチャック役にマーク・ラファロを考えていなかった
スコセッシ監督は、はじめはチャック役にロバート・ダウニーJr. か、ジョッシュ・ブローリンを考えていた。
マーク・ラファロはスコセッシ監督のファンだったので、監督と是非一緒に仕事をしてみたいという手紙を送った。その熱意のこもった手紙を読んで監督は予定を変更し、ラファロを抜擢した。
『シャッター アイランド』のアッシュクリフ精神病院は、『バットマンシリーズ』のアーカム精神病院と類似点が多い
アッシュクリフ精神病院はバットマンシリーズのアーカム精神病院にインスピレーションを受けているという意見がある。確かにこの二つに精神病院は類似点が多い。
どちらも孤島にある。(『バットマン』のストーリーの舞台となっている架空の都市、ゴッサム・シティはいくつかの橋で大陸につながれているとは言え、島である。)
また、アーカム島の精神病院長、ヒューゴ・ストレンジと、シャッターアイランドのコーリー医師の服装がよく似ていること、どちらの精神病院も主に犯罪者が収容されていること、シャッターアイランド島は毒ヅタに覆われているが、バットマンに登場する悪役の一人、ポイゾン・アイヴィーの名前は毒ヅタの意味であることなども類似点である。
『シャッター アイランド』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):『フォッグ・トゥロープス』
挿入歌:『交響曲第3番』(シャッターアイランド到着、灯台に向かうシーン)
ED(エンディング):ダイナー・ワシントン『ディス・ビター・アース‐オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト』
シャッター アイランドの予告動画
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目次 - Contents
- 『シャッター アイランド』の概要
- 『シャッター アイランド』のあらすじ・ストーリー
- ダニエルズとチャックという2人の連邦保安官が孤島にある精神病院に到着する。
- アッシュクリフ精神病院の医師たち
- ダニエルズの精神病院に対する疑惑、レイチェルの失踪事件の捜査
- 戻ってきたというレイチェル・ソランドは病院がでっち上げた人物
- チャックの失踪
- コーリー医師に解明される事実
- シーハン医師はリーディスが正気に戻っていないと判断する
- 『シャッター アイランド』の登場人物・キャラクター
- テディ・ダニエルズ / アンドリュー・リーディス(演:レオナルド・ディカプリオ)
- チャック・オール / レスター・シーハン医師(演:マーク・ラファロ)
- ジョン・コーリー医師(演:ベン・キングズレー)
- ドローレス・シャナル(演:ミシェル・ウィリアムズ)
- レイチェル・ソランド/看護婦(演:エミリー・モーティマー)
- ジェレミア・ナーリング医師(演:マックス・フォン・シドー)
- ジョージ・ノイス(演:ジャッキー・アール・ヘイリー)
- レイチェル・ソランド医師(演:パトリシア・クラークソン)
- アンドリュー・リーディス(演:イライアス・コティーズ)
- ブリジット・カーンズ(演:ロビン・バートレット)
- 警備隊長(演:テッド・レヴィン)
- マクフィアソン副警備隊長(演:ジョン・キャロル・リンチ)
- ピーター・ブリーン(演:クリストファー・デナム)
- 看護婦マリノ(演:ネリー・サイウット)
- 『シャッター アイランド』の用語
- ロボトミー
- ダッハウユダヤ人強制収容所
- 『シャッター アイランド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「私が気が狂ってると思っている。そこで私が自分は正気だと言っても、大した効果はないでしょ?カフカの世界のような素晴らしい仕掛けよ。みんなが私が狂っていると思っていれば、私がどんなに正気だと訴えてもそれがそのまま私が狂っている証拠になってしまうわけよ。」
- 「道徳的な秩序などない。あるのは、あなたの暴力が私の暴力を制することができるかどうかだけですよ。」
- 「この場所にいると、疑問が一つわいてくる。どちらの方が悪いのだろう。怪物として生きることか、善人として死ぬことか。」
- ダニエルズの夢の中で、ダニエルズの腕の中で妻のドローレスが焼け落ちて、灰になってしまうシーン
- 『シャッター アイランド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード逸話
- タイトルの『シャッター アイランド』(Shutter Island)は真実と嘘(Truth and lies)のアナグラム
- スコセッシ監督は、『シャッター アイランド』撮影前に俳優たちに『めまい』と『過去を逃れて』を上映してみせた
- スコセッシ監督ははじめはチャック役にマーク・ラファロを考えていなかった
- 『シャッター アイランド』のアッシュクリフ精神病院は、『バットマンシリーズ』のアーカム精神病院と類似点が多い
- 『シャッター アイランド』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『フォッグ・トゥロープス』
- 挿入歌:『交響曲第3番』(シャッターアイランド到着、灯台に向かうシーン)
- ED(エンディング):ダイナー・ワシントン『ディス・ビター・アース‐オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト』
- シャッター アイランドの予告動画