メアリと魔女の花（アニメ映画）のネタバレ解説・考察まとめ

エンドア大学で起きた騒動に決着がつき、晴れやかな気持ちの中、箒に残った最後の魔法の力を使って帰路につくメアリがピーターに言った台詞。これはピーターがメアリの髪についていた「夜間飛行」の種を見つけたことで発生した会話で、この種を使えばメアリはまだ魔法を使い続けることも可能だった。だが、メアリは「必要ない」と種を空に放った。それは魔法が無くても、自分の力でこれからを歩んでいこうという、彼女の決心の表れだった。

『メアリと魔女の花』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

映画の中に隠された秘密

魔法文字に隠されたジブリ作品のタイトル『トトロ』

誘拐されたピーターを助けに行ったメアリが閉じ込められる部屋の扉に、魔法文字が書かれている。その文字の中に「あるジブリ映画のタイトルが隠されている」と西村プロデューサーがインタビューで語っている。スタジオジブリ作品にも、制作陣の「遊び心」が隠されていることがあるが、それはスタジオポノック作品にも受け継がれている。今回の場面に隠されている文字は「トトロ」だ。

DJ LOVE（SEKAI NO OWARIメンバー）の出演

メアリが閉じ込められた金庫室の扉の魔法を解除し、変身魔法で姿を変えられていた動物たちの魔法が解けるシーンでDJ LOVEが出演している。メンバーのNakajinは試写会ですでに隠れDJ LOVEを発見したようだ。このシーンはSEKAI NO OWARIに主題歌のオファーが通ったときに、米林監督がちょうど描いていたカットだったようで、「オファーを受けてもらえることが、うれしくて描いてしまった」とのことだ。

エンドロールで綴られたスタジオジブリに対する感謝

エンドロールに「感謝」の言葉と共に、高畑 勲・宮崎 駿・鈴木 敏夫のスタジオジブリの3人の名前がつづられている。だが『メアリと魔女の花』の制作に、彼らは一切関わっておらず、彼らと会う機会があっても米林監督はアドバイスを求めたりはしなかったそうだ。西村プロデューサーも、彼らの名前をつづったことについては「（想いは）胸に秘めておきたい」と語っている。スタジオジブリでアニメーションを学んだ2人が、彼ら恩師への様々な感謝をつづったものと考えられる。

CM（森永乳業・JA共済）・TV番組（モニタリング）とのコラボレーション

『メアリと魔女の花』は森永乳業、JA共済、人間観察バラエティ モニタリングとのコラボレーションをしている。森永乳業とはCMと商品パッケージでのコラボレーションや、東京・名古屋・大阪の3都市での特別試写会の開催をし、JA共済とはCMと特設サイトでのクイズ応募キャンペーンで、賞品には米林監督書き下ろしビジュアルなどが提供された。さらにバラエティ番組「ニンゲン観察バラエティ『モニタリング』」に仕掛け人として、メアリ役の杉咲花と、ピーター役の神木隆之介が出演している。

『メアリと魔女の花』の主題歌・挿入歌

主題歌：SEKAI NO OWARI『RAIN』

『RAIN』は、「『メアリと魔女の花』のため作られた楽曲だ。
SEKAI NO OWARI のFukase（Vo）とSaoriが歌詞を、作曲を二人に加えNakajinの三人が担当している。メアリの心の中を空模様になぞらえて歌詞にしたとのことで、メアリの成長とともに自分も一歩踏み出してみようと思えるような主題歌にしようと米林監督や西村プロデューサーと話し合いながら作ったそうだ。そしてスタジオポノックの制作陣がまさに命を削って映画を作っているところを見て、彼らもスタッフの一員になったような気持ちでこの曲を作ったとのことだ。
RAIN（雨）というタイトルには一見ネガティブなイメージがあるが、「心に長く降っていた雨は本当に悪いことだったのか？」という疑問に焦点を合わせ、「彼女（メアリ）の中に降っていた雨が作りあげてきたものはなんなのか」ということを考えて作詞したとFukaseは語っている。メアリの自分の不器用さへの「コンプレックス」と、それによって起きてしまった一連の騒動。そして魔法が使えなくなっても前を向いて歩んでいく、彼女の「勇気」。まさにこの歌はメアリの心の中を表現しているのだ。