PLUTO(プルートウ)のネタバレ解説・考察まとめ

『PLUTO』とは、手塚治虫の作品「鉄腕アトム」の中のエピソード「史上最大のロボット」を原作とした浦沢直樹の漫画作品。
舞台は人間とロボットが共存する世界。世界最高水準の能力を持つ7体のロボットが、次々と何者かに破壊される事件が起きる。7体のロボットの1人・ドイツ刑事ロボットのゲジヒトは、一連の事件に深く関わっているとされる謎のロボット「プルートウ」の正体に迫っていく。

CV:星祐樹

トラキア合衆国の、気象予報士ロボット。おしゃべりな性格の持ち主で、エプシロンとは親しい模様。
ニュー・ワシントンの気象予想センタービルに所属している。

衛星写真を解析したところ、ボラーらしき巨大な影がペルシャの砂漠地帯を砂煙とともに移動しているのを確認するが、その影がボラーだという確証を得ることはできなかった。
気象予想センタービルに入った不自然な亀裂や、火山の急速な異常活動、過去に起こった大地震の周期に関するデータなどをもとに、トラキア合衆国を起点とした大規模な天変地異が起きることを予測し、アレキサンダー大統領をはじめとするトラキア合衆国の政府高官らにそのことを伝えた。

伴校長先生

CV:高木渉

アトムとウランが通う小学校の校長先生。「ヒゲオヤジ」というニックネームを持つ。
「ロボットも人間と同じように悲しむもの」という考え方の持ち主であり、アトムが死亡して悲しむウランの心を救おうとする。

モハメド・アリ

CV:美波わかな

ペルシャのサマルカンドで花売りとして働くロボット。戦争の影響で体が半壊している。
プルートウの正体であるサハドのことをよく知っている。学者になることを夢見ており、オランダに留学して植物学を学んでいたサハドのことを尊敬している。

捜査の途中でサマルカンドに訪れたゲジヒトと出会い、ゲジヒトにサハドの留学先と名前を教える。

その後、プルートウとの戦闘を終え、ボディにダメージをおった状態のゲジヒトと再会するが、ゴジにボディを乗っ取られ、小型クラスター砲を使いゲジヒトを銃殺してしまう。
その際、小型クラスター砲を撃った反動により、もともと半壊していた自らのボディもダメージを負い、機能停止してしまう。

ワシリー

CV:三浦千幸

エプシロンが引き取ったペルシア人の戦争孤児。
彼が暮らしていた村は戦争の攻撃により、彼一人を除いて一瞬にして焦土と化した。その際、砂煙の中をボラーがゆっくりと横切っていく姿を目撃している。
その時に感じた強い恐怖心が精神に深いダメージを与え、その時以来「ボラー」以外の言葉は発せないという状態になってしまっていた。
しかし、エプシロンの孤児院で暮らすうちに、次第に「ボラー」以外の言葉も話せるようになっていく。

プルートウの関係者である「ヨハンセン」と名のる慈善家に、エプシロンをおびき寄せるためのおとりとして連れ去られてしまう。
その後、助けに来たエプシロンとエプシロンの護衛ロボット・ゴードンにより救出される。

『PLUTO』の用語

トラキア合衆国

世界最大級の豊かさを持つ大国。「世界のリーダー」を自称している。
しかし、ロボットの研究開発分野の発展に関しては、ほかの国々に後れを取っていた。
「エデン国立公園」と名付けられた、広大な保護区域を持っている。

「ペルシア王国は大量破壊兵器を持っている」とでっち上げ、国連で承認された大量破壊ロボット製造禁止条約に反しているとして、第39次中央アジア戦争を引き起こす。

ペルシア王国

自らを「ペルシア王朝の正統な後継者」と自称している国王・ダリウス14世が治める独裁主義国家。国民やロボットは、絶対君主制による圧政に苦しんでいた。
ロボット軍事力の強化により、中央アジア全域を統治することをもくろむが、国連や国連やトラキア合衆国と衝突し、第39次中央アジア戦争を引き起こした。

第39次中央アジア戦争に敗戦後、ダリウス14世による絶対君主制は崩壊し、トラキア合衆国や国連の占領により、ペルシア共和国と名を改めて民主主義国家となる。

大量破壊ロボット製造禁止条約

大量破壊兵器となりうるロボットの製造を禁ずる条約。トラキア合衆国大統領・アレキサンダー大統領により提唱され、国連にて承認された。

表向きは「ペルシア王国が強大なロボット軍事力を持っていることによって、中央アジア地域で軍事的緊張が高まっている状況を懸念して提唱された条約」とされているが、実際のところはロボット開発研究の分野で他国に後れを取っていたトラキア合衆国が、他国を制裁する意味も込めて提唱した条約である。

この条約が作られる以前に開発されていたゲジヒトら世界最高水準の7体のロボットは、いずれも大量破壊兵器となりうるエネルギーを持っており、この条約に反した存在である。

第39次中央アジア紛争

トラキア合衆国とペルシア王国との間に起こった戦争。
トラキア合衆国は、ボラー調査団が発見した、ペルシア王国のあるモスクの地下にあった大量のロボットの死骸などから、「ペルシア王国は対象破壊兵器を製造しており、大量破壊ロボット製造禁止条約に反している」として、ペルシア王国に世界最高水準の7体のロボットのなどの平和維持軍を派遣し、戦闘を行わせた。

この戦争により、戦場となったペルシア王国は甚大な被害を受け、多くの犠牲者を出した。

ボラー調査団

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