
『うらみちお兄さん』とは、ウェブコミック配信サイト「comic POOL」で2017年から連載されている漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。作者は久世岳。MHK教育番組の体操のお兄さんをしている表田裏道は子供たちに笑顔を振りまく優しいお兄さんだが、大人の社会でメンタルをやられ、ネガティブな発言をする裏の顔を持つ。そんな裏道が、どこかズレていて濃いキャラの番組の出演者やスタッフに囲まれながら、日常を送る姿を描く。裏道が時々裏の顔を見せて毒を吐く姿が見どころとなっている。
『うらみちお兄さん』の概要
『うらみちお兄さん』とは、pixivコミック内のウェブコミック配信サイト「comic POOL」にて2017年5月12日から連載されているブラックコメディ漫画で、2021年7月からはテレビ東京などでアニメも放送された。作者は久世岳。
MHKの教育番組「ママンとトゥギャザー」に出演する体操のお兄さん、表田裏道(おもたうらみち)は子供たちに笑顔を振りまく優しいお兄さんである。しかし実は社会でメンタルをやられて精神不安定となり、ネガティブな発言をしたり子供たちの前でも大人の世界の闇を見せてしまう裏の顔を持つ。そんな裏道が、個性的でどこかズレている番組の出演者やスタッフに囲まれながら日々を過ごす物語である。
大人の社会の生々しい日常に毒を吐く裏道のブラックジョークや、個性的なキャラクターたちが見どころとなっている。本作は第3回「次にくるマンガ大賞」のウェブ漫画部門と、2017年度ウェブ漫画総選挙のインディーズ部門で1位を獲得した。
『うらみちお兄さん』のあらすじ・ストーリー
「ママンとトゥギャザー」の個性的な出演者たち
MHK教育番組の「ママンとトゥギャザー」に出演する表田裏道(おもたうらみち)は、イケメンで筋肉質な笑顔の優しい体操のお兄さんである。しかし大人の世界でメンタルをやられて情緒不安定となり、撮影中に子供の前でも根暗で生々しい大人の裏の顔を見せてしまう。
そんな裏道が出演する「ママンとトゥギャザー」には兎原跳吉(うさはらとびきち)が扮するウサギのウサオ君と、熊谷みつ夫(くまたにみつお)が扮する熊のクマオ君も登場する。2人とも体育大学出身の裏道の後輩でもあり、たまに裏道のマンションに行ったり、飲みに行ったりする仲である。しかし兎原はよく裏道にいびられており、裏で愚痴っては本人に聞かれて制裁を受けている。
さらに番組には歌のお兄さんの蛇賀池照(だがいけてる)と歌のお姉さんの多田野詩乃(ただのうたの)も出演している。池照は元ミュージカル俳優で女性受けのいいルックスを持つが、低レベルな下ネタが大好きで、チンという言葉を聞くだけで笑いが止まらなくなる。詩乃はアイドル歌手やジャズシンガーなど様々な職を転々として今の職に就き、売れないお笑い芸人と6年同棲中だが、常々結婚したいとぼやいている。
日々奮闘する裏道
ある日、裏道は番組内でのお絵描きのコーナーで小鳥の絵を描く。それは頻繁に裏道の夢に登場する謎の生物らしく、詩乃はその薄気味悪さにドン引きする。しかしディレクターはなぜかその裏道の絵を元にして作成した小鳥さんのパペットを、裏道の相談室という新コーナーに登場させる。裏道は嫌々ながらもディレクターの指示に従うほかなかった。その後、裏道はスタジオの子供たちに小鳥さんのパペットを見せて意見を聞き、小鳥さんのキャラクターを番組で使えなくしようとする。子供たちは裏道の予想通り、気持ち悪いと言うが、小鳥さんが裏道の友達なら大切にしてあげてほしいと諭されてしまう。さらに人間のお友達も作った方が良いとアドバイスされた裏道は、ショックを受けるのだった。
子供たちに手洗いうがいの大切さを教えるためのコーナーが始まり、池照が扮するジョキンダーと裏道が扮するバイキンダーが登場する。2人は我慢してダサい衣装を着てそれぞれ演技をし、ジョキンダーが除菌シャボンという技を使い、シャボンに見立てたボールをバイキンダーにぶつけて攻撃する。池照は演技に集中するあまり全力でボールを投げてしまい、裏道は演技でも隠しきれないほどの痛みでうずくまりながらも、何とか収録を終えた。収録後、池照はそのことを謝罪するが、裏道は体中が痣だらけになっていた。
その後、裏道は子供たちのリクエストで絵を描くことになるが、上手く描けずに罵倒されてしまう。しかしなぜか裏道の絵は偉い人たちからの評価が高く、裏道はディレクターから小道具で使うたくさんのボールに絵を描いてほしいと頼まれた。そのため裏道は徹夜でボールに絵を描く羽目になり、絶望する。しかし翌日の収録で、裏道が描いたボールがバイキンダーの技として使用され、なぜかジョキンダーにバイキンダーが勝利するという流れになった。裏道は報われたと喜んでいたが、その後改めて撮り直された。
そんな中、池照は同居中の姉の蛇賀眩衣(だがまぶい)と喧嘩してしまう。喧嘩の内容はテレビに出ていた猫の鳴き声の音程についてで、あまりのくだらなさに一同は呆れる。その後、収録が始まったが、裏道は喧嘩をしている子供たちがいることに気づく。彼らは相手が悪いと謝ろうとしなかったが、裏道は謝罪はプライド放棄ではない、早めに弾みをつけて対処した方が楽だと諭す。すると子供たちは互いに謝罪をして仲直りした。舞台袖からその様子を見ていた池照は、その夜、眩衣に謝罪する。しかし眩衣は喧嘩の内容を忘れており、池照も忘れてしまっていた。
冬の海で撮影した夏のミュージックビデオが完成した矢先、今度は夏の公園で真冬の格好をしてミュージックビデオを撮影することとなる。裏道たちは冬の格好で不満を言いながら暑さを我慢して撮影するものの、ディレクターの出木田適人(でれきだてきと)は無理難題を次々に要求する。するとクマオくんの着ぐるみを着ていた熊谷が我慢の限界に達して激怒し、出木田にイメージが湧かないから教えろと要求しながら、彼にクマオくんの着ぐるみを着せた。だが出木田はあまりの暑さですぐに倒れてしまった。これ以降、出木田は熊谷を恐れるようになる。しかしおかげで死人が出ずに済んだことで、出演者たちは熊谷を称賛した。
裏道が辞めると勘違いする兎原
ある日、兎原は裏道がスタッフに今月いっぱいで辞めると言っているのを耳にして驚く。大学時代から裏道のことを知っている兎原は、彼には体操しかないと考えており、彼が仕事を辞めることを心配する。翌日、兎原はやけに機嫌のいい裏道に何かあったのかと尋ねる。すると裏道は良い場所が見つかったのだと答えた。それを聞いた兎原は、やはり裏道は仕事を辞めるのだと確信し、裏道の送別会の夢を見るほど寂しがる。しかし熊谷はそれは兎原の勘違いで、裏道は行きつけのスポーツジムが移転するため辞めるそうだと明かす。兎原は1人相撲だったことを嘆くのだった。
『うらみちお兄さん』の登場人物・キャラクター
ママンとトゥギャザー出演者
表田裏道(おもたうらみち)

CV:神谷浩史
本作の主人公で、31歳独身である。体育大学出身で元体操選手のエリートだが、怪我をしたことにより引退を余儀なくされ、「ママンとトゥギャザー」に出演する体操のお兄さんになった。幼少期は練習をさぼると厳格な父にマットに投げられる日々を送っていた。喫煙者で酒好き。趣味は筋トレでトレーニングジムに通っており、家にもダンベルなどの器具がある。見た目は筋肉質で爽やかなイケメンで、子供たちにも笑顔で優しく接する。しかし根暗な性格で、社会でメンタルをやられたことにより情緒不安定となり、子供の前でも暴言を吐いたりネガティブな発言をすることがある。絵が苦手で気持ち悪い絵を描くため子供には不評だが、お偉いさんにはなぜか受けがよく、彼の絵を元にしたキャラクターも誕生した。
蛇賀池照(だがいけてる)

CV:宮野真守
「ママンとトゥギャザー」の歌のお兄さんである。姉とさゆりさんという名の犬と一緒に暮らしている。音楽一家に育った音大出身の元ミュージカル俳優で、低く伸びのある美声で抜群の歌唱力を持つ。絵が上手く、何でも器用にこなすが、アナログ時計が読めずハサミを使うことは極度に苦手。女性受けの高いルックスに恵まれながら、低レベルな下ネタが好きで、チンダル現象やチンアナゴなど名前に「チン」が付くものを聞くだけで笑いが止まらなくなる。ツボにハマるとNGを連発するため、池照不在で収録を続行することもある。純粋で優しい性格だが、天然で空気が読めず、なぜかいつもおにぎりのことを考えているため人の話をあまり聞かない。非常にピュアなので未だにサンタクロースの存在を信じている。
多田野詩乃(ただのうたの)

CV:水樹奈々
「ママンとトゥギャザー」の歌のお姉さんである。有名音楽大学出身で、卒業後はアイドル歌手やものまね演歌歌手、ナイトクラブのジャズシンガーを経て今に至る。売れないお笑い芸人の彼氏と6年同棲しており、時折結婚したいとぼやいている。結婚情報雑誌をテーブルに置いたこともあったが、彼氏に『週刊少年ジャンプ』を上に重ねておかれていた。普段は子供に優しい親しみやすいお姉さんだが、結婚願望が強すぎるあまり、そのような話題が出ると重い返しをしたり暴走することがある。
兎原跳吉(うさはらとびきち)

画像右側が兎原跳吉
CV:杉田智和
ウサオくん担当で、体育大学出身の裏道の後輩である。大学時代は陸上部で走り高跳びをしていた。独身でタバコが嫌い。外交的でお調子者だが、あまりモテず、酔っぱらうと面白くなってモテたいとぼやく。パチンコやマージャン好きで、万年金欠のため貯金の概念は貯金箱止まりである。良くも悪くも調子に乗る性格のため、いつも陰で裏道の愚痴を言ったり軽口を叩いたりしているが、裏道に知られてしごかれている。それでも裏道の家に度々押し掛けたり、飲みに行ったりしており、仲が悪いわけではない。裏道が仕事を辞めると言い出した時は、彼には体操しかないと思っていたため心配していたが、後に辞職が思い違いであると判明した。
熊谷みつ夫(くまたにみつお)
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目次 - Contents
- 『うらみちお兄さん』の概要
- 『うらみちお兄さん』のあらすじ・ストーリー
- 「ママンとトゥギャザー」の個性的な出演者たち
- 日々奮闘する裏道
- 裏道が辞めると勘違いする兎原
- 『うらみちお兄さん』の登場人物・キャラクター
- ママンとトゥギャザー出演者
- 表田裏道(おもたうらみち)
- 蛇賀池照(だがいけてる)
- 多田野詩乃(ただのうたの)
- 兎原跳吉(うさはらとびきち)
- 熊谷みつ夫(くまたにみつお)
- ママンとトゥギャザースタッフ
- 出木田適人(でれきだてきと)
- カッペリーニ降漬(カッペリーニふりつけ)
- 風呂出油佐男(ふろでゆさお)
- 枝泥エディ(えでいエディ)
- 縁ノ下カヨ(えんのしたカヨ)
- 辺雨育子(へあめいくこ)
- アモン
- ママンとトゥギャザー登場キャラクター
- ウサオくん
- クマオくん
- 小鳥さん(ことりさん)
- ジョキンダー
- バイキンダー
- かみてるくん
- うらみのくん
- もみじ
- 葱之助(ねぎのすけ)
- ショガ蔵(ショガぞう)
- ミョガ丸(ミョガまる)
- シソの神(シソのかみ)
- 右左マン(みぎひだりマン)
- ミス・ニーハオ
- ミスター・オーラ
- ナマステ・ベアー
- ハロー・ラビット
- ボンジュールマン
- MHK関係者
- 木角半兵衛(きかくはんべえ)
- 上武裁人(うえぶさいと)
- 間我仁(まがじん)
- その他のキャラクター
- 蛇賀眩衣(だがまぶい)
- 猫田又彦(ねこたまたひこ)
- 熊谷はち太(くまたにはちた)
- 獅子戸たま子(ししどたまこ)
- 虎井又太郎(とらいまたたろう)
- 布隅冬作(ぬすみとうさく)
- 門真アミーゴ(かどまアミーゴ)
- 『うらみちお兄さん』の用語
- ママンとトゥギャザー
- 体育大学
- さゆりさん
- 『うらみちお兄さん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 子供「お兄さんこれからもお仕事頑張ってね」
- 熊谷がタバコを吸いながら裏道に過去のことを語る場面
- 裏道たちが変わらない日常に幸せを感じる場面
- 『うらみちお兄さん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- チンワードは視聴者からアイデアをもらって書いている作者
- 神谷浩史や宮野真守など豪華すぎる声優陣
- コロナ禍の収録で戸惑っていた神谷浩史
- 『うらみちお兄さん』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):いけてるお兄さんとうたのお姉さん「ABC体操」
- ED(エンディング):宮野真守「Dream on」
- 挿入歌:うたのお姉さん「傘持ってないときに限って雨降るのなんで」
- 挿入歌:いけてるお兄さんとうたのお姉さん「得手不得手」
- 挿入歌:うたのお姉さん「猫が何もない空間を見てる」
- 挿入歌:うらみちお兄さん「どうせそんな人生」
- 挿入歌:子供たち「袖かと思ったら襟ぐり」
- 挿入歌:多田野詩乃「浪速の恋のペアルック」
- 挿入歌:いけてるお兄さんとうたのお姉さん「エンドレス猛暑」
- 挿入歌:いけてるお兄さんとうたのお姉さん「極寒スパイラル」
- 挿入歌:いけてるお兄さんとうたのお姉さん「試食でめっちゃ美味しかったパン買って帰ると普通なのなんで」