ポケットモンスター（ポケモン）の強さの変遷まとめ
20年を超える長寿シリーズの「ポケットモンスター（ポケモン、Pokémon）」。その歴史は長く、作品が出るごとにバトルには様々な要素が登場してきた。それにともない、ポケモンバトルを楽しむプレイヤーたちの対戦環境も変わってきた。ここではその移り変わりを解説していく。
ケンタロス
ケンタロスは高い攻撃力と素早さを持ち、タイプ一致補正もあって「はかいこうせん」の威力は非常に高く、防御のステータスが低いとHPが満タンであっても一撃でやられてしまうともあった。
「はかいこうせん」は高い威力の代わりに、反動で次のターン動けないという効果の技なのだが、一撃で瀕死にさせると反動が消えるという仕様が当時にはあった。そのため、高い素早さから先手を取り、高い攻撃力によるタイプ一致補正付きの「はかいこうせん」で相手を一撃で倒すという戦法はケンタロスのもっとも得意な戦法であった。
タイプ相性によって「はかいこうせん」を無効化するゴーストタイプのポケモンに対しても、威力の高い「じしん」や「10まんボルト」があるため問題なく対処できた。
サンダース
サンダースは当時151匹のポケモンの中で素早さがトップレベルに高く、ほとんどの相手に先手を取ることができる。「かげぶんしん」で回避率を積み、相手の攻撃をほぼ回避できる状態になれば安定した強さを発揮できる。
反面、覚える技のタイプのレパートリーが狭く、タイプ相性によって電気タイプの技を無効化する地面タイプなどを相手にするのは苦手であった。
スターミー
スターミーは対戦環境下において電気技以外で弱点を突かれることがほぼなく、弱点の少なさと覚える技のレパートリーの広さで活躍した。
「ふぶき」による『こおり』状態でハメ技を狙う戦法も、「さいみんじゅつ」による『ねむり』状態狙いも、「かげぶんしん」による長期戦も、どの戦術でも行うことができた。そのため、スターミーと対面した時点では（実際に技を選択して受けるまで）どの戦法で来るかわからず、その型の読めなさがメジャーとなった理由であった。
ダグトリオ
ダグトリオは素早さが高く、一撃必殺技である「じわれ」を習得することができた。一撃必殺技の命中率は素早さのステータスに依存するため、相手の戦法にかかわらず多くの対戦相手を倒すことができた。また、ほぼ確定で急所に当たる「きりさく」や威力の高い安定した技「じしん」なども覚えることができ、捕獲、育成難度から「手軽に使える強ポケ」の代表格であった。
ナッシー
ナッシーは総合的なステータスが高く、個々のステータスだけを見ても最高クラスだった。
「さいみんじゅつ」よりも命中率が高い「ねむりごな」での『ねむり』状態狙いや、使用後に戦闘不能になるが相手に大ダメージをあたえる技「だいばくはつ」で強引に相手を倒すこともできた。草タイプという当時は不遇なタイプであったが、ナッシーはその例外的存在であった。
フーディン
フーディンは当時最強のタイプであったエスパータイプの代表的な存在で、大会で使用できるエスパータイプの中ではもっとも高いステータスを誇る。
覚える技のレパートリーは狭く、追加効果もない攻撃技「サイコキネシス」しかなかったが、実質弱点なしのエスパータイプゆえに、それひとつでも強豪レベルの強さを誇った。
マルマイン
マルマインは全ポケモン最速の素早さを誇っている（後続作品でもその素早さは誰にも追い抜かれていない）。
同じタイプであり、同じステータス傾向を持つサンダースと同じ立ち位置である。サンダースに素早さで勝つ代わりに攻撃力は劣り、ややサンダースの影に隠れがちな存在であった。
しかし、サンダースは覚えることができない「だいばくはつ」によってサンダースとは差別化できる。電気タイプのポケモンには厄介なフーディンやダグトリオが相手でも「だいばくはつ」によって強引に突破することができため、サンダースと1、2を争う人気であった。
第2世代の対戦環境
第2世代とは、「金・銀」「クリスタル」バージョンを指す。これらの作品をまとめて、「第2世代」と呼ぶ。
第1世代の環境を受けて、新タイプとして悪タイプ、鋼タイプが登場した。それまで最強のタイプであったエスパータイプを無効化する悪タイプ、半減する鋼タイプの登場により、エスパーポケモンが大きく弱体化した。
また、『こおり』状態は最大5ターン経過すれば自然に回復するようになり、『ねむり』状態は解除時にターンを消費しなくなった。
「じわれ」などのような一撃必殺技の命中率判定は素早さ依存からレベル差依存になり、相手と自分のレベルの差によって確率が増減するようになった。同レベル同士なら50％の確率で当たるようになる。対戦ではシステムによってレベル50で自動調節されるため、当たるか当たらないか半々のものになった。
「きりさく」「はっぱカッター」のように急所に当たる確率が高い技も調整が行われ、急所に当たる確率が大きく減った。
第2世代からの特徴として、ポケモンに持ち物を持たせることができるようになったことが挙げられる。
きのみなどの道具をポケモンに持たせることによって、バトル中に自動で使用してくれるようになる。中には持たせることによって技の威力を高めたりHPを回復できるものもあるため、戦略の幅が大いに広がった。
また、新たな要素として「天候」が登場。バトル中に天気を変えることができるようになった。
天候を変える技「にほんばれ」によって天候を『ひざしがつよい』状態にすることで炎タイプの技を強化するなど、天候によって様々な効果を得ることができるようになった。
しかし天候を変える技はごく一部のポケモンが覚えられる程度で限られたものであったため、それほど目立たず、続く第3世代にてピックアップされるまで埋もれた存在であった。
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目次 - Contents
- 「ポケットモンスター」シリーズのバトルシステムについて
- 基本的なシステム
- バトルルール
- バトル施設とは
- NPCとのバトルについて
- プレイヤー同士での通信対戦
- 対戦環境とは
- 第1世代の対戦環境
- 第1世代の対戦環境において代表的なポケモン
- ゲンガー
- ケンタロス
- サンダース
- スターミー
- ダグトリオ
- ナッシー
- フーディン
- マルマイン
- 第2世代の対戦環境
- 第2世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- エアームド
- エーフィ
- ハッサム
- ツボツボ、ハピナス
- バンギラス
- ヘラクロス
- 第2世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- カイリキー
- ガラガラ、ピカチュウ
- ドククラゲ
- ファイヤー
- 第2世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- 前作の対戦環境のメジャーであったポケモン全般
- エスパータイプ、氷タイプのポケモン全般
- 毒タイプのポケモン全般
- 第3世代の対戦環境
- 第3世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- カイオーガ
- キノガッサ
- ケッキング
- ヌケニン
- メタグロス
- ミロカロス
- ラティオス
- 第3世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- エアームド
- ヘラクロス
- 第3世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- ガラガラ
- バンギラス
- 第4世代の対戦環境
- 第4世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- ガブリアス
- グレイシア
- ユキノオー
- ゴウカザル
- ドータクン
- トゲキッス
- クレセリア
- 第4世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- 炎タイプの技を持つポケモン
- 第4世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- ケッキング
- ガラガラ
- ツボツボ
- ヌケニン
- 第5世代の対戦環境
- 第5世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- アーケオス
- ウルガモス
- エルフーン
- オノノクス
- サザンドラ
- ナットレイ
- ヒヒダルマ
- 第5世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- 特性「ちからずく」を持つポケモン全般
- キュウコン
- ルンパッパ
- ケッキング
- ヤミラミ
- カイリュー
- 第5世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- 『ねむり』状態をコンボに取り入れるポケモン全般
- 技「じばく」「だいばくはつ」を使うポケモン全般
- ヌケニン
- ペラップ
- 第6世代の対戦環境
- 第6世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- オンバーン
- ギルガルド
- クレッフィ
- ゲッコウガ
- ニンフィア
- ファイアロー
- 第6世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- ペラップ
- ガルーラ
- フシギバナ
- リザードン
- 第6世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- 鋼タイプのポケモン全般
- ドラゴンタイプのポケモン全般
- 草タイプ、岩タイプ、氷タイプのポケモン全般
- 道具「ジュエル」での技の威力増加効果に頼っていたポケモン全般
- 第7世代の対戦環境
- 第7世代の対戦環境において注目された新登場ポケモン
- 「ウルトラビースト」と呼ばれるポケモンたち
- カプ・コケコ
- カプ・テテフ
- ドヒドイデ
- ミミッキュ
- 第7世代の対戦環境において前作から強化されたポケモン
- フライゴン
- ペリッパー
- 鋼タイプのポケモン全般
- 炎タイプのポケモン全般
- 第7世代の対戦環境において弱体化されたポケモン
- ファイアロー
- ガルーラ
- 岩、氷タイプのポケモン全般
- ドラゴンタイプのポケモン全般