メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(MGS2)のネタバレ解説・考察まとめ

『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパンが開発したステルスゲーム『メタルギアシリーズ』の4作品目である。前作『メタルギアソリッド』で起きたシャドー・モセス島事件の後の世界を描いている。「ミーム(文化的遺伝子)」をテーマとした作品で、インターネット社会における問題を予見したような展開がみられることが特徴的。次々と明らかになる事実により任務の目的が揺らぎ、プレイヤーを疑心暗鬼にさせる物語が話題を呼んだ。

米海軍爆発物処理学校の元教官にして、ニューヨーク市警察爆弾処理班顧問。世界最高の爆弾処理技術者と誉れ高い人物で、ファットマンの師でもある。ビッグ・シェル占拠事件では最もファットマンを知る人物としてSEAL・チーム10に同行し、ビッグシェルに仕掛けられたC4爆弾解体の任に就く。
爆弾解体中の事故で片足を失ったという逸話から、「義足のピーター」の通り名を持っているが、これは爆弾解体に失敗し、人質を見捨てて逃げ出した後、周囲からの批判をかわす為に片足を失ったと嘘をついたのが真相であり、実際には走ることもできた。当初こそファットマンの教官らしく的確に爆弾を見つけるが、新型の距離反応型時限爆弾に近づいてしまい、その爆発で命を落とす。
シェル2中央棟B1でエマを助けに行く際、水没した通路に彼の遺体が残されていた。ファットマンは、スティルマンに勝利した証として、彼のドッグタグを奪っている。

サイボーグ忍者(ミスターX)

シャドー・モセス島事件で死亡したはずのサイボーグ忍者(グレイ・フォックス)に酷似した容姿を持つ謎の人物。無線通信では「ミスターX」と名乗る。敵の情報を教えたり、敵兵への変装グッズを提供するなど、雷電の作戦行動を支援するかのような動きを見せる。

ジェームズ・ジョンソン

第44代目アメリカ合衆国大統領(ただし実際の第44代アメリカ大統領はバラク・オバマ)。ビッグ・シェルへの視察訪問中にテロリストの蜂起に巻き込まれ人質となる。雷電を最初見たとき、彼の股間に触れて男か女か確かめようとした。
彼の大統領への就任は愛国者達の思惑によるものであり、大統領任期中の政策の数々は愛国者達からの指示によるものである。その権力の強大さを目の当たりにしたことで、畏怖を抱くと同時にその支配構造へ加わる事を切望するようになった。その為の取引を計画してサンズ・オブ・リバティの反乱に加わるが、ソリダス達は支配構造の破壊を望んでいた為に決裂する。雷電の登場で、自分が演習の駒であると気づき、雷電に「愛国者達」やシャドー・モセス島事件の事等を話した後、自殺しようと雷電ともみ合っている最中、オセロットに撃たれ致命傷を負ってしまう。死に際に、大統領としての最後の命令として、エマを探し出し、アーセナルギアを止めるよう命令した後、間も無く事切れた。

リチャード・エイムズ

シークレットサービスとしてジョンソンのビッグ・シェル視察に同行していた人物。ジョンソンらと同様にテロリストの人質となる。DIA(国防総省国防情報局)所属で階級は大佐。
「愛国者達」の存在を認識し、その意図に沿って動かざるを得ないと考えており、彼等に逆らうことを選んだジョンソンに対しては「愚かな」と語っている。オセロットによってナノマシンでペースメーカーを操作されたことによる心不全で絶命。
前作に登場したナスターシャ・ロマネンコの元夫で、事を知りすぎた彼女を殺せとの「愛国者達」からの命令に逆らって彼女を助けた当事者。その事を「シャドー・モセスの真実」にて記載されたため、ソリッド・スネークは彼が「愛国者達」に属している可能性を否定していたが、実際には所属を続けていた。

エマ・エメリッヒ=ダンジガー

オタコンの血の繋がっていない妹。オタコンからは「E.E.」と呼ばれている。ハードウェアに強い兄のオタコンに対し、妹のエマはソフトウェアに強く、ハッキング・クラッキングの力は兄を凌駕する。超多量情報分析の分野を得意とし、幼いながらもビッグ・シェルのコンピュータ技術者に抜擢されていた。暗殺ウイルス「FOXDIE」を模したコンピュータウイルスを所持しており、アーセナルギアの起動を止められるのは彼女だけである。
コンピューターウイルスを持って電算室へ向かう途中、オイルフェンスにてヴァンプに襲撃され、その際にナイフで刺される。辛くもスネークに救出されウイルスをAIに送り込む下準備としてセキュリティを解除したが、その傷が元で死亡している。
家庭崩壊の責任を押し付ける言動を繰り返す等、義理の兄・オタコンを憎んでいるかのような振る舞いを見せていたが、最期に彼に対して男性として思慕を抱いていた事を吐露した。

セルゲイ・ゴルルコビッチ

GRUの元大佐で、オセロットの元上官。前作では名前のみ登場し、リキッドの蜂起に賛同して彼らの部隊に合流しようとしていた。
タンカー編の時点では傭兵部隊ゴルルコビッチ隊のリーダー。ロシアの核閉鎖都市であったスネジンスク(旧称:チェリャビンスク70)の出身で、冷戦終結後にスネジンスクがアメリカの企業に買収されたことにより、反米主義的な思考を持つ。祖国ロシアの軍事的再興を夢見ており、アメリカ海兵隊の新型メタルギア「RAY」を奪取すべく偽装タンカーを襲撃する。船倉にてドルフ司令官を拘束するも、オセロットの裏切りにあい、ドルフ司令官共々射殺される。

オルガ・ゴルルコビッチ

ロシア私兵部隊の一員。ゴルルコビッチ大佐の一人娘だが、部隊の面々も家族同然と思っている。幼い頃より戦場を転々としており、年齢の割に兵士としての経験値は高い。スネークからは「デートに誘うには覚悟がいる」と評されていた。
タンカー編では身重でありながら父の指揮下で行動し、スネークとも戦っている。爆破され沈むタンカーからスネークに助け出され、その後は部隊共々ロシアン・マフィアの元に身を寄せた。彼等の運営する病院で出産するが、マフィアは「愛国者達」の傘下組織だったため、子供(『メタルギアソリッド4』に登場するサニー)は「愛国者達」に人質にされてしまう。
ビッグ・シェル占拠事件では父に代わって部隊を統率し、ソリダスに協力する。しかし、その裏では子供を人質にされ、今回の大規模演習の調整を強要されている。演習の成功が子供を助けることに繋がるため、己の役割に従い、サイボーグ忍者(ミスターX)の姿で事あるごとに雷電を助ける。父を殺した首謀者はスネークだと思い込み、復讐の機会を窺っていたが、エマがオイルフェンスを渡っていた頃にスネークと再戦し、彼の無実を知る。
雷電に自らの正体を明かした後、無数のメタルギアRAYとの戦闘で疲弊した雷電の元へも加勢に現れたが、ソリダスには手も足も出ず、P90で頭を撃たれ落命した。ソリダスに挑む際、実子の命を守る為とはいえ家族同然の部隊の仲間を犠牲にする陰謀に関わった罪悪感から「私は地獄に落ちる」と発言している。

ソリダス・スネーク

ビッグ・ボスの遺伝子からソリッドとリキッドを生んだ「恐るべき子供達計画」以降に作られたクローン。遺伝子の優劣を抽出する操作を受けた他の二人に比べて遺伝子操作は行われておらず、均整の取れた体の持ち主と評され、ビッグ・ボスの純粋なクローンであるとされる。ビッグシェル占拠事件の首謀者と目される男であり、シャドー・モセス島事件の際にはアメリカ合衆国大統領ジョージ・シアーズとして事件を操っていた。紛争地帯で雷電の両親を殺害し、彼を戦士として育て上げた。「愛国者達」と敵対している。
外装式強化服を装備しており、武器は強化服の胸部に備わっているスネークアームと呼ばれるマニピュレーターと、そこから発射される小型ミサイル、弾丸をも跳ね除ける二振りの日本刀(“民主刀”と“共和刀”)及び、PDW(Personal Defence Weapon:個人防衛兵器)のP90。

リボルバー・オセロット

元FOXHOUND隊員。シャドー・モセス島事件後、世界中にメタルギアの亜種を拡散させた張本人。ゴルルコビッチ大佐率いるロシア私兵部隊と共に偽装タンカーを襲撃、その2年後にはビッグシェルの占拠に乗り出す。
失われた右腕の代わりに、死亡したリキッド・スネークの腕を移植しているが、そのことが原因でたびたび腕がうずき、最悪の場合、リキッドに意識を乗っ取られてしまう。症状が軽い場合は注射で鎮静可能。利き腕がこのような状態であるため、早撃ちは左手でこなすが、腕が落ちた様子は無い。陰でフォーチュンに電磁波兵器を仕込み、彼女の“幸運”を演出、自己陶酔を助長した。
リキッドが起こしたとされるシャドー・モセス島事件は、実際は彼を初めとした「愛国者達」の手引きによって必然的に起こされたものである。今回の事件も例外ではなく、シャドー・モセス島事件、ビッグ・シェル占拠事件の双方の全ての行動とその結果は、すべて「愛国者達」によって計画済みであった。ソリダスに協力するかのように見せかけていたが、最後になって正体を現した。

フォーチュン

演習仮想敵部隊「デッドセル」のリーダー。通称「幸運の女神」。撃ち込まれた銃弾は全て逸れ、グレネードも不発になるという驚異的な幸運の持ち主とされていたが、これは「愛国者達」が開発した電磁波兵器によるものである。本人は、私生活での不幸の上に成り立っている幸運と語っている。大型の個人携行用レールガンを使い、その威力はビッグシェル内の資材やフォークリフト、連絡橋すら壊すほど強力。
本名はヘレナ・ドルフ・ジャクソン。海兵隊司令官スコット・ドルフの娘。タンカー事件での父の死亡と夫であったジャクソン大佐の逮捕と獄死が原因で母が自殺し、自身もそのショックで体調不良となり、流産した。家族を失った彼女は復讐のために軍に入り、夫ジャクソンが率いていたデッドセルのリーダーに就いた。これまでの不幸は全てタンカー事件の首謀者であるスネークのせいと思い込んでいる。
アーセナルギア上にて本性を現したオセロットに銃を向けたが、この時に電磁波兵器の効果はなく左胸を撃ち抜かれる。しかし、心臓が右にあるという幸運から即死せず、更にはメタルギアRAYの放つミサイルを電磁波兵器無しに全弾逸らすという真の奇跡を起こして雷電、ソリッド・スネーク、ソリダス・スネークを攻撃から守ったが直後に死亡。首謀者として終始冷静だったオセロットもこれには驚愕し、スネークも「奇跡だ」と驚きを隠せなかった。

ヴァンプ

デッドセルの元隊員。ルーマニア出身のナイフ使い。「水面を走る」「垂直の壁を駆け上がる」などの超人的な身体能力を持ち、更には体内のナノマシンにより「頭を撃たれても死なない」という不死性まで持つ。さらには筋肉の動きから相手の動きを先読みすることで、銃撃を華麗に避けることが出来る。
幼い頃に教会で爆弾テロに遭遇、家族を全て失い、自身は教会の十字架が胸に突き刺さったまま瓦礫の下で丸二日間を過ごす。このとき、救出されるまでの間、家族と自分の胸から流れ出た血を舐めて生きながらえ、それ以降、血を啜る癖を持ったことと、バイセクシャルであることから、「Vampire」の略称に加えて「誘惑する」、「妖婦」といった意味を持つ「ヴァンプ(Vamp)」がコードネームとなった。デッドセルの初代リーダーであるジャクソン大佐と、その妻であり二代目リーダーのフォーチュンに対して並々ならぬ忠誠心を抱いている。彼がビッグシェルの占拠に臨んだのも彼等への畏敬の念と、アメリカに対する純粋な復讐心からである。また、フォーチュンの父親であるスコット・ドルフの愛人だったという噂がある。
オイルフェンスにてエマに致命傷を負わせたが、自身も雷電の狙撃で海へ転落した。その後の消息は不明であったが生存しており後にリキッド・オセロットと合流した。
『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY THE MAKING』では、ローズマリーの背後にヴァンプの姿が見える事や、設定当初は女性となるはずだったことが明らかとなる。当初、声の担当は塚本晋也で決定し台本まで作ってあったのだが、都合によりそれが出来なくなり急遽置鮎龍太郎に変更された。『メタルギアソリッド4』では塚本晋也が担当している。

ファットマン

デッドセルの元隊員。爆発物のスペシャリストで、通称「爆弾王」。「史上最高で最低の男」を自称する。コードネームの「ファットマン」は1945年8月9日、長崎に投下された原爆のコードネームである。
時計職人の息子として生まれ、少年時代は親の仕事場で遊ぶことが多かったために、時計のような機械類に過剰な思い入れを持つ。10歳の時、インターネットで手に入れたあるマニュアルから原爆を組み立て、爆弾界では知らぬ者のいない有名人となる。それをきっかけに爆弾制作に没頭し、インディアンヘッド(海軍爆発物処理学校)、核緊急支援隊NESTを経てデッドセルへと入隊する。自身を「アーティスト」と称し、自ら設置した爆弾に愛用の香水を振りかけている。指が女性のように細く綺麗で、更にそれを常に動かしていないと気が済まない性分の持ち主。拳銃の組み立てと分解、指の手入れを趣味としている。座右の銘は「笑う門には福来たる(Laugh and grow fat)」。彼自身の目的はスティルマンとの対決であり、新型爆弾の機能を見抜けずスティルマンが死亡することで彼の勝利となった。
ビッグ・シェル占拠事件では同施設に大量のC4爆弾を設置、雷電と対峙した際には防爆スーツに身を包み、ローラーブレードを履いてその巨体に似合わぬ敏捷な動きを披露しつつ、ヘリポートにC4爆弾を仕掛けて回った。武器はグロック18マシンピストル及びC4プラスチック爆弾だが、『バンドデシネ』では、大量の手榴弾をばら撒く攻撃と鞭のようなもので攻撃する姿も見せている。雷電に倒され、最後に置き土産と称して特大のC4爆弾を残して事切れた。

リキッド・スネーク

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