ダンジョン飯(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。
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『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。
『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。
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『ダンジョン飯』とは、KADOKAWAの漫画雑誌『ハルタ』にて連載されていたグルメ・ファンタジー漫画。作者は九井諒子で、初の長編連載漫画である。2024年1月から6月までアニメ第1期が放送された。 ストーリーは主人公ライオスがドラゴンに食われた妹のファリンを助けるために、仲間と共に道中で狩った魔物を食べながら迷宮へと潜って行く冒険の様子を描いている。作中で描写される魔物料理の設定の巧みさが人気を博しており、「魔物が実在する世界ならではの料理」が多数登場する。
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え?モンスターって、食べられるの!?RPG漫画か、グルメ漫画か、はたまた冒険漫画?ジャンル分けに悩んでしまいそうな不思議な漫画が大人気です。意表を突く発想とストーリーに、思わずめくる手が止められない「ダンジョン飯」をまとめてみました。
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「ダンジョン飯」は、冒険者たちがモンスターを倒すだけでなく、それを"料理して食べる"という斬新なコンセプトで描かれる異世界ファンタジーです。ストーリーは、主人公ライオス率いるパーティーが、倒された仲間を救うためにダンジョンを進みながら、その場で手に入る素材=モンスターを食材にしてサバイバルするというもの。
このアニメが他の異世界モノと違う所は、モンスターを倒してアイテムを得るのではなく、倒したモンスターを料理としてどう調理し、食べるかに焦点を当てている点です。美味しそうな料理描写とユーモア溢れるやり取りが魅力で、まるで実際にモンスター料理を作れるんじゃないかと思うほどリアリティがあります。また、各キャラクターの個性が光り、特にライオスのマニアックな食材への執着が笑いを誘います。
アニメーションのクオリティも非常に高く、ダンジョンの細部や料理の描写が丁寧に作り込まれており、視覚的にも楽しめます。また、冒険やバトルシーンも見応えがあり、ただのコメディではなくしっかりとした冒険ファンタジーとしても成立しています。
一方で、テンポがゆったりしているため、バトル中心の展開を期待する人には物足りなく感じるかもしれません。しかし、そのゆるさが「ダンジョン飯」の魅力でもあり、日常系ファンタジーとして楽しむことができるでしょう。
全体的に「ダンジョン飯」は、ファンタジー世界での新しい体験を提供してくれる作品で、ユーモアとシリアスがバランスよく組み合わされています。特に食べ物をテーマにした作品が好きな方や、異世界ものに新しい風を求める方にはおすすめです。
今回紹介するのはマンガ、「ダンジョン飯」です。簡単に内容を紹介すると、ある国に出現したダンジョンを攻略するために主人公一行が挑むも、途中強大な魔物によって全滅の憂き目に会い、主人公の妹を犠牲に命からがら生還。その妹を救うべく、再度ダンジョン攻略に挑む、という話が本筋になっています。
ここまで書くと「普通のダンジョンRPGゲームのマンガ版か」と思うかもしれませんが、このマンガのすごいところは、「ウィザードリィ」などに代表されるダンジョンRPGの世界観を、「食事」という、生きるうえで欠かせない行為を主軸に描いているところにあります。冒頭で強大な魔物に敗れたのも空腹が原因のひとつとなっており、主人公たちは食事の大切さを痛感します。が、食事をするにもお金はかかる、しかし再度ダンジョンに挑まなければお金は得られない。食事をせず空腹のままではダンジョンに挑めない、という負のスパイラルに襲われます。そしてそれを脱却すべく、「ダンジョン内に生息する魔物を食べる」ことを思い付き、そのアイデアを実行していくことになるという話になっているのです。
食事をメインに扱う作品だけに、魔物の調理方法などもとても丁寧に描写されていて、「本当に作れるんじゃないか」と錯覚してしまうほど。しかし材料が魔物なので決して真似できるものでもなく、しかしこの描写によって物語の世界観がしっかりと構築されていることも事実であり、読んでいると現実と空想の狭間にいるような感覚を味わえます。さらに作者がダンジョンRPGに造詣が深いのか、読んでいると久々にこのジャンルのゲームをやりたくなってくる衝動にも駆られるほど、ダンジョン探索の描写も丁寧なものとなっています。
ネタバレは避けますが、全編を通して「食する」ということを重要なテーマにしており、最後まで読んでいただくと、その食という行為が一貫してキーアクションになっていることがわかる内容となっています。
ダンジョンの深層でドラゴンに食われてしまった主人公ライオスの妹ファリンを救うべく、4人パーティーで再びダンジョンの深層を目指すというのが前半の大まかなストーリーです。作品全体を通して原作者の緻密な設定づくりにこだわりが感じられ、作りこまれた世界観は観ていて気持ちいいと感じました。主人公たち一行が、協力して個性的な特徴をもつ魔物たちを倒して、調理して、食べる、というのが基本の物語進行となりますが、ダンジョン内外での人間関係や、4人を取り巻くキャラクター達の思惑が錯綜し、かなり見ごたえのある作品だと思いました。
メインキャラクター達も魅力的で、魔物が好き過ぎてとうとう味にまで興味を持ってしまったサイコパスな主人公ライオスを筆頭に、古代魔術の研究をしている鈍くさいエルフ族のマルシル、口が悪くあさましい人相だが、罠解除の腕は超一流のハーフフット族のチルチャック、鍛冶には一切の興味がなく「魔物食」に興味を持ち長年研究をしているイケメン料理人であるドワーフ族のセンシ。ストーリーがシリアスな展開になりそうな時も、4人の掛け合いがコミカルでテンポも良いので、重く感じられず見ていて疲れませんでした。
作画も非常によく、声優さんの演技も上手く、自分としてはキャラクター達ともあっていると感じたので非常に没入して作品を楽しむことが出来ました。しかし、前述したように主人公がサイコパス気質で、妹を一刻も早く助け出さなければいけない状況下でノンビリと冒険を楽しんでいるところや、空気が読めない発言などがあったりもするので、主人公に感情移入が出来ず楽しめないという方もいるかなと思い、評価は8となっています。
視聴する前は存在しない食材によるファンタジーグルメものだと思っていましたが、グルメものではありませんでした。まずこの話の世界観では一般的に魔物は食いません。我々と同じような食生活をする人間(エルフ、ドワーフ、ハーフフットなど)ですが、ダンジョンへ冒険に出るにあたり食糧事情として荷物と費用を節約するために、本来食べる物ではないと認識されている魔物をおいしく料理して食べることにしました、という話です。
物語が進んでも主人公のパーティー以外は基本的に「魔物を食べる」=「異常行動」と認識されているようです。ダンジョンで出会った仲間の1人は魔物食に通じており、調理等淡々とすすめておいしくしてくれます。これに関してはダンジョンという場所で生活している必要上それがあたりまえになっているという感じです。
段々分かってきますが実は主人公の認識が1番ぶっ飛んでいてヤバいです。冒頭必要があってやむなく魔物食に手を出したというような理由がありましたが、主人公に関してはどう考えても嬉々として魔物を食っています。食材としてだけではなく、魔物に対する興味と関心が留まるところを知らず、ドキドキわくわく楽しそうに食い、戦い、かつ調べます。魔物の中には人の姿に近いものもあります。近ければ近いほど抵抗がありますが、とうとう肉親を食うのかどうかというような所で今期終了です。怖いです。
主人公・ライオス率いる冒険者パーティーが、さまざまな魔物(スライム、ドラゴン、二足歩行するキノコなど)を現実にある調理方法で料理し、それを食しながらダンジョンを攻略していくという話です。
魔物が跋扈するダンジョンや魔法が存在するなどファンタジー要素溢れるアニメですが、現実にある調理方法を用いているゆえに、作られた魔物食はかなり美味しそうで実際に作れそうな気もします。
そもそも魔物を食べるという発想自体、ダンジョン飯の世界の住人にとって異質です。そんな異質な発想に至ったライオスとその仲間であるセンシはかなりの変わり者でした。
ただライオス率いる冒険者パーティーの仲間全員が変わっているわけではなく、魔物を食べることに抵抗を覚えていた一般的な常識を持った仲間、チルチャックとマルシルもいます。
ダンジョン飯は変わり者のライオスとセンシ、そして彼らにツッコミを入れるチルチャックとマルシルによるギャグ要素がとても面白くて笑えます。さらにダンジョン飯にはライオス一行のほか多くのキャラクターが登場しますが、ひとりひとりのキャラが個性的で、彼らの存在が作品の魅力を引き立てていました。物語中盤からはシリアス要素が出てきて、物語にもますます深みが増してきました。最初から最後まで目が離せない作品です。
ファンタジー漫画の裏側で描かれる「飯テロ漫画」です。普段意識することのない、冒険者たちの食生活にスポットを当てた作品『ダンジョン飯』。読み進めるうちに、次第にその魅力に惹き込まれていきます。食への愛着と異文化との融合を感じさせる傑作といえるでしょう。
■ファンタジー世界を題材にした飯テロ漫画
『ダンジョン飯』は、いわゆる「飯テロ」と呼ばれる作品です。物語の舞台はファンタジーの世界ですが、主人公たちが旅先で出会う様々な食材や料理に注目が置かれています。
モンスター肉を使った珍しい料理など、読んでいるだけでつい食べてみたくなるような、魅力ある料理の数々が登場します。
一見シンプルな設定ながら、普段意識することのない部分にスポットライトが当てられた点がユニークです。食に対する愛着や情熱が行間から滲み出ており、飯テロの枠を超えた傑作と言えるのではないでしょうか。
■キャラクターベスト3
1. マルシル
マルシルはハーフエルフの魔法使いですが、一般的な魔法使いとは異なる特殊な魔法を使います。
例えば熱した武器で攻撃する、湖に油を巻いて火をつけるなど、状況に応じた創造的な魔法を使います。『ダンジョン飯』の世界においてマルシルは偏食であり、野菜やキノコ、魚が苦手であり、食事のシーンでさまざまな表情を見せてくれます。
2. センシ
センシはパーティ内で特に料理の腕前が高く、様々なモンスターを料理しています。使われている食材はもちろん架空のものですが、とてもおいしそうな料理ばかりです。
ちなみに、アニメ化に際しては料理のシーンにこだわりが見られ、温度感や香りまでも伝わるよう工夫されているそうです。
戦闘においては冷静沈着であることが多く、襲い掛かってくるモンスターを冷静に観察して討伐します。
最終的には料理としてモンスターを食べてしまいます。
3.チルチャック
チルチャックは解錠や罠の解除などを担当する鍵士です。
パーティーの中では最もダンジョンに精通しており、危険性を理解しながらダンジョンの奥へと進んでいきます。初めて入る部屋の罠の有無を確認する際は荷物や靴を外し、肌感覚も使いながら危険性を確認するほどです。精神面ではパーティーの中の一番の常識人と言えます。
■作者の九井諒子さんってどんな人?
九井諒子先生は、現実とファンタジーが独特の感覚で交錯する作風の漫画家です。
主な経歴は以下の通りです:
同人作家としても活動し、同人誌即売会やpixivなどで作品を発表していた。
2011年に商業誌デビュー。同年、短編集『竜の学校は山の上』でデビュー。
2013年、短編『ひきだしにテラリウム』で第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
2014年、長編連載『ダンジョン飯』を『ハルタ誌』で開始。2015年度コミックナタリー大賞など複数の賞を受賞。
『ダンジョン飯』は、モンスターを料理して食べるグルメファンタジー漫画として人気を博しました。九井先生の作品は、現実感のある描写と、コミカルでありながら生々しい人間関係が特徴です。
■読み始めると癖になる不思議なマンガ
『ダンジョン飯』は、最初は面白さがあまり感じられないかもしれません。ファンタジーの世界での料理という設定は退屈に映るでしょう。しかし読み進めるにつれ、次第にその魅力が現れてきます。
珍しい食材を使った料理の数々、キャラクターの掘り下げ、異世界との文化描写など、いくつもの要素が徐々に引き込んでいきます。気づけば中毒性があり、大ハマリしてしまうでしょう。退屈を通り越して、不思議な世界に惹き込まれてしまうのが醍醐味だと言えます。
■まとめ
アニメも放送されている『ダンジョン飯』は、読めば読むほどお腹がすいてくる飯テロ作品です。読み進めるうちにその魅力に惹き込まれていき、気づけばはまってしまうことでしょう。
珍しい食材や料理、個性的なキャラクター、そして作者の人柄まで楽しめる、見逃せない作品です。
『ダンジョン飯』は異世界ファンタジーを舞台にした料理アニメであり、アニメ愛好者にとって魅力的な作品です。
主人公のライオスは、ダンジョン内での探索中に発見した食材を使って絶品料理を調理します。彼の料理は、仲間や周囲の人々に勇気や希望を与え、絆を深める契機となります。異世界の食材や料理文化の描写は斬新であり、視聴者を魅了します。アクションや冒険要素もありながら、料理を通じて人々の心を豊かにするストーリー展開は、アニメファンにとって新鮮で楽しい体験となるでしょう。
料理担当のセンシが創る料理は、単なる食事以上の意味を持ちます。彼の料理は、仲間たちの体力を回復させたり、戦闘において勝利をもたらしたりする力を持っています。そのため、彼は仲間たちにとって頼りにされる存在となります。また彼が料理をする姿は熱意と情熱にあふれており、視聴者の心を掴みます。
異世界の食材や料理法に興味を持つ人々にとっては、この作品はまさに目の前の冒険となるでしょう。ダンジョンの中で繰り広げられる料理バトルや食材探しのシーンは、視聴者を引き込み、想像力をかきたてます。全体として『ダンジョン飯』は、料理と冒険を融合させた斬新なコンセプトであり、アニメファンにとって見逃せない作品です。
剣と魔法の世界を舞台に、勇者が世界を救ういわゆる「ファンタジーもの」は数あれど、「ダンジョン飯」ほど異色なものもあまりないのではないでしょうか?
この作品に登場する冒険者は、別に人助けをするわけでも世界の平和を守るわけでもありません。ただ、個人的な目的のため地下ダンジョンの奥深くへと分け入り、魔物を倒し得たものを糧に生活をしているんです。
主人公たちもそんなしがない冒険者のひとり。ただほかのパーティと違うのは、倒した魔物を調理しておいしくいただいちゃってるんです。
オオカミやドラゴンなんかならまあ許容範囲。おそらく他の作品でもそういう描写もあるでしょうが、この作品雄秀逸なのは、一見食に適さないような魔物に関しても、ちゃんと「生き物」としての生態が存在し、こんな味がして、だからこんな料理にして食べられるんだ……という説明がとにかくユニーク。
たとえば、ミミックという宝箱に化ける魔物はこの世界ではヤドカリのような生き物で、塩ゆでにするとおいしいとか、実は宝箱にコインが詰まっているのは、ミミックを餌にするために寄ってきた「コイン虫」というコインに擬態した虫が正体だから──という感じ。
言ってることがめちゃくちゃなんだけど、なんか納得できてしまう説得力を持っているんです。とはいえ、この世界の冒険者でも、魔物を食べるという行為はゲテモノ扱いされているんですけどね(笑)。
周りの冒険者仲間からも眉をひそめられながらも、ダンジョンの奥地でもくもくと魔物を食べ続ける主人公一行ですが、それにはちゃんと理由があるんです。その理由が、物語の軸として働いているため、単純なキワモノではなく、ちゃんと骨太なファンタジー作品としてのバランスが取れているのもこの「ダンジョン飯」の魅力。設定のユニークさと、緻密さが、唯一無二の世界観を紡ぎだしているので、未読の人はぜひ手にしてみてください。
本作は、剣と魔法のファンタジー世界におけるグルメ漫画です。
大きな特徴は、凶悪なモンスターが闊歩するダンジョン内での「食料現地調達」。
食材の大半はモンスターというから驚きます。
この世界ではモンスター食が一般的…というわけではなく、一部の変わり者やダンジョンに逃げ延び生活している犯罪者くらいしかわざわざモンスターを食べたりはしません。
実際に作中では、主人公以外の仲間たちはモンスターを食べることを嫌がっていたりします。
主人公たちはダンジョンの最深部で、主人公の妹でもある仲間の僧侶をドラゴンに飲み込まれてしまいます。
僧侶の魔法で自分たちだけダンジョン外へ逃げ延びられた彼らですが、消化される前であれば僧侶を蘇生できるはずだ、ということで準備もなく再びダンジョンへ潜ることにします。
準備がないということは食料もない、そこでダンジョンで食料を現地調達する「ダンジョン飯」の始まりです。
大サソリと歩き茸の水炊きには、スライムを干した「干しスライム」も使われています。
作中ではしっかりとモンスターの体の仕組みや特徴、生態も描かれ、モンスターも生物でありダンジョン内でしっかりとした生態系があることもうかがえます。
レシピもしっかりと記載されていて、ファンタジー世界に迷い込んだあかつきには、この漫画を読んだ知識が活かされること請け合いです。
生きることは食べること、食べることは生きること。
仲間を助けるために死ぬわけにはいかない。今日も今日とて、彼らはダンジョン飯を味わいます。
主人公たちは、宝物を見つけるためにダンジョンと呼ばれる地下迷宮に入る事を生業とする冒険者。
生息するモンスターと激しい戦闘を行う事も。ここまでなら非常によくある設定ですが、この漫画は変わった方向からダンジョン探索を描いていきます。
それは「食」。
エルフやドワーフが登場するファンタジーRPGは数ありますが、入り組んだ迷宮の中で、主人公パーティーは一体、何を食べて生きているんでしょうか?
そんな疑問に答えるかのように、この漫画は「十分な食料を用意できないけれど、どうしてもダンジョンの深層まで行かないといけない」事情を抱えた主人公たちが、「ダンジョンで出くわすモンスターを倒し、うまいこと調理し、けっこう美味しく食べながら」、頑張って進んでいくというストーリーなのです。
モンスターを食べるというのですから、はっきり言って調理前はゲテモノ以外の何物でもない見た目です。
それを謎のこだわりと知識で美味しい料理に仕上げていく様子が、なんとも言えない独特のおかしみを醸し出しています。
戦士・魔法使い・盗賊といった、ファンタジーRPGでおなじみの職業も出てきますが、それぞれの背景というか人物像が、巻が進むごとにじっくり描かれている所も味わい深いです。
ファンタジーRPGが好きな人も、そうでない人も楽しめる作品だと思います。
トールマンのライオスを含むパーティはダンジョン攻略中レッドドラゴンに遭遇し、ライオスの妹ファリンがレッドドラゴンに食べられてしまう。残りのメンバーはファリンの脱出魔法によって地上に逃れることができた。ライオス、ハーフエルフのマルシル、ハーフフットのチルチャックはファリン救出に向かおうとするも、お金がなく食料が十分買えない。そこでライオス一行は、途中で出会ったドワーフのセンシと共に、ダンジョンに住む魔物たちを倒し、調理し、食べながらダンジョンを攻略していくことにする。
序盤はコミカル要素多めでダンジョンを攻略していきますが、途中から、ダンジョンを支配する狂乱の魔術師、魔物によって故郷を失った青年カブルー、エルフの精鋭部隊であるカナリア隊、人の欲望を食べる迷宮の悪魔など様々な者たちの思惑が交錯する展開となっていきます。魔物を倒す描写はもちろん、調理の場面も料理番組のようにしっかりと描写されており、次はどんな魔物が出るのかワクワクしながら読み進められます。スライム、バジリスク、マンドレイク、ミミック、コカトリスなどなどRPGゲーム経験者なら1度は聞いたことがある魔物たちの、まさかの倒し方や調理方法がとても面白い作品です。
コミックスの装丁の印象は美術的で、ファンタジー好きには好まれやすいと感じます。ドラゴンに食われた妹を助けるという大前提の元、仲間同士力を合わせてダンジョンを攻略していくかと思いきや、仲間はビジネス契約のため早々にパーティ離脱。その上主人公はモンスターを食べてみたいとか訳分からんことを言い出すので、妹の親友であり魔法使いポジションのエルフ(モンスター食いに猛反対)に多大に感情移入できます。というか、読み進める内に読者も悪食が通常運転になりそうになるため、このエルフのおかげで正気を保つことができます。あ、これ原材料モンスターだったわ危ない危ない、おいしそうとかダメだって絶対、と現実に引き戻してくれます。ただ、最近はエルフ本人もこの異常な嗜好に慣れつつあるため、新規加入者や別の冒険者の出現は、新鮮さを取り戻すきっかけとなるため、ありがたみすら感じます。グルメ?の側面だけでなく、ダンジョンに生息するモンスターはどれも一度は耳にしたことがある生物であることが多く、その生態や伝説、実は〜だった的な雑学や設定が好きな人はとても楽しく読めます。ただ「それも食べちゃうんか」とも思ってしまいます。前述した妹を助けるストーリーは後半になるにつれてあらぬ方向へ舵を切っており、これからどうやったらハッピーエンドを迎えられるのか想像もつきません。今後のストーリーに期待して毎回続きが待ち遠しくなる漫画だと思います。
ダンジョン下層部へ主人公の妹を急ぎ救出しに向かわなければならないが、探索のための食材を準備する資金はないためにダンジョン内のモンスターを食しながら進んでいくという異色のグルメ漫画。
それだけ聞くとゲテモノ系かと思うが、うまく現実にも置き換えられるような設定に持っていく作者のアイディアに脱帽する。
主人公のパーティーがぽやぽやしているが、かなりガッツリ作り込んだ世界観の中で展開されているファンタジー×グルメ漫画。
話が進むごとに内容の重みは増して行くが、絶妙な空気感やギャグで楽しく読み進めて行くことができる。
絵も巧いので見ていて惚れ惚れするような絵作りに引き込まれる。
登場人物それぞれの人物像が相当作り込まれているので、それぞれの倫理観や価値観の違いにハッとさせられる。
また、そこがユーモラスに描かれているので、何度でも読み飽きることがなくいろいろな発見があって面白い。
作者の短編集も読んだが、ご都合主義のファンタジーではなく、その世界の中で生きている人々を描くのが本当に巧いと思う。
複雑に組み込まれた伏線もどのように回収されて行くのかが楽しみで、早く読みたい気持ちとまだまだ話が続いて欲しい気持ちが合わさって複雑です。
「このマンガがすごい!」「全国書店員が選んだおすすめコミック」など各賞で1位を獲得しているので既にご存じの方も多いであろう本作は、九井諒子による初の長編作品。現在もハルタにて連載中。
主人公ライオス一行はダンジョン内に残された妹を救出するため深部へと向かっていく。その道中で古典的ファンタジー作品に登場する様々なモンスターを、現実に存在する調理方法によって料理しながらダンジョンを踏破していくという、ファンタジー×グルメ漫画といった内容。
「ダンジョン」「モンスター」「冒険者」など、多くの人が想像しやすい王道テンプレートを使って展開され、見慣れない設定や入り込みにくい世界観は存在しない。だが、すべてのダンジョンにいるモンスター、トラップなどへのファンタジー内での合理的回答を用意しており、図鑑や資料集のようなある種の知識欲をも満たしてくれる堅実な設定は見事と言う他ない。
また、ハルタ作品らしい緻密でかつ抑揚に富んだ線で描かれる上、漫画として教科書にして良いような原稿の美しさ、構図のわかりやすさ、空白の使い方の巧みさは普段漫画を読まない層こそ驚くのではないか。
各種賞を獲得するにはそれ相応の理由が、人気の裏には面白さがあるということがわかる良書である。
「狂乱の魔術師」が支配する地下ダンジョン(古代王国の遺跡)の謎解明に挑む冒険者たちの物語です。
主人公ライオス率いる冒険者パーティーは、檀上下層でレッドドラゴンと遭遇し、戦闘になりますが、空腹のため本来の実力が出せず敗北します。メンバーのほとんどは脱出呪文により危機を脱しますが、ライオスの妹であるファリンのみが、レッドドラゴンに食べられてしまい取り残されてしまいました。ライオス達はファリン救出および蘇生のため、再度ダンジョンに挑むことになります。
ここまではよくあるファンタジー物語なのですが、ここからが一味違います!
再度ダンジョンに挑む主人公一行ですが、脱出呪文で帰還した際に一切の所持金を残置されてしまっており、無一文になります。この状態では食料の調達すらおぼつきません。ここでライオスが発案したのがなんと、「ダンジョン内の魔物を調理して食べながら進む」という奇策です。パーティーメンバーは最初は渋るものの、仕方なく同意し、ダンジョンに再挑戦します。
以降、一行のダンジョン探検が描かれていくのですが、冒険者の食料事情にスポットが当たり、魔物を倒しては調理して食べる、というのがあたかもグルメマンガのように詳細に描写されていきます。
「魔術師が支配するダンジョンに挑む」、「ダンジョン内で死亡した仲間を救うため、少ない戦力で死亡地点までたどり着く」、「ダンジョン内で食料を調達する」といった点が、RPG黎明期のウィザードリィやダンジョンマスターなどのゲームを想起させ、非常に読み応えのある内容だと思います。オススメです!
本のタイトル通り、ダンジョンで食事をする物語。
物語の始まりはドラゴンとの戦闘シーンから。
万全の状態で挑み、負ける要素など無い…が、あるとすればひとつだけ。
「腹が減ったな…。」
空腹で窮地に追い込まれ、全滅のところを主人公の妹の魔法により、脱出。
ところが、妹だけドラゴンに食べられ脱出出来ず。
消化される前に妹を助け出すにはすぐにダンジョンに潜らねば。
一文無しの為、食料などは一切買えない主人公達はダンジョンでの自給自足を余儀なくされる。
歩くキノコやダンジョン物ではお馴染みのスライム、ドラゴンまでありとあらゆるモンスターを食べ尽くす!
モンスターを食材にかき揚げやオムレツ、タルトなどといった普通に食べられそうなレシピを創意工夫して作るところが見どころ。
非現実的過ぎて、食欲がわかなそうに思えるが、作者の画力も手伝い、普通じゃないのに普通に美味しそうに見える。グルメ漫画としてもおすすめ。
主人公逹の本来の目的であるダンジョン攻略も人食い宝箱や火が吹く罠など、普通の攻略法と違い、食べるのは言わずもがな、料理の道具として使ってしまうなど、クスッと笑える要素が多い。
反面、黒魔術など禁忌と呼ばれる術が登場し、シリアスなシーンも。
グルメ、アクション、ギャグ、シリアスが詰め込まれた、風変わりな冒険物語で飽きずに読めます。
ファンタジーなのに食事ネタがメインという発想がおもしろい!絵もスッキリ見やすく、好感がもてます!また食事ネタという割に世界背景や登場人物などがしっかりしており、純粋に冒険ファンタジーとしても楽しめる良作!一読の価値アリです!
「それは小さな村からはじまった」
「ある日小さな地鳴りと共に地下墓地の底が抜け、奥からひとりの男があらわれた」
「男は一千年前に滅びた黄金の国の王を名乗る」
「かつて栄華を誇ったその国は狂乱の魔術師によって地下深く今なお囚われ続けているという」
「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」
「そう言い残すと男は塵となって消えた」
と物語は始まります
この部分だけでもすでに後の話に繋がる伏線が多く散りばめられています。また、王道のファンタジー要素もキッチリ押さえてあり、人間(このマンガではトールマン)はもとよりエルフ、ドワーフ、ハーフフット(小人族で他のファンタジーではホビット族に近い種族)、ノームやコボルト、オークといった亜人に至るまで、多種多様な人種などがそれぞれの個性を余すことなく魅力的に描かれています
登場人物は個性的でありながらも一切不快感はなく、終始楽しく読むことが出来ます
毎回、次の話が待ち遠しくなるマンガです!
漫画で流行の食ものですが一味違うのが「ダンジョン飯」です。
地下の迷宮に入り、RPGの世界感のなかストーリーが進みます。平凡な戦士の主人公が仲間とダンジョンでアイテムなどを失い、妹もドラゴンに飲み込まれ行方不明に。アイテムを失い体力を回復する事が出来ない中、妹を助けにダンジョンの奥に進む事を決めた主人公と仲間達は、ダンジョンのモンスターを美味しく料理して進んでいきます。
最初に読み始めたときは、変なギャグマンガだなぁ、でも美味しいそう、と読んでいましたが、途中から迷宮の謎やエルフとの因縁、闇魔法など、ストーリーが奥深く、次が読みたくなります。キャラクターもあっさりタッチで、主人公もあまり特徴がなく、最初はうーんという感じでしたが、それがとてもよく普通だから目立つと言う感じです。
変わった性格ですが、情に熱い主人公に目が離せません。モンスターのイラストも迫力があります。背景も迷宮という設定ですが色んな仕掛けがあり面白いです。
仲間達も個性豊かで愛嬌があります。完璧じゃない感じがよく、キャラクターの背景もとても丁寧に描かれているのでそれも魅力です。