ダンジョンRPG好きなら必ずハマるマンガ
今回紹介するのはマンガ、「ダンジョン飯」です。簡単に内容を紹介すると、ある国に出現したダンジョンを攻略するために主人公一行が挑むも、途中強大な魔物によって全滅の憂き目に会い、主人公の妹を犠牲に命からがら生還。その妹を救うべく、再度ダンジョン攻略に挑む、という話が本筋になっています。
ここまで書くと「普通のダンジョンRPGゲームのマンガ版か」と思うかもしれませんが、このマンガのすごいところは、「ウィザードリィ」などに代表されるダンジョンRPGの世界観を、「食事」という、生きるうえで欠かせない行為を主軸に描いているところにあります。冒頭で強大な魔物に敗れたのも空腹が原因のひとつとなっており、主人公たちは食事の大切さを痛感します。が、食事をするにもお金はかかる、しかし再度ダンジョンに挑まなければお金は得られない。食事をせず空腹のままではダンジョンに挑めない、という負のスパイラルに襲われます。そしてそれを脱却すべく、「ダンジョン内に生息する魔物を食べる」ことを思い付き、そのアイデアを実行していくことになるという話になっているのです。
食事をメインに扱う作品だけに、魔物の調理方法などもとても丁寧に描写されていて、「本当に作れるんじゃないか」と錯覚してしまうほど。しかし材料が魔物なので決して真似できるものでもなく、しかしこの描写によって物語の世界観がしっかりと構築されていることも事実であり、読んでいると現実と空想の狭間にいるような感覚を味わえます。さらに作者がダンジョンRPGに造詣が深いのか、読んでいると久々にこのジャンルのゲームをやりたくなってくる衝動にも駆られるほど、ダンジョン探索の描写も丁寧なものとなっています。
ネタバレは避けますが、全編を通して「食する」ということを重要なテーマにしており、最後まで読んでいただくと、その食という行為が一貫してキーアクションになっていることがわかる内容となっています。