ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。

0kkangaroo_0302のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon
10

考え抜かれた世界観

主人公・ライオス率いる冒険者パーティーが、さまざまな魔物(スライム、ドラゴン、二足歩行するキノコなど)を現実にある調理方法で料理し、それを食しながらダンジョンを攻略していくという話です。

魔物が跋扈するダンジョンや魔法が存在するなどファンタジー要素溢れるアニメですが、現実にある調理方法を用いているゆえに、作られた魔物食はかなり美味しそうで実際に作れそうな気もします。
そもそも魔物を食べるという発想自体、ダンジョン飯の世界の住人にとって異質です。そんな異質な発想に至ったライオスとその仲間であるセンシはかなりの変わり者でした。
ただライオス率いる冒険者パーティーの仲間全員が変わっているわけではなく、魔物を食べることに抵抗を覚えていた一般的な常識を持った仲間、チルチャックとマルシルもいます。

ダンジョン飯は変わり者のライオスとセンシ、そして彼らにツッコミを入れるチルチャックとマルシルによるギャグ要素がとても面白くて笑えます。さらにダンジョン飯にはライオス一行のほか多くのキャラクターが登場しますが、ひとりひとりのキャラが個性的で、彼らの存在が作品の魅力を引き立てていました。物語中盤からはシリアス要素が出てきて、物語にもますます深みが増してきました。最初から最後まで目が離せない作品です。