ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。

alex48695のレビュー・評価・感想

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon
8

倒した魔物を調理して食べるファンタジーアニメ

ダンジョンの深層でドラゴンに食われてしまった主人公ライオスの妹ファリンを救うべく、4人パーティーで再びダンジョンの深層を目指すというのが前半の大まかなストーリーです。作品全体を通して原作者の緻密な設定づくりにこだわりが感じられ、作りこまれた世界観は観ていて気持ちいいと感じました。主人公たち一行が、協力して個性的な特徴をもつ魔物たちを倒して、調理して、食べる、というのが基本の物語進行となりますが、ダンジョン内外での人間関係や、4人を取り巻くキャラクター達の思惑が錯綜し、かなり見ごたえのある作品だと思いました。
メインキャラクター達も魅力的で、魔物が好き過ぎてとうとう味にまで興味を持ってしまったサイコパスな主人公ライオスを筆頭に、古代魔術の研究をしている鈍くさいエルフ族のマルシル、口が悪くあさましい人相だが、罠解除の腕は超一流のハーフフット族のチルチャック、鍛冶には一切の興味がなく「魔物食」に興味を持ち長年研究をしているイケメン料理人であるドワーフ族のセンシ。ストーリーがシリアスな展開になりそうな時も、4人の掛け合いがコミカルでテンポも良いので、重く感じられず見ていて疲れませんでした。
作画も非常によく、声優さんの演技も上手く、自分としてはキャラクター達ともあっていると感じたので非常に没入して作品を楽しむことが出来ました。しかし、前述したように主人公がサイコパス気質で、妹を一刻も早く助け出さなければいけない状況下でノンビリと冒険を楽しんでいるところや、空気が読めない発言などがあったりもするので、主人公に感情移入が出来ず楽しめないという方もいるかなと思い、評価は8となっています。