ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon

『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。

refuesのレビュー・評価・感想

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon
8

今までに無い切り口のファンタジー漫画

「狂乱の魔術師」が支配する地下ダンジョン(古代王国の遺跡)の謎解明に挑む冒険者たちの物語です。
主人公ライオス率いる冒険者パーティーは、檀上下層でレッドドラゴンと遭遇し、戦闘になりますが、空腹のため本来の実力が出せず敗北します。メンバーのほとんどは脱出呪文により危機を脱しますが、ライオスの妹であるファリンのみが、レッドドラゴンに食べられてしまい取り残されてしまいました。ライオス達はファリン救出および蘇生のため、再度ダンジョンに挑むことになります。
ここまではよくあるファンタジー物語なのですが、ここからが一味違います!
再度ダンジョンに挑む主人公一行ですが、脱出呪文で帰還した際に一切の所持金を残置されてしまっており、無一文になります。この状態では食料の調達すらおぼつきません。ここでライオスが発案したのがなんと、「ダンジョン内の魔物を調理して食べながら進む」という奇策です。パーティーメンバーは最初は渋るものの、仕方なく同意し、ダンジョンに再挑戦します。
以降、一行のダンジョン探検が描かれていくのですが、冒険者の食料事情にスポットが当たり、魔物を倒しては調理して食べる、というのがあたかもグルメマンガのように詳細に描写されていきます。
「魔術師が支配するダンジョンに挑む」、「ダンジョン内で死亡した仲間を救うため、少ない戦力で死亡地点までたどり着く」、「ダンジョン内で食料を調達する」といった点が、RPG黎明期のウィザードリィやダンジョンマスターなどのゲームを想起させ、非常に読み応えのある内容だと思います。オススメです!