PandoraHearts(パンドラハーツ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『PandoraHearts(パンドラハーツ)』は、『月刊Gファンタジー』にて連載された望月淳による漫画作品である。『不思議の国のアリス』などの童話をモチーフにしつつも、残酷な描写が随所にみられるダークファンタジーとなっている。成人の儀で闇の監獄へ落とされた後に10年後の世界に生還を果たした少年、オズ・ベザリウスを主人公に、自らの存在の意味を問う彼がその真実を見つけ、世界の危機を救うまでを描く。物語全体にわたる伏線が読む人を魅了し、単行本累計発行部数500万部を超えた人気作である。

ノイズの躰を乗っ取ろうとしたドルディの言葉である。チェインをうまく制御できないノイズは知らぬ間に自分が化け物になることを恐れ、時を経るごとに自分の心を失くしていった。もはやドルディ、そしてドルディがノイズの中に作り出すかりそめの人格であるエコーが護ろうとした本来のノイズはどこにも存在しない。そう告げたドルディは、「コノ躰を僕達がもらっても問題ないんじゃないカナァア!?」と言いながら、相手を糸で操る自らの能力を契約者であるノイズに行使する。契約者がチェインを使役するのが本来の姿であるにもかかわらず、もはや手の打ちようがないほどに心が壊れたノイズは、逆にドルディの操り人形と化してしまったのであった。

リリィの名言・名セリフ/名シーン・名場面

リリィの概要

リリィ

リリィは、バスカヴィルの民の少女である。契約しているチェインはバンダースナッチである。外見年齢は12歳で内面も相応に幼く、善悪の区別もまだはっきりついていない様子が見られる。幼い頃に不吉な子として住んでいた村を追い出され、その際に頬に刺青を彫られた。

レイムがリリィの凶刃にかかった場面

レイムに襲いかかるリリィ

ユラ邸で封印の石の捜索にあたっていたレイムは、仲間とともにリリィに襲われる。周りの者が殺された中でリリィに連れ去られたレイムは、一人彼女と相対することとなった。レイムの所有するチェインが気になったから殺さずに連れてきたのだというリリィに、レイムは自らのチェインは「能なし」なのだと話す。それを聞いてなぜか「同じだ」と嬉しげにしたリリィは、レイムに自らがバスカヴィルになった経緯を語り、彼女の話によってバスカヴィルに血のつながりはなく、アヴィスによって選定された者がバスカヴィルになるのだという事実が明らかになった。無邪気に友達になりたいといいうリリィをまるで普通の少女であるかのように感じたレイムだが、彼女とのやりとりから「生かしておけば多くの命を摘み取るであろう」ことがうかがえたことにより、迷いながらも彼女に向かって引き金を引いた。しかし、頭を打ちぬかれて倒れたかに見えたリリィは再び立ち上がり、「あー…痛い…本当に痛いよ、レイム…!」と言って涙を流しながら、レイムに向かって襲い掛かったのである。幼いがゆえに残酷なリリィの恐ろしさと、うちに秘めた悲しみが強く現れた場面である。

ファングの名言・名セリフ/名シーン・名場面

ファングの概要

ファング

ファングは、バスカヴィルの民の一人である。契約しているチェインはトーブである。敵に対しても紳士的な態度をとり、常に他のバスカヴィルを気遣っている。大剣をいとも簡単に扱う屈強な剣士であり、パンドラ最強の剣士であるブレイクと戦うことを熱望していた。

「そうか…これで…終われるのか―――…」

躰が崩れさるファング

ファングがその最期の時に発した言葉である。ユラの屋敷での混乱の中、ファングとリリィはブレイクと戦闘になる。いったんはブレイクに深手を負わせることに成功したものの、チェイン殺しのチェインであるマッドハッターの力を上乗せした剣でブレイクが攻撃を図り、ともに戦っていたリリィをかばったファングは、その剣に貫かれてしまう。飛びのいたファングにリリィが駆け寄ったとき、その躰はひび割れていく。崩れ始めた自らの身体を見つめたファングは、どこかほっとした表情を見せながら、「そうか…これで…終われるのか―――…」と呟いた。そして、駆け付けてきたロッティに謝罪の言葉を投げかけたまま、彼の躰は塵となって消えていったのであった。

白いアリス/アヴィスの意志の名言・名セリフ/名シーン・名場面

白いアリス/アヴィスの意志の概要

アヴィスの意志を宿した白いアリス

アヴィスの意志は、現在のアヴィスを創りあげている存在である。本来は不定形の光のような姿をしている。当初は単に「核」と呼ばれていたが、レヴィの実験によって器となる躰を得たことにより、「アヴィスの意志」と呼ばれるようになった。白いアリスは、アリスとともにアヴィスの中で産まれた双子の片割れである。生を受けた後に現実世界に戻されたアリスに対し、白いアリスはその躰にアヴィスの意志を宿してアヴィスの深淵に存在し続けている。そのため、本来の白いアリスとアヴィスの意志の二つの魂が一つの躰を共有している状態である。本来の白いアリスは純粋無垢な性格であるが、アヴィスの意志としての彼女は記憶や認識が混乱をきたしており、感情表現にも脈絡がない。強大なアヴィスの力は白いアリスの精神を侵食しつつあり、その心身は限界にきている。彼女自身もそれを自覚しており、アヴィスに堕ちたブレイクに対して、アヴィスの意志から解放してほしいという願いを伝えていた。

白いアリスが初めて姿を見せた場面

ブレイクの前に現れた白いアリス

その昔、過去を変えるために違法契約者となったケビン=レグナード(現在のブレイク)は、数多くの人間を殺戮したにもかかわらず、望みが叶わないままにアヴィスへの堕とされた。そして目を覚ましたブレイクが見たのは、人形に囲まれた不思議な部屋と、純白の少女であった。少女はブレイクに名前を尋ね、「私の名前は、アリスっていうのよ」と名乗る。今オズの前に存在するアリスと同じ名のこの少女が実はアヴィスの意志であり、アヴィスに堕ちたブレイクは、皆が探し求めるアヴィスの意志と遭遇していたのである。ルーファスとブレイクが語った事実は全員を驚愕させるが、彼らが真相へとたどり着く重要な手がかりとなる。

白いアリスの記憶が壊された場面

チェインとなったアリス(右上)の攻撃を阻んだアヴィスの意志(左下)

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