ヴァニタスの手記(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ヴァニタスの手記』とは、2016年より望月淳が『ガンガンJOKER』で連載しているスチームパンクバトル漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。19世紀のパリを舞台に、吸血鬼に呪いをかける「ヴァニタスの手記」を持つ青年・ヴァニタスと、田舎から来た吸血鬼・ノエのコンビの活躍を描いている作品である。2022年には舞台化がされている。キャラクターはもちろんのこと、パリの美しい背景やスチームパンク描写など美麗な絵柄が大きな魅力となっている作品である。
『ヴァニタスの手記』の概要
『ヴァニタスの手記』とは、2016年より望月淳が『ガンガンJOKER』で連載しているスチームパンクバトル漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。2022年には舞台化された。
望月淳は2004年に『月刊Gファンタジー』にて『パンドラハーツ』を掲載し、漫画家としてデビューする。その後2005年に同誌に『Crimson-Shell』で初連載を飾り、2006年には『PandoraHearts』を連載開始する。『PandoraHearts』はテレビアニメ化されるほどの人気作となり、その後2016年には『ヴァニタスの手記』の連載を開始する。
蒸気機関のテクノロジーが急速な発達を遂げながらも、吸血鬼(ヴァンピール)と人が共生している19世紀のフランス。吸血鬼の青年・ノエは吸血鬼に呪いをもたらす魔導書『ヴァニタスの書』を求めて、フランスの片田舎から首都であるパリに飛行船で向かっていた。その旅の途中、飛行船内で同じく乗船していた吸血鬼が呪いにかかってしまう事件が発生する。そしてその事件を解決したのは探していた『ヴァニタスの書』を持ちながらも、吸血鬼の呪いの医者を名乗る青年・ヴァニタスであった。目的の魔導書を見つけたと同時に、ヴァニタスに興味を持ったノエは、ヴァニタスの助手としてパリに渦巻く吸血鬼の呪いの謎に巻き込まれていくのであった。
本作の魅力は美麗な絵柄であり、キャラクターの華やかさはもちろんのこと、フランスのパリの美しい背景やスチームパンクのこまかい装飾の描写は非常に見応えがある。
またヴァニタスのキャラクターも魅力の内の1つであり、「復讐のために吸血鬼の呪いを治す」というゆがんだ動機は他の作品では見られないキャラクター性であり、本作の独特な世界観と相まってこの作品ならではの個性となっている。
『ヴァニタスの手記』のあらすじ・ストーリー
ヴァニタスとノエの出会い
蒸気機関のテクノロジーが急速な発達を遂げながらも、吸血鬼(ヴァンピール)と人が共生している19世紀のフランス。
吸血鬼の青年・ノエは故郷であるフランスの片田舎を離れ、パリへ向かうために飛行船に乗船していた。ノエがパリに向かう目的は、彼の育ての親であると同時に師として尊敬する先生の手紙に書かれていた、吸血鬼に呪いを振りまく魔導書である『ヴァニタスの書』を探し出すことであった。
飛行船の旅の最中にノエは吸血鬼の女性・アメリアと出会い、しばし歓談する。しかし突如苦しみだしたアメリアは呪い持ちの症状を発症、飛行船内で乗客を襲い始める。
ノエは乗客を襲うのをやめさせようとアメリアの元へ向かうが、そこに探し求めていた魔導書『ヴァニタスの書』を持つ人間の青年が現れる。彼は自身の名をヴァニタスと名乗り、吸血鬼の呪いを治すことができる医者であるとノエに言い放つ。そして呪いの原因である真名のゆがみを『ヴァニタスの書』を使って直したヴァニタスは、アメリアを呪いから解放する。
アメリアを助け出したヴァニタスはノエに「呪いで滅びつつある吸血鬼を自らの手で救う」と宣言する。そんな発言にヴァニタスの人間性に興味を持ったノエは「ヴァニタスの助手としてパリで行動を共にする」とヴァニタスに宣言し、ヴァニタスと共にパリを目指すのであった。
処刑人・ジャンヌとの戦い
パリに着いたヴァニタスとノエは、町の権力者であるオルロック伯爵の元へと出向く。目的は飛行船で呪いを発症したアメリアに話を聞くためであったが、オルロック伯爵は近頃パリの街で頻発している呪い持ちの吸血鬼としてアメリアを処分すると二人に話す。その処分に納得がいかないノエは、オルロック伯爵に「パリで事件を起こしている呪い持ちの吸血鬼を見つけ出す代わりに、アメリアの処分を無効にしてほしい」とオルロック伯爵に提案するのであった。
かくしてヴァニタスとノエはパリの街を奔走し、呪い持ちの吸血鬼・トマ・ベルヌーと戦闘になる。ヴァニタスはトマ・ベルヌーを『ヴァニタスの書』の力で制止させるが、その直後に『ヴァニタスの書』をめぐり吸血鬼の少年・ルカと同族殺しの吸血鬼「処刑人(ブロー)」の女性・ジャンヌと戦闘になる。ジャンヌが操る巨大なガントレットに圧倒されるヴァニタスとノエであったが、制止させたトマ・ベルヌーをあえて解放しジャンヌの隙を作るという、ヴァニタスの作戦が功を奏しジャンヌを退ける。
ジャンヌを退け真犯人をオルロック伯爵に伝えた二人は、アメリアと無事に再会を果たす。
ヴァニタスはアメリアに呪いの原因とされている黒い影の化け物であるシャルラタンを見たかと質問するが、アメリアは身に覚えがないと答える。そこでノエは、血を吸うのを通して他者の記憶を見ることができる「血を暴く牙(アルシヴィスト)」の力を使い、アメリアの記憶を覗く。そしてそこでシャルラタンの姿を見たノエは悲鳴を上げ倒れてしまうのであった。
仮面舞踏会とシャルラタンとの邂逅
オルロック伯爵の屋敷の一室でノエが目を覚ますと、幼馴染の貴族の吸血鬼・ドミニクと再会を果たす。ドミニクはノエを吸血鬼だけが住まう異世界「異界(アルタス)」で行われる仮面舞踏会に誘うために訪れており、ノエはその提案に応じドミニクと共に異界へと向かう。一方ヴァニタスもノエを利用して異界に潜入し、ノエと同様に仮面舞踏会に参加する。
仮面舞踏会に参加したヴァニタスは舞踏会の中心で『ヴァニタスの書』を片手に持ち主であることを宣言し、多くの吸血鬼たちを動揺させる。
自ら正体を明かしたことにより吸血鬼たちに捕らえられそうになるヴァニタスであったが、仮面舞踏会で突如仮面をつけた謎の男たちが現れ、会場にいた複数の吸血鬼たちに呪い持ちの症状が発生してしまう。そんな混乱のさなか、ノエはルカと再会を果たし、ヴァニタスはジャンヌと遭遇する。ジャンヌは見失ったルカを探すためにヴァニタスと一時協力体制になり、呪い持ちの吸血鬼たちを退ける。一方ノエとルカの前にはシャルラタンが現れ、ノエの真名を奪おうとする。だがそこにヴァニタスらが駆け付け、シャルラタンと仮面の男たちは仮面舞踏会から逃走してしまう。
シャルラタンが去ったあと呪い持ちの吸血鬼たちをヴァニタスらは救出するが、ヴァニタスは事件の犯人であると誤解を受け、吸血鬼の大貴族であるルスヴン卿の元に出向くことになってしまう。ただルスヴン卿はルカの叔父であったため、事件の犯人であるという誤解を解くことに成功する。そしてヴァニタスたちは異界からパリへ帰るのであった。
「狩人」との戦い
パリに帰ってきたヴァニタスとノエに対し、オルロック伯爵は吸血鬼連続誘拐事件の調査を依頼する。ヴァニタスは情報屋・ダンテから誘拐事件に対吸血鬼戦闘部隊である「狩人(シャスール)」が関わっていることを聞き、狩人のアジトであるノーストルダム大聖堂に潜入する。
潜入した二人はノーストルダム大聖堂の地下に広がる地下納骨堂にたどり着き、事件の真相を追う。途中、狩人(シャスール)の隊長を務める青年・ローランの追撃を受けながらも、二人は地下納骨堂の深層にある怪しげな研究室に到着する。そこには科学者・モローがおり、彼はヴァニタスを「NO.69」と呼びながらヴァニタスとの再会を喜ぶ。ヴァニタスはモローの元で実験対象として過ごしていたことがあり、連続誘拐事件にモローの暗略を感じたため、モローの研究所に出向いたのであった。モローは吸血鬼に対する怪しい研究を行っており、ヴァニタスの目論見通りモローの研究所には連れ去られた吸血鬼と、その首謀者の呪い持ちである吸血鬼「影法師(プレダトゥール)」の姿があった。影法師との戦闘に苦戦するヴァニタスらであったがローランの手助けもあり、影法師を呪いから救い出す。しかし事件の首謀者であるモローは「No.71はどうしているんだい」という言葉を残し、姿を消してしまう。その言葉を聞き、珍しく怒りを露わにするヴァニタスの様子を見たノエは、ヴァニタスの過去に興味を持ち始める。その後ローランは今回の事件は「モローの悪事を見抜けなかった狩人側に責任がある」と言い、ヴァニタスとノエを地上に送り出し、事件は無事に解決するのであった。
『ヴァニタスの手記』の登場人物・キャラクター
主要人物
ヴァニタス
CV:花江夏樹
18歳の人間の青年で、黒色の髪と青色の目が特徴的な人物である。
誕生日は2月7日で、好物は牡蠣、苦手なものは寒さと甘いものである。
性格は自己中心的かつ、狡猾であり目的のためならば平気で回りを巻き込む冷徹さを持っている。
過去に蒼月の吸血鬼に出会っており、その際に『ヴァニタスの書』を手にする。『ヴァニタスの書』を持って吸血鬼を呪いから救うことを目的としており、吸血鬼を救うことで蒼月の吸血鬼に復讐することができると考えている。
『ヴァニタスの書』をもって吸血鬼の真名に関与することで呪いを治すことができ、また『ヴァニタスの書』の力を行使して戦闘もこなすことができる。
過去にはドクターモローのラボにいたこともあり、非人道的な人体実験を受けていたところを蒼月の吸血鬼に助けられている。
ジャンヌに好意を持っており、ジャンヌの前では比較的穏やかな性格になる。
ノエ・アルシヴィスト
CV:石川界人、幼少期CV:七瀬彩夏
19歳の吸血鬼の青年で、白色の髪と褐色の肌が特徴的な人物である。
誕生日は9月28日で、好物はタルトタタン、苦手なことは片付けである。
性格は素直かつ好奇心旺盛であり、自分の感情がすぐに表情に出てしまう。
さらに方向音痴であることも災いして、パリでは興味のあるものに惹かれた結果、迷子になることが多い。
戦闘能力は非常に高く、戦う際には瞳が赤くなる特徴を持つ。特に肉弾戦は他の吸血鬼たちを寄せ付けないほどの実力を持っている。
また「血を暴く牙(アルシヴィスト)」の能力を持つ吸血鬼で、吸血を通して他人の記憶を覗くことができる。
吸血鬼
ジャンヌ
CV:水沢いのり
20歳の吸血鬼の女性で、桃色のショートヘアが特徴的な人物である。
誕生日は4月21日で、好物は甘いものである。
裏切り者の吸血鬼を処刑する「処刑人(ブロー)」の身でありながらも、ルカの騎士(シュバリエ)としてルカに忠誠を誓っている。
大きなガントレットである「カルペディエム」を用いて戦闘を行い、その圧倒的な実力で1000人を超える吸血鬼たちを一人で処刑した経歴を持つ。
ヴァニタスのことを最初は毛嫌いしていたが、交流を深めるにつれ好意を寄せるようになっている。
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目次 - Contents
- 『ヴァニタスの手記』の概要
- 『ヴァニタスの手記』のあらすじ・ストーリー
- ヴァニタスとノエの出会い
- 処刑人・ジャンヌとの戦い
- 仮面舞踏会とシャルラタンとの邂逅
- 「狩人」との戦い
- 『ヴァニタスの手記』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ヴァニタス
- ノエ・アルシヴィスト
- 吸血鬼
- ジャンヌ
- ルカ
- ドミニク・ド・サド
- ルスヴン卿
- オルロック伯爵
- ベロニカ
- ルイ
- クロエ
- ジャン=ジャック
- アメリア
- 先生
- その他人物
- ローラン
- オリヴィエ
- アストルフォ
- モロー
- ダンテ
- ヨハン
- リーチェ
- ミハイル
- 『ヴァニタスの手記』の用語
- 吸血鬼
- 女王
- 蒼月の吸血鬼
- シャルラタン(ネーニア)
- 真名(しんめい)
- 場所
- 異界(アルタス)
- 地下納骨堂
- その他
- 狩人(シャスール)
- 『ヴァニタスの書』
- 『ヴァニタスの手記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ヴァニタス「オレは医者だ、吸血鬼専門のな」
- ヴァニタスが『ヴァニタスの書』をあらわにする場面
- ヴァニタス「それこそがオレの蒼月の吸血鬼に対する復讐だ!!!」
- ノエ「勝てますよ」 ヴァニタス「オレ達なら…か?」
- 『ヴァニタスの手記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「狩人(シャスール)」のモチーフはシャルルマーニュ伝説
- 最終話までのプロットは確定済み
- 『ヴァニタスの手記』の主題歌・挿入歌
- 第1クールOP(オープニング):ササノマリイ 『空と虚』
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