海月姫(東村アキコ)のネタバレ解説・考察まとめ

海月姫(くらげひめ)とは、漫画家・東村アキコにより描かれた少女漫画である。講談社発行の雑誌Kissにおいて連載されている。オタクでニートの女たち、通称”尼~ず”はレトロなアパートの天水館で自らの趣味に没頭して暮らしていた。その一員である主人公の月海はクラゲのクララをきっかけに女装男子の蔵之介と知り合い、天水館売却を阻止すべくクラゲモチーフのドレスデザイナーとして奮闘することになる。

『海月姫』の概要

海月姫は、東村アキコによる日本の少女漫画作品である。講談社発行の月刊Kissにおいて、2008年から連載が開始した。自らを”尼~ず”と称するオタク女子とリア充女装男子がタッグを組み、住んでいるアパートの取り壊しを阻止するためにクラゲをモチーフとした洋服ブランドを立ち上げようと奮闘するラブコメディーである。斬新な設定が人気を博し、2011年には”このマンガがすごい!オンナ編”で第3位に輝いた。2010年にはアニメ化、2014年には能年玲奈を主演に映画化を果たしている。

『海月姫』のあらすじ・ストーリー

主人公の月海は女性限定のレトロなアパート天水館に住んでおり、そこに住む女性たちはニート、オタク、コミュ障の三拍子がそろっている残念な集団。彼女たちは、女だけの男を必要としない生活を送っているため自らのことを尼~ずと称している。月海も例にもれずクラゲオタクをこじらせていたのだが、ある日、女装男子蔵之介と出会ったことで彼女の生活は変化していく。そこに天水館が再開発のために取り壊される話が舞い込んで来て尼~ずたちは大ピンチ。蔵之介は月海のクラゲ愛をドレスのデザインに応用し、ドレスで儲けて天水館を買い取ることを提案する。もちろんコミュ障集団の尼~ずたちは大反対するが、蔵之介の強引な流れに乗せられてドレスの作成、ファッションショー、販売、展示会と段々ブランド”Jelly Fish”としての形を作り上げていく。その独特のデザインを生み出す月海に、アジア最大のファッションブランドの社長のカイも目をつけてブランドを買収しようと持ち掛けたが、条件は月海がシンガポールでその会社のデザイナーになること。そして、天水館をあっという間に買い戻してしまったカイ社長に対し尼~ずたちは月海を売り飛ばしてしまった。しかし、シンガポールに連れ去られた月海を連れ戻すため蔵之介は会社に女性モデルのふりをして潜入、見事月海を奪還した。

『海月姫』の登場人物・キャラクター

倉下月海(くらしたつきみ)

主人公の少女で、おそらく尼~ずの中で一番若い18歳である。鹿児島出身。クラゲオタクであり、クラゲのことを考えていると周りが見えなくなる。母親と水族館に行った際にクラゲのひらひらがドレスのように見えて夢中になり、そこからクラゲ愛が止まらない。母親は亡くなっているが、父親は鹿児島に今も住んでいる模様である。外見は三つ編み、ぽっちゃり、安いボロいダサい洋服、メイクどころか眉も整えない有り様だが、きちんとお化粧すると可愛くなるポテンシャルを持っている。

鯉淵蔵之介(こいぶちくらのすけ)

W大学生のイケメン。代々政治家を輩出している名門鯉淵家の主人、慶一郎の愛人の息子である。少年時代からファッションには興味を持っていたが、高校の文化祭のときに自らの女装のクオリティの高さに気づき女装男子になった。月海がシンガポールに拉致された際にハイエンドブランドのモデルに間違われて最後までばれなかったことからも、彼の女装の完璧さをうかがえる。毎日に退屈していた折りに月海をはじめ尼~ずの面々と出会い、自宅では見いだせなかった居場所を見つけた。月海以外の尼~ずの面々は、彼を男性として育てられた女性だと信じている。Jelly Fishのスポンサー兼専属モデルとして色々戦略を練るが、いかんせん素人なので繊維商のニーシャからも度々キツイ突っ込みを貰っている。

千絵子(ちえこ)

天水館のオーナーの娘。和風マニアであり、着物、浴衣、日本人形などから髪の毛を椿油でお手入れしていることまでかなりのこだわりを見せている。古風な生活を好んでいて、普段から和服を着用して髪の毛は夜風で乾かすという徹底ぶり。そのため髪の毛が長いのにドライヤーを所持していない。母親の手伝いをしているため、バイトをしているといえばしている様子である。また、天水館は下宿なので千絵子がみんなのご飯やおやつを作っている。

まやや

純然たるニート。引きこもりの娘に母親がキレて、一人暮らしを強制的に開始させた結果天水館にたどり着いた。作中の会話から30歳前後と思われる。三国志オタクのいとこのお姉さんにより洗脳されて、見事に三国志オタクになった経歴を持つ。170cmと背が高く痩せていて、シャープな顔立ちをしている。本人はその外見により小中高とあだ名が”殺し屋”だったことを恥じているが、蔵之介はまややのモデルとしてのポテンシャルがかなり高いことを発見した。そのため、蔵之介と二人でJelly Fishの専属モデルとして活躍している。報酬は三国志のガチャガチャ。

ばんば

天水館の住人で、うるう年の2/29生まれの8歳の鉄道オタクである。つまり本当の年齢は32~35歳くらい。ヘアアイロンでも太刀打ちできないアフロヘアーが特徴で、蔵之介による変身の際はウィッグをかぶせられていることが多い。まややとつるんでいることが多く、まややがごねると説得したりしてくれる人材である。基本的にはクールなもの言いや振る舞いが特徴だが、食べ物に関しては欲望に忠実なことが多い。

ジジさま

初老の紳士フェチ、いゆわる”枯れ専”である。ジャズ喫茶に通ったり”相棒”の録画を欠かさず行ったりと、尼~ずの中で一番おとなしいが自分の好きなことには行動力がある。高校は商業高校を卒業しており事務関係の資格を複数取得済みのため、Jelly Fishの生産管理という重要な役どころを買ってでてくれた。そつなく仕事をこなすため、ニーシャの繊維会社でJelly Fish以外の会社との手続きも引き受けている模様。ブログをすぐに立ち上げたりエクセルを使いこなしたりと、パソコンにも強いことがうかがえる。

目白樹音(めじろじゅおん)

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