海月姫(東村アキコ)のネタバレ解説・考察まとめ
海月姫(くらげひめ)とは、漫画家・東村アキコにより描かれた少女漫画である。講談社発行の雑誌Kissにおいて連載されている。オタクでニートの女たち、通称”尼~ず”はレトロなアパートの天水館で自らの趣味に没頭して暮らしていた。その一員である主人公の月海はクラゲのクララをきっかけに女装男子の蔵之介と知り合い、天水館売却を阻止すべくクラゲモチーフのドレスデザイナーとして奮闘することになる。
天水館に住んでいる少女漫画家。千絵子の母しか正面からの姿を見たことが無く、普段は部屋にこもりきりで仕事をしているため尼~ずたちは目白とは手紙で意思の疎通を図っている。締め切りが近くなると尼~ずたちがアシスタントになるが、ちゃんと仕事ができるのは千絵子と月海くらいのご様子。ごはんは部屋の扉の前に置いておくと人がいなくなってから部屋の中に取り込んで食べている。ブランドロゴをデザインしたり、昔に描いた作品が再ヒットした際印税を天水館存続のために使用させてくれるなど、Jelly Fishの活動には協力的である。
クララ
月海が飼育しているクラゲ。アクアショップでミズクラゲと一緒に展示されて死にそうだったところを月海に買い取られた。月海がシンガポールに行った際他の尼~ずメンバーが世話をしていたがその面倒さに海に放流されそうになり、蔵之介の父親の慶一郎が世話することになった。淡々とした作業が政界のストレスに疲れた頭には心地よいらしく、意外と慶一郎は夢中になっている。
鯉淵修(こいぶちしゅう)
蔵之介の腹違いの兄。本妻の息子である。箱入り息子で、勉強しかしてこなかったため少し世間知らずな面がある。ファッションセンスも皆無であり、月海のために指輪を購入しようとわざわざミラノまで行って手に入れたのはものすごくダサいクラゲの形の指輪であった。ちなみに30歳の中年童貞である。政治家の秘書としては優秀であり、現在は父慶一郎の助手として国会議事堂で働いている。法律関係に関しては頼りになる面もあり、なんの許可も取らずに再開発反対のデモを行おうとしていた尼~ずたちのために超法規的手段で許可を取得してくれた。
ニーシャ
Jelly fishのドレスやワンピースを外注する際に依頼したインド系繊維会社のパート。大阪で結婚していたらしく、関西弁がペラペラなので日本語がまだ完ぺきではない兄のために通訳をしている。歯に衣着せぬ物言いで生地や生産のことに対してアドバイスしてくれるお姉さんである。普段はサリーで行動しているが、デートやデパートの買い物では洋服でファッショナブルに決めている。
花森よしお(はなもりよしお)
鯉淵家のおかかえ運転手。ベンツをこよなく愛していて、それが原因で恋人と破局したことがある。基本的に鯉淵家の人間の指示は聞いてくれるが、蔵之介に高級ブランドのスーツをねだったりと自由人な面があり、口止めされていることでもベンツを引き合いに出されるとペロっと白状してしまうこともある。どうやら後先も考えない性格のようで、シンガポールに月海を奪還しに行く際にニーシャに10万円をギャンブルのために借りてあっという間に摩るというヒモっぷりを発揮した。
ノムさん
べライス人形というドールの洋服作成が専門の、Jelly Fishのパタンナー。天水館ではなく別のアパートに住んでおり、ドールの洋服の注文を請け負うことで生計を立てている模様。本人は趣味でやっていると言い張っているが、千絵子によると作品が雑誌に取り上げられたりしていて本職にしても良いくらいのレベルとのこと。洋服を見るとあっという間にパターンをひいてくれる上洋裁が上手いので、お針子さんとしても活躍している。基本的にはドールが基準となる思考回路なので、人間は”虫けら”扱いである。
『海月姫』の用語
尼~ず
尼寺のような男性禁制の女の園だけで生きていくという意味を込めて、天水館のメンバーが考えた言葉。天水館に入居する条件を千絵子が考えていた際、姿を見せない住人の漫画家目白樹音は”男を必要としない人生”という標語を提案した。
腐女子
一般的にはBLを愛でている女子を総称して腐女子というが、海月姫ではそのスタンスに加えて極度のコミュ障やファッションに対する興味ゼロなどの女子力の無さも指し示しているようである。尼~ずたちはそれぞれBLが一番好きというわけではないが、千絵子によるとBLは”私たちにとっては一般教養のようなもの”であるらしい。
『海月姫』の名言・名セリフ
”男を必要としない人生”
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