【ダイヤのA】熱闘甲子園!高校野球が題材の名作漫画10選【おおきく振りかぶって】

スポーツ漫画でパッと思い付く題材といえば、やはり野球でしょうか。中でも、甲子園を目指す高校球児たちの青春を描いた作品はかなり多く、数々の名作が生み出されてきました。この記事では、そんな野球漫画の名作についてまとめています。蘇る球児たちのアツき戦い…思い出しただけでも涙が出てきますね。

ラストイニング

出典: www.amazon.co.jp

原作:神尾龍
監修:加藤潔
作画:中原裕
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
全44巻

舞台となる彩珠学園高校は、かつては名門と呼ばれながらも、今では学園の経営悪化の原因となり、不良債権として廃部の危機にあった。野球部存続の条件は来年の夏までに甲子園に出場すること。そこで、学園は13年前の野球部キャプテンだった鳩ヶ谷圭輔に監督を依頼する。

鳩ヶ谷はインチキセールスマンとして生計を立てていたが、会社が薬事法違反及び詐欺容疑で取り調べられた際に上司にハメられ、留置所入りとなってしまう。職を失い、恋人にも有り金全てを持ち逃げられ、すべてを失った鳩ヶ谷は監督を引き受け、さっそく彩学ナインをD・C・M(イヌ・ネコ・サル)の3タイプに分類するなど、一見理解しがたい練習法や独自の野球理論でチームを鍛え上げる。スポーツとしての野球や選手達だけではなく、それをとりまく大人たちの戦いなど、様々な観点で高校野球を展開していく。2010年、第1回サムライジャパン野球文学賞ベストナイン受賞作品。

GO ANd GO(ゴー・アン・ゴー)

出典: www.garitto.com

作者:古谷野孝雄
掲載誌:月刊少年チャンピオン
全30巻

「野球版スラムダンク」とまで言う人もいるほどの名作。主人公のキャラクターをはじめ、スラムダンクに似ている部分も多いが、単純に漫画としてのレベルが高く、月刊ではめずらしい11年間という長期連載だったのもうなずける魅力的な作品。

また、主人公やライバル以外のチームメイトにもちゃんとスポットがあてられていたり、巻末には劇中の試合のスコアブックや登場人物についてのコラムなどが載っているなど、野球はもちろん、登場するキャラクターへの作者の愛がよく伝わってきて好感が持てます。ちなみに、タイトルの「GO ANd GO」は"d"を小文字にしていることで"ゴー・アンド・ゴー"とは読まずに、ゴー・アン・ゴーと読み、これは岡山出身の主人公の口癖で、岡山弁でバカを意味する「あんごう」に掛けたもの。

やったろうじゃん!!

作者:原秀則
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
全19巻(ワイド版:全9巻)

最近では珍しくなくなった主人公が監督の作品。ただ、15年以上も前に連載が終了している作品で、むかし流行ったスポ根と言ってしまえば否定できない部分もありますが、単純なサクセスストーリーではなく、挫折や葛藤、スランプ、そして復活と、とてもドラマティックに描かれた名作。

県大会ベスト8止まりの朝霧高校野球部にやってきた新監督の喜多条は、チームのエースとして甲子園優勝を経験しており、大学卒業後に甲子園常連校の監督を務めたが、試合中に部員を殴り退職処分となっていた。喜多条は「楽しく野球をやっている彼らに僕は必要ないでしょう」と言い放つが、「彼らに努力の先にある、もうひとつ上の世界を教えてやってほしい」と校長に頼まれる。喜多条は「目指せ!甲子園……なんちゃって」といっている野球部員たちに対して「今までみたいな楽しい野球じゃなくなるぞ?」「チームがバラバラになるかもしれない、それだけの覚悟があるか?」と尋ね、監督を引き受けた。

おおきく振りかぶって

出典: www.dmm.com

作者:ひぐちアサ
掲載誌:アフタヌーン

公立高校の新設硬式野球部を舞台に、新入生ばかり10人の無名の野球部が甲子園を目指すという王道を受け継ぐ筋書きながら、斬新な表現方法により「全く新しいタイプの野球漫画」「描き尽くされたと思われていた野球漫画に新風を吹き込んだ」と評価される。

徹底的にリアル路線にこだわり、野球漫画にありがちな化物じみた選手が登場することもなければ、特定の選手のとび抜けた技能だけで勝ち進んだり、非現実的なプレーやご都合主義的な奇跡などといった描写もない。選手一人ひとりの役割、心理状態を手抜かり無くしっかりと描き、野球が持つチームプレーとしての面白さを表現できている数少ない作品。

試合描写は一球ごとの細かな読み合いによる心理戦が展開され、主要な試合では途中のイニングを飛ばさず、ほぼすべての打席の結果が分かるのも特徴。その他、父母会や家庭、応援団など、高校のクラブ活動としての日常描写も多く、単行本のおまけにはルール解説や実際に高校野球に関する取材をしなければ分からないだろうエピソードなども含まれており、高校野球に関心の薄かった層にも取り付きやすく、年齢性別を問わない広い層に人気がある。

高校球児ザワさん

出典: www.amazon.co.jp

作者:三島衛里子
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ

2011年第2回サムライジャパン野球文学賞大賞受賞作品。西東京にある野球強豪校の日践学院高校硬式野球部を舞台に、唯一の女子選手である主人公・都澤理紗の高校生や野球部員としての日常を、短いページ数の1話完結形式で描く。主要人物や描かれる内容は野球部やその関係者がメインで試合中の描写もあるが、各話は独立したエピソードで構成され、全体を通してのストーリーは無い。エキサイトニュースで「フェチすぎる野球マンガ」と紹介されたことを契機に、単行本の帯などでも同様のフレーズがキャッチコピーとして使われている。

GRAND SLAM(グランドスラム)

出典: www.amazon.co.jp

作者:河野慶
掲載誌:ヤングジャンプ

野球への憧れを胸に高校へと入学した野球素人の弱気な少年孤独な拳法少年、世界一心が憧れ続けた野球部の門戸を叩くが、初心者の一心は入部テストを課されられ、いきなり窮地に追い詰められる。だが、拳法で身につけた「秘めた力」で見事クリアして野球部への入部を果たし、チームメイトと甲子園出場を目指す。

この作品のコンセプトは「実際のプレーに使える野球漫画」で、戦術や選手のメンタルに焦点をあてている作品の多い中、この作品は"身体操作"に焦点をあてている。野球の技術はもちろん、すべてのスポーツにあてはまる根本的な身体の動かし方を「誰でも習得できる技術」として解説し、作中の野球部員達もそれを実践して成長していく。スポーツをやっている人はもちろん、普段あまり身体を動かさない人も、これを読むと身体を動かして試してみたくなってしまうから不思議。

ダイヤのA

出典: www.amazon.co.jp

作者:寺嶋裕二
掲載誌:週刊少年マガジン

発行部数が1200万部を突破した、現在も連載中の大人気野球漫画。人数ぎりぎりの弱小チームが成長して強豪を打ち破っていく野球漫画が多い中で、本作は強豪校への野球留学を肯定的に描き、選手層の厚い野球部の中でチームメイトと切磋琢磨してレギュラーを目指す主人公を描くことで、他作品との差別化と現実的な高校野球像を描くことに成功している。

また、第53回小学館漫画賞少年向け部門と第34回講談社漫画賞少年部門でそれぞれ受賞しており、講談社の週刊少年マガジン連載作品が小学館の漫画賞を受賞するのは本作が初めて。野球漫画好きなら、とりあえず抑えておきたい作品。

砂の栄冠

出典: www.amazon.co.jp

作者:三田紀房
掲載誌:週刊ヤングマガジン

学校創立100周年を迎えた年の夏、樫野高校野球部は夏の県大会決勝まで勝ち進むも逆転負けを許し、あと一歩で甲子園出場を逃してしまった。それにより樫野野球部は特別支援が打ち切られ並のチームに戻ってしまったが、樫野野球部のファンである老人のトクさんは新チームのキャプテンとなった七嶋裕之に1000万円を託し、再び甲子園出場を目指すこととなる。

高校野球と金がテーマになっており、一般的な野球漫画と比べてブラックな要素が散見される。 また、高校野球を単なる学生スポーツとしてでなく「興業」でもあることを強調しているほか、野球部員たちは常に全力疾走を心がけ、挨拶も「したぁ」や「ちわっ」ではなく「ありがとうございました」や「こんにちは」と言うようにするなど、"さわやかな高校球児"を演じて高校野球ファンに愛されることにより、試合を有利に進めようとする様なども描かれている。

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