ダイヤのA(エース)のネタバレ解説・考察まとめ
『ダイヤのA(エース)』は、高校野球を題材にした、寺嶋裕二によるスポーツ漫画である。『週刊少年マガジン』にて2006年第24号から2015年第7号まで第1部が連載され、同年第38号から第2部『ダイヤのA actII』(ダイヤのエース アクトツー)が連載されている。投手としての才能を見出されて野球の名門校に入学した主人公・沢村栄純が、チームメイトとともに甲子園を目指しながら成長する姿を描く。各社の漫画賞を受賞し、累計発行部数4000万部を突破した人気作である。
「アウト1つ取れねぇで何が先発だ…何がエースだ…ちくしょう…俺は弱い」
イップスが発覚した直後の沢村の心の声である。夏の大会決勝でデッドボールを出したことがトラウマになり、沢村はイップスに陥ってしまった。インコースに投げることがまったくできなくなった沢村は別メニューでの練習を言い渡される。だが、何も言うことなくその状況を受け入れ、「アウト1つ取れねぇで何が先発だ…何がエースだ…ちくしょう…俺は弱い」との想いを胸に、前を向いて走り続けるのであった。
「負けられねぇんだよ。敵にも味方にも」
対成孔学園戦にてマウンドに上がった沢村の心の声である。秋大決勝の成孔学園戦の最中、降谷が右足を負傷する。エースとしての自覚を胸に投げ抜こうとした降谷だが、とうとう降板を余儀なくされた。後を引き継いで登板した沢村は強い心を持って好投し、バッターを三振に打ち取った。このときの「負けられねぇんだよ。敵にも味方にも」という沢村の思いには、相手を打ち倒すという決意ともに、降谷に負けていられないという強いライバル心が映し出されている。
「そのエースナンバー絶対奪い取ってやる」
秋大優勝を決めた直後に沢村が降谷に放った言葉である。秋大決勝の対薬師高校戦、青道高校は苦闘の末に見事勝利を飾る。試合会場を撤収していた沢村は、降谷の背中のエースナンバーをじっと見つめていた。そして沢村は、この学校に来てよかったという以前の降谷の言葉に対して「(自分も)心の底からそう思うわ」と告げ、そのうえで「そのエースナンバー絶対奪い取ってやる」と宣言したのである。最大のライバルである降谷に対して堂々と宣言したこの言葉には、より高みを目指そうとする沢村の強い覚悟が込められている。
降谷暁の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「もう…誰にもマウンドを譲らない」「僕が…このチームのエースになる」
夏の大会での敗戦直後の降谷の言葉である。決勝戦の途中で降板を言い渡された降谷は、試合が終わる瞬間をベンチから見ているしかなかったことに言いようもない悔しさを覚えていた。その思いを胸にオフの日も走り続けていた降谷は、行き会った沢村に「もう…誰にもマウンドを譲らない」「僕が…このチームのエースになる」と宣言した。静かながらも強く放たれたこの言葉には、マウンドに執着し、自らがチームを支えていくという降谷の決意がはっきりと示されている。
御幸一也の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「よろしく頼むぜ!相棒」
沢村と初めてバッテリーを組んだときの御幸の言葉である。高校入学前に青道高校を見学に来た沢村は、投手としてマウンドに立ち、3年レギュラーの東と一騎打ちをすることになる。捕手を引き受けた御幸に対して沢村は「アンタは関係ねーだろ!これは俺とオッサン(東)の勝負なんだよ!」と言い張っていた。それを聞いた御幸は「一人で野球やるつもりか?」と尋ね、「最高のピッチングってやつは投手と捕手が一体になって作り上げる作品だ」との持論を話す。「俺がお前の力を最大限まで引き出してやる」「だからお前は俺のミットを信じて最高のボールを投げろ」「たったそれだけで俺達はパートナーになれる!」自信満々にそう告げた御幸は最後に沢村に向かって、「よろしく頼むぜ!相棒」と言った。それを聞いた沢村はピッチングの固さがとれ最高のボールで東を打ち取った。この経験がきっかけとなり、沢村は青道への進学を決意する。また、「パートナー」「相棒」「作品」といった御幸の言葉はこの後にも沢村の心に残り続けることとなったのであった。
「こんなスゲェメンツが集まるチームなんだろ?だったら余計に戦ってみたくなる」
成宮から同じ高校へ行こうとの誘いを受けたときの御幸の返答である。高校入学前、成宮はともに稲実で最強のチームを作るためのメンバーを集めていた。御幸もまた声をかけられていたが、「こんなスゲェメンツが集まるチームなんだろ?だったら余計に戦ってみたくなる」と言い、独り青道への進学を決めた。そして2年後、御幸と成宮はライバル校の選手として夏の大会決勝で戦うこととなるのである。
「あの舞台に立った者しかわからないその先の世界をあいつらに見せてやりたい-」
成孔戦でホームランを打った御幸の心の声である。秋大準決勝の成孔学園との試合は延長10回に突入し、最後の攻防が繰り広げられていた。夏の敗戦を乗り越えてそれぞれに成長を遂げた沢村、降谷、川上の投球を目にした御幸は、勝つことでその努力に報いたいと願う。「あの舞台に立った者しかわからないその先の世界をあいつらに見せてやりたい-」との想いで放った一打がサヨナラホームランとなり、青道は勝利を決めたのであった。
倉持洋一の名言・名セリフ/名シーン・名場面
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目次 - Contents
- 『ダイヤのA』の概要
- 『ダイヤのA』のあらすじ・ストーリー
- 沢村の青道高校入学からレギュラー入りまで
- 沢村1年・夏の大会
- 新チーム始動
- 秋の大会
- 新生野球部の始動
- 沢村2年・夏の大会
- 『ダイヤのA』の登場人物・キャラクター
- 青道高校(せいどうこうこう)
- 沢村 栄純(さわむら えいじゅん)
- 降谷 暁(ふるや さとる)
- 小湊 春市(こみなと はるいち)
- 御幸 一也(みゆき かずや)
- 金丸 信二 (かねまる しんじ)
- 東条 秀明 (とうじょう ひであき)
- 高津 広臣(たかつ ひろおみ)
- 狩場 航(かりば わたる)
- 金田 忠大(かねだ ただひろ)
- 倉持 洋一(くらもち よういち)
- 川上 憲史(かわかみ のりふみ)
- 前園 健太(まえぞの けんた)
- 白州 健二郎(しらす けんじろう)
- 樋笠 昭二(ひがさ しょうじ)
- 麻生 尊(あそう たける)
- 関 直道(せき なおみち)
- 中田 中(なかた あたる)
- 小野 弘(おの ひろし)
- 木島 澪(きじま れい)
- 山口 健(やまぐち けん)
- 川島 謙吾(かわしま けんご)
- 三村 諒太(みむら りょうた)
- 渡辺 久志(わたなべ ひさし)
- 結城 哲也(ゆうき てつや)
- 伊佐敷 純(いさしき じゅん)
- 増子 透(ますこ とおる)
- 小湊 亮介(こみなと りょうすけ)
- 丹波 光一郎(たんば こういちろう)
- 滝川・クリス・優(たきがわ・クリス・ゆう)
- 宮内 啓介(みやうち けいすけ)
- 坂井 一郎(さかい いちろう)
- 門田 将明(かどた まさあき)
- 楠木 文哉(くすのき ふみや)
- 田中 晋(たなか しん)
- 遠藤 直樹(えんどう なおき)
- 山崎 邦夫(やまざき くにお)
- 奥村 光舟(おくむら こうしゅう)
- 由井 薫(ゆい かおる)
- 結城 将司(ゆうき まさし)
- 瀬戸 拓馬(せと たくま)
- 浅田 浩文(あさだ ひろふみ)
- 九鬼 洋平(くき ようへい)
- 最上 武(もがみ たけし)
- 加賀美 貢太(かがみ こうた)
- 片岡 鉄心(かたおか てっしん)
- 太田 一義(おおた かずよし)
- 高島 礼(たかしま れい)
- 落合 博光(おちあい ひろみつ)
- 森 昌平(もり しょうへい)
- 林 慎一(はやし しんいち)
- 吉川 春乃(よしかわ はるの)
- 藤原 貴子(ふじわら たかこ)
- 梅本 幸子(うめもと さちこ)
- 夏川 唯(なつかわ ゆい)
- 小田 茜(おだ あかね)
- 黒木 杏奈 (くろき あんな)
- 市大三高(いちだいさんこう)/市川大学第三高等学校
- 田原 利彦(たはら としひこ)
- 天久 光聖(あまひさ こうせい)
- 星田 守(ほしだ まもる)
- 真中 要(まなか かなめ)
- 大前 隆広(おおまえ たかひろ)
- 稲城実業(いなしろじつぎょう)
- 国友 広重(くにとも ひろしげ)
- 林田 正義(はやしだ まさよし)
- 成宮 鳴(なるみや めい)
- 神谷・カルロス・俊樹(かみや・カルロス・としき)
- 白河 勝之(しらかわ かつゆき)
- 福井 健斗(ふくい けんと)
- 山岡 陸(やまおか りく)
- 矢部 浩二(やべ こうじ)
- 多田野 樹(ただの いつき)
- 赤松 晋二(あかまつ しんじ)
- 原田 雅功(はらだ まさとし)
- 井口 雄大(いぐち ゆうだい)
- 明川学園(あきかわがくえん)
- 尾形 一成(おがた かずなり)
- 楊 舜臣(よう しゅんしん / ヤン シュンチェン)
- 薬師高校(やくしこうこう)
- 轟 雷蔵(とどろき らいぞう)
- 轟 雷市(とどろき らいち)
- 真田 俊平(さなだ しゅんぺい)
- 三島 優太(みしま ゆうた)
- 秋葉 一真(あきば かずま)
- 友部 先人(ともべ さきと)
- 仙泉学園(せんせんがくえん)
- 鵜飼 一良(うがい かずよし)
- 真木 洋介(まき ようすけ)
- 桜沢高校(さくらざわこうこう)
- 菊川 早苗(きくかわ さなえ)
- 長緒 アキラ(ながお あきら)
- 成孔学園(せいこうがくえん)
- 熊切 仁(くまきり じん)
- 枡 伸一郎(ます しんいちろう)
- 小川 常松(おがわ つねまつ)
- 長田 翔平(ながた しょうへい)
- 黒士館高校(こくしかんこうこう)
- 財前 直行(ざいぜん なおゆき)
- 帝東高校(ていとうこうこう)
- 岡本 一八(おかもと いっぱち)
- 向井 太陽(むかい たいよう)
- 乾 憲剛 (いぬい けんご)
- 鵜久森高校(うくもりこうこう)
- 梅宮 聖一(うめみや せいいち)
- 松原 南朋(まつばら なお)
- 王谷高校(おうやこうこう)
- 荒木 伊知郎(あらき いちろう)
- 若林 豪(わかばやし ごう)
- 春日 貴浩(かすが たかひろ)
- 山里 洋平(やまざと ようへい)
- 大阪桐生高校(おおさかきりゅうこうこう)
- 松本 隆広(まつもと たかひろ)
- 館 広美(たち ひろみ)
- 巨摩大藤巻高校(こまだいふじまきこうこう)
- 新田 幸造(にった こうぞう)
- 本郷 正宗(ほんごう まさむね)
- 円城 蓮司(えんじょう れんじ)
- 白龍高校(はくりゅうこうこう)
- 佐々木 小太郎(ささき こたろう)
- 美馬 総一郎(みま そういちろう)
- その他の人物
- 蒼月 若菜(あおつき わかな)
- 沢村 栄徳(さわむら えいとく)
- 東 清国(あずま きよくに)
- J・アニマル・M
- 峰 富士夫(みね ふじお)
- 大和田 秋子(おおわだ あきこ)
- 榊 英二郎(さかき えいじろう)
- 『ダイヤのA』の用語
- ナンバーズ
- スライ
- 奥スミ
- 『ダイヤのA』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 沢村栄純の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「エースになるためにここに来てるんだ!その気持ちだけは誰にも負けるつもりねーっスから!」
- 「じ…自分以外の誰かが…マウンドに立ってる姿なんて見たくねーっス…」
- 「俺だ…エースには俺がなる!エースの中のエース!!キングオブエースに!!」
- 「アウト1つ取れねぇで何が先発だ…何がエースだ…ちくしょう…俺は弱い」
- 「負けられねぇんだよ。敵にも味方にも」
- 「そのエースナンバー絶対奪い取ってやる」
- 降谷暁の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「もう…誰にもマウンドを譲らない」「僕が…このチームのエースになる」
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- 「そこまで意地貫くなら最後まで貫け。勝ってから倒れろ」
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- 「気持ち…ぶつけ合う これが勝負 何度でも 何度でも 何度でも ぶつけ合いたい―」
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- 「これからが俺らの時代。そう思たらワクワクしてる自分もおるんや」
- 結城哲也の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺達はだれだ…?」(王者青道!)「誰よりも汗を流したのは」(青道!)「誰よりも涙を流したのは」(青道!)「誰よりも野球を愛しているのは」(青道!)「戦う準備はできているか?」(おぉ~!)「我が校の誇りを胸に狙うのはただ一つ全国制覇のみ!!行くぞ!!」(おおおおおおお~!!!)
- 「さあ並ぼう…みんな立て…ちゃんと整列しよう…」
- 「主将が迷うとチームが揺らぐぞ」
- 伊佐敷純の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「フン 甲子園に何があるか? 知りたきゃテメェの目で確かめてこい バカヤロォ」
- 片岡鉄心の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「これからもずっと…俺の誇りであってくれ」
- 「敵は己の中にあり!本来の力を出し切ることが勝利への近道と知れ」
- 『ダイヤのA』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 登場人物の名前がさまざまな実在の人物に由来
- 青道高校
- 市大三高
- 稲城実業
- 黒士館高校
- 大阪桐生高校
- 帝東高校
- 王谷高校
- 月刊『野球王国』記者
- 作中の高校にモデルが存在
- 青道高校
- 稲城実業
- 薬師高校
- 市大三高
- 原点となった作品は『橋の下のバットマン』
- 『ダイヤのA』の主題歌・挿入歌
- 『ダイヤのA』(1期)
- OP(オープニング):Tom-H@ck featuring 大石昌良「Go EXCEED!!」(第1話 - 第25話)
- OP(オープニング):Tom-H@ck featuring 大石昌良「Perfect HERO」(第26話 - 第51話)
- OP(オープニング):GLAY「疾走れ!ミライ」(第52話 - 第75話)
- ED(エンディング):日笠陽子「Seek Diamonds」(第1話 - 第13話)
- ED(エンディング):三森すずこ「グローリー!」(第14話 - 第25話)
- ED(エンディング):D応P(ダイヤのA応援プロジェクト)「未来へつなげ」(第26話 - 第37話)
- ED(エンディング):青道高校野球部「CLOUD NINE」(第38話 - 第51話)
- ED(エンディング):青道高校野球部「ROMISED FIELD」(第52話 - 第63話)
- ED(エンディング):青道高校野球部「FINAL VICTORY」(第64話 - 第75話)
- 『ダイヤのA-SECOND SEASON-』(2期)
- OP(オープニング):GLAY 「HEROES」(第4話 - 第26話)
- OP(オープニング):GLAY「空が青空であるために」(第27話 - 第51話)
- ED(エンディング):OxT「KIMERO!!」(第4話 - 第13話)
- ED(エンディング):青道高校野球部「BLUE WINDING ROAD」(第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):OxT「BLOOM OF YOUTH」(第27話 - 第39話)
- ED(エンディング):沢村栄純(逢坂良太)with オーイシマサヨシ「BRAND NEW BLUE」(第40話 - 第50話)
- 『ダイヤのA actII』(3期)
- OP(オープニング):GLAY「はじまりのうた」(第1話 - 第29話)
- OP(オープニング):GLAY「流星のHOWL」(第30話 - 第52話)
- ED(エンディング):OxT「ゴールデンアフタースクール」(第1話 - 第13話)
- ED(エンディング):内田真礼「鼓動エスカレーション」(第14話 - 第29話)
- ED(エンディング):三森すずこ「チャンス!」(第30話 - 第39話)
- ED(エンディング):OxT「Everlasting Dream」(第40話 - 第44話、第46話 - 第52話)