エリアの騎士(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『エリアの騎士』とは、原作:伊賀大晃、作画:月山可也による漫画およびそれを原作としたアニメ作品である。2006年から2017年まで『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載され、2012年にはアニメ化もされた。主人公・逢沢駆は、才能ある兄・傑の突然の死をきっかけに、新たな覚悟を持って成長していく。リアルな試合描写や心理描写、仲間との絆が魅力の青春スポーツ作品である。中学生編、高校サッカー編、五輪招致編を経てのJリーグ編と、駆の成長とともに、全国大会や世界への挑戦が描かれていく。

目次 - Contents

『エリアの騎士』の概要

『エリアの騎士』とは、伊賀大晃が原作、月山可也が作画を担当したスポーツ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。2006年から2017年にかけて『週刊少年マガジン』(講談社)に連載され、全57巻のコミックスが刊行されている。2012年1月7日から9月29日までは、テレビ朝日系列で全37話のテレビアニメが放送された。
本作はJリーグや海外で活躍するプロのサッカー選手も愛読書として挙げていることが多く、ゲームのルールやテクニックの説明も入ることから、サッカー経験者だけでなく初心者にも状況がわかりやすいものとなっている。韓国や中国ではコミックスが翻訳されて刊行され、国内外で広く親しまれている。

本編の他に、外伝『エリアの騎士 外伝 江ノ高アーリーデイズ』も2014年9月17日に発売されている。この外伝では、駆の恩師である岩城鉄平(いわき てっぺい)を主人公に、江ノ高FCのルーツが描かれ、江ノ島高校サッカー部をまとめ上げ、全国高校サッカー選手権で優勝へ導いた監督が、プロサッカー選手としての夢を追う姿が描かれる。江ノ高時代の秘められた過去が明かされ、ファンであれば絶対に読んでおきたいエピソードとなっている。
また、番外編やおまけのギャグ漫画「4コマ」も存在し、番外編は『週刊少年マガジン』や『月刊少年ライバル』で連載され、「4コマ」は単行本巻末や『マガジンSPECIAL』に収められている。
さらに、2010年から2011年にかけて、ソーシャルゲームが配信され、ファンからの支持を集めた。このゲームは本作を元にインタラクティブブレインズが開発し、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するモバゲータウンで2010年6月29日からサービスを開始した。

物語は、サッカーの才能を持ちながらも自信が持てない主人公の逢沢駆(あいざわ かける)が、兄の逢沢傑(あいざわ すぐる)の死をきっかけに覚悟を決め、成長していく姿を描いている。兄の心臓を受け継いだ駆は、兄の夢を叶えるため、世界を目指して仲間と共に試練に立ち向かう。作品の特徴は、リアルな試合描写や戦術表現の精緻さであり、駆の成長を軸に、ライバルや仲間との熱いドラマが繰り広げられる。青春と挑戦の物語が感動的に描かれ、スポーツ漫画の王道を貫きつつ、「試合中に亡くなった兄の精神が表面化する」という漫画らしいファンタジー要素も含んだ独自のテーマ性を持った作品として仕上がっている。
主人公の駆と、サッカーを通じて彼を取り巻く仲間や、ヒロインである美島奈々(みしま なな)、そして彼のサッカー人生に大きな影響を及ぼす亡くなった兄とのかかわりを描く本作は、メインとなる駆達の成長物語が楽しみなのはもちろん、対戦する他高やチームのメンバーやサイドストーリーも魅力的なものとなっている。イントロダクションとしての中学生編(単行本1巻~3巻)、高校サッカー編(単行本3巻~34巻)、五輪招致編(単行本35巻~38巻)を経てJリーグ編(単行本38巻~)と物語が進むにつれて舞台が大きくなり、世界の強豪リーグのユースに所属するライバルも登場するようになる。また、男子サッカー(サムライブルー)だけでなく、奈々が所属する女子サッカー(なでしこジャパン)の話も多分に盛り込まれていることから、男女それぞれのサッカーを取り巻くドラマを堪能できることも話題となり、ファンの間ではさらなる続編にも期待が寄せられている。

本作タイトルでもある「エリアの騎士」とは、勇猛果敢にペナルティエリアへと侵入しその中でパスを受け、決定的な仕事が出来るストライカーのことを意味し、攻撃的ミッドフィールダー(司令塔)がチームの指揮を執ってピッチ上に君臨することを「王様」と称するのに対し、チャンスを確実にゴールへと結びつけることが出来るフォワードを「騎士」と呼んでいる。

『エリアの騎士』のあらすじ・ストーリー

兄の影とサッカーへの葛藤

物語は、鎌倉学館中学サッカー部に所属する逢沢駆(あいざわ かける)の中学時代から始まる。彼は幼いころ、兄の逢沢傑(あいざわ すぐる)とともにサッカーに情熱を注いでいた。しかし、兄の傑が「ピッチの王様」「天才」と称され、U-15日本代表に選ばれるほどの実力を持っていたことにコンプレックスを抱いてしまった上、過去の左足の負傷がトラウマとなってうまく足が使えなくなったことなどで駆は次第に自信を失っていった。やがて彼は、プレイヤーではなくマネージャーとしてサッカーに関わる道を選ぶ。
それでもサッカーへの想いを断ち切ることができず、夜な夜な公園でひとり練習を続ける駆。そんな駆を、同サッカー部主将でもある兄・傑(U-15日本代表MF)は紅白戦に抜擢する。
傑から本気のパスを受けながら、必死に食らいつく駆はこの紅白戦でサッカー部員たちを見返す動きを見せるが、傑は「駆が左足をうまく使えないのは、決定的にハートの強さが足りないから」と指摘する。
傑のその言葉で、共にサッカーを愛する兄弟の仲はギクシャクしたものになってしまう。しかし駆は自分の行動を見直し、傑と2人での登校中に「サッカー部をやめると」いう自身の決意を打ち明けた。傑は将来本気でサッカー選手になりたいと思っているという自身の夢を語り、2人は再び心を通じ合わせる。
そして傑は「王様には騎士が必要」として、駆にその騎士になってほしいと伝えようとする。しかし、その瞬間、無情にもトラックが2人の乗る自転車に突っ込んできた。

兄からのラストパス

その事故で傑は頭部を強く打って脳死状態に陥ってしまい、駆は鉄パイプが心臓を貫くという大怪我を負うが一命を取り留める。
事故の後、病院のベッドで目を覚ました駆。兄の死を知ったことで取り乱し、彼は周囲の人々に当たり散らすが、さらに衝撃的な事実を知らされる。駆は、脳死状態となった傑の心臓を移植されて生き延びていたのだ。
過酷な運命に苦しみながらも、事故の前に兄弟で語り合った夢を思い出した駆は、兄の意思を継ぎ、もう一度サッカーと向き合う決意を固める。とはいったものの一度もベンチに入ることなく迎えてしまった中学最後の公式戦で、優勝候補を相手に試合は劣勢になってしまう。兄のライバルからも挑発を受けた駆は、監督に猛烈アピールをし、ついに中学生活最後の試合のピッチに立つ。
その後は幼馴染であり、なでしこジャパンに召集されるほどの実力を持つ女子サッカー選手でもある美島奈々(みしま なな)に支えられながら、駆は江ノ島高校に進学。兄の遺した日記を頼りに、パスの天才と呼ばれる荒木竜一(あらき りゅういち)がいる江ノ島高校サッカー部への入部を決めて足を運ぶ。
しかし、江ノ島高校には学校公認の「江ノ島SC(サッカークラブ)」と、非公認の「江ノ島FC(フットボールクラブ)」の2つのサッカー部が存在しており、両クラブ間で公式大会の出場権を争っていた。その事実を知らずにいた駆は誤ってFCに入部してしまう。さらに、荒木は写真とは別人のように太った姿で現れ、サッカーから離れているという衝撃の事実を知る。
次々と起こるトラブルに困惑する駆だが、諦めずに荒木を説得してダイエットを促し、無事に痩せた彼と共に駆の波乱の高校生活は幕を開けるのであった。

江ノ島高校サッカー部の誕生

駆はFCの監督である岩城鉄平(いわき てっぺい)や仲間たちと共に、公式戦出場を懸けてSCと対決。駆の奮闘と荒木の活躍によって試合は同点に終わったが、この試合を通じ、互いの健闘と実力を認め合ったことで江ノ島FCとSCは統合され「江ノ島高校サッカー部」として再出発することになる。こうして新たなスタートを切った彼らは、2チームの融合と強気の変則フォーメーションを武器に「高校総体 神奈川県予選」に挑み、辻堂学園、湘南大付属高校、葉蔭学院といった強豪各校と熱戦を繰り広げていくことになる。
準々決勝に進出した江ノ島FCの相手は、かつて駆がプレー中に大怪我を負わせてしまった日比野(ひびの)が所属する湘南大付属高校。過去のトラウマから消極的なプレーに陥る駆だったが、後半に入り克服し、彼の代名詞ともなる「Φ(ファイ)トリック」を披露。見事勝利を収める。
続く準決勝では、神奈川最強のDF、飛鳥亨(あすか とおる)率いる葉陰学院と対戦。善戦するも1-3と窮地に立たされる。そんななか、駆のプレーが突如として傑のようなものへと変化し、3-3の同点へと持ち込む。しかし、最後のシュートで駆の意思とは異なる動きを見せ、意識を失ってしまう。
病院で目を覚ました駆は、試合がPK戦の末に敗退したことを知らされる。こうして彼の高校初めての大会は幕を下ろした。

かつて、傑の墓参りに訪れた駆は、「ブラジルの至宝」と評されるレオナルド・シルバと出会っていた。気まぐれで駆のプレーを観戦することになったレオナルドは、彼のプレーの中に傑の面影を見たことで興味を持ち、欧州のクラブなど多数のオファーを受けながらも、日本の東京蹴球学園への留学を決めていたのだ。そんなレオナルドからの誘いを受けた駆たちは高校総体の見学に向かう。
東京ではレオナルドの通う新設高校の東京蹴球学園が、圧倒的なゲーム展開で日本の高校サッカーを席巻していた。
東京蹴球学園が勢いそのままに高校総体(インターハイ)決勝まで勝ち上がると、そこには今は亡き逢沢傑を輩出し、伝統校の誇りに燃える鎌倉学館高等部が立ちはだかっていた。

全国大会へ、そして新たなる道へ

高校総体の予選敗退後も、練習や学業の他、駆や荒木、奈々らの代表招集、高校総体決勝戦の観戦など話題の尽きない江ノ島高校サッカー部だが、季節は過ぎて秋が深まり始めると、再び全国大会出場に向けて舵を切り始めた。
日本代表招集によってエースの荒木を欠きながらも勝ち抜いてきた江ノ島高校の前には、湘南大付属高校を破った相模ヶ浦高校、高校総体予選で激突した葉蔭学院、そして県内屈指の強豪・鎌倉学館が立ちはだかる。
県予選準決勝敗退の悔しさをバネに、江ノ島高校サッカー部は冬の選手権に挑む。駆は「Φトリック・エボリューション」を習得し、全国総体準優勝の鎌倉学館を撃破し、全国大会へと駒を進める。
全国大会決勝では、かつて傑のライバルだったレオナルド・シルバ率いる蹴球学園と激突。試合開始早々、プロ予備軍とも称される蹴学の圧倒的な強さを前に、0-2と劣勢に立たされる。しかし、その時、駆は「最後のレッスン」として、自らのプレーを実地で教え導く傑の声を聞く。
傑の意思は駆の身体を使い、蹴球学園へと挑む。レオナルドとの激闘の末、傑は最後のゴールを決め、彼の魂は完全に駆の中から消えていった。このレッスンを経た後半、駆は「騎士」としての自覚を強め、エリアの騎士として覚醒。自らの力で延長戦の決勝ゴールを決め、江ノ島高校を選手権優勝へと導いた。

プロへの挑戦

激闘の末、王者東京蹴球学園を降して、全国高校サッカー選手権を制した江ノ島高校サッカー部だが、その興奮も冷めやらぬ間に、U-22日本代表合宿に参加することになった駆と荒木。
そこは、死闘を繰り広げたライバルたちや国内外で活躍するプロ選手が一堂に会し、日本代表の狭き門を争う場所だった。
五輪予選代表の座を勝ち取った駆と荒木だが、迎えた親善試合では、韓国や王者・ブラジルが猛威を振るい「世界のサッカー」を目の当たりにすることになる。
高校卒業後、親善試合後に受けたインタビューがきっかけとなり、駆は「湘南ブルーインパルス」と特別指定選手契約を結んだことでプロの世界へと足を踏み入れる。しかし、加入したチームは主力が抜け、3部降格も噂される順位で、選手も練習後に酒盛りを始めるなど、いわば「どん底」の状態だった。プロの厳しさに揉まれ、必死に食らいついていくので精一杯の駆だが、彼の直向きなプレーに感化されたチームは徐々に改善の兆しを見せ始める。
そうして迎えたリーグ開幕。結果が残せなければチームを去ることになってしまう駆は、FWの仕事を果たすことに焦りを覚える。チームはしばらく勝利に恵まれなかったが、駆が初ゴールを決めたのを皮切りに徐々に軌道に乗っていく。そんな最中、チームの司令塔ロペスが退団することになり、新戦力として四季遥(しき はるか)が加入する。
新戦力の四季はデビュー戦でアシストを記録するなど、早くも実力の片鱗を見せつけるが、彼は左目がほとんど見えないというハンデを隠していた。こうした事情から守備をほとんどしない四季に対し、チーム内では次第に不満が高まり始める。
駆とチームメイトの幕張 健吾(まくはり けんご)が五輪2次予選の為戦列を離れていた間、インパルスは守備が乱れてしまい、絶不調に陥る。
そんな最中、秘密にしていた左目のことがチーム全体にバレてしまった四季は脱退を申し出るが、駆の説得もあってサッカーに対する気持ちを新たにする。そして、すべてを知ったことで四季を温かく迎え入れた仲間たちとの間には最早軋轢は存在せず、チームは勢いを取り戻していった。
チームが軌道に乗り始めた中、シュートが思うように決まらず、駆は思い悩んでいた。その原因を把握している四季は、駆に眠るストライカーとしての才能を引き出そうと試みる。
四季のアドバイスによって新たな武器「ホイップシュート」を身に着けた駆の活躍もあり、2部リーグでも下位争いをしていたチームは一丸となって試合に臨み、苦しみながらも上位チームを打ち倒す快進撃を続け、最後は王者チームである東京キングダムを下して悲願のリーグ優勝を果たす。

五輪代表にも選出された駆は、ワールドカップを賭けた試合で強豪ドイツ代表との試合で現世代最強のカール・フォン・ゼッケンドルフと対決。兄と同じくエースナンバー10を背負った彼は、兄との夢を叶えるため、世界の頂点に挑むのだった。

『エリアの騎士』の登場人物・キャラクター

江ノ島高校

逢沢 駆(あいざわ かける)

CV:三瓶 由布子、金田 朋子(幼少期)

本作の主人公。江ノ島高校の2年生で、ポジションはフォワード。背番号は「14」、後にU-22日本代表(背番号19)に選出され、湘南ブルーインパルスの特別指定選手となる。才能はあるが、常に練習と研究を欠かさない「努力の天才」型の選手。純情で、鈍感な面もある。心臓移植の影響か、ピッチで窮地に陥った時には兄の傑の精神が現れることがあり、意識はそのままで、身体だけ乗っ取られるような状況になる。
幼い頃は兄の逢沢傑と共にサッカーに打ち込んでいたが、小学6年時に親友・日比野を負傷させたことでスランプに陥る。こうした精神面の弱さと、将来を嘱望されている傑へのコンプレックスから選手を離れていたが、傑からはいつも選手への復帰を願われていた。
鎌倉学館中等部ではサッカー部のマネージャーを務めていたが、傑と心を通わせることでサッカーへの気持ちを新たにした矢先、傑と共に交通事故に遭ってしまう。重体に陥った駆は脳死に陥った傑の心臓を移植されて一命をとりとめ、彼の魂とともに選手に復帰することを決意し、プレーヤーとしての復帰を果たす。
高校では荒木竜一を追い、奈々と共に江ノ島高校へ進学。全国大会で活躍し、U-16日本代表の候補に選ばれるが落選。しかし、その後の成長で全国高校サッカー選手権での活躍が認められ、五輪のU-22日本代表入りを掴む。全国選手権では大会最多9ゴールを挙げ、得点王に輝く。選手権後はJリーグ2部の湘南ブルーインパルスに特別指定選手として加入し、プロとしての道を歩み始める。
「ラン・ウィズ・ザ・ボール」で時折兄が乗り移ったかのようなプレーも見せつつ、自身で習得した、ボールが消えるかのようなフェイントである「Φ(ファイ)トリック」などを駆使し、純血種(サラブレッド)ストライカーの異名をとって活躍。左足のシュート精度向上にも努め、ホイップ・シュートを習得する。最終話では日本代表のエースストライカーとしてW杯準決勝のブラジル戦で決勝点を挙げる。
奈々とは幼少期から両想いで、将来共に日本代表のユニフォームを着ることを約束している。物語の終盤で駆が告白したことで結ばれた。

美島 奈々(みしま なな)

CV:伊藤 静

本作のヒロインであり、駆の同級生。江ノ島高校サッカー部のマネージャーであり、ポジションはミッドフィールダー。女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)の一員で、背番号は「7」。幼なじみの駆や仲間から「セブン」と呼ばれている。
アメリカ生まれで、幼少期を現地で過ごす。小学生の時に一度日本へ戻り、逢沢兄弟や日比野と同じクラブでプレーしていたが、親の転勤で再び渡米。その後、現地でデビューし「リトル・ウイッチィ(小さな魔女)」と呼ばれるまでの活躍をするが、プレッシャーと二重国籍の問題に悩み、日本へ帰国。傑の頼みで正体を隠しながら駆の練習相手を務める。
15歳で女子日本代表に選出され、すぐに結果を出す。新世代スポーツアイドルとして注目を浴びながら、代表の中心選手として活躍する傍ら、豊富な知識を生かして試合の解説をやる場面も。
全国高校サッカー選手権大会後は東京キューティーズに入団し、江ノ島高校サッカー部のマネージャーを辞任する。
「ウィッチィ・ターン」 や「ウィッチィ・フィード」を武器に、天才的な技術と戦術眼を持つファンタジスタ。フィジカル面が唯一の弱点だが、巧みなボールコントロールで相手を翻弄する。U-22日本代表の親善試合では、ブラジル戦のゲスト解説を務め、的確な分析力を披露した。
駆の成長を見守り、彼が日本代表のユニフォームを着る日を心待ちにしている。理想的なプレーをすると喜ぶが、傑を彷彿とさせるプレーには不安を抱く。キャラクター人気投票では第1位を獲得し、その後の投票では第3位となった。

逢沢 傑(あいざわ すぐる)

CV:福山 潤、くまい もとこ(少年時代)、小林 由美子(幼少期)

駆の1歳上の兄であり、天才的なミッドフィールダー。鎌倉学館中等部のキャプテンで、U-15日本代表の10番を背負っていた。幼少期から日本代表に選出され、「日本サッカーの救世主」「日本の至宝」として将来を嘱望される存在であった。卓越した戦術眼を持ち、ドリブル・フェイント・パス・決定力のすべてにおいて高い技術を誇る。11歳にしてU-13日本代表に選出され、スペインで開かれた世界大会では得点王に輝いた実績を持つが、不本意な警告により決勝のブラジル戦への出場は叶わなかった。
「伝説のトップ下」と称されるほどの才能を持つが、それに驕らず努力を積み重ねる一方で、同世代の中で突出しすぎたため孤独を抱え、試合時のメンタルコントロールに苦しむこともあった。夢は駆や奈々、日比野とともに日本代表のユニフォーム「サムライブルー」を着てW杯優勝を果たすこと。そして自らのサッカーを「王様タイプ」と称し、理想のパートナー像であるエリアの騎士となる選手を探し求めていた。
しかし、15歳のときに交通事故に遭い、帰らぬ人となる。その心臓は瀕死の状態だった駆に移植され、彼の想いとともに受け継がれた。死後も駆の精神と同化するように現れ、江ノ島高校の試合で重要なプレーのヒントを与える。全国高校サッカー選手権大会決勝では、駆に「目指すサッカー」の答えを示し、その魂は浄化された。温厚で優しい性格で、ボール遊びや練習時には笑顔を絶やさない。駆の前では厳しい態度を取っていたが、実際には弟の才能を信じ、陰ながら見守り続けていた。キャラクター人気投票では第4位を獲得し、多くのプレイヤーに影響を与えた。

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