エリアの騎士(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『エリアの騎士』とは、原作:伊賀大晃、作画:月山可也による漫画およびそれを原作としたアニメ作品である。2006年から2017年まで『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載され、2012年にはアニメ化もされた。主人公・逢沢駆は、才能ある兄・傑の突然の死をきっかけに、新たな覚悟を持って成長していく。リアルな試合描写や心理描写、仲間との絆が魅力の青春スポーツ作品である。中学生編、高校サッカー編、五輪招致編を経てのJリーグ編と、駆の成長とともに、全国大会や世界への挑戦が描かれていく。

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海王寺 豪(かいおうじ ごう)

CV:原田 正夫

江ノ島高校の3年生で、ディフェンダー。背番号は「2」。統合前はSCに所属。
新生サッカー部では、正反対のタイプである堀川とコンビを組んでいる。環境の変化から織田や沢村とともに岩城の方針に一度離反を考えるが、近藤の説得と岩城の姿を見て感涙し、最終的に残留を決意する。
典型的なセンターバックで、強力なフィジカルを武器にする。オーバーラップからのミドルシュートや、コーナーキックでの前線参加なども行い、攻撃にも貢献する。
体を張った守備が特徴で、顔面ブロックを含む要所でのプレーでチームの危機を救う場面がよく見られる。
キャラクター人気投票では第16位を獲得。

紅林 礼生(くればやし れお)

CV:下野 紘

江ノ島高校の3年生で、ゴールキーパー。背番号は「18」。統合前は元FCに所属。
岩城の熱心な勧誘を受け、ユース昇格を断り江ノ島FCに入部する。
やや女ったらしな性格で、女性へのアプローチに積極的でナルシストな一面を持つ。最初は李を見下していたが、彼のストイックな心構えと姿勢に敬意を抱き、ライバルとしてポジションを争うようになる。
セービング能力に優れ、李からもその実力を認められている。
キャラクター人気投票では第12位を獲得。また、ベストイレブン投票ではゴールキーパー部門第2位を獲得。

李 秋俊(り あきとし/イ チュジュン/Lee Chu-Joon)

CV:三浦 祥朗

江ノ島高校3年生(卒業)、ゴールキーパー。背番号は「1」。統合以前は元SC所属。U-22韓国代表(背番号「1」)。
冷静だが、心の中では常に情熱を燃やす性格。中学時代には全国大会にも出場していたが、怪我で戦列を離れ、FCとSCの統合後に復帰。復帰当初は控えGKとして紅林を遠くから見守っていたが、チームの危機に自ら志願して出場機会を得、その後守護神の座を奪取。
その後は紅林とポジションを争う。選手権予選準々決勝の相模ヶ浦戦で負傷し、準決勝・決勝では欠場するが、本大会から復帰。幾度となく好セーブを連発し、特に3回戦の四日市実業戦や決勝の東京蹴球学園戦では、神憑り的なセーブを見せ、東京蹴球学園のレオナルド・シルバやリカルド・ベルナルディからは、「江ノ島高校の中で世界に最も近いのは李」と評される。
選手権後、母国韓国のソウルに入団し、U-22韓国代表にも選出された。クラブでの活躍が認められ、U-22日本代表戦でスタメンとして出場し、1失点で引き分けという結果を残す。
優れたボディバランスを持ち、ハイボールの競り合いでも負けることはなく、努力家でトレーニングを怠らない。怪我をしがちな自分を変えるため、フィジカルトレーニングを重ね、強靭なフィジカルとパワーを得る(沢村曰く、握力は100kg超え)。
また、四日市実業の遠野の手首のスナップを利用したボール回転技術も習得している。これらの姿勢は、紅林や他のチームメイトに無言の檄を与えている。
韓国代表での活躍を通じて、拳を握り締める描写も見られる。
キャラクター人気投票では第8位を獲得。ベストイレブン投票ではゴールキーパー部門第1位を獲得し、ベストイレブンに選出された。

岩城 鉄平(いわき てっぺい)

CV:三木 眞一郎

江ノ島高校サッカー部監督で、駆達のクラス担任教師(担当科目は国語)。統合以前は元FCの監督でありOB。
物腰は非常に柔らかくユーモラスな性格で、常に笑顔を浮かべているが、指導者としては厳しさを持ち合わせる。授業中にはサッカーネタを挟むことも多く、サッカー話が原因で授業が進まないこともある。選手たちにいじられることもあるが、それは敬意の裏返し。元FCメンバーからは「岩城監督(いわきちゃん)」と呼ばれている。
大学時代の仲間によれば、「遅れてきた天才岩城鉄平」。
江ノ島高校に在学中、近藤の方針に反発し、FCを立ち上げて選手兼監督として選手権出場に導く。当時はトップ下として名を馳せた。SCとの対抗戦後、才能を潰したくないという一心から近藤と和解し、10年ぶりに1つとなったサッカー部の監督に就任。サッカーへの情熱は信念ともいえるもので、サッカー部のための努力を惜しまない。
その姿勢は近藤や新体制に反発した沢村・織田・海王寺の心を打ち、信頼を得る。独特のフォーメーションやトラップ、心理作戦を駆使した戦術は、戦術眼に卓越した奈々をも感嘆させる。それに魅了された麻生とは酒を飲み交わす仲となる。
駆の心臓移植の事実を偶然知り、駆の才能の開花を願い、傑の面影を駆に求める峰の言動に反発。しかし、峰からは「現役時代の願いを駆に求めているのでは」と指摘される。
現役時代の実績から、神奈川県リーグ3部に所属する母校の控えチームではあるが、8対4の変則ミニゲームで勝利を収めるなど、選手としても相当な実力を持つ。大学時代はサッカーを続ける気は全くなかったが、高校時代に心肺機能を鍛え過ぎたことが影響して運動不足となり体調を崩す。これをきっかけにサッカー部に入部し、弱小チームを1部リーグ昇格寸前まで押し上げた。
大学卒業後はたまに練習に参加し、現役生と一緒に練習を行うことも。
江ノ島高校の新生サッカー部を率いているうちに、選手としての闘志が蘇り、選手権大会後に江ノ島高校の職を辞し、1部の横浜エルマーレスに入団。
入団後は、黄金ルーキーの鷹匠・飛鳥と共にエルマーレスが前半戦を首位で折り返す原動力となる。
キャラクター人気投票では第7位を獲得し、その後の2回目の投票では第9位となった。

近藤 正勝(こんどう まさかつ)

CV:西 凜太朗

江ノ島高校サッカー部顧問で、統合以前はSCの監督。
岩城が在学時からサッカー部監督を務めていたが、当時のキャプテンであった岩城との対立がサッカー部の分裂の発端となる。分裂後、岩城率いるFCに敗北し、その際、選手権に出場したFCに対して何らかの干渉を行ったことを後悔している。
駆が入学した時点では全国大会のみを見据え、レギュラーは自分がスカウトした選手で固め、確実に勝つために厳しい規律を敷いていた。しかし、FCとの対戦を通じて大切なことに気付き、岩城と和解し、SCを解散して新生サッカー部の顧問となる。
指導者としての器量は高いが、戦術や指導は主に岩城に任せている。一方で、規律やモラルを引き締める役割を担い、織田や沢村からは変わらず尊敬を寄せられている。
岩城が監督を辞任したことに伴い、監督に復帰。
キャラクター人気投票では第18位を獲得。

山梨 一郎(やまなし いちろう)

CV:阪口 大助

放送部の男子部員(アナウンサー)。自称「江ノ島高校の古舘」。サッカーに詳しく、実況が非常に上手いが、それゆえに福島の出番を奪ってしまう。
駆の「Φトリック」や高瀬の「江ノ島タワー」、江ノ島の全員攻撃「ビックウェーブアタック」などの命名者でもある。

福島 桃子(ふくしま ももこ)

CV:樹元 オリエ

放送部の女子部員(アナウンサー)。やや雑な面があり、メンバー紹介で選手の名前を呼び捨てで読んだり、読み間違えたりしていた。
山梨がよくしゃべるため、あまりしゃべらせてもらえない。そのため、時折自己紹介で自虐発言をすることもある。

校長

CV:岡 和男

アニメ版のみ登場。江ノ島高校の盛んな部活動を特徴として挙げた。

鎌倉学館

佐伯 祐介(さえき ゆうすけ)

CV:新垣 樽助

高等部1年生のミッドフィールダー、背番号は「6」。U-16日本代表(背番号は「12」)。
駆の同級生で無二の親友。中等部3年生の時にはキャプテンを務めた。早くから駆の素質(観察力や可能性)を認めており、彼がサッカーを辞めようとした際には深く失望。駆を試合に出すよう熊谷監督を説得しようとしたり、駆の心に火をつけさせるためのプレーを見せ続け、傑亡き後の駆の努力を誰よりも認めていた。進路は分かれたが、いずれ同じチームや日本代表で共にプレーすることを約束した。
中等部ではトップ下とボランチを兼ねてプレーしていたが、高等部では1年生ながらレギュラーを獲得し、不動のボランチとなる。創造的なゲームメイクと展開力で攻撃の起点となり、成長したシュート力で直接攻撃にも絡む。豊富な運動量、視野の広さ、相手攻撃の芽を摘む能力にも優れ、攻守に貢献。戦術理解力も高い。
U-15日本代表に招集され、U-16日本代表としてAFC、U-16選手権に出場し、日本を決勝戦に導いて準優勝の立役者となる。選手権予選後には日本高校選抜に選出され、優勝に貢献し、ドルトムントにサッカー留学を経験。留学先ではテクニックよりも未来を見通す力を磨き、味方に指示を出し、ピッチ上で相手選手やパスワークを操る術を習得。
2年生の高校総体では圧倒的な力で鎌倉学館を全国優勝に導き、その後ドルトムントへ移籍。シーズン終了後に日本の1部リーグチームにレンタル移籍。帰国後は荒木、若森と共に東京ジュニアーズ所属、ダブル司令塔として活躍し、「シャドーストライカー」としてリーグ一の得点力を見せる。
奈々に密かに想いを寄せ、オリンピックで優勝して告白するつもりだったが、準優勝で断念。代わりに1部リーグで優勝して奈々に告白する決意を駆に見せるが、湘南ブルーインパルスに敗れ、告白には至らなかった。しかし実際には中学の頃に振られており、駆の恋を応援しつつ、未練があることを認める。
ベストイレブン投票ではミッドフィールダー部門第2位を獲得し、ベストイレブンに選出された。その後に行われた2回目のキャラクター人気投票では第10位となった。

鷹匠 瑛(たかじょう あきら)

CV:中村 悠一

高等部3年生のフォワード、背番号は「10」。U-19日本代表、U-22日本代表(背番号は「11」)。
鎌倉学館高等部の不動のエースで、高校サッカー屈指のストライカー。国内外から多数のオファーが寄せられている。横浜のジュニアユース出身で、当時は飛鳥享と共にプレーしていた。練習試合で傑の世界レベルのプレーを目の当たりにし、彼とのプレーを希望して鎌倉学館高等部に入学した。
個人での突破力に加え、長身と下半身のバネを生かした3m近いジャンプでポストプレーもこなす。いかなる状況からでもゴールに向かって正確なシュートを放つ万能ストライカー。傑曰く「核爆弾(爆発すると手をつけられない)」。熱血な外見とは裏腹に、戦術分析が非常に得意でクレバーな頭脳の持ち主。
駆のプレーに対しては、傑が語った「エリアの騎士」としての才能や傑を思わせるプレーに一目置いており、未熟でありながらもその才能を認めている。
選手権予選後、世良と共にU-22日本代表に選出され、U-22韓国・ブラジル代表との親善試合に出場し、1得点を挙げる。卒業後は飛鳥、岩城と共に横浜エルマーレスに入団し、黄金ルーキーとして活躍が期待されている。
U-15日本代表から共にプレーする荒木とは、荒木が上下関係を蔑にしがちで良好な関係ではないが、その実力を評価しており、息の合ったプレーを見せることもある。
ベストイレブン投票ではフォワード部門第2位を獲得し、ベストイレブンに選出された。その後に行われた2回目のキャラクター人気投票では第7位となった。

国松 広実(くにまつ ひろみ)

CV:鈴木 千尋

高等部2年生のディフェンダーで、背番号は「4」。
傑と同学年であり、中等部時代には副キャプテンを務め、傑と共に練習メニューの作成やレギュラー選考を担当し、チームを統率していた。後輩の指導にも熱心で、チームメイトから慕われる存在である。
中等部時代には神奈川屈指の実力を誇り、高等部に進学後も県内トップクラスの実力者として名を馳せる。
主な役割はゴール前で相手の攻撃を封じるスイーパー。優れた体格とフィジカルの強さを活かしたマンマーク能力を持ち、鷹匠からは「生まれながらのスイーパー」と評される。
ストイックな努力家だが、少し抜けたところがあり、後輩の祐介と比べるとやや勉強は苦手なようだ。中学時代には駆のシュート精度向上をサポートしたものの、その結果シュートコースが読みやすくなるという副作用を生んでしまった。
ベストイレブン投票ではディフェンダー部門第4位に選ばれ、見事ベストイレブン入りを果たしている。

9splism12
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@9splism12

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