粟坂二良（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

粟坂が虎杖達と戦う最中、突然過去の回想が入る。

粟坂は呪術を用いて好き勝手に生きていた。年々呪霊の動きが活発になり、呪術師達は呪霊への対応で手一杯。粟坂やオガミ婆のような呪詛師はうまく立ち回れば何にも縛られずに自由に金を稼ぐことができた。そう、粟坂達は自由に生きてきたのだ。人を殺すことを生業とし、人を殺す技術の向上には人の体の仕組みを知るためがあるとしてまた人を殺した。非術師にはない力を悪用し、弱者を蹂躙して生きてきたのだ。

1989年12月7日。御三家の一つ、五条家に一人の赤ん坊が生まれた。五条悟である。五条家の特異体質「六眼（りくがん）」を持つ子供。五条悟の存在が公になったのがいつのことかわからないが、五条悟は幼くしてトータル億を超える賞金が賭けられた。特定への誰かの依頼ではなく、五条悟を最初に殺すことができればその大金は自分のものになる。まだ年端もいかない子供一人殺すだけで大金持ちになれるのだ。粟坂はターゲットに五条悟を定め、その様子を見に行った。今まで散々弱者を蹂躙してきた。今回も同じ。そのはずであった。

しかし粟坂はまだ子供の五条悟と出会い、考えを改める。遠くから少し様子を伺おうと思って見ていただけなのに、五条悟には粟坂の居場所がわかっているようだった。「六眼」に魅入られ、粟坂は悟る。弱者は自分のほうであったと。そして年々呪霊の動きが活発化する原因もまた五条悟であると理解した。五条悟というとんでもない化け物が生まれてしまったことで、世の中のバランスが変わってしまったのだ。粟坂を始めとする呪詛師達はそれから身を潜めるようになる。五条悟に目をつけられれば終わりだからだ。

粟坂は自由に生きてきた。これからも自由に生きるはずだった。しかし晩年にして五条悟に全てを奪われたのだ。

虎杖悠仁・伏黒恵との決着

粟坂はなおも虎杖と伏黒を圧倒する。今はもう自分よりも弱者の立場である二人に攻撃を叩き込みながら、「俺は生涯現役！！死ぬまで弱者を蹂躙する！！」と心の中で叫んだ。それに粟坂は喜びを感じていた。

伏黒は攻撃を喰らいながら粟坂の術式について考えていた。最初は攻撃の「無効化」かと読むが、すぐにそれが間違いだと気付き、粟坂にカマをかける。「五条悟が渋谷に来てる！！さっさと " 帳 " に基を置いて逃げたらどうだ！！」と伏黒は言うが、粟坂は動揺する様子もなく、「くっくっくっ、ハッタリが下手だな。『五条悟は封印された』 オマエ達が言ったんだぜ、デカイ声でな」と笑った。そして「五条が元気なら家で寝てるわ」とも言う。その粟坂の言葉で伏黒は粟坂の術式に当たりをつけた。攻撃を「無効化」するような強力な術式なのであれば、粟坂が五条を恐れる必要はない。しかし今の粟坂の発言から、粟坂の術式では五条悟には勝てないということがわかった。

伏黒は自分の考えが当たっているかどうかを確かめるために、術式「十種影法術」で式神・脱兎（だっと）を呼び出す。脱兎は攻撃用の式神ではなく、主に陽動のための式神である。単体の攻撃力は低いが、一度の召喚で何十匹もの兎を呼び出すことができるのだ。脱兎は粟坂に向かっていく。そしてその内の一匹が粟坂の左肩を掠めた。攻撃力の低いはずの脱兎とぶつかっただけなのに、粟坂は煩わしそうに顔を歪めたのだ。そうして伏黒は自分の考えが間違っていなかったことを知る。

伏黒は粟坂の術式が「あべこべ」であることを見抜いた。虎杖の攻撃よりも弱かったはずの自身の攻撃のほうが効いていたことや、攻撃力の弱い脱兎の群れの中からすぐに出ようとしないこと、さらに41階の高さから落下したにも関わらずダメージがないということ。これらを総合して考えると、粟坂は自身への攻撃の強弱をあべこべにしているということに行き着く。

伏黒は自分達が粟坂の術式の仕組みに気付いたことを気取られないよう、粟坂に対して虎杖と全力の攻撃を続けた。まだ自分の術式が見破られたと思っていない粟坂は、ほくそ笑みながら交戦を続ける。伏黒達がやる気を出せば出すほど、粟坂が有利になっていく。そして粟坂はその先にある自身の勝利を確信していた。

しかし粟坂は不意に脇腹に強烈な痛みを感じる。伏黒達の本気の攻撃に混じって、蝦蟇（がま）の舌による弱い打撃攻撃がされていたのだ。この蝦蟇は伏黒の術式「十種影法術」の式神の一つである。脱兎同様攻撃力はそんなに高くない。粟坂は伏黒達からの打撃攻撃に対応するため「あべこべ」を発動していた。だから不意に打ち込まれた蝦蟇の弱打の威力があべこべになり強打となって打ち込まれたのだ。

そこから伏黒達の快進撃が始まり、粟坂は追い詰められていく。「この程度で調子に乗るなよガキ共ォ！！」と粟坂が叫んだその時、背後からおぞましい気配を感じた。虎杖が今まさに粟坂に渾身の一撃を打ち込もうとしていたのだ。粟坂は咄嗟に術式「あべこべ」を発動する。しかし顔面に打ち込まれるかと思われた虎杖の強打は既のところでピタッと止まり、間髪入れずに「コツ」という控えめな効果音と共に虎杖の拳が粟坂の顔面に触れた。粟坂が術式「あべこべ」を発動していたせいで、その弱打が何倍もの威力にもなって粟坂を襲う。粟坂は吹き飛ばされて意識を失った。

命までは取られはしなかった粟坂だが、その後どうなったのかは明かされていない。

粟坂二良の関連人物・キャラクター

オガミ婆（おがみばば）

偽夏油／加茂憲倫／羂索に与する呪詛師の一人。粟坂二良同様、呪術を用いて人を殺すなどの凶行を繰り返しており、それによって金銭を得て自由に暮らしていた。しかしこれも粟坂同様、五条悟という最強の呪術師爆誕により、呪詛師として好き放題できなくなり鳴りを潜めていた。自分から自由な暮らしを奪ったとして五条に恨みを抱いており、自分の力量では五条を殺すことができないので、偽夏油らに力を貸したと思われる。

術式／生得術式「降霊術（こうれいじゅつ）」の使い手であり、自身や他者を霊媒に死者の情報を現世に降ろすことが可能である。降ろすことのできる情報は魂の情報と肉体の情報と2種類あるが、魂の情報まで降ろすとその降ろした人物の魂のほうが霊媒より勝っていた場合制御ができなくなるリスクがある。そのためオガミ婆自身が降ろす情報は「肉体の情報だけ」というルールを自身に課し守っている。また「降霊術」を使うには降ろしたい人物の体の一部が必要であり、霊媒となるものはそれを飲み込む必要がある。さらにデメリットがまだあり、術式の発動に時間がかかり、発動するまでの間、術者であるオガミ婆が完全に無防備になる。そのため自分を守護する人間の存在が不可欠だ。死者の情報を現世に降ろすという世の理を外れた術式なだけに課程が複雑であり、デメリットも多い。

渋谷事変では粟坂と共に「嘱託式」の " 帳 " の楔を渋谷Sタワーの屋上で守る役目を担っていた。そしてその楔を破壊するために屋上にやってきた2級呪術師・猪野琢真と戦闘になる。これに対しオガミ婆は自身の孫である男性に伏黒甚爾（ふしぐろ とうじ）／禪院甚爾（ぜんいん とうじ）の肉体情報を降ろして対抗。オガミ婆の孫は甚爾の人間離れした力を手に入れ、猪野を圧倒し戦闘不能にした。しかし甚爾の肉体がオガミ婆の孫の魂を圧倒。甚爾を制御できなくなったオガミ婆はそのまま甚爾に殴り殺されたと思われる。

オガミ婆（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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オガミ婆（おがみばば）とは、『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『呪術廻戦』の登場人物。呪術を悪用し、世の理を乱す呪詛師という人間の一人である。
偽夏油／加茂憲倫／羂索に与する呪詛師であり、自身や他者を霊媒に死者を現世に降ろす「降霊術」の使い手。ひさし髪に着物、足元は足袋と少しだけ底の厚い草履を履いている。明治や大正を思わせる和装に身を包んでいるが、男性アイドルヲタクという意外な一面もある。渋谷事変で降霊させた伏黒甚爾／禪院甚爾が暴走し、殺された。

五条悟（ごじょう さとる）

呪術高専東京校の1年生の担任をしており、日本に4人しかいない特級呪術師の内の一人。現代最強の呪術師の異名を持ち、その実力は自分だけの力で日本国民全員を殺せるレベルだと言われている。呪術界のエリート家系・御三家の一つである五条家の当主であり、五条家の人間に稀に発現すると言われる特異体質「六眼」と、相伝の術式「無下限呪術」の両方を持って生まれたまさに選ばれし者。

粟坂二良が大好きな弱者の蹂躙ができなくなった最大の理由がこの五条悟いう存在である。いつごろ五条の存在が世間に公になったのかは不明だが、五条は幼くして裏の世界でトータルで億を超える金額の賞金を賭けられて呪詛師達に命を狙われていた。しかしその圧倒的な力を前に手を出してくる呪詛師はいなかった。粟坂は五条が生まれた当時年々活発になる呪霊達の原因が五条であると推察しており、五条というとんでもない力が世に誕生したため、世界の力の均衡が崩れたとまで言っている。五条の力はそれほどまでに絶大なのだ。

渋谷事変では、五条封印を目的とした偽夏油らの罠にハマり、特級呪物「獄門疆」に封印される。普通の精神の持ち主であれば、「獄門疆」の中で続く悠久の時の中で精神が崩壊し自ら命を断つ者がほとんどだが、何でも規格外の五条は「獄門疆」の中で助けが来るのをゆっくり待つ姿勢で余裕を見せていた。

五条悟（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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五条悟（ごじょう さとる）とは、『呪術廻戦』の登場人物で、日本に四人しかいない特級呪術師の一人にして自他ともに認める「最強の呪術師」。特級呪術師の中でも別格の実力者である。
作中屈指の実力者たちをまとめて相手にしてなお圧倒するほどの恐るべき戦闘能力の持ち主で、存在そのものが呪術界のバランスを成すジョーカー的存在。特級呪霊・宿儺の宿主となってしまった主人公虎杖悠仁を、東京都立呪術高等専門学校に誘った張本人で、同校では教師を務める。呪詛師として暗躍する夏油とは、かつては親友の間柄だった。

虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）

呪術高専東京校の1年生。『呪術廻戦』の主人公である。類稀な身体能力を持つ以外は普通の男子高校生であり、宮城県の杉浦第三高校に通っていた。しかしある時特級呪物「両面宿儺の指」を飲み込み、自身に呪いの王・両面宿儺（りょうめんすくな）を宿すことになる。その力を御するための技術を学ぶため、呪術高専東京校へと転入した。

自身の祖父・虎杖倭助（いたどり わすけ）の遺言「オマエは強いから人を助けろ。」という言葉に従い、人々を正しい死に導くことを信念にしている。また明るくて人懐っこい性格をしており、誰にでも気さくに話しかけ打ち解けるコミュニケーション能力天元突破の少年。優しい性格であり、虎杖自身もまた疑いようのない善人である。ひょんなことから呪術師を目指すことになり、同級生の伏黒恵、釘崎野薔薇（くぎさき のばら）と共に日々切磋琢磨している。

渋谷事変では最初1級呪術師・冥冥、その実弟の憂憂（ういうい）と共に青山霊園で待機していたが、状況が変わり明治神宮前駅に降りた " 帳 " の破壊に向かう。その時「嘱託式」の " 帳 " の存在を知った。その後冥冥らと別れ、ミニメカ丸の指示に従い渋谷へと移動。七海建人、猪野琢真、伏黒恵と合流し、七海を除く三人で今度は渋谷に降りた「嘱託式」の " 帳 " の破壊の任務につく。そこで伏黒と共に粟坂二良と戦闘を繰り広げ、一人時間差攻撃で粟坂に勝利した。

虎杖悠仁（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）とは、『呪術廻戦』の主人公で、その身に“呪いの王”両面宿儺を宿す少年。
宮城県の学校に通う高校生で、陸上の世界記録を軽々と更新するほどの驚異的な身体能力を誇る。心霊現象研究会に所属していたが、ある日仲間を救うため特級呪物をその身に取り込み、両面宿儺と肉体を共有するようにる。その力を御する術を学ぶため東京都立呪術高等専門学校に転入し、最強の術者である五条悟の下、両面宿儺の力を狙う呪霊たちと戦いを繰り広げながら、同級生の伏黒恵、釘崎野薔薇らと共に呪術師を目指していく。

伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）

呪術高専東京校の1年生。2級呪術師であったが、渋谷事変前に1級に推薦され、昇級査定の最中である。
性は伏黒であるが、父親が呪術界のエリート家系・御三家の一つの禪院家の出身であり、伏黒にもその血が流れている。禪院家の分家にあたる血筋であるが、禪院家の持つ相伝の術式の中でも歴史が古い「十種影法術」を受け継いでおり、宗家よりもよほどできが良い。頭も良く、クールな性格なので、戦況を冷静に判断し、相手の能力を分析することにも長けている。

中学時代に義理の姉である伏黒津美紀（ふしぐろ つみき）が呪いに倒れ昏睡状態に陥ったことをきっかけに、本格的に呪術師を目指すことを決意する。津美紀のように疑いようのない善性を持つ人間が不幸になることに憤りを感じており、「不幸が無差別に降かかるのなら、救いの手もそうあるべきだ」と考えている。そのため「不平等に（自身が助けたいと思った）人を助ける」ことを信念に置いて行動している。その救いたいと思う人間の中には主人公の虎杖悠仁も含まれており、本来なら特級呪物「両面宿儺の指」を飲み込んだ時点で死刑が執行されるべき存在の虎杖を救うため、恩師である五条悟に虎杖を救いたい旨を懇願している。

渋谷事変では七海建人と猪野琢真と共に東京メトロ渋谷駅13番出口側に配置され、共に行動していた。” 帳 "の中に突入後、五条が封印されたと渋谷で大声で叫んでいる虎杖を見つけ合流。七海の指示で猪野、虎杖と三人で「嘱託式」の " 帳 " の破壊の任務につく。虎杖と共に粟坂二良と戦うことになり、状況から粟坂の術式が「あべこべ」であると見抜いた。術式「あべこべ」を突破するための方法を即座に思いつき、虎杖に指示。最終的に粟坂を倒したのは虎杖であったが、伏黒の頭脳がなければ成し得ることはできなかった。

伏黒恵（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）は、『呪術廻戦』の登場人物で、呪術の名門禪院家の血筋を引く麒麟児。東京都立呪術高等専門学校の一年生にして二級呪術師の資格を有し、主人公虎杖悠仁とはクラスメイト。
一見するとクールで真面目な優等生ながら、内には激しい情動を秘める。善人だった姉が呪いによって倒れたことが呪術師を目指す動機となっており、最強の呪術師五条悟に師事する。自身を救うために特級呪霊両面宿儺の宿主となった虎杖を庇い、彼の善性と呪術師としての潜在的な才能を信じて、宿儺の力を求めるあまたの敵と戦っていく。

粟坂二良の名言・名セリフ／名シーン・名場面