粟坂二良（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

「俺は生涯現役！！死ぬまで弱者を蹂躙する！！」

呪詛師・粟坂二良の好きなことは「弱者を蹂躙すること」である。五条悟というとんでもない化け物呪術師が誕生する前は、呪術を悪用して自由に生きていた。人を殺すのが生業なのだから人体の仕組みは知っておいたほうがいいと、生身の生きた人間で実験するなど、残酷な所業を重ねる。それに対する罪悪感は欠片もなく、呪術師達が年々活発になる呪霊の相手で手一杯なのをいいことに自由にワガママに生きてきたのだ。

その楽しかった日々は五条の爆誕により突然終わりを告げられる。五条に目を付けられないように鳴りを潜めるしかなくなった粟坂は、大好きな「弱者を蹂躙すること」ができなくなった。そしてそれは五条のせいであり、「晩年にしてその自由を奪われた」と五条に恨みを抱いていた。

どういう経緯で勧誘を受けたかは不明であるが、粟坂は偽夏油／加茂憲倫／羂索に協力して、五条を封印するために働く。そして渋谷で大声で叫ぶ虎杖の言葉から、本当に五条が封印されたことを知った。自分よりも格下、弱者と思しき虎杖悠仁と伏黒恵を戦いの中で追い詰めていくことで、昔感じていた「弱者を蹂躙すること」の楽しさを思い出す粟坂。戦いの中で心の中で力強く呟いたセリフが、この「俺は生涯現役！！死ぬまで弱者を蹂躙する！！」だ。このセリフからは本当に「弱者を蹂躙すること」が楽しくて仕方がないといった粟坂の心情が読み取れ、それを生き甲斐にしていることがわかる。考え方、思想はクズとしか言いようがないが、悪役ならではの信念を感じることができる名セリフだ。

粟坂二良の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

粟坂二良のモデル・元ネタは逆さ絵

粟坂二良というキャラクターのモデル・元ネタは逆さ絵であると、作者の芥見下々が『呪術廻戦 公式ファンブック』で明言している。

逆さ絵とは、上下絵（じょうげえ）またはだまし絵ともいう。絵画のジャンルの一つであり、日本では遅くとも江戸時代後期には存在していたと言われている。現代では人の顔だけでなく、さまざまな逆さ絵があり、心理学の分野などでも利用されている。だるまのような粟坂の顔はこの逆さ絵がモデルになっているとのことだ。

粟坂二良の本当のモデル・元ネタは『BLEACH』の兵主部一兵衛である説

一部の読者の間では粟坂二良の本当のモデル・元ネタは、『BLEACH』に登場する兵主部一兵衛（ひょうすべ いちべえ）なのでないかと言われている。

『BLEACH』は漫画家・久保帯人（くぼ たいと）が描く日本のバトル漫画。2001年から2016年の約15年間連載をしていた超人気漫画であり、TVアニメ化、劇場版アニメ映画の制作はもちろん、小説化、ゲーム化、ミュージカル化、実写映画化など幅広く展開した作品だ。2021年には『BLEACH』生誕20周年を記念した読み切りが『週刊少年ジャンプ』2021年36・37合併号に掲載され話題にもなった。

兵主部一兵衛（ひょうすべ いちべえ）はその『BLEACH』の最終章・千年血戦篇（せんねんけっせんへん）に登場した死神である。霊王という存在を守る王属特務・零番隊（ぜろばんたい）のリーダーを務めており、『BLEACH』の中でも最上位クラスの強さを誇るキャラクターだ。粟坂二良に似ていると言っても、兵主部一兵衛は愛嬌のある顔をしているので雰囲気に違いがある。しかし禿頭や太い眉毛、ボリュームはだいぶ異なるが黒い髭など類似箇所が多々ある。

とくにこの兵主部一兵衛の「殺すか」という物騒な発言をするシーンは、粟坂二良が「やる気がないならそろそろ殺すが？」というシーンにも重なるという読者もいる。